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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 起床した御堂がリビングに向かうと、其処にはキッチンに立って
朝食を作っている克哉の姿があった。
 すでにシャワーを浴びているらしく…さっぱりとした感じで清潔な
ワイシャツとスーツズボンを身に纏っている。
 もう、付き合い始めて半年以上が経過している。
 今ではこの光景も見慣れた…日常の一部となっているが、昨晩…
指輪を贈ったせいか、今朝は少しいつもと違うように感じられる。

(…私の為に朝食を作ってくれている姿も、可愛いものだな…)

 今の御堂の心境はまさに「眼に入れても痛くない感じ」だ。
 まさに7歳年下の恋人にメロメロメロな状態。
 ちょっとした仕草や…表情一つとっても愛しくて、胸が詰まりそうに
なるぐらいだ。
 そのぐらい…大切に思っていなければ、同性に指輪を贈るなんて
真似は絶対にしなかっただろう。
 ジーと熱い眼差しを向けていきながら、その後姿を見守っていくと…
ようやく克哉がこちらの視線に気づいたらしい。
 ゆっくりと、振り向いて…こちらの姿を発見していくと…花が綻ぶ
ような愛くるしい笑顔を向けて来た。

「あ、孝典…さん。おはよう、ございます…」

 ドッキン!

 ほんの少し、頬を染めながら恥じらいを含んだ表情で微笑まれて…
年甲斐もなく御堂の心臓は高鳴った。

「あ、あぁ…おはよう。克哉…今朝も私の為に、朝食を作ってくれて
いるんだな…ありがとう」

「い、いえ…オレが好きでやっているんですし…あ、すみません。ちょっと
そろそろ目玉焼きが頃合いなので、そっちに集中します…」

「いや、気にしなくて良い。私の方は…机の上でも拭いておこう」

「はい、お願いしますね…」

 そう、後ろを向きながら…告げていくと、克哉はフライパンから中皿の
上へと目玉焼きを移す作業へと集中していった。
 手際良く作業する後姿を見ていると、つい悪戯したくなる衝動に
駆られていく。
 彼に気取られないように…ソウっと後ろに忍び寄っていくと…克哉が
ガスコンロの上にフライパンを置いて、1~2秒経った頃ぐらいに…
ふいに背後から抱きすくめていった。

「うわっ!」

 今、作業に集中してそちらに意識が行っていたおかげで…克哉は
不意打ちされる形になっていた。

「…随分と精が出るな。君がそうやって…私の為に頑張ってくれている
姿を見ると…嬉しくて、朝から元気が出てくる…」

「そ、そんな大げさな事なんかじゃ…ないです、から…。オレだって…
貴方が、喜んでくれるなら…これ、くらい…んっ…」

 克哉が最後まで言い終わる間もなく…そっと静かに唇が重ねられていく。
 触れる程度の軽い口付けでも、その部位から…ジィンという甘い痺れが
ゆっくりと走り抜けていった。
 御堂は背後から愛しい恋人を抱きすくめたまま…そっと優しく髪と
項の部位を撫ぜていって…指先で確認していく。
 そのまま…調子に乗って唇の輪郭を舌先で辿っていくと…。

「あっ…ん。孝典さん、ダメです…。これ以上されたら…多分、朝食を
一緒に食べる、処じゃ…なくなり、ますから…」

「…朝食よりも、君を先に食べたいって言ったら…どうするつもり、
なのかな…?」

 その甘い戯れの一言は、耳元で囁いていってやる。
 恋人からの誘惑の言葉を…熱い吐息交じりに感じて、克哉の肩が
フルフル…と小さく小刻みに震えていった。

「…ん、意地悪…しないで、下さい。せっかく…暖かい朝食を、貴方に…
食べて貰いたくて、作った…のに…」

「…すまないな。君が可愛すぎるから…つい、虐めたくなる…」
 
 ちょっと拗ねたように唇を尖らす年下の恋人をなだめていくように…
御堂は米神に小さくキスを落としていった。
 そのままチョン、と唇にも小さくキスしていくと…やっと機嫌が少し
治ったようだった。

「…もう、孝典さんったら…困った人、ですね…」

 そう言いながら克哉が、唇を重ねてくる。
 それは羽のようにフワリと柔らかいキスだった。

「朝食…一緒に、食べましょう?」

 そう言いながら…軽く瞳を細めて告げてくる。
 御堂にとってはそんな仕草一つ一つが…今朝は一層、可愛らしく感じられて
断わる事なんて出来ない。

「そうだな…君が私の為に作ってくれた朝食を馳走するとしよう…」

 そうしてギュっと恋人を抱きしめてから身体を離して…御堂は朝食の
準備を手伝い始める。

―今朝は、そんな日常のワンシーンの一つ一つが…いつも以上に
眩しく、大切なもののように感じられていた…


 

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ヲイヲイ・・・
「もう孝典さんたら・・・・困った人ですね・・・」何でしょうこれは・・・笑 もうバカップル大爆発ですね~~でも、これぐらいが良いんでしょうね~~~読んでいて、顔がほころんでしょうが無いです・・・バカップル万歳~~~~もっとやって~~~♪
taamama 2008/11/19(Wed)10:30:07 編集
ツッコミどうもv
taamamaさんお久しぶりです~。そして今連載中の二人のツッコミの方、どうもありがとうございます~。
 実は書いているほうも二人の余りのバカップルぶりに…顔が綻びかけておりますw
いかんせんこの「幸せの証」は御克の新婚話に値する話なのですから糖度が高くて当然なのです! ですから歯が溶けそうなぐらいに甘い気持ちに是非浸ってやって下さいませ。ちょっとドタキュンも混じりますが…多分、全編こんな感じで進んでいきます。
どうかお付き合い下さいませ。また気軽に来てやって下さい。ではでは~v
香坂 幸緒 2008/11/24(Mon)16:35:29 編集
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香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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