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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 先日、グッコミで発行した無料配布本…イベント自体に
来られた方が少なかったみたいなので、今回はサイトの方にも
掲載させて頂きます。
 無料配布本の方は、GO! GO! HEAVEN!5の方にも
受かっていたら持っていってこっそり残りを配布させて貰おうかな、と。
 とりあえず克克の縁日絡みの話というか、無駄にバカでエロいというか
眼鏡が微妙に策略家というかそんな感じの話です。
 投稿する際に文字数が多すぎます、とエラーが発生して
しまったので二回に分けて掲載させて頂きます。
(こちらは後編に当たります)

 前編のリンク内容はこちら↓

 スイート☆バナナ 

 興味ある方だけ、「つづきはこちら」をクリックして続きを読んで
やって下さいませ(ペコリ)

「えっ…ちょっと、待てよ。『俺』…。本気で、
帰るつもりなのか…?」
 
「あぁ、お前はそれを望んでいるんだろう?」
 
 そういってごく当然のように、もう一人の自分は
帰り支度を始めていく。
 今までに何度も顔を合わせてきたけれど、この展開は
初めてのものだったので…克哉は動揺せざる得なかった。
 
(嘘だろ? こいつがこうして目の前に現れているのに、
オレにチョッカイを掛けないで大人しく帰ろうとするなんて…?)
 
 もう一人の自分が現れる時は、いつだってセックスと
セットになっていた。
 こちらが嫌がろうが、抵抗しようがいつだって強烈な快感を
与えられている内にどうでも良くなってしまって。
 抱かれて、深い場所を貫かれている内に何もかもがどうでも
良くなってしまって…いつも蕩かされてしまっていた。
 
-もう一人の自分がこちらに何もせずに帰るという事は
あの極上の快感も味わうことが出来ない訳で…。
 
「ちょっと待てよ! 誰もそんな事は一言も言って
いないだろう! 勝手に早合点して帰ろうとなんてするなよ!」
 
「何が早合点なんだ? こちらが心を込めて用意した土産を
食べないなんて言われたら、拒否されている以外のなにもの
でもないだろう?」
 
「何が心を込めて用意しただよ! お前が用意した品は
どれもオレに対しての嫌がらせ以外の何でも…!」
 
「お前を恥ずかしがらせて、一緒に過ごす夜をより熱いものに
しようという俺の心はお前には届かなかったのだろう? 
それなら今夜は潔く引き下がるしかないだろう?」
 
 克哉が叫んでいる間に、その言葉を遮るようにもう一人の
自分が無表情で呟いていく。
 感情の欠片も感じられない能面のような表情。
 なのに…そう口にした瞬間、克哉にはもう一人の自分が
切ない顔を浮かべているように感じられてしまった。
 
「あっ…?」
 
「それが、お前には嫌がらせとしか…受け止められなかった
んだろう?」
 
 静かな声で、淡々と相手が言葉を続けていく。
 克哉は、とっさに何も言い返せなくなってしまった。
 
(そうだ、オレはこいつの土産を…『嫌がらせ』という形でしか、
受け止めていなかった…)
 
 その事実に気づいた瞬間…ジワリ、と克哉の心の中に
もう一人の自分に対しての罪悪感が湧いていく。
 こちらを恥ずかしがらせるという名目は正直言って
誉められたものではないけれど、彼がこちらの事を
考えながら土産の品を買って来てくれた事は事実なのだ。
 それはこちらが期待して望んでいた品ではなかった。
 だが、相手がこちらの事を考えながら購入して自分宛に
持参してくれたのは確かなのだ。
 その事に気づいた瞬間、克哉は申し訳なさそうな表情を浮かべて
…自分と同じ顔をした存在を見つめていった。
 
「あの…ゴメンな、『俺』。確かに、『嫌がらせ』と
決めつける事は…お前の気持ちを踏みにじっているのと
同じ事だったな…」
 
「…気づいたなら、良い。そして自分の非を認めて正直に
謝ったならばこれ以上は引きずらないでおこう。だが、
悪いと思ったのなら…俺はお前の誠意を少しは見せて
もらいたいものだな」
 
「せ、誠意って…一体、オレは何をすれば良いんだ?」
 
 気づいたら、自分の相手に対しての罪悪感をベースに
して会話の主導権を握られてしまっていたが、克哉はその
事実に気づいていなかった。
 同一人物同士であっても片方は騙されやすいお人好しで、
片方は人を貶めたり操作するのがお手の物の策略家である。
 一度、イニシアチブを取られたら克哉が奪回出来る相手
ではなかった。
 
(掛かったな…相変わらず、判りやすい奴だ…)
 
 心の奥底で、不敵に笑みを浮かべていたが…ここで笑っては
全ての筋書きが台無しになる。必死に笑みを堪えて、切ない表情を
作っていき…相手に静かに告げていく。
 
「…そうだな、どうせやるなら俺を目で愉しませて欲しいな…。
俺のモノを愛するように…お前がこのチョコバナナを口に含んで
愛する光景を希望させて貰おうか…」
 
「…っ! えっ、ええええっ! そんな恥ずかしい事をオレに
やれっていうのかー!」
 
「…お前が拒否するなら、俺は今夜は帰らせて貰おうか。
その半端に反応しているモノは自分で処理するんだな…」
 
「っ! 何でそれを…!」
 
 そう、克哉の下肢はチョコバナナを見せられて…以前に
起こった事を思い出した時点ですっかり反応してしまっていたのだ。
 その事実を相手に見透かされて、克哉は顔を真っ赤に染めていく。
居た堪れなくて、頭に血が昇っていくのが自覚されてしまう。
 相手の目が、こちらをまるで攻め立てるように見つめてくる。
 この目に見つめられているだけで心が落ち着かなくなり、
チクチクと攻め立てられていくようだった。
 
(…今夜は、オレが…悪いんだからな…)
 
 そう観念して、克哉はそっと目を伏せていく。百年分の
勇気を振り絞ったような心境になって…静かに告げていった。
 
「…判った、チョコバナナ…食べる、よ…。お前の期待に
応えられるかどうか…判らないけど…」
 
「そうか…なら、食べてみろ…。お前の気持ちを込めるように…
たっぷりと愛情を込めてみろ…」
 
「そ、んな言われ方をされると…あっ…」
 
 そうして、相手からそっとまだビニール袋に包装された
ままのチョコバナナを手渡されていく。たったそれだけで
過剰に意識してしまい…頬が熱くなる。
 
「ほら、愛して見せろ…」
 
「やだ、そんな風に…言うな、よ…」
 
 普段なら絶対反発している所だが、今は相手に引け目を
持ってしまっているせいか…まるで暗示に掛かってしまった
かのように相手の言葉に淫らに反応してしまう。
 手に持っているチョコバナナが…忌まわしい果実ではなく、
いつだって自分を翻弄して快楽を与えてくれるもう一人の自分の
ペニスのような錯覚を覚えていく。
 
(いつもオレは…この熱いのに貫かれて、グチャグチャにされて…
気持ち良くなって…何も考えられなくされるんだよな…)
 
 無意識の内にゴクリ、と息を飲み込んでいく。
 意識したくなくても、知らない内にしてしまっている。
 包装を解いたチョコバナナの方に、そっと唇が
吸い寄せられていく。
 先端の部分をチロっとなめ上げていくと、本来なら甘い
チョコレートの味が…ほんのりと塩辛いもののように
錯覚をしてしまう。
 
(どうしよう…オレ、こんな事で興奮し始めている…)
 
「そうだ…先端の敏感な部分をもっと舌で執拗に舐め上げて…
攻め立ててみせろ…」
 
「んんっ…ぅ…はぁ…判った…」
 
 知らぬ間に呼吸が乱れて、不規則なものへと変わっていく。
 相手の言われた通りに先端部分だけ口に含んでいくと…
チロチロと舌で突っつくように攻め立てていく。
 もう一人の自分のペニスを、口で愛した経験は一度しかない。
 だが、その一度だけの経験が…チョコバナナを口で愛する
行動を経て鮮明に脳裏に蘇って克哉は蕩けそうな瞳を浮かべていく。
 
(こんな、事で…身体が熱くなり始めている…オレ…)
 
 その反応で思い知る。
 口でどれだけ嫌だとか、恥ずかしがってみせても…すでに
何度ももう一人の自分から与えられる快楽に溺れてしまった
身体は顕著に反応してしまうのだという事実を。
 克哉はその時、チョコバナナじゃ足りなくなった。
 偽物ではない、本物の相手のペニスを愛したくなった。
 そして深い場所で欲しくなり始めてしまった。
 
 その心境の変化に自分でも戸惑いながらも…克哉は
青い双眸にうっすらと快楽の涙を滲ませていきながら訴えかけていく。
 
「…どうした? 手と口が止まっているぞ…」
 
「…御免、これじゃ…オレは、足りない…。こんな偽物
じゃなくて…ちゃんと…」
 
「ちゃんと、何が欲しいんだ…?」
 
 相手は喉の奥で笑っていきながら、こちらを見つめてくる。
 意地悪な視線だった。
 きっと彼はこちらの心境など見透かしているに違いない。
 けれど悔しさや屈辱よりも…欲望が今は勝ってしまった。
 だから…克哉は艶っぽい表情を浮かべていきながら呟いていく。
 
「…どうせなら、本物のお前のを…しゃぶりたいし…欲しい…」
 
 その一言を言った瞬間、確かにもう一人の自分は
満足そうに微笑んでいた。
 
「…やっと自分の欲望に正直になったな。それで良い…
変に取り繕ったり、常識やしがらみに囚われるよりも…
ただ、己の望みに素直になってみろ。その方がより
深い快楽を得られるからな…」
 
「…バカ、オレは…お前みたい、にはなれないよ…。
簡単に、欲望に…忠実になんて…なれない、から…」
 
「だが、今はなったのだろう? どうだ…最高の気分だろう…?」
 
 その時、克哉は見た。目の前の男が何処までも自信に
満ち溢れながら…力強く微笑んでいく様を。
 それを見て癪と思うと同時に、胸が大きくざわめいて…
ときめきを覚えていく。
 嗚呼、何という厄介な男なのだろうか。
 こんなにも傲慢で、自信家で性質の悪い男に…どうして
自分は惹かれてしまっているのだろう。
 
(凄く悔しいけれど…こういう時のコイツって凄く
格好良いんだよな…)
 
 顔を真紅に染めながら、唇を重ねられて…吐息も理性も
全てが奪われていく。
 其れは束の間の錯覚かも知れない。こんな風に激しく
口付けられている瞬間だけはまるで相手から心から
愛されているような、そんな気持ちにさえなっていく。
 
(お前がオレを愛しているなんて…そんな事、ある訳が
ないんだけど…。今だけで良いから、その幻想に酔わせて欲しい…)
 
 舌を絡ませあうような激しいキスに、何もかもが蕩けていく。
 もう何も深く考えたくない。ただ…相手から与えられる
快楽に溺れたかった。もう一人の自分を感じたかった。
 いつの間にかベッドの上に誘導されて組み敷かれている。
 そして…鋭い青い双眸に射抜かれながら、告げられていった。
 
「今夜も、存分に愛してやるよ…『オレ』…」
 
「っ…!」
 
 その一言に、心臓が打ち抜かれていく。
 愛しているとか好きだとか、甘ったるい言葉は決して
言ってくれない相手だからこそ…こんな言い回しでも、
胸が電流で打ち抜かれたような衝撃を覚えていく。
 こんな事、言うのは悔しいし恥ずかしい。
 けれど…克哉は声を震わせていきながら…こう呟いていった。
 
「うん…今だけで、良いから…」
 
 きっとこの男に愛だの恋だの、甘ったるいものを
求めること自体が間違いなのだろう。
 けど、身体を繫げている刹那の間だけでも良いと、
そう答えていきながら彼は自分から、相手の身体に
抱きついていった。
 そうして克哉は深く唇を重ねていきながら、相手の腕に
身を委ねていく。
 その間…走馬灯のように、何度も相手に貫かれ翻弄してきた
記憶が蘇っていって、今夜も克哉はシーツの上で、その身を
激しく捩じらせながら…相手の与える強烈な快楽を全身で
享受していったのだった―
 
             
 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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