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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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  ―こんなに、抱かれる前に緊張するのは久しぶりだった。

  心の準備をしたいから、と言ってシャワーを浴び終えると…改めて気恥ずかしく
なってしまった。
 少しでも時間を引き延ばして、丁寧に身体を洗ってしまったが、もしかしたらアイツに
期待しているから…と見られたかも知れなかった。

(あぁ…もう、何たって私がこんな想いをしなきゃいけないんだ…。本当に
アイツの意地の悪さは半端じゃないな…!)

 あんな提案を受け入れてしまった自分に対して、少し腹を立てながら…バスローブを
身に纏い…寝室の方へとゆっくりと向かっていく。
 静寂を讃えた廊下を歩いていると、自分の心臓の鼓動のやかましさを余計に
意識する形になった。
 
 ドキ、ドキ、ドキ、ドキ…。

 早鐘を打っているのが自分でも判る。
 時々…これから起こるであろう時間を想像して、無意識の内に息を詰めてしまっていた。
 だが、一度承諾した以上…やはり止める、と言うのは絶対に許して貰えないだろう。

(ええい、ままよ…!)

 寝室の前に辿り付くと…勢い良く部屋の扉を開けていった。

 バァン!

 …勢い余って、思いっきり壁にドアが衝突して…盛大な音が周囲に響き渡る。
 
「おやおや…ずいぶんとやかましいな」

 煌々と照らされた明かりの下、ベッドに腰掛けながら…克哉は待っていた。
 部屋の入り口の方へ向き合うように…腰を深く下ろして、両手を組みながら…
強い眼差しでこちらを見つめてくる。
 彼の銀縁眼鏡が、ギラ…と輝く。

「…覚悟は出来たか? 御堂…?」

「あぁ…」

 軽く頬を染めながら頷くと、知らず頬が赤く染まっていった。
 そんな恋人の様子を眺めながら…悠然と、傲慢に男は微笑んだ。

「そうか…なら、来いよ。早く…あんたをじっくりと確認したい…」

「う、む…」

 そういいながら、克哉の下へと向かっていく。 
 一歩、一歩…慎重に相手の処へ歩み寄る度に、反比例するように鼓動は
大きく、けたたましいものへと変わっていった。

 バックン…バックン、バックン、バックン…。

 胸がそのまま張り裂けるのではないか…と疑いたくなるくらいに大きな音を
立てながら、心臓が激しい脈動を繰り返していく。

「…顔が、赤いな…。あんたのそういう殊勝な顔…そそるぜ?」

「あんまり、そういう事を言うな…」

 すぐ目の前までたどり着いた時に…からかうような口調で声掛けてくる相手に対して
プイ、と顔を背けていくと…強い腕の力で、克哉の方へと引き寄せられる。

「さあ…ショータイムの始まりだ。あんたと俺だけの…秘密の撮影会、がな…?」

「ん、あっ…」

 そのまま深いキスを交わされていくと…口腔を暖かい舌先で、性急にくすぐられていく。
 歯列をやわやわと辿り、舌の表面同士を擦り合わせながら…そのまま深く絡め取られて
強めに吸い上げられていった。
 相手はベッドに座したまま…こちらはその上に圧し掛かるような体制で、深い口付け
だけをまず与えられていく。
 克哉の両手が、こちらのバスローブをずり上げて…臀部を剥き出しにしていった。
 外気に晒されて、若干の肌寒さを覚えている間もなく…相手の両手が其処に伸ばされて、
早くも揉みしだかれていった。

「はっ…くっ…」

 口の中全体を、相手の舌で犯されているみたいだ。
 グチャ…ピチャ…と淫らな水音が脳裏に響き渡っていく中、尻肉を執拗に弄られていくと
それだけで早くも奥まった蕾が反応し始めていった。
 
「ひっ…」

 ふいに克哉の指先が、菊門の入り口を掠めていくと…たったそれだけの刺激で
御堂は高い声を漏らしていった。
 相手に揉まれる度に、御堂のしっかりとした体躯が揺らめき…ベッドがギシギシと
軋み始めていく。
 180を越える長身の二人が寝具の上で絡み合えば…必然的にそうなるのだが、
その音すらも…御堂を煽る因子の一つとなっていった。
 奇妙な疼きが、早くも身体の芯に灯り始める。
 それがもどかしくて仕方なくて…懸命に御堂も相手の方へと手を伸ばして、未だに
着込まれたままの相手のYシャツのボタンへと、指を掛けていく。

「…君も、早く…脱げ。私ばかりが…こんな格好にさせられる、のは…フェアじゃ…
ないだろう…!」

 顔を真っ赤にしながら唇を離して、御堂がそう呟いていくと…克哉はククっと喉の奥で
笑い始める。

「あぁ…そうだな。お互い…生まれたままの格好にそろそろなろうか…。孝典、脱げよ…。
あんたが自分の手で…その布を取り払う姿が、見たい…」

 そう言いながら、少し身体を離して…眼鏡は自分のYシャツのボタンを一つ一つ…
作為的な動きで外し始めていく。
 それに目を奪われながら…御堂は、深呼吸をしていく。
 明るい光の下で自分の意思で、このバスローブを取り去るのは…かなりの
羞恥が伴った。

「…トコトン、君は悪趣味で意地悪な男だな…。そんなに強く見つめられる中で…
私に自分で脱げというのは…嫌がらせ以外の何物でもないぞ…」

 そう呟きながら、御堂はバスローブの紐を緩ませ始めていく。
 視線だけで…こちらを犯す尽くされそうな勢いだ。
 息を詰めながら、ゆっくりと脱ぎ始めていくと…。

「…俺が意地悪な男だっていうのは、あんたは…よ~く知っているだろう…?
今更、だろ…?」

「…ああ、そうだな。本当に今更な話だったな…」

 そう言いながら男も、こちらに見せ付けるように…服を一枚、一枚…
脱ぎ去っていく。
 ここまで言い切られてしまうと、こちらもこれ以上反論出来なくなる。
 結局、それ以上の言葉は深い溜息を突くことで押し殺す羽目になった。
 お互いに、相手の裸身が暴かれていく光景に目を離せない。
 そして一分後…彼らは、何も隔てるものがない状態で…相手に向き合っていった。

 赤くなって居たたまれない表情を浮かべる御堂に対し、眼鏡は決して…
平静な表情を崩すことはなかったのだった―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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