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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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―大切な人から、それを受け取った朝は…世界が輝いて見えた

 佐伯克哉は、キラキラと光る朝日を受けながら…ゆっくりと意識を覚醒
させていった。
 今朝は…気持ちの良い朝で、窓の向こうには白く輝く見慣れた光景が
広がっている。
 御堂のマンションで、こうやって週末の朝に目覚めて…この眼下の景色を
眺めるにもそろそろ慣れて来たのだが…今朝は、また…違って感じられた。

(これを…孝典さんから、受け取ったおかげかな…)

 克哉は寝ぼけ眼で、そっと自分の指に嵌められているプラチナリングを
眺めていった。
 その小さな、されど確かな御堂からの想いの証を見つめながら…克哉は
幸せそうに微笑んでいく。
 御堂を想っていると自覚したばかりの頃は、こんな物をこの人から
贈られる日が来るなんて…想像した事もなかったから―

「どうしよう…一晩経った後でも、夢みたいだ…。凄く、嬉しい…」

 そっと大切な物に触れるかのように、愛しげに指輪を…指で辿って
確認していった。
 克哉のすぐ傍らには、御堂が安らかな寝息を立てて静かに眠っている。
 一緒の会社に働くようになってからも…御堂の多忙なスケジュールは
相変わらずで、愛し合った翌朝はこうやって泥のように眠り続けているのも
珍しくなかった。

(孝典さん…良く寝ているな。…いつもいつも、こんなに深く眠りこけてしまう
ぐらい疲れているのに…毎回あんなに激しく、オレを抱くんだもんな…)

 つい、昨晩の情事の記憶を思い出してしまって…ボっと頬が赤くなるような
想いがした。
 昨日の夜の、優しい瞳をしながら…この指輪を贈ってくれた時の愛しい人の
顔が鮮明に脳裏に浮かんでいった。
 たったそれだけで…克哉の胸に、じんわりと幸せな気持ちが浮かんでいく。

―この小さな指輪一つに、幸福がいっぱい詰められているような気がした。

 克哉は…ゆっくりと御堂の方に顔を寄せていくと、その唇に小さくキスを
落としていく。
 今の御堂は、彼の前では警戒心を解いているから…これくらいじゃ眼を
覚まさない事を知っている。
 触れるだけの口付けはとても長く…それだけでも、克哉の心を甘く
満たしていった。

「孝典、さん…大好き、です…」

 きっと眠っている相手には今は届かないけれど…この胸に溢れる想いを
静かに告げていって、その紫紺の髪を愛しげに撫ぜていった。
 愛しい人が傍にいてくれる。
 それがこんなに幸せだったと…この人に逢うまで、克哉は実感した事は
なかった。
 同じ布団にこうやって一緒に包まって寝て…朝を迎えていく。
 以前、無理やり…脅迫まがいの手段で関係が始まったばかりの頃は…
この人とこのように甘い関係になるなんて、予測した事もなくて。
 だからこそ…今、この瞬間の幸福は、本当に夢のようにさえ感じられた。

「…ん、克哉…」

 そう呼ばれた瞬間、ドキリとした。
 もしかして気持ち良さそうに寝ている御堂を起こしてしまったのだろうかと
肝が冷えたが…どうやら、少し経ってうわ言で呟いているだけだと判明していく。
 
「…何だ、寝言で…オレの名前を、呼んだだけか…」

 その事実に気づいて、克哉はほっとしていく。
 ただでさえ…自分の自慢の恋人は、忙しくて疲れているのだ。
 気持ち良さそうに眠っているのならば…絶対に邪魔したくない。

(このまま一緒の布団に入ったまま…寝顔を寝ていたら、絶対に孝典さんの
眠りを妨げちゃうよな…)

 もうすでに冬は過ぎて…暖かい季節を迎えている頃とは言え…朝方は少し
冷えるから一緒の布団に入っていると、フワフワしてあったかくて気持ち良かった。
 けれどきっと…こちらがすぐ傍でモソモソと動き続けていたら、御堂を起こして
しまうだろう。
 そう判断して…克哉は、そっと慎重に布団から這い出ていく。
 その時、自分が全裸で何一つ身に纏っていない事実が…酷く、恥ずかしくて
照れくさかった。

「あっ…これ…」

 自分の手首から、胸元。腹部や太股に至るまで…眼に見える範囲の場所
だけでも大量の赤い痕が散らされている事に気づいていった。

(うわ…っ! そういえば孝典さん、昨日はいつもにも増して…オレにキスマークを
つけまくっていたよな…)

 その記憶を思い出して、あっという間に克哉の顔が真っ赤に染まっていく。
 この赤い痕の一つ一つが、御堂の克哉への執着の証のようなものだ。
 今思えば…初めて御堂に最後まで抱かれた日の朝も、シャワーを浴びている
時に…全身にキスマークをつけられている事に気づいたけど、御堂は恋人関係に
なってからも…週末の度に、抱くたびに克哉に所有の証を刻み付けていた。
 そのおかげで…人前で肌を晒せなくなってしまったけれど、克哉は己の肌に
刻み付けられているコレを見る度に…どこか、安心出来た。
 …恥ずかしいけれど、それだけ…この人が自分に執着してくれているのだと
実感も出来るから…。

「…早く、シャワーぐらい浴びないとな…。これで良いかな…」

 正式に付き合い始めてからは週末の夜は…まず御堂のマンションで
一緒に過ごすので…今では克哉の着替えの類は結構、この部屋の中にも
置かれていた。
 そのまま克哉はクローゼットの方へと向かうと、ワイシャツ一枚と新しい
ボクサーパンツ、ジーンズを手に取っていった。
 肌寒いから…早く着たかったが…今はまだ、身体の奥に御堂の残滓が
残されているので…まずは浴室の方へと向かっていく。

 最後に、チラリと…ベッドの中で安らかな顔をして眠っている御堂の姿を
確認していくと…克哉は幸せそうに微笑みながら、まずはシャワーを浴びに
向かっていったのだった―

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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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