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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 実に魅惑的な笑みを浮かべた克哉を前にして、御堂は息を呑みながら
たった今…耳元で告げられた一言を脳裏で再生していった。

『今のオレは…正直、いつもより弱っています。だから…もう少しだけ優しくて…
貴方の愛情を感じられる言葉が欲しい、です…』

 克哉の内部に指を押し込めた状態の御堂の耳元に囁かれたのは
そんな恋人からの、可愛らしい要求だった。
 それを聞かされて、先程まで彼を追い詰めて苛めるだけにしか
意識が向かなかった自分に少しだけ恥ずかしくなって…つい、言葉に
詰まってしまった。

「例えば…どんな言葉を欲しい、と願っているんだ…?」

 何となく今の惑いを感じている自分の表情を、克哉にじっと見られたくなくて
御堂は相手の耳元に唇を寄せながら、甘く囁き返していく。
 克哉もまた、それに習って…恋人の耳元に、熱っぽいような声音で…
自分の望みを、口にしていった。

「…言霊、って知っています? 言葉に魂が宿ると、どこかで聞いたことがあります。
弱っている時に励まされるような一言で元気になったり…逆に酷い言葉で傷つけ
られてしまったり…言葉って、とても…重要なものだと…思うんです。
だから…今のオレにとって…元気になるような…そんな特効薬になりそうな
一言を、貴方の唇から…聞いて、みたい…」

 チュっと耳朶に克哉から口付けられると同時に、彼の内部が怪しく蠢いて
こちらの指を実に淫らに締め付けてきた。
 熱に浮かされた克哉の表情は、艶やかと言っても差支えがない程…いつも
よりも色っぽくて扇情的だ。

 ―こんな状況で、相手にこのような一言を言われて…男として、冷静でなど…
いられる訳がない。
 指に強い締め付けを感じた瞬間、ズクン…と下半身が疼く想いがした。

「か、つや…」

 つい、知らぬ内に乾いていた唇を舐めてしまっていた。
 性急に指を引き抜いていくと、克哉の唇から切羽詰った声音が溢れていった。

「うあっ…!」

 何て、甘くて…魅惑的な声と表情をしているのだ…と思った。
 本当ならば、克哉の要望に今すぐにでも応えてやりたいのに…相手の言葉や
他愛無い反応から、欲情を刺激されて…興奮の方が先走ってしまう。

―克哉が、欲しい

 あまりに直球で、即物的な欲求。
 だが…それが彼の正直な気持ちだった。
 相手の上に覆い被さっていくと…お互いの呼吸は酷く荒くて、熱かった。
 ギリギリまで張り詰めて、先端から先走りを滲ませ始めているこちらの欲望の証を
相手の狭い隘路に宛がい、グイと押し込め始めていく。

 病人だから、労わらなくてはいけないと頭の片隅では理解しているので…いきなり
乱暴に腰を使うような真似だけはどうにか避けたけれど…ただ、挿れているだけで
こんなにイイとは思わなかった。

(いつもよりも…克哉を可愛い、と思っているからな…。いつもよりも…
君の中にいる事が気持ち良く感じられる…)

 克哉の内部は早くも淫らに蠕動を繰り返して、御堂のペニスを自らの際奥に
導こうと妖しく吸い付き、搾り始めている。
 腰を使わなくても、中にいるだけで達してしまいそうなくらいにきつくて…
気を抜けば、それだけでイってしまいそうだ。

「み、御堂さん…お願い、ですから…」

 貴方からの、愛されていると実感出来る一言が欲しいと…その欲求を
瞳に強く宿していたが、御堂の方は…まず、身体全体で…克哉を愛して
その想いを叩き付けたい欲求に駆られていた。
 
 ヌチャ…ヌチュ…グプ、グチャ…

 お互いの体液が混ざり合う音が、接合部から響き渡って来て…ゾクゾクゾク、と
した快楽が背中から這い上がって来た。
 凄く、気持ち良くて…眩暈すらしてくる。
 それ程の極上の快楽を共有しながら…お互いに、身体のリズムを合致させて
快楽の階段を駆け上り始めていった。

「あっ…んっ…み、ど、う…さ、ん…! 凄く、気持ちが…イイ…ふぁっ!」

 与えられる強烈な感覚に堪えるように、必死になって克哉は恋人の背中に
腕を回して縋り付いていった。
 相手のそんな一つ一つの動作が、御堂の心を更に激しく煽って…どうしようもなく
昂ぶらせていった。

「克哉、私も…凄く、良いぞ…っ。君の、中は…凄く熱くて…こちらまで、蕩かせて
しまいそう…だ、からな…」

 お互いに焼き尽くされそうなくらいの激しい情熱に突き動かされながら
夢中で相手を貪りあっていく。
 両者の呼吸と、刻むリズムがほぼ重なり合っていく。
 克哉がギュウッと強く内部のモノを締め付け…御堂もまた、限界に達して
熱い精を解放していくと…双方、押し寄せてくる悦楽の海へと呑み込まれ
始めていった。

「くぅ…!」

「んんっ―!」

 ギュウ、ときつく相手の身体を抱きしめあいながら…二人、ほぼ同時のタイミングで
達していった。
 克哉の内部に、御堂は熱い滾りを注ぎ込み…克哉もまた、それを受け止めながら
己を抱いていた相手の腹に、白い飛沫を飛ばしていってしまった。

 荒い呼吸に、鼓動。
 真っ白になるような快楽と、気だるい余韻。
 息を整えていきながら…御堂は改めて相手の耳元に唇を寄せて、少ししてから…
やっと言葉を紡いで、恋人に伝えていく。

『克哉…私は……………………』

 照れ臭さもあったのだろう。
 彼なりに必死になって考えた、この想いを伝える特効薬になりうる一言というのは
気恥ずかしくて、消え入りそうなくらいにか細い声音だった。
 だが、克哉の耳には辛うじて届いていて…その一言がジンワリ、と彼の心に
染み入っていくと同時に…。

「た、かのり…さん。本当に、ありがとう…」

 泣きそうな表情を浮かべながら、御堂の腕の下で…克哉は花が優しく綻んで
いくように…穏やかで嬉しそうな微笑を浮かべていった―

 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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