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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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   ※2012年9月6日より開始した眼鏡×御堂に克哉が絡んでくる
形式の話になります。
  三角関係や恋愛主体ではなく、眼鏡や克哉の心理や葛藤に
焦点を当てた話になりますので了承した方のみ目を通して
下さいませ。

  ずっと長い夢を見ていた気分だった。
 深い海底に沈んだままだった自分の元に、眩いばかりの白い光が
差し込んで来た。
 其処に黒い人影かゆっくりと落ちていくのと同時に、自分の方が海面に
引き上げられていく。
 それはまるで、天秤の秤が反対側に傾いていくのに良く似ている感じだった。
 そして黒い人影が完全に海の底に消えると同時に克哉は白い光に包まれて
いったのだったー
 
 朝、目覚めて佐伯克哉は驚いた。
 白いシーツの上で目覚めると、すぐ隣には裸の男性が横たわっていた。
 かつて、経験した事があるシチュエーションと被ったがあの時は相手が須原秋紀
という金髪の美少年だったのに対して、今回は御堂孝典という…以前、一時期だけ
とはいえ一緒に働いた事がある男性だった事だった。
 
「えっ…あれっ…?」
 
 克哉は、戸惑った。
 長い長い眠りから覚めた途端、こんな状況に置かれて混乱しない訳がなかった。
 
(ちょ、ちょっと待ってくれよ…! どうして、オレはこんな所にいるんだ! それに
何で御堂さんが裸で一緒のベッドに横たわっているんだよー!)
 
 一応、克哉は自分はノーマルだと思ってきた。
 何人かの女性と付き合った経験があるし、男を恋愛対象にした事は今までの
人生の中ではない。
 なのに、もう一人の自分が目覚めた時から…歯車は大きく狂い、目覚めたら同性が
横に裸で寝ているなんて事態を二度も経験する事になってしまった。
 
「あれ、もう一人の『俺』…?」
 
 ふと、銀縁の眼鏡のイメージがよぎると同時に…鏡に映っていた傲岸不遜な
男の顔を思い出す。
 そう、何度も鏡を通して見た事があった。
 自分ではなく、鏡を見る度に…眼鏡を掛けた万能な能力を持ったもう一人の
自分が映っていた。
 あの眼鏡を頼れば頼るだけその現象は顕著になり、そして…いつしか克哉は眠っていた。
 ふと、寝室の端にあったカレンダーに目をやっていくと瞠目せざる得なかった。
 
「あれから…二年が、過ぎてる…?」
 
 そう、少なくとも克哉が覚えている西暦よりも、二年以上の歳月が確実に経過していた。
 気分は浦島太郎だ。おとぎ話では竜宮城で過ごしていたら何百年も過ぎていた訳だが、
克哉の場合は寝て目覚めたら二年が経過していた。
 
「えっと…思い出せない。…その間の事は、何も…」
 
 最後に起きていた日の記憶を、その前後の出来事の記憶を思いだそうとしても、
真っ白いモヤが掛かったみたいになって何も判らなかった。
 考えれば考えるだけ、混乱が深まっていた。
 
(それに…何で、御堂さんがオレと同じベッドの上に…?)
 
 その疑問が蘇った瞬間、雪の日に…もう一人の自分と御堂が抱き合って深く
キスをしている場面が鮮明に蘇っていった。
 自分が体験したのではない、もう一人の自分に起こった出来事と…生々しい感触
まで一瞬に脳裏に浮かんで言葉を失っていく。
 
(何だ、今のは…? これはあいつの方の…記憶なのか…?)
 
 ジワリ、と何かが滲むように自分であって、自分でない時の記憶が思い出されて…
余計に訳が分からなくなりそうだった。
 御堂から背を向けて、口元を覆っていく。
 妙にリアルな感覚まで一緒に伝わって来て息が詰まりそうになり、激しい動悸を
繰り返す羽目になった。
 
(オレは一体、これからどうすれば良いんだろう…?)
 
 周囲をざっと見回していくと、部屋の内装も自分が知っているものと
変わっている気がした。
 いや、部屋そのものが違っていた。
 大学時代から自分が長年慣れ親しんでいたマンションの部屋とは明らかに
広さそのものが違う。
 自分が眠っている間に、もう一人の自分が引っ越してしまっていたのだろうか。 
 その疑問を覚えると同時に、唐突にまた…相手の記憶がドっと流れ込んで来る。
 
 ー自分が知らない筈の、もう一人の自分の体験 
 
 御堂と恋人になってから、精力的に一緒に住む部屋と…自分たちの会社の
オフィスを探していた。
 そしてその条件に合致する此処が見つかって、満足そうに…幸福そうに
笑っているようだった。
 
(何だよ、これ…オレの知っているあいつと…全然、違っているじゃないか…)
 
 克哉はかつて、恐怖していた。
 もう一人の自分の残酷さを、酷さを…人を人とも思わない性格をしている彼が
自分の中に目覚めた時、恐れと忌避する感情しか湧かなかった。
 だから、自分は…其処まで思い出し掛けた時、唐突にこちらの肩にそっと
御堂の手が触れて来た。
 
「っ…!」
 
「克、哉…」
 
 御堂から背を向けている格好なので、こちらからは相手の顔を見る
事は出来なかった。
 寝ぼけているような、すこしはっきりしない発音で…柔らかくこちらの名前を
呼ばれて、びっくりした。
 そのまま御堂の髪が、こちらの背中に擦り寄せられて来て…身動きが
取れなくなっていく。
 御堂は、もしかしたら今…寝ぼけているのかも知れない。
 自分が知っているこの人は、こんな風に無防備な姿を晒すようには見えなかった。
 硬直したまま身動きが取れないでいると…その体制のまま、背後から安らかな
寝息が聞こえて来た。
 
「…オレ、これから一体…どうしたら、良いんだ…。こんな状況に急に投げ出されても…
分からないよ。何で、今更…オレが出ることになっているのか…」
 
 そう小さく呟きながら、深く溜息を吐いていく。
 この朝こそが、二年ぶりに目覚めた…眼鏡を掛けてない方の克哉にとっては、
受難の始まりに繋がっていったのだったー
 
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 今週は使用している沿線が脱線事故を起こして3日ぐらい
運休してしまったのでその分、家を早く出なきゃいけなくなったり
ゴタゴタしてて疲れました。
 普段電車で30分の距離、通勤時間も1時間半みておけば
済むのにそれよりも30~1時間上乗せされていましたからね。
 今週は本気で体力の余裕がなかったです(汗)

 とりあえず二匹いた飼い猫の一匹が死んだ件に関しては
二週間ほど経って幾分か落ち着いてきました。
  残った一匹とは、相変わらず夜の散歩に毎晩出掛けています。
  しかし猫の散歩に毎日行くっていうのは、あんまり聞いたことが
無い話だよな、とツッコミ入れたいです。
 雨が降っていると、こっちを屋根があるところまで誘導して其処で
歩けと猫が誘導するっていうのも凄いものがあると思います。
  なぜ、この子は私と散歩するのにそんなに執着を示すかが
少し不思議だったりしますけどね(汗)

 後、今週初めに病院から貸してもらった万歩計が壊れて
少し精神的ダメージを食らいました。
  確か2万円近くする高級品なんで、修理費に一体幾らかかるか
ちょっとガタガタしています。あんまり高くないといいなぁ。

 後、夏コミ終わった頃から実はこっそりとドラクエ10を始めていて
毎日コツコツとレベル上げメイン(というか私の場合は9割以上がそれ)
でやっているんですが、最近小学生の男の子とオンライン世界で
知り合いました。

 20歳年下っていったら、下手すりゃ私の子供ぐらいの年齢だよな
と思いつつ…向こうはドラクエもオンラインゲームも初体験っていうので
相当に振り回されつつ、色々ツッコミところ満載なことをやられつつ
気がつくと毎日話しかけられている状況になってます(汗)

 たまにこの野郎! と思うこともあるんですが…「出会えて良かった」とか、
「いっぱい教えてくれるから助かっている」とか、金欠なのにこっちに
ゴールド(ゲーム内の通貨)を送ってきたりとかやるから…あ~もう
しょうがないか、面倒見るか…という事態になってます。
  
 香坂は基本、それまでは知り合いの人としかフレンド登録してなかった
んですが、その子だけは純粋にイレギュラーで繋がってしまいまして。
 一回、本気で怒ったこともありますがちゃんと「ごめんなさい」と
謝ったんで流しましたよ。

 何ていうかその子を見ていると、10年前にネット上がったばかりで
バカやっていた自分に重なるんで…本気で怒るよりも先に、
「自分もこうだったから偉そうなこといえないや」という気持ちが先に
立ちましてねぇ。
 香坂も人を振り回すし、行動アホだし…突拍子も無いことをやらかす
奴なんで、周りの人達ってこんな気持ちだったのかな…と学ぶ機会に
なっている気がします。いや、マジで。
 
 ただ一応、こっちが年上だからって上から目線にはならんように
気をつけていますが。
  しかし、ゲーム内では知り合い以外の前では基本、男キャラを
使用しているんで…それ以外の人には「俺」という一人称で
男口調で会話しているんで。

いつ、本体が女である事を言うか…タイミングを逸してしまって
どうしようと少し悩んでいる今日この頃だったりします。
 だって、BL小説とかチャットとかしてきたから打ち込む場合は
男口調のが楽なんだもん!(そんな理由かよ!)

後、基本フレンドで繋がっている人に素材集めて来て渡したり、
兄貴のキャラをサポート仲間にして常に使って、こっちの稼いだ
経験値を5~10%常に流す状態にして鍛えていたり。
 私は基本、そんな事ばっかりしています。
 おせっかいつか、世話焼き性分というか…そういうのウザがられてないか
ちょっと不安な今日この頃だったりします。がお…(汗)
 ※2012年9月6日より開始した眼鏡×御堂に克哉が絡んでくる
形式の話になります。
  三角関係や恋愛主体ではなく、眼鏡や克哉の心理や葛藤に
焦点を当てた話になりますので了承した方のみ目を通して
下さいませ。

 
 今の自分は、順風満帆な筈だ。
 決して叶うはずがないと諦めていた恋が成就して、自分の右腕として
側にいてくれている。
 二人で興した会社も順調で、徐々に軌道に乗り始めている。当初からに比べれば、
従業員の数も増えたしMGNから引き抜いて来た元部下の藤田も想像以上に
役に立ってくれている。
 
(何も憂うべき事はない筈なのに…どうして、俺の心はこんなに晴れないんだ…?)
 
 愛する人間と抱き合って、頂点に達して心地よい疲労感に満たされているのに…
それでも、黒い染みのようなものは心の中から消えてくれなかった。
 
「はぁ…はぁ…」
 
 心が荒れているのを相手に気づかれたくなくて…荒い呼吸を無理に整えなかった。
 触れ合っている肌がじんわりと湿っているのが伝わっていく。
 セックスによって、お互いの体熱が上がっていたせいだろう。
 ぼんやりとそんな事を考えながら、相手の肩に顔を埋めていくと…御堂の腕がそっと、
こちらの後頭部に伸ばされて優しく撫でられていった。
 
「克哉…」
 
「孝典…」
 
「ふふ、何となくくすぐったい気分だな…。君とこういう関係になるなんて…少し前だったら、
考えた事もなかったのに不思議なものだな…」
 
「………そう、だな…」
 
 御堂は何気なく言ったつもりだったのだろう。
 だが、その一言がどうしてか…酷く克哉の胸に突き刺さっていった。
 そう、克哉は罪を犯している。
 御堂に対して、拭い切れない罪の意識を決して消えない程の…重すぎるくらいの。
 
「…どうして、顔を見せないんだ…? ずっと顔を埋めているだけなんて…君らしくないだろう?
 其処まで体力がない訳じゃないだろう…?」
 
「…久しぶりにあんたと抱き合ったんでね。運動不足だったせいで少し疲れただけです。
やはり人間、定期的に適度な運動をするのは必要みたいですね。どれだけ
忙しくても…あんたを抱く時間は週に一回は捻出しないと、どんどん体力が
衰えていきそうだ…」
 
 御堂の声に怪訝そうな色が滲んでいるのに気づいた途端、克哉は顔を上げて…
いつもの調子で憎まれ口を叩いていった。
 
「わ、悪いが…週末に休みが取れないぐらいに多忙な時期は、ちゃんと自重してもらうぞ。
私だって、出来るなら…その、君としたいって気持ちはあるが…翌日に支障が確実に
出ると判っているからな…」
 
「判っていますよ…あんたが翌日使いものにならなくなったら、俺たちの会社の
運営に支障が出ますからね…」
 
「そ、そうだ。あれは私と君の…二人で作った会社だ。一応トップの一人として、
いい加減な真似はしたくない…」
 
「判っているさ…お前のそういう生真面目な所はな…」
 
 御堂は、そういう男だ。
 自分が背負った責任を、決して自分の身勝手な理由で放り投げたりしない。
 そういう責任感の強さがあるからこそ、三十代前半という若さであっても、かつては
大企業の部長職になんて就けたのだろう。
 そんな御堂だからこそ、焦がれた。
 間違った方法を用いても、屈服させたかった。憎ませて自分の事で相手の頭を
いっぱいにしたかった。
 ふと過去の罪がまた頭の中をよぎって、息が詰まりそうになる。
 
(…俺は一体、どうしてしまったんだ…? 最近、どうしてこんなにも過去の過ちばかりが
頭の中に浮かんでくるんだ? こうしてせっかく、御堂と甘い時間を過ごしているのに…)
 
 苦い顔を、恋人の前で浮かべたくなくて必死に表情を繕っていく。
 それが無言を生み出す間に繋がり、再び相手を怪訝そうにさせる要因に繋がった。
 
「…今日は一体、どうしたんだ…? 何か様子がおかしいように感じるんだが…」
 
「…心配するな、少し疲れてボーとしてしまっているだけだ…」
 
「…それなら良いんだが…」
 
 納得しきってないが、疲労している時にボーとしたり注意力が散漫になる事は誰にだってある。
 有能である御堂や克哉だって、それは例外ではない。
 だからこそ…そういわれてしまった側は引き下がるしかない。
 
「疲れているなら…名残惜しいが、そろそろ寝た方が良いだろうか…?」
 
「そう、だな。あんたをトコトン味わうのは一旦、寝て体力を取り戻してからの方は良いな。
明日は久しぶりの二人揃っての休日だから、今から楽しみだ」
 
「…せめて明後日に腰が立たなくなるような事だけはするなよ?」
 
「ああ、判っているよ。あんたは俺の大切なパートナーだからな。右腕がそんな理由で
働けなくなってしまったら、俺達が作った会社にとってとんでもない損失だからな…」
 
「ふふ、今の君は…そういう事をちゃんと配慮してくれるようになったからな。
それだけでも…有り難いな…」
 
「…昔の俺は、そんな当たり前の事すら配慮しないで…あんたを好き勝手
していた、からな…」
 
「えっ…?」
 
 御堂が何気なく言った言葉に、つい反応して後悔めいた発言が口をついていった。
 その途端、御堂の顔がまた訝しげな色を滲ませていく。
 
「…もう、間違いたくない…。あんたに、あんな酷い事は…二度と…」
 
「…判っている。だからもう言うな…。そんなに辛そうな顔を…しないでくれ…克哉…」
 
 一気に二人の間に流れる空気が甘いものから、重苦しいものへと変わっていく。
 そんな雰囲気を長く引きずりたくなくて、御堂は会話を打ち切るように告げていく。
 だから、克哉は胸の内をどうしても御堂に告げられない。せっかくの二人の時間を、
過去の罪によって苦いものにしたくないという理性が働くからだ。
 
「…私はもう、君を許している。だからこうして側にいるんだ。それを…判ってくれ…」
 
「…ああ、判っているさ…」
 
 けれど、克哉の表情は晴れない。
 この重苦しい空気を引きずりたくなくて…克哉は枕に顔を埋めてつぶやいていく。
 
「…もう、そろそろ寝よう。お互い疲れているからな…」
 
「…ああ、そうだな。それが良いかもな…」
 
 そうして、お互いに複雑な思いを秘めながら就寝する為の準備を始めていく。
 お互いの体温と息づかいを感じて、確かに幸福感を覚えているのに…どこか、
張りつめたものを漂わせていた。
 
「おやすみ、孝典…」
 
「ああ、おやすみ…克哉…」
 
 そうしておやすみのキスを交わして、そっと唇をついばみあう。
 そしてお互いの体温を感じあいながら…緩やかにまどろみの中に落ちていく。
 
ーだが、彼は知らなかった
 
 この夜をキッカケに、突然今までの世界がひっくり返ってしまう事を予測しないまま…
彼は、深い精神の淵へと意識を落としていったのだった…
 
 
 ※2012年9月6日より開始した眼鏡×御堂に克哉が絡んでくる
形式の話になります。
  三角関係や恋愛主体ではなく、眼鏡や克哉の心理や葛藤に
焦点を当てた話になりますので了承した方のみ目を通して
下さいませ。


 御堂の快感を引きずり出すように、硬く閉ざされている中をじっくりと
指先で解していく。
 指の腹で前立腺の部位を探り当てて、こすりあげていく度に顕著にその
身体が跳ねていった。
 
「んんっ…うっ…はぁ…」
 
 何かを必死に堪えるような表情を浮かべる御堂が、酷く艶めいて見えた。
 その度に、克哉の背筋も痺れに似た感覚が走り抜けていった。
 愛しい相手を、自らの手で乱して感じさせている事実に興奮していた。
 特に御堂のような力強くて、人一倍プライドが高い人間がこちらに身を委ねて
くれている事実に、強い満足感が広がっていった。
 解す行為を続けている内に、最初は硬かった内部が緩やかに柔らかくなって
いくのを指先から感じていく。
 それに伴い、相手の顔も熱っぽいものへ変わっていった。
 
「克哉、もう…焦らすな…」
 
「…これだけ丁寧にやっているのは、お前を傷つけない為だぞ…孝典?」
 
「そ、んなの…分かって、いる…。けど、もういいから…早く、してくれ…君が、欲しい…」
 
「…俺もだ。孝典が欲しくて…堪らない…」
 
「えっ…?」
 
 相手を焦らして、徐々に追いつめていくのも楽しかったがこんな風にストレートに
求められてしまったら、克哉の理性のタガも外れていった。
 二週間、抱き合えなくて…欲求不満を募らせていたのはこちらだって同じだった。
 
「…俺も、この二週間…あんたを抱きたくて、たまらないのを我慢していたんだ
…同じ、だろ…?」
 
「ああ、そうだ…」
 
 克哉が余裕ない表情で本音を漏らしていけば、綻ぶように御堂が微笑んでいく。
 日頃、険しい顔か難しい顔か、凛とした表情ばかり浮かべている彼が
微笑すると、こんなにも柔らかい顔になるという事を周りにいる殆どの人間は
知らないだろう。
 滅多に見れないのは恋人である自分でも同じだった。
 こうして抱き合う合間に、時々見れる程度で…だから見る度に胸が熱くなって、
どうしようもなくなっていく。
 
「お前が欲しい…」
 
「あっ…」
 
 両足を大きく開かせて強引に割り開かせていくと同時に、勃起した性器を
あてがって腰を深く沈めていく。
 相手の熱い内壁に奥まで挿入していくと…たったそれだけでも達して
しまいそうになる。
 
「相変わらず…お前の中は熱くて、気持ちいいぜ…本当に最高だ…孝典…」
 
「…君だって、凄く熱いじゃないか…火傷、しそうになる…」
 
「そりゃ、あんたを求めてこうなっているんだ…散々、俺に抱かれている
んだから…分かるだろう…?」
 
「ふっ…ううっ…あっ…」
 
 正面から抱き合う格好になりながら抽送を繰り返していく。この瞬間だけは、
御堂を貪るように激しく抱いている時だけは余計なものがよぎることはなかった。
 こちらが動く度に、御堂の表情が快感によって歪み…必死にしがみついてくる。
 その度に、こちらも満たされていくのを感じる。
 さっき一度放った筈なのに、いつの間にか硬度を取り戻した相手のペニスを、
こっちの腹部でこすりあげていくように意識していくと…更に御堂の身体が、
痙攣するように小刻みに震えていった。
 
「うっ…はっ…あ、ああっ…!」
 
「…イイぜ、感じている…あんたの顔、凄く…そそる…」
 
「バ、カ…言う、なぁ…あっ…くぅ…!」
 
 御堂は、抱いて乱れている時ですら…時折抵抗するような言葉を
喘ぎの合間に紡いでいく。
 完全に屈服したり、従順したりしない。
 …そういう男だからこそ、克哉にとってはは…抱く度に何とも言えない
支配欲を覚えて、たまらなくなるのだ。
 パンパンという、肉同士がぶつかりあう音が部屋中に響いていった。
 少しでも長く相手と繋がっていたい気持ちと、早く頂点に達して御堂の中に
情熱を注ぎ込みたい矛盾した欲求を同時に抱いていく。
 相手の口腔を犯すように、再び深く口づけて舌を絡ませあっていく。
 息苦しくなるぐらいに濃厚なキスを交わしていくと、背筋がゾクゾクする程、
気持ちが良くて蕩けてしまいそうだった。
 
「孝典…も、う…イク、ぞ…」
 
「ああ、私、も…うあっ…!」
 
 お互いに余裕のない顔を浮かべていきながら、夢中で腰を振りあって
快感を追い求めていく。
 息が乱れて、徐々に頭が真っ白になるのを感じていく。
 相手の身体にしっかりとしがみつくように抱き合っていく。
 少しでも相手に近づきたくて、感じたくて…腕に力を込めていきながら腰を
揺らし続けて…ついに頂点に達していった。
 
「ふっ…ああっ…!」
 
「くっ…!」
 
 お互いに息を詰めていきながら、控えめに声を漏らしていった。
 ほぼ同じタイミングで達していくと、克哉の腹部には白濁が飛び散り…
御堂の中には相手の精が勢い良く注ぎ込まれていく。
 心が、満ちて…幸福感が広がっていく。
 
(お前が、愛しい…孝典…)
 
 言葉には出さなかった。
 けれどその気持ちを噛みしめて、呼吸を整えていきながら相手の身体を
しっかりと抱きしめていく。
 
―何故、俺は以前にあんな馬鹿な真似をしたのだろうか…
 
 欲望を吐き出して、冷静さを取り戻すと同時に…胸の中に黒いインクの
染みのように、そんな後悔の念が浮かび上がっていく。
 
(また、だ…)
 
 ふとした瞬間に、暗い思念が最近良く浮かび上がっていた。
 その苦い顔を見られたくなくて…克哉は相手の肩に顔を埋めて、己の顔を隠していったのだった―
 

 一週間ぶりになりました。
 前回、ちょっと日記に書いたうちの猫の一匹が、日記書いた日の翌日に
天に召されてしまいました。
   生後一年半、人間で言えば5歳か10歳ぐらいで亡くなってしまった
ようなもんなんで…まだお前、死ぬの早いだろ! という気持ちになりまして。
 ズモモ~ン…と一人でいる時はテンション下がりまくっておりました。
 
  人前とか、会話しているとかそういう時はとりあえず普通なんですけどね。
  その分、一人になった途端にドカンと気持ちが落ち込むタイプなんで(汗)
  そのせいで何か色々、失敗続きというか色んな処にポカ出しまくっていると
いうかそんな感じになっておりました(遠い目)

  ただ一応、通勤中の電車の中で20~25分だけでもポメラで話を
書き進めるというのだけは続けておりました。
  一先ず、一話につき2000文字前後、それを10話分までは書いたんで
ボチボチ掲載していきます。
  週、1~2回と言っておきながら一回ぐらいしか更新出来てないですけどね。

  後、近況として最近…あべ美幸さんという作家さんの本を、纏めて
全部揃えました。
  先週辺りに地元のアニメイトで「SUPER LOVERS」1~5巻までを
見かけて、妙に気になったんで直感に任せて買ったんですが…もう、
これ、私の好みのドストライク過ぎてすでに本がヨレヨレになっているぐらい
繰り返し読んでます。
  本屋に並んでいたこの人の既刊、一通りそろえてしまっただよ…。
  気に入った作家さんの本、まとめ買いなんて久しくやってなかったから
新鮮でしたけどね。

  何ていうか、一言でいうならヘタレな美形兄ちゃんな攻めと…不幸な
過去を背負っている野生児な男前の受けのじれったい感じのラヴです。
  血は繋がってなくて、両親が亡くなる直前に養子縁組をしていたから
兄弟になっているという設定なんですけどね。
   とにかく、主人公の零(レン)が偉い可愛くて、すげーときめく!
  何かの時に、アホな事をやるお兄ちゃんの晴(ハル)を容赦なく
殴り飛ばしたり、ツッコミ入れたりするのが可愛い。
   …そしてこの本を気に入ったからこそ、この人の既刊全部を一気に
揃えたら、八犬伝というシリーズが、来年アニメ化するとの事。
  これも1~11巻まで揃えて読みましたけど、犬飼幻八(字、これで良いのか?)が
変態扱いされて笑えました。
  ただ、ちょっとBL要素はあるけど…ベースになっているのは滝沢馬琴の
南総里見八犬伝で、その八人の転生した後のお話という設定です。

  …そして、夏コミ明けからドラクエⅩを開始していて…相当に兄貴をサポートしながら
日々続けていたんですが、先日…ついに「バトルの申し子」の称号を得ました。
  一万回の戦闘をした者に授けられる奴なんですが、そうか…そんなにこの世界で
闘っていたんですが私、という感じですな。
  それと兄貴がやっとキーエムブレム六個手に入れて重要なイベントをこなしました。

  とりあえず近況としてはこんな感じです。ではでは。 

 

 とりあえず、仕事の方はぼちぼち慣れて来ました。
 仕事を始めてから、毎日教えて貰った事や、仕事の手順。
 それと仕事の失敗、気づいた事、教えて貰った事、叱られた事など
毎日、ちょっとずつでも休み時間中に書くようにして…そのページ数が
8P目を越えました。

  一応、書くって事は情報のアウトプット、思い出して整理をして纏めて
記憶する…というのに非常に役に立つとの事なんで、前の職場辺りから
仕事ノート(以前はポメラだったけど、今はノートとシャーペンで)を
書くようにして少しずつ成果は出ているかなって感じです。
  一か月を過ぎて新人ノルマじゃなくて、一人前の仕事量に徐々に
移行しつつある状態です。ヒーヒー。

  後、香坂の家では猫を二匹飼っているんですが…その内の一匹が
そろそろ危ない感じです。
  持ち直さなかった場合は、今週いっぱい持つか持たないかという
感じです。
  母さんも今日、インプラントの手術をするらしく…一か月は自宅療養というか
安静にしなくちゃいけない状態になったし。

  もう食が細くなって一か月経って随分と弱ってしまっている感じです。
  九月に入って、一週間ぐらい顔を見せなくなり。
  先週末ぐらいにか細い声で家の前の神社で鳴いているのを捕獲をしてから
毎晩、猫の鳴き声がすると神社まで迎えに行っている状態です。
  …まだ生後一歳半程度の子なのに、という想いはありますが…生き物を
飼うっていうのは、その最後を見とる事もワンセットになっているんで…
とりあえず最後まで面倒みます。
  …二カ月ぐらい前まで元気に暴れ回って、バカやっていた子だったのに
何で急速にこんなにやせ細ってしまったんだろうかって思いはありますけどね。

  ちょっとそのせいで、精神的に落ちこみがちっす。
  まあ、人前に出れば取り繕って普通に応対しますけどね(一応大人だし)
 持ち直して、元気になってくれれば良いと密かに祈りながらという感じっす。

 後、兄貴が「キングダム」って漫画を買って来て薦めて来たので読んだんですが
なんつーか、熱い漫画で面白かったです。
  今、20巻まで家にあるので其処までは読破しました。
 とりあえず近況はこんな感じっす。
 ちょっと先週末は、猫の件でバタバタしていて…週末に二話を掲載しようとして
ストン、と抜け落ちてしまっていましたがね。
  とりあえず、水曜日か木曜日のどっちかと、土日のどっちかに掲載…という
ペースでまったりやっていきます。

 一応、現在八話目を通勤中の電車で執筆中です。
 そして体重は…うなぎ昇りに一時増えて、それを今…徐々に落としている
感じですね。体脂肪率が仕事始めて3%落ちましたが、むしろ体重が増えていると
いうミステリー現象が…。身体を使うようになってまた筋肉が徐々に増加
してきているみたいです。あな恐ろしや。
  …脂肪の厚みはちゃんと少しずつでも減っているのに、体重に反映されない状況が
いつまで続くんですかってツッコミ入れたいっすよ。トホホ。

 とりあえずそんな感じです。
 では今夜はおやすみなさいませ~。では!
※2012年9月6日より開始した眼鏡×御堂に克哉が絡んでくる
形式の話になります。
  三角関係や恋愛主体ではなく、眼鏡や克哉の心理や葛藤に
焦点を当てた話になりますので了承した方のみ目を通して
下さいませ。


 ベッドの上で、御堂を手早く全裸に剥くと、執拗なくらいに口腔を舌で貪った。
一足先に相手の中に入り込んだ熱い舌は、容赦なく御堂の舌を絡め取って、
甘く吸い上げていく。
 グチャグチャ、ヌチャヌチャとお互いの脳裏に酷く卑猥に粘質の水音が響いていく。
 
「ふっ…はっ…克哉、もう…」
 
「ほう? もうキスだけでとろけてしまっているのか…? 今日はずいぶんと
反応が早いな…」
 
「…ばか、そんな事…言うな…。恥ずかしく、なる…」
 
「…何を今更。今、俺とお前は…恥ずかしくなって、お互いに気持ちよくなる事を
一緒にやっているんだろう…?」
 
「…どうして、君は…そういう物言いしか、出来ないんだ…」
 
「…俺がこういう男だって事は、あんたは良く知っているだろう?」
 
「…ああ、残念な事にな…」
 
 呆れたように呟く御堂の首筋に顔を埋めて、赤い痕を幾つか刻んでいく。
 剥き出しになった胸板全体を手のひらで撫でさすり、突起に刺激を与えて
いく度に、御堂の身体は顕著に震え始めていく。
 
「…相変わらず感度が良いな…」
 
「…誰が、そういう風にしたと思っているんだ…はっ…」
 
「…俺、だろう? お前みたいにプライドの高い男が…簡単に他の男を
受け入れる訳がないからな…」
 
「…判っているなら、言うな…あ、ぅ…」
 
 戯れめいた言葉をやりとりしながら、克哉はそのたよりない突起に
愛撫を与え続ける。
 男であっても、開発すれば其処は十分に強い快楽を与えられる部位に
なりうることをこっちは熟知している。
 適度な強弱をつけながら、指先でつまんだりこねたりしていてはされている
方もたまったものではない。
 すっかりと御堂のペニスは硬く張りつめて、引き締まった腹部につきそうな勢いだった。
 相手の身体の上に折り重なる体勢になっている為に、相手の興奮度合いが
克哉の方にも如実に感じられていった。
 
「はっ…其処、ばかり…弄るな…」
 
「…どうしてだ? こんなに身体を震わせて悦こんでいる癖に…?」
 
「…だから、君はどうしてそういう事を、平然と言うんだ…くっ…」
 
「…孝典、俺の前では快感は堪えるな…。お互いに悦くなる為に
抱き合っているんだからな…」
 
「……簡単には、出来る訳がない…」
 
「くくっ…だからあんたと抱くと、たまらなく興奮するんだよ…」
 
「…それは、どういう…はっ…」
 
「あんただって男なんだ、推測はつくでしょう…? だが、俺の恋人である限りは
こういう時は女役でいてもらうがな…」
 
「っ…!」
 
 女役、という言葉に反応して御堂の目がカッと見開かれていくと同時に、
相手のペニスを握り込んで先端部分を執拗に弄りあげていく。
 自尊心が人一倍強い者を、言葉で詰って羞恥を与える行為は克哉の
支配欲を満たしていった。
 すでに数え切れないぐらいに抱いているおかげで、御堂が感じる場所は
知り尽くしている。
 亀頭の、特に尿道口周辺を指の腹で責め立てていくと相手の息は大きく
乱れ始めていった。
 
「はっ…ぁ…うっ…」
 
「おまえの感じている様は…凄く色っぽいぜ、孝典…」
 
「ん、はっ…」
 
 こちらの手の中で硬く張りつめ、ドクンドクンと脈動している堅さを実感すると
同時に、愉快な気持ちが浮かび上がって来る。
 御堂が自分の手で感じている、それがたまらなく嬉しくて仕方なくなる。
 ペニスを手で扱き続けている内に、御堂の表情は余裕のないものへと変わっていった。
 
「もう、ダメだ…あっ…」
 
「イイぜ、イケよ…孝典…。その様、見ててやるから…」
 
「見る、な…バカ…ああっ!」
 
 微かに抵抗する素振りを見せていきながら、御堂はついに達してこちらの
手の中で熱い白濁を吐き出していく。
 
「今日は、いつもよりもミルクの量が多いんじゃないんか? そんなに
たまっていたのか…?」
 
「はっ…はぁ…それは、君だって同じだろう! 二週間、こういう事をする機会は
お互い、なかった訳だからな…。それとも、私の知らない所で君はスッキリ
していたのか…?」
 
「さあ、どうだろな? 想像にお任せするよ…。ただ、今の俺はあんた一筋だけどな?」
 
「…そういう、不意打ちみたいな言葉を吐かないでくれ…言葉に困るからな…」
 
「事実を口にして、何が悪いんだ…?」
 
 浮気でもしているのか? と戯れめいた言葉を吐いて言葉遊びを楽しもうとした
途端に、まるでこちらの意図を先に読まれたかのような返答が先に来て、
御堂は困惑の表情を浮かべていく。
 恋人に、一筋だと言われたら…好きな相手からなら嬉しくない訳がない。
 照れ隠しに、御堂の方から相手の肩に腕を回して強引に口づけていった。
 お互いの意志が蕩けるような甘く、激しいキスに思考が麻痺していくような
気分に陥った。
 
「はぁ…ふっ…」
 
「…孝典、そろそろ抱くぞ…?」
 
「ん、来て…くれ…」
 
 一度達して何度も深いキスをしたおかげか…すっかり御堂の身体は
受け入れる準備が整っていた。
 小さく頷いていくと克哉は枕元に置いてあったラブローションを取り出して
いって、その中身を多めに手に取って蕾に塗り付け始めていく。
 
「ううっ…はぁ…」
 
「もう少し我慢しろ…。その後に、お前を凄く…悦くしてやるからな…」
 
「んっ…うっ…」
 
 そうして、克哉は恋人の狭い内壁を緩やかに押し開くようにそっと中へ、
指を挿入して解し始めていったのだったー
 
 
※2012年9月6日より開始した眼鏡×御堂に克哉が絡んでくる
形式の話になります。
  三角関係や恋愛主体ではなく、眼鏡や克哉の心理や葛藤に
焦点を当てた話になりますので了承した方のみ目を通して
下さいませ。

「第一話」
 
―愛する人と共に何かを成す事がこんなにも自分を満たし、幸福に
してくれるとは思ってなかった
 
 御堂孝典と二人で興した会社が軌道に乗ってから、多忙極める日々の中で
佐伯克哉はその幸せを噛み締めていた。
 本日も一日、非常に忙しかった。
 夜の21時を回ってようやく、こちらのこなしていた仕事は一段落がついたので
一足先にエレベーターで自分の部屋があるフロアまで移動して、
玄関に足を踏み入れた時…強い充足感が彼の胸の中にあった。
 
(公私ともに充実しているとは正に今のような状態のことを言うんだろうな…)
 
 ネクタイを緩めていきながら、ソファに腰を掛けて深く息をついていく。
 御堂の方の仕事は、後もう少し掛かると言っていた。
 週末の夜、明日の日曜日は久しぶりに御堂と共に一日休みを取れる日だ。
 ここ一ヶ月ぐらい忙しくて、二人一緒の休みなど取れる処ではなかった。
 別々に休みを取ることもなかなか厳しく、二週間前に午後からの半休を一緒に
取ったきり…本当に働きづくめだった。
 
(だが、それだけ物事が上手く行き始めた証でもあるな…。正直、こんな短期間で
ここまで上手くいくとは想定外だったがな…)
 
 彼が思っていた以上に、今は物事は上手く進み始めていた。
 元々御堂と再会をした辺りは…MGNの部長としての立場では満足出来ずに、
独立を考えてその準備をしていたが…それでも、一年に満たない段階でここまで
成果を上げられるとは思っていなかった。
 
「…本当に、御堂という右腕を得ることが出来たことが…俺の人生の中で
一番の幸運だったな」
 
 その事を自覚した途端、幸福感の中に…僅かに苦い思いがジワリと
広がっていくのを感じていく。
 御堂孝典という掛け替えのない存在が、今…自分の傍らにいてくれる喜び。
 それが強ければ強いだけ、かつて自分の犯した過ちが…ふとした瞬間に
過ぎって彼の心に深い影を落としていく。
 
(もうじき御堂が来る…そうしたらまず何をしようか。順当に行けば夕食を
食べるだろうが…気持ち的には食事よりも、御堂自身を味わいたいな…)
 
 男同士のセックスは、特に受身の方に掛かる負担が甚大になる。
 その為、この二週間まともに御堂に触れられなくて、彼の心は大きく飢えていた。
 本音を言えば毎日だって抱き合いたいのに…それをすればきっと御堂は
立てなくなってしまうのが分かっているから。
 そう思った瞬間、チクリと胸に痛みを感じていく。
 
(以前の俺なら、あいつの都合などお構いなしに容赦なく犯していたな…)
 
 御堂を、強引に監禁してその地位すら奪ってしまった時期の事が蘇る。
 そう、その過ちの記憶があるからこそ…彼は御堂に対して無理強いを出来なくなった。
 御堂が大切な人であればあるだけ、その想いが日々積み重なっていけばいくだけ…
罪の意識が彼の中で強まっていく。
 もう、二度とあんな酷い事などしない。
 彼を大切にしたいと、愛しているのだと今の彼には間違いなく言い切れるのに…
何故、こんなにも苦い思いは消えてくれないのだろうか?
 ソファでくつろいでいる筈なのに、胸の中にドロドロしたものが渦巻いているせいで
…あまり精神的に休めないまま、時間だけがすぎていく。
 そうしている間に、玄関の方から気配を感じて…慌てて立ち上がっていく。
 大急ぎで出迎えに走り、玄関で靴を脱いで内側から鍵を掛けて室内に足を
踏み入れようとしている御堂を、問答無用で抱きしめていく。
 
「克哉…?」
 
「…孝典…」
 
 お互いに名を呼びあってから、強引に唇を重ねて貪るようなキスを交わしていく。
 熱い舌先が絡み合い、脳髄に響くような快感が全身を駆け巡っていくのを感じていった。
 
「…はっ…ぅ…」
 
「ふっ…ぅ…」
 
 お互いに息継ぎの合間に、悩ましい声を漏らしていく。
 暫く触れあうだけの軽いキス程度しかしていなかったせいでこれだけでも
下半身がズックンと脈動し、息づいていくのを感じた。
 
「…克哉、玄関先で…こんなキスをするな…困る、だろう…」
 
「へえ? 今夜はこれから俺と抱き合うつもりでこの部屋に来たんだろう…?
 何を困る事があるんだ…?」
 
「…今日はベッドでなければ嫌だぞ? お前は気を抜くと何処でも盛って
好きなようにしてくれるからな…」
 
「…それはあんたが、魅力的だからだ。だからこれでも…この二週間、
頑張って抑えていたんだぞ…?」
 
「…それは、私だって同じだ。我慢していたのは…」
 
 御堂が本当に悔しそうな顔をしながら…こちらの袖をギュッと握りしめてくる。
 どこまでもプライドが高く、高慢だった御堂が…こんな
顔を浮かべるようになるなど、出会った頃には想像もつかなかっただろう。
 頬を上気させながら、絞り出すように本音を漏らす御堂の表情には
何とも言えない艶があった。
 
「…そうか、なら…明日は丸一日休んでいられる貴重な日だ。今夜はあんたを
一晩中でも抱いて過ごしたい気分だ…」
 
「いくら明日が休みでも、一晩中は困る…。明後日に出勤出来なくなったらどうするんだ!」
 
「その時は俺があんたをお姫様抱っこをして、会社まで運んでやるさ…」
 
「そ、そんなのは絶対に御免だからな!」
 
 こちらの言葉にイチイチ、ムキになって反論してくる御堂は克哉にはとても可愛らしく映る。
 
「…分かった、少しは睡眠を取れるようにはするさ…。そろそろベッドに行こう、
孝典。お前が早く…欲しい」
 
「…私、もだ。早く行こうか…」
 
「ああ…」
 
 そうして、愛しい相手と連れだって寝室の方へと向かっていく。
 愛しくて堪らない恋人と、久しぶりに熱い時間を過ごせる事に心は喜びで満ちていた。
 
ーだが、そんな時にすら一瞬だけ胸の内によぎる闇が確かに存在していた
 
 彼はそれから目を逸らす為に、寝室に辿りついた瞬間…強引に御堂をベッドの上に
組み敷いて、乱暴なくらいに性急に服を脱がし始めていった―
  こんにちは、新しい職場に勤めるようになってから
今日(九月五日時点)で丸一ヶ月目を迎えました香坂です。
  一先ず、朝の通勤時に電車の中で書きためていた話が
五話分程ストック出来ましたので、週に1~2回程度掲載する
ペースなら、充分連載は可能かなと思いましたので本日から
開始致します。

  一応、眼鏡×御堂ベースですが…ノーマル克哉がかなり
絡んで来ます。
   このシチュは今までも書いていますが、今回は若干今までの
ものと切り口を変えています。

  今までの話は、ノマが絡んで来た場合眼鏡…もしくは御堂の方に
強い恋愛感情を持って、というパターンでしたが…今回は恋愛方面に
あまり焦点を当てていない話という事だけ事前に伝えておきます。
  三角関係メインではなく、眼鏡克哉とノマ克哉の存在の在り方や
葛藤の方に重きを置いた感じの話になると思います。

  お盆の頃には、と言っていたものが二週間ぐらい遅れてしまいましたが
9月6日分の日記から開始します。
  ゆったりしたペースになりますが、久しぶりに長い話を書く事にしましたので
良ければお付き合い下さい。

 こんにちは、ほぼ一ヶ月ぶりの登場の香坂です。
 お盆休みぐらいには鬼畜眼鏡の~と言っておきながら
九月になってしまってすみません。
 一応、四話目の途中まで書きました。
 序章部分に当たる部分が書き終わった時点で、週二回程度
の掲載ペースで載せていきます。
 もうちょいお待ち下さい。ヒッヒッフー!(何か違う)

 と、ボケをかますのはこの辺にしておき。
 とりあえずこの一週間程、喉風邪を引いてました。
 食欲あるし普通に動き回って働いているし、全然寝込んだりしてないけど
一時間に2~4回程度のペースで派手に咳き込む感じになって
おりました。
 なんつーか、喉風邪の段階で進行が止まっている感じっすね。
 時々だるくて、ボーとして身体が動かなくなる感じです。

 後…近況としては、猫に懐かれて色々嬉しいだけど困っている
という感じになってきています。
 二匹、うちにメス猫がいるんだけどその内の片方が七月末辺りから
急激に懐き始めて、夜に香坂が神社で散歩しているとほぼ必ず
やってくるようになって、歩いているこっちの周りでウニャウニャしたり
足元にすりよってじゃれたりと。
 …その範囲までなら可愛くて良かったんですが、こっちと一緒に
いたいという気持ちが強くなってしまったのか…夜間にこっちの寝ている
部屋の手すりまでやって来てニャーニャー泣き喚かれて呼ばれるように
なってから、もう睡眠に差し障りが出て来ましたヨ…。
 という訳で度々、安眠妨害されているせいで少し体調崩れがちに
なってきました。夜中の四時に一回、起こすのはマジでヤメてくれ…。
 それ以外は可愛い猫なのになぁ。

 んで、連載については…久しぶりに本腰を入れてやろうと思っています。
 ただ、長期連載に関しては以前と同じ方法は取れないし…また途中で
途切れてしまうのは目に見えているんで、別のスタイルにしようとして
ちょっと色々模索しています。

 以前は出勤する一時間前に起きて、20~30分を小説を書く時間に
当てて一話を書いていたんですが…だんだんそれがきつくなって、
朝起きれなくなったのも重なって出来なくなりました。
 多分、寝つきが悪いのと眠りが浅いのが今は重なっているので
この方式での連載は、ちょっと体調的にもう出来ません。

 なので、新しい職場を開始してから地道にやっているのは…出勤時間の
電車通勤の時間内、(20分前後)で必ず書くようにしてある程度ストックが
溜まったら掲載するスタイルにしようかと。
 最初に書いた一話目が、ちょっとボツになったので新しく書き直した
バージョンで、今現在三話目まで終わって…四話で一応、序章部分が
終了になる感じです。
 プロローグが書き終わった時点で、週に二回程度のペースで
ゆっくり掲載していこうかなと思っています。

 以前のように、一時間で5~7ページを書いたり…30分で、
2~3ページを書いて一話分を掲載する、というのが今の私には
どうしても出来なくなりました。
 今思うと、良くそんな事を息をするように当たり前にやって
いたもんだなと…出来なくなってしまってからつくづく、
以前の自分は化け物だったんだなと思い知りましたけど(汗)

  …同時に、これはスランプじゃなくて。
  前の職場で色んな経験をして、良くも悪くも…諦めの極地というか、
達観というか…なんていうのかな。
 大雑把に言えば、空想に逃げていた幼い部分が…いろいろあって、
ちょっとずつ大人になってきたからこそ…心が子供のままだったからこそ
出来たことが、成長した事で…出来なくなってしまったんじゃないのかなって
思うようになって来た。

 そういった心境の変化の結果なんだなと。
 最近はそう認められるようになりました。
 とりあえず、今回は近況のみですみません。
 近日中に、掲載を開始しますので少々お待ちくださいませ(ペコリ)
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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