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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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2009度のクリスマス小説。
  克克ものです。ちょっとサンタクロースの逸話を
  ネタに使っているので宜しくです。
  微妙にヒヤっとする描写もあったりしますのでそれを
 了承の上でお読み下さい。コミカル、ギャグ要素も有。

  白と黒のサンタ         

 あの朝、自分の隣にいた少年―秋紀の自宅は予想以上に立派な
豪邸だった。
 気まぐれな猫を思わせる印象の少年の自宅がこんなにも
大きなものであった事に改めて克哉はびっくりしていく。

(結構お金持ちの家の子だったんだな…)

 少年の自室に向かっている最中も所々に置かれている調度品の
類もどれも高価そうなものばかりだった。
 その家に置かれている家具や調度品を見れば、どれだけの
資産力を持っているのか推測がつくというが…チラっと見ただけでも
この家はかなりの資産家である事が見て取れた。
 きっとこんな家だったらセキュリティとかも普通は万全じゃないのか?と
フっと考えた瞬間…克哉は青ざめそうになった。

「な、なあ…この家の防犯システムとかそういうのは大丈夫なのか?」

「…大丈夫だろう。あの男が一応、そういう面倒くさい類のものは
全部予め切っておいたとか言っていたからな…」

「へっ…? あの人…そんな芸当も出来るのか…?」

「…あの神出鬼没の得体の知れない男の事だ。それくらいの事ならば
朝飯前の事だろう。そもそも…俺たち二人をこうやって同時に現実に
存在させるような真似をしでかす男をまともに常識で図るつもりか?」

「…御免、オレが悪かったよ…」

 そうだ、目の前に奇跡の産物が当たり前の存在しているからその辺が
麻痺していたが…確かにあの謎だらけの男性だったら豪邸に設置
されているセキュリティ装置を無効にするぐらいは簡単にやってしまいそうだ。
 真っ当に常識だの何だのを考えている方がバカを見ると想い…深く
ツッコむ事も考えることを止めた。

(まともに考えたらこっちが負けだ…)

 その心理にようやく思い至り、相手と同じデザインの白いサンタ服を
身に纏った状態で廊下を進んでいく。
 
「…この部屋だな」

「まだ早い時間帯だね…。起きているかも知れないよ…」

 現在の時刻は21時半。
 あの少年は見た処、高校生ぐらいの年齢だったが…クリスマスイブの日に
それくらいの年齢の子がこの時間に就寝しているとは考えにくかった。

「ああ、心配ない。あの男が今夜俺たちがプレゼントを配る予定の
人間は全員…予め一服を持って寝かしつけてあると言っていたからな。
少しぐらい物音を立てたぐらいじゃ起きることはないそうだ」

「えええ~! そ、それって犯罪じゃ…!」

「…別にそれで悪さをする訳じゃないんだから良いだろう? さあ…行くぞ」

 克哉がためらっている間に、相手は迷いない動作で部屋の扉を開けて
中に滑り込んでいった。
 自分ばかりが立ち止まっている訳にはいかない。
 そう考えて後を追いかけていくと…豪華な内装の室内、キングサイズのベッドの
上にはあの見目麗しい外見をした少年が安らかな顔をして寝入っていた。

(…こうして見るとこの子も年相応な感じだな…。可愛い…)

 目を閉じて眠っている秋紀の表情は少し幼く見えてしまって…妙に
庇護欲を掻き立ててきた。
 
「さて、後に予定が詰まっている。さっさとプレゼントを置いていくぞ…」

 そうしてやや小さめのホールケーキでも収まっていそうなサイズのプレゼント箱を
白い袋から取り出していって眼鏡はベッドサイドに其れを置いていく。
 その時の相手の目が…普段よりも少しだけ優しい色を帯びているように
見えてしまって克哉の胸は小さく痛んでいった。

(な、何だ…この感情は…。どうしてこんなに…)

 無意識のうちに胸を手で押さえていきながら…少年の方へと歩み寄っていく。
 まさに天使の寝顔といった風情だった。
 あれから数ヶ月が経過して、それ以後一回も顔を合わせていなかったから
記憶が曖昧になっていたが…やはりこの少年の容姿は整っていて、見ていると
妙にドキマギしていく。 
 だが、次の瞬間…眼鏡が秋紀の額にそっと口付けていった。
 
「えっ…?」

 その行動に、克哉はアッケに取られていく。
 だがそうしている間に眼鏡は今度は唇にキスを落としていこうとして…
とっさに叫んでいた。

「な、何をやっているんだよ! お前…人の寝込みを襲うなんて犯罪だろ!」

「…何を言う。これはコイツの望みだぞ? 俺にもう一回会いたい…抱かれたいと
いうのがコイツの願いだ。今夜は俺たちはサンタクロースだと言っただろう?
サンタクロースが願いを叶えなくて何だというんだ?」

「は…?」

 予想もしていなかった答えが返ってきて、克哉は間の抜けた声を漏らしていく。
 だが、胸の中がモヤモヤして…暗く染まっていきそうだった。
 相手がこの少年にキスをしようとして、抱こうとしているのを見て…明らかに
イライラしている自分がいた。
 自分が目の前にいるのに、他の人間となんて許したくなかった。
 その想いが無意識のうちに眼鏡と少年の間に自らの身体を割り込ませて
さえぎらせるという行動に出ていたのだろう。
 己の身体で、相手を阻んで少年にそれ以上触れられないようにしていた。
 そして克哉にしては珍しく…不機嫌そうに本音を告げていった。

「…それが…この秋紀って子の願いなら叶えてあげるのが筋だと思うけど…
けど、オレはお前が他の人間を抱く姿を見たくない…」

「ほう? それは嫉妬か?」

「…そうかも、知れないね…」

 心の中に黒いものが滲んで広がる。
 それ以上、どういえば判らないでいると…いきなり、克哉の手に柔らかい
指先が触れていた。
 
「えっ…?」

 克哉はびっくりしていると、其処にはとても綺麗な二対の緑の瞳が
輝いていた。

「克哉さん…? 本当に、克哉さんなの…?」

 その瞳はまだ半分、夢の世界を彷徨っているような感じだった。
 現実と夢の狭間、どちらに今…自分がいるのかさえ判っていないような
曖昧な雰囲気だった。
 だが声の調子だけで、どれだけこの少年がもう一人の自分に会いたいと
思っていたのか伝わってしまって…どうしても突っぱねるような態度を
取れなかった。

「そ、うだよ…」

 だから、克哉が正直に答えていくと…次の瞬間、秋紀は全力で
こちらの胸の中に飛び込んできたのだった―

 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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