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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 ※本日は秋紀の誕生日&ハロウィンです。
 という訳で今までこのサイトでは眼鏡×秋紀は殆ど扱ったことが
ありませんがこういう日ぐらいは秋紀をメインにした話を書いて
あげようと思ったので、本日はこのCPです。
 …明日からは普通に戻りますのでご了承下さい。
 「始まりの扉」で示している通り、私は秋紀には結構、愛着が
あるんですよ。はい…。

 ちなみに克克バージョンも考えましたが…長くなりそうな
上に…「また克克かよコイツ…!」とか言われそうな感じなので
自粛しました(汗)
 放っておいても克克は書きますからね。私は…(遠い目)

 あ、リク企画の当選者の結果発表は土日にやりますね。
 もうちょっと待ってやって下さい。

 興味ある方だけつづきはこちら、をクリックしてやって下さいませv

  佐伯克哉が須原秋紀を自分の飼い猫として、一緒に寝食を共に
するようになってから一年近くが経過していた。
 本日、克哉は気まぐれを起こして…ちょっとしたプレゼントを持って
帰宅していた。

(さて…あいつはどんな顔をするかな…)

 そんな事を考えながら、部屋の扉を開いていくと…いきなり…
何かが飛び出して来た。

「トリック・オア・トリート! 克哉さん! おかえりなさい!」

 いきなり元気良く、自分の飼い猫…いや、秋紀がハロウィンに付き物の
白いフワフワしたおばけよろしく、白いシーツを頭からすっぽりと被った
格好で飛び出して来たので…克哉は流石にぎょっとなった。

「うわっ!」

「ははっ! 驚いた…克哉さん?」

 こちらが突然の事に、驚愕している隙に…スルリと白いシーツを外して
そこからは金髪の、容姿が整った少年が現れていった。
 …言うまでもない。自分の飼い猫になる道を選択した少年、秋紀だ。
 本当に猫のようにクリクリとこちらに視線を向けながら…心底愉快そうな
笑みを浮かべている。
 自分の仕掛けたどっきりが大成功した事に対して、ご満悦な様子だった。
 しかし…それ以上に予想外だったのが…。

「…秋紀。いきなり…その格好での出迎えは…俺を挑発しているのか?」

 秋紀の格好が、ゴスロリ風の…酷く挑発的なマジシャンを彷彿させる
姿だった事に克哉は面白そうに笑っていく。
 黒のボンテージに…わき腹や太ももの辺りが黒皮紐で交差している
デザインになっていて、まだ肌や柔らかそうな年代の少年か…女性で
なければ着れない…際どいデザインの物だ。
 襟元や、裾の部分にはヒラヒラしたヒダがついていて…実に艶かしい
服装だった。
 それに黒の編みこみブーツを履いて…魔法使いっぽいオレンジ色の
帽子を被っている姿は、妙に愛らしかった。

「うん…だって、これ…今月に入って克哉さんが僕の為に特別に作って
くれた物でしょ? それなら…一回だけ、っていうのは勿体無くて。
それに来年は着られるかどうか判らないしね…。僕、まだ…背が伸びて
いるみたいだし…」

「まあ、な。お前の誕生日がハロウィンだと聞いて…気まぐれに作った代物
だがな…。存外、気に入っているなら…それで良い。で…いつになったら
俺の上をどくんだ?」

「もう…克哉さんったら。克哉さんがどけ、というまでは…僕はこのままの
体制が良いんだけどね…駄目?」

 現在の二人の体制は、秋紀が克哉の胸元にギュウっと強く抱きつきながら
上に覆い被さっているような感じになっていた。
 実際は克哉の方が体格的に勝っているので…無理やり押しのけて立ち上がる事は
容易だが…一応、今日は秋紀の誕生日でもある。
 あまり無体な事は避けてやるか…と珍しく殊勝な事を考えているので
克哉もあまり意地が悪いことはやらなかった。

「…これがベッドか、ソファの上でだったら悪くはないが…玄関先でずっと…
この体制は困るな。一旦、立ち上がって…移動させてもらおうか」

「ん、そうだね。確かに…ここだと、克哉さんのお尻が冷えちゃって寒い思いを
させちゃいそうだね…。じゃ…立ち上がるね」

 そうして、軽い身のこなしで…秋紀は立ち上がっていく。
 克哉もまた…それに習って立ち上がっていった。

「あぁ、とりあえず…俺の部屋に行こうか。秋紀、先に行っててくれ」

「はい! 判りました」

 そういって嬉しそうな笑みを浮かべながら、軽い足取りで少年は
克哉の寝室へと向かっていった。
 この一年足らずの期間に…克哉の傍にいる事に慣れたのか…彼は
クルクルと表情を良く変えるようになった。
 「従順すぎるだけでは飽きる」と言った辺りから、小気味良く…この少年は
今夜のように克哉の予想を裏切るような真似をするようになった。
 最初の頃は…首輪や枷をして、外に出ないようにしていたが…今はすっかり
こちらに懐いて、言いつけを守ってこちらが帰って来る時間帯には必ず家に
いるので…信頼して、そういった物をつけるのを止めていた。

(…こちらは大丈夫だが、こっちは潰れていなければ良いがな…)

 少し心配になりながら、一応…手に持っていたの箱を拾い上げて
部屋の中へと入っていく。
 辿り着くなり、秋紀は目ざとく…克哉が持っている荷物に気づいて
いったようだ。
 
「あれ? …克哉さん。その手に持っているの…何?」

「あぁ、お前へのプレゼントだ。今日はお前の誕生日だからな…」

「ほんと! うわ…凄く嬉しいなっ! ありがとう克哉さん! 大好き!」

 そうやって屈託なく笑う姿は、本当に可愛いと思える。
 珍しく…克哉が優しい表情を浮かべながら、秋紀にプレゼントを
手渡ししていく。

「…開けてみろ。結果的には…今のお前の格好にぴったりの物だがな」

「…はい。じゃあ…開けるね、克哉さん」

 そうして…少しだけ角の部分がヘコんだプレゼント箱の封を解いていくと…
其処には、カボチャのオバケを象ったデザインのクッションが現れていった。
 思いっきりハロウィン向けの商品だ。
 だが…今の秋紀にはとても良く似合っている一品だった。

「うわぁ…これ、何か手触りがフワフワして良い感じ。…凄く、嬉しい!
ありがとう…克哉さん!」

 そのクッションは本当にフワフワしてて、抱きしめるとちょっと幸せな
気持ちになれる感じだった。
 それに秋紀にしてみたら…克哉が、自分のことを考えて買ってくれた物なら
拘束具だろうが黒いボンテージだろうが…嬉しいのだ。
 
「あぁ、お前に良く似合っているな…」

 そうして、満足げに瞳を細めていくと…秋紀は嬉しそうに微笑みながら…
克哉に向かって擦り寄っていく。

「あっ…そうだ。克哉さん…一つ思い出したんだけど…」

「…何だ?」

「…今日ね、凄い長い金髪の髪に真っ黒の服を着た怪しい人がね…チャイムを
押して出たら現れたんだけど…こんなの置いていったんだけど、どうしようか?」

「…何だと?」

 そういって、秋紀が指差した方向には…オレンジと黒で彩られた、かなりの大きさの
プレゼント箱が置かれていた。
 …あんなデカイ物に今まで気づかなかった自分のうっかりぶりに舌打ちを
したくなったが…今、言われた人物の特徴に…克哉は軽い頭痛を覚えていった。

(あの男しか、該当者はいないな…)

 良い意味でも悪い意味でも…自分の運命を変えた男である。
 その男が…自分がいない間に、自宅に律儀にチャイムを押して現れて…
何か置いて去っていったというのは限りなく嫌な予感がした。

(しかも…あのデカさだ。一体何が入っている事やら…)

 物凄い、嫌な予感がする。
 しかし…中身を確認しないで…捨てるのも何かすっきりしない。

「…万が一の事を考えて、俺が開ける。後ろで待機していろ…秋紀」

「う、うん…」

 克哉が警戒して、少し硬い表情になると…自然と秋紀の顔も、緊張した
物になっていった。
 一体これは、どんなどっきり箱だというのか。
 帰る早々…秋紀に驚かされて、今度はミスターRにびっくり箱さながらの
物を用意されていて。
 …自分がこんな目に遭うのは若干、悔しさがあったが…中身を確認
しないで捨てるという安易な手段を取るのも癪に障った。
 そうして…中を開いた瞬間、ミスターRの声が部屋中に響いていった。

「ハッピーハロウィン! 克哉様の飼い猫様…お誕生日おめでとう
ございます!」

 それが部屋中に大音量で響き渡ったのだから…ビリビリビリと
振動が走っていった。

「うわっ!」

「わわわっ! 何、何…?」

 それと同時に、ディフォルメされた黒いコウモリのぬいぐるみが
ビヨヨン~と飛び出していく。
 …一体、どんな趣味をしているのだろうか…と疑いたくなった
その時、箱の底に…何かがある事に気づいた。

「…ケーキ…?」

「えっ…本当?」

 秋紀が驚いて…箱の底を覗き込んでいくと、其処には確かに一つのケーキが
鎮座して置かれていた。
 パンプキンクリームを使った誕生日ケーキ。
 あの男のことだから、何か一服盛るぐらいはやりそうな予感があるが…
それが置かれている事に気づいて、二人とも目を合わせていく。

「…まったくどんな夜だ。ここまで俺が…お前やあの男に、翻弄
されるだなんてな…」

「ふふ、でも…楽しかったかも。克哉さんの…珍しい色んな顔が
見れた訳だし♪」

 そう、楽しそうに秋紀が言っている姿を見て…克哉は、ムっとしたような
顔を浮かべていく。
 それを見て秋紀はまた楽しそうに笑っていった。

(ふふ…また、克哉さんの貴重な顔を一つ見れちゃった…)

 そうして、嬉しそうに笑いながらそっと抱きついていく。
 …ただ、こうしてこの人の色んな顔を見て…この一夜も一緒に過ごせる。
 それが秋紀にとって、一番の喜びでもあるのだ。
 自分に嬉しそうにすりよってくる秋紀を、そっと瞳を細めながら…優しく
撫ぜ上げていってやる。

 そうして、秋紀は暖かい温もりに包まれて…嬉しそうに笑った。
 
―大好きな人の色んな顔を見て、一緒にこの日を過ごせる事。
 それが今の彼の、一番の幸せでありプレゼントだった―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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