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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 ―お互いの舌先が淫靡に絡み合っている

 クチュクチュ…という水音が二人の脳裏に響き渡っていく。
 その度に怪しい痺れが全身を走り抜けていって…欲情がじっくりと
胸の奥から湧き上がってくるのが判った。
 気持ちを確認し合って正式に付き合い始めた日から、欲しいという
想いは日増しに加速していって。 
 だから今…彼らの指には、その証である指輪が光っている。
 昨晩も深く、愛し合った。
 そして朝食を終えた直後のキッチンという場所で…まるで熱々の新婚
夫婦であるかのように…二人は、その場で愛を交し合っていった。

「…克哉」

 甘い声で、相手の名前を呼んで行きながら…ゆっくりと衣服を
引き下ろし始めていった。
 御堂の目の前に引き締まった形の良い臀部が露になる。
 克哉はシンクの縁の部分に手を添えてその身体を支えて…こちらを振り返っていた。
 かなり不安定な体制だ。だがそれが逆に…こちらの興奮を強く煽っていく。
 頬を染めながら荒い吐息を漏らし、濡れた眼差しを浮かべている恋人の
姿は、それだけでゴクリと息を呑むぐらいに艶かしかった。
 御堂はゆっくりと…克哉の臀部に、先端を押し当てていく。

「あっ…はっ…焦らさないで、下さい…」

「ふっ…聞こえ、ないな…」

 アヌスの縁の部分に…ペニスの先端をゆっくりと押し込むような形で先走りを
ネチネチと擦り付けていった。
 その度に期待するように克哉の背筋がビクビクと震えていく。

「ふっ…うっ…意地悪、しないで…孝典、さ、ん…」

 うっすらと涙を浮かべて、懇願する姿すら愛しい。
 だが…御堂は愉しげに微笑んでいくと…克哉のペニスにゆっくりと手を
回して、前も刺激を始めていった。
 すでにこんな体制になっているので…克哉の性器もまたはち切れんばかりに
硬く張り詰めてしまっている。
 それをクチュクチュ…と音を立てながら弄っていくと、克哉が耐え切れないと
ばかりに…全身を戦慄かせていった。

「克哉…君は、本当に…可愛いな…。私に少し触れられるだけで…
いつだって、こんなに感じて…」

「はっ…んんっ…! お願い、ですから…言わない、で…あっ…」

「…そろそろ、大丈夫そうだな。君は…もう、いやらしく私の事を根元まで
飲み込んで、絞ってくれる事だろう…」

「そ、んな…あっ…ん…」

 ようやく…御堂が前も後ろも同時に攻め上げながら…克哉を追い詰めて
いく事に終止符を打とうと…ペニスを押し込み始めると…蕩けそうな甘い声が
喉の奥から零れ始めていく。
 待ち望んでいた衝撃がやっと訪れる予感がして…克哉がその背中を
歓喜で震わせていくと…。

―その瞬間、克哉のポケットから携帯電話の着信が鳴り響いた

 克哉は、仕事上…携帯電話は必須になって来ている。
 そのおかげで最近はプライベートの間でも、つい…携帯電話を
肌身離さずか、すぐ手に取れる距離に置く習慣が身について
しまっていたのだ。
 それが今、この瞬間では仇になってしまっていた。

 御堂の顔が、そのメロディを耳にした途端に…青筋が浮かんでいくのが
気配で感じられた。
 それを後ろ向きの状態でも咄嗟に気づいてしまった克哉は…
慌ててその電話を通話ボタンを、反射的に押してしまった。

(しまった…思わず、取っちゃった…)

 何故ならば、この携帯着信音の設定は…営業八課に属する仲間用、
そして主に本多から掛かっている時の合図に等しかったからだ。
 正式に御堂と交際してからも…本多は頻繁に克哉に電話してきて、
否…御堂の神経に時に触るぐらいに積極的に愛しい恋人を飲みや
食事に誘ったりして来ているのだ。
 克哉も…それで御堂が最近、独占欲丸出しでイライラしている事を
知っているので…つい、反射的に取ってしまったのだが。

―間違ってもこんな体制である事を…本多に悟られたくはなかった

(ど、どうしよう…こんな、体制で…)

 克哉が心底困惑して、第一声を発せない状態に陥ると…その向こうから
実に腹が立つぐらいに明るい声が聞こえていった。

『よう! 克哉…今、平気か?』

「あっ…うん…」

 本気でどうしようかと迷って、生返事をしてしまったのだが…向こうはそれを
了承の言葉と受け取ってしまったらしい。
  自分のすぐ背後で御堂が物凄い怒りオーラを漂わせてしまっているのが
ビリビリと伝わってくる。
 さっきまでの甘い空気が一辺して、まさに一色触発の状態だった。

―私と愛し合っている最中に…克哉に電話掛けてくるとは
いい度胸だな…本多…

 確かに休日の朝九時という時間帯なら、電話を掛けて来てもおかしくは
ない時間帯かも知れない。
 しかしあの男は、週末は克哉は自分との約束を優先してずっと断わって
いるにも関わらず…懲りずに誘ってくるから真剣に御堂の神経を
逆撫でしていたのだ。

(お願いだから…気づかないで、くれ…)

『今、大丈夫なら…誘わせてもらっても良いかな? 今朝起きたら
凄くカレーを食べたい気分になったから…また、例の丸ごとカレーを
沢山作ったんだ。良かったら食べていくか、持って行くかしてくれないか?
まあ、お前が平気だっていうのなら…そっちのアパートに鍋ごと
持って行っても良いしな…』

「あ、の…本多、御免。今日は…ちょっと…ダ、メなんだ…んあっ…!」

『っ!? 克哉、どうしたんだ…!?』

 ふいに漏らした克哉の声に、本多も怪訝そうに問いかけてくる。
 本当は声を漏らすべきではなかった事ぐらい判っている。
 だが…どうしても、抑えられなかった。
 何故ならそれは…。

―御堂が、根元まで性器を克哉の中に押し込んでいったからだ…

 内部に、恋人が存在しているのが判る。
 それで怪しく…己の内部が収縮をしているのも…。
 唯一の幸いは、御堂が押し入って来ただけで…敏感な場所を他に
弄られたり、快楽を引き出されたりはしていない事だった。
 だから…身体の奥は疼いて熱くなっていたが…まだ、辛うじて理性の
ようなものは残されていた。
 さっきまでの新婚のような甘くて蕩けそうな空気はどこへ行ったのか…。

(ど、どうにかして…この場は、言い繕わないと…)

 この気が狂いそうな状況下…克哉は、必死になって…辛うじて残っている
理性を掻き集めて、この場をどうするかを…考え始めていった。
 

 

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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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