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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 とりあえず無事に春コミ完了しました!
 当日、差し入れを下さったりスペースの方に来て
新刊を手にとって下さった方、どうもありがとうございます!
 取り急ぎ、お礼と報告に上がらせて頂きました。

 そして当日、色んな方の所に懐きまくっていてすみません。
 構って下さったサークル主様も本気でありがとうございます。
 …ハイテンション、というか変人なのがイベントの度に
バレて来ているような気がしますが、何人か初めてオフで
初めて顔を合わせた方もいらっしゃって、嬉しかったです。
 …こんな奴ですみません、はい。

 そしてイベント後に、一緒に飲み会付き合ってくれた
いつものメンバー(すでに馴染みになりつつあるなぁ…)も
色々と毎回感謝です。
 そして今回の新刊の表紙と、こちらの本の委託を引き受けて
くれたへそまる嬢…本気でどうもです。
 毎度、迷惑を掛けてしまってすみませんが…その代わり、恩返しは
キチンとやりますので宜しく。マジで君にも感謝です。
 
 一年前の春コミは、一般としてただ知り合いも特にいなく…
パパっと買ってさっさと帰るような少し味気ない日だっただけに
今年は濃厚な一日になったので嬉しかったです。
 昨日は少々帰宅が遅かった上に、本日も疲れで夕食後に
即効で力尽きたので…すみません、一本投下は厳しいです。
 ただ、明日からはまた引き続き書いていきます~。
 では、本日はこれにて。

 私信  E坂さん、K本さん、Mおさん、水曜日までにはそちらに発送致します。
      もう少々、お待ち下さいませ~。
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 ※これは3月10日の御堂さんの日の企画作品です。
 御克の甘々なので覚悟しておいて下さい(ペコリ)

 自分の肌に御堂の掌が這わされている間、克哉は必死になって
声を殺していった。
 相手の指先がこちらの胸の突起をつまみ、こねくり回しながら
甘い快感を与えてくる。
 けれど僅かに開かれているガラス戸が、声を出したらこのマンションの
他の住人に聞かれてしまうかも知れないという羞恥心が…いつものように
感じたままに声を出すことを阻んでしまっていた。

(御堂さん、意地悪…意地悪だー!)

 心の中でそんな言葉ばかりがグルグルと巡りながら、必死になって
瞼をぎゅっと閉じてその感覚に耐えていく。
 御堂はすっかりシャツを完全に捲り上げて、胸の周辺に執拗な愛撫を
与えながら…胸板全体を唇で啄ばんでいた。
 昨夜に引き続いて、胸の周辺に…所有の証が幾つも刻み込まれるのを
感じて、その度にビクビクと肩を震わせていく。

「ぁ…ぅ…」

 片手で口元を覆っても、それでも強い刺激を与えられれば微かな
喘ぎの声は漏れてしまう。
 異常な緊張感に晒されてしまっているせいだろう。
 ズボン生地の下では異常なぐらいに硬く己の欲望が息づいている。
 早く其処に触れられたいという率直な欲求と、その部位に強烈な
刺激を与えられたら果たして自分は声を抑えられるだろうかという
期待と不安の両方の気持ちが、克哉の中で渦巻いていた。

「ほう、結構頑張るじゃないか…? それなら、ここはどうだ…?」

「っ…!むっ…くっ…」

 御堂の手が、生地の上からギュっと強めに性器を握り込んでいく。
 とっさに唇を噛んでその衝撃に耐えていったが…早くも彼の掌で
浅ましく自分の欲望が息づいているのが判った。
 
(生地の上からだと、少しもどかしい…)

 すでに散々抱かれて、直接御堂の整った指先で触れられる鋭い快楽を
知ってしまっているせいか、ねだるように勝手に腰が蠢き始めていく。
 けれど、声を出したくはないが身体は勝手に快楽を求め始めている。
 その事実に、己の浅ましさに…克哉は耳まで真っ赤に火照らせていく。

「…どうした? 物凄く顔が赤いぞ…? 克哉…?」

「貴方、が…こんな風に、触れるから、じゃないですか…」

 克哉は泣きそうな表情を浮かべながら、言葉も絶え絶えに告げていく。
 けれど御堂は愛しい相手のその表情に、背筋がゾクゾクする程…自分の
嗜虐心が満たされていくのを感じていた。
 克哉は可愛い。だからいつも笑っていて欲しいという慈しむ気持ちも
あれば…同時に、自分の腕の中で喘がせてどこまでも啼かせたいという
凶暴な欲求を感じてしまう時がある。

「そうだな…君は、私に少し触れられるだけでこんなにも乱れて
しまうぐらいに…淫らな身体をしているからな…」

「そ、んな…事、はっ…! んんっ…!」

 克哉が反論している間に、御堂の手はスルリとフロント部分を寛げさせて
彼の欲望に直接触れ始めていった。
 痛いぐらいに張り詰めているペニスの先端を、早くも滲み始めている
先走りを塗りこめるようにしてくじき始めていく。
 ヌチャ、という微量な水音を響かせながら弄っていってやると…更に
克哉の顔は紅潮して、呼吸を乱していく。

「…ぁ、はっ…やっ、御堂、さん…やっ…」

「何が嫌、何だ?こんなに…君のモノは私の手の中で悦んでいると
いうのに…?」

 クスクスクス、と愉快そうに微笑みながら御堂は相手がもっと
感じるように…徐々に扱き上げる手の動きを早めていく。
 その度に克哉の先端から溢れる先走りの量は更に増えていって、
グチャグチャ…という淫靡な音が部屋中に響いていった。

「やっ…音が、凄く…大きく、聞こえて…!」

 実際の音量は、他の部屋にいるのならそれは微かで小さなものに
過ぎないのかも知れない。
 しかし身体に火が点いてしまっている状態では、憤死してしまいそうなぐらいに
その音は恥ずかしくて仕方なかった。
 喘ぎを殺していても、その水音を他の住人が聞きつけてしまうかも知れない。
 そんな不安が、うっすらと克哉の瞳に涙を浮かべさせていって…
忙しく胸元を上下させていく。

「これぐらいの音なら、大丈夫だ…。ただ、君がこれから先…大きな声を
出してしまったら…判らないがな…?」

「っ…言わ、ない…で…」

 ククっと喉の奥で笑いを噛み殺しながら、耳元で吐息を吹き込むように
そんな挑発的な言葉を呟いていく。
 そのままカリっと耳朶に歯を立てていくと、ビクリと克哉の全身が
大きく跳ねていったので…満足そうな表情を浮かべていく。

「君は本当に…愛、らしいな…」

 心からそう思いながら、早く一つになりたい欲求を強烈に抱きながら
御堂は…性急な動作で、克哉のズボンを脱がし始めていった―



 

 明日、参加予定の春コミの準備でバタバタしてます(汗) 
 とりあえず一日動き回って、7割ぐらい準備完了って
感じです~。

 本日分の更新は、そんな訳で遅くなります。
 書けたら書くって感じになるかも…。
 でも出来るだけ頑張ります!(ムン)

  とりあえず春コミインフォメーションの完成版を
正式にアップしました。
 良かったら読んでやって下され~。

  取り急ぎ、これだけ失礼します。
 何か倉庫から在庫引っ張り出したり、明日配布の
無料配布(通販おまけと内容一緒です。春コミで配布
すると以前言っていたので作っていました…)の印刷と
製本、荷物詰め、必要なものの発掘で一日気づいたら
終わりかけているねん。

 …自分の部屋のカオスぶりが憎いと久しぶりに実感
しましたわ…。
 ん~明日は新刊一種類と、冬コミ発行のオフ本二種類。
 それとその通販オマケ本の四種類が置かれております。
 詳細はインフォの方で。

 後、本日の更新分はギリギリになるか、もしくは15日分と
いう形で書きます。
 製本完了して明日の準備終わったら、一本書き下ろすので
ちょっとお待ちください…。
 ある程度睡眠を確保する程度までは、ギリギリまで今日は
作業していると思います。
 それではまた明日、春コミで良ければ会いましょう。!

 香坂は基本、スペースにいないですが(というか出歩いている率が
高いからという理由で、私の分の椅子は今回用意されていないのです)
その近隣をフラフラ歩いている可能性高いですから、良ければ
捕獲してやって下さい。
 というか、知り合いの方は問答無用で手土産もって顔出す可能性が
高いので覚悟しておいて下さい。
 スペースに座っているお姉さんはへそまるさんの方なので宜しく。
 んでは、また後で!

 

 ※これは3月10日の御堂さんの日の参加作品です。
 御堂×克哉で甘いバカップルものなので、ご了承の上で
お読みください。終わり次第、他の連載物に手をつけます…(汗)
 時期ものなので、一応これを今は優先させて貰います~。

  朝食を食べ終わると、克哉は片付けと洗濯物を干しに…
御堂はリビングで、ゆったりと本日の新聞に目を通しながら
過ごしていた。
  リビングから繋がる、ベランダの向こうには快晴の空が広がっている。
  まだ3月の初旬のせいか…気温は若干低めだが、ポカポカと
暖かい日光が注いでいるおかげであまり寒くは感じられない。
 そんな中で、恋人がかいがいしく交換したばかりのシーツ等を
干している姿を何気なく眺めていく。

(…たまにはこういう一時も良いものだな…)

 パラリ、とまた新聞のページを捲っていきながら必要な情報を拾っていく。
 自分の為に甲斐甲斐しく動いてくれる克哉を眺めながら、こういう穏やかな
時間を紡ぐのは悪くなかった。
 付き合い始めの頃は、一緒にいる時間は殆ど抱き合って過ごしていたが…
時を重ねるごとに、それ以外の時間も混ざり始めていく。
 克哉は鼻歌を歌いながら、ベランダで洗濯物を干している。
 それは所帯じみた光景であったが、幸福な日常の一幕とも取れる場面だ。
 パラ、パラ…と新聞を捲っている合間、御堂はとても幸せそうな
表情で恋人のそんな光景を見守っていく。
 ふと、こちらの視線に気づいたのだろうか。
 克哉が御堂の方を振り返っていくと、瞬く間に恥ずかしそうに頬を染めていく。
 それから、少ししてモジモジしたような動作になっていくが…それでも
洗濯物を干す作業を続けていった。

(恐らく私に見られていると気づいて、照れているんだな…まったく、克哉は
そういう所が可愛くて仕方ないな…)

 ククっと喉の奥で笑いながら、今度は新聞ではなく…ただ克哉だけを真っ直ぐに
見つめていった。
 視線を向けられていることに気づいているのだろう。時折、チラチラとこちらの
様子を伺っていたが…それを何度も振り払いながら、指先を震わせて大きな
シーツのシワを伸ばして、丁寧に干し続けた。
 彼が泊まった場合、キングサイズのベッド用のシーツの交換は必須だ。
 一応、最初の頃は週末明けに纏めてマンションの洗濯サービスを利用していたが…
それを不経済ですから、と言って彼が干すようになったのはつい最近の事だ。
 高校生のカップルのように、無我夢中にセックスを一日中し続けるのも良いが、
こういう平穏な日常の一時を共に過ごすようになるのも悪くなかった。
 どうにか彼が全ての洗濯物を干し終えて、リビングに足を踏み入れていくと
その表情はどこか拗ねたものになっていた。

「…ずっと、オレのことなんて見ていなくたって良いじゃないですか…。そんなに
面白いんですか…?」

「あぁ、面白い。私の視線を感じて、照れている君の姿は可愛かったぞ」

「…もう、今日…御堂さんは何回、オレのことを可愛いって言っているんですか!
そんな風に言われるの、本当に恥ずかしいですから止めてくれませんか…?」

「…それは無理だな。私は率直な感想を述べているだけだからな…克哉…」

「うわっ!?」

 ゆっくりと克哉がこちらの方に歩み寄ってきている最中、身体を起こせば
彼の方に手が届く圏内まで来た途端に、御堂は…彼の腕を強引に掴んで
自分の腰掛けているソファの上へと引き寄せていった。
 ドスン、と大きく音を立てて彼の身体が革のソファの上に沈んでいく。

「せっかくの休日だ。一仕事終わったのなら…私の傍で過ごすと良い…」

「あ、は…はい…んっ…」

 御堂が間髪を入れずに、克哉の目元に小さくキスを落としていくと…狼狽したように
瞳を何度も瞬かせながら、頷いて見せた。
 それから相手の頬から、耳の後ろの周辺に指先を這わせてツウっとなぞりあげて
いくと…目をキュっと伏せて、何かを堪えているような表情になっていく。
 その一挙一足がともかく愛らしく感じられて仕方ない。

(本当に…初心な反応ばかりするな…。見ているとどんどん、からかいたくなって
仕方なくなってくる…)

 本人に自覚はないだろうが、彼の反応の一つ一つが御堂の嗜虐心を時に刺激して
ひどく意地悪したい心境に陥ってしまう。
 同時に慈しんで、どこまでも可愛がりたい。
 少々矛盾した二つの思いがない交ぜになっていくのを感じながら…御堂はそっと
克哉の肩を抱いて、そっとソファの上で寄り添っていった。
 この体制だと、相手の顔は…近づけていかないとあまり見えない。
 けれど身体が硬くなっているのと…相手と触れ合っている箇所から、相手の脈動が
荒くなっているのに気づいて…ついほくそ笑みたくなった。

「…緊張しているのか?」

「えっ…その、そんな…事は…」

 克哉は慌てて、その言葉に否定していくが…トクトクトクと忙しくなって
いる鼓動が、彼の心情を如実にこちらに伝えてくれている。

「嘘だな。君の心臓は…こんなに荒く乱れているのに…」

「あっ…それ、は…んぁ…!」

 御堂がスルリと手を滑らせて、シャツの上から相手の胸の周辺をそっと
なぞり上げていく。
 たったそれだけの刺激でも、過敏に克哉は反応して身体を揺らしていたので…
つい悪戯心が湧いて、胸の突起を軽く摘みあげていく。

「…何だ、もう感じているのか…? ここをもっと弄ったら、君はもっと…
私の腕の中で甘く啼くんじゃないのか…?」

「やっ…まだ、昼間です、よ…御堂、さん…っ!」

「関係はないな。朝でも夜でも、こうして…休日に、二人で寄り添っているのなら
欲しいと思った時に求め合えば良いだけだ…。自分の欲望に正直になれ、と何度も
君に言っている事だろう…?」

 そう言いながら、御堂は背後から克哉を抱きとめているような体制になり…
執拗に胸の突起を、両手で弄り続けていく。
 首筋に、御堂の唇と舌先を感じる。
 時折強く吸い上げられて、鋭い痛みが走った箇所を…甘く舌先で舐め上げられながら
胸を弄られている内に、克哉の思考はまたボウっと霞がかっていく。

「んっ…正直に、なっていますけど…あっ…けど、まだ…こんなに明るい、のに…」

 窓から、明るい陽光が差し込んでいる事実に…余計に克哉は羞恥を
覚えていった。
 さっき御堂が言った通り、昼間に求め合った事など今までに何度もあった事だ。
 けれど…同じ昼間でも、ベッドの上でのセックスと…それ以外の場所でするのとでは
心情的に大きな違いが出てしまう。

「…もしかして君は、太陽の下で抱かれるのは抵抗があるのか…?」

「は、い…同じ明かりでも、電灯と…日の光では、大きな違いがあると思います…。
それに、ベランダの戸も…」

 そうして、克哉はチラリとさっき自分が出てきたベランダのガラス戸の方へと
視線を向けていく。
 その扉は、御堂の視線を意識してしまっていたおかげで…少し注意力が散漫に
なってしまって、少し隙間が開いてしまっていた。

「あぁ、君の声は案外大きいからな…。一応、この部屋は防音設備がしっかり
しているが…少し隙間が開いていたら、どうなるか判らないな…」

「はい、その通りです…だから、その…せめてカーテンを引かせて…ガラス戸を
閉めさせて下さい…! それからなら、良いですから…!」

 克哉はジタバタと御堂の腕の中でもがいていきながら、必死に訴えていく。
 …しかし、耳まで赤くしてそう訴えている克哉は本気で可愛くて。
 相手の願いを聞き遂げてやりたい気持ちと共に、この状況を利用して
追い詰めて苛めてやりたい衝動も湧き上がっていく。
 しかし少し考えた後、御堂が出した結論は…。

「…却下だな。その方が色々と安全かも知れないが…そんな事を
している間に、こちらの興は削がれてしまいそうだ。…だから克哉、
出来るだけ声を押さえて良い子にしているんだぞ…?」

「えぇっ…?」

 御堂の思ってもいなかった返答に驚愕の声を漏らした瞬間、克哉は
目を大きく剥いていった。
 グリ、と臀部の周辺に熱い塊が押し当てられているのを感じて…体温が
一気に上昇していくのを感じていった。

「こ、これ…もう、御堂さん…こんなに…!」

「あぁ、そうだ。また君が欲しくなって反応している。…判るだろう…?」

「あっ、はっ…ん。判り、ます…」

 克哉は恥ずかしそうに俯きながら、頷いて見せた。
 それと同時に、ジタバタと暴れていたのが収まり…克哉が大人しく
御堂の腕の中に納まり始めていく。
 その事実に、男は満足そうに微笑みながら…。
 
「良い子だ…」

 そう呟きながら、ゆっくりと克哉のシャツのボタンを外し始めていった―

 

 香坂です。
 ここ数日、原稿に手一杯で更新等が日付越えてになっているのが
続いてしまっていてすみませんです。
 取り急ぎ、春コミの情報をアップしますね~。

 3月15日開催の春コミ、スペースが取れましたv
 …と言っても今回はKYMのへそまる嬢の処に委託させて貰う形で
香坂は参加します。
 委託先の配置場所とサークル名は以下の通りです。

「東5―ぬ23b  KYM」

 になります。目印にへそまる嬢自家製の大型ポスター絵が
飾ってあるので判りやすいかと。
 当日の新刊はこちらになります。

『LUNA SOLEIL』  全116P イベント価格 1000円

 

 フランス語で「月と太陽」の意味。
 冬コミで発行した克克新婚本と対になる本です。
 今回の表紙と挿絵は、委託先のへそまる嬢に担当して貰いましたv
  前回の本とイラスト担当の方は諸事情により変わっておりますが…内容は
INNOCENT~の方に負けない物を用意しました。

 一冊目のInnocent Blueが甘くて幸せいっぱいの内容なら…こちらは
ほろりと切ない要素が結構混ざっております。
 甘いのと、切ないのが半々となる構成になります。
 興味のある方は続きは以下に参考までに第一話に当たる部分だけを
アップしてありますので良ければ参考にどうぞ。
 興味ある方はクリックして飛んでやって下さいませ~。
 
 LUNA SOLEIL 第一話

 今回は一夜の間に…Rが克哉に、もう一人の自分の秘められた心を
垣間見せる…という流れで構成されています。
 前回の本が克哉視点でほぼ語られているのに対して、こちらの本は
サイト掲載のバーニングクリスマスの中盤とリンクしています。
 結婚する前の克哉の知らなかった眼鏡側の事実がこの本で明らかに
なる…という作りに仕上げています。
 合わせて読むと、「成る程!」と頷ける部分が多いと思います。

 今回は前回よりも口絵等のページ数が減少した分、本文量をやや
多めに取らせて頂きました。
 書き下ろしの総P数が、50%以上超えています。つか半分以上…
今回用に執筆しました。読み応えだけはあると思います。
 サイトに掲載してある前回未収録の4話も、色々と書き加えましたので
新たな気持ちで読めると思います~v

 以前から一度、サイトの連載物とリンクさせて…それの別視点を混ぜ込んだ
本を作ってみたいと思っていたので…実際にやらせて頂きました。
 バーニング中盤で、眼鏡視点を極力最低限にしたのは…これに掲載
したかったからです。(あくまで中盤の部分のみですが)
 へそまる嬢が描いてくれた挿絵は四枚、全編に散りばめられております。
 気合入りまくりで描かれたパンツは特に必見です(笑)

 一応口絵も、香坂が描きました。
 あ~これに関してはあまり期待しないで下さい…。
 うん、でもやれる限り頑張って描きました(一応この一枚に8~10時間は
掛かってますわ…)

 後、へそまる嬢側の新刊も合わせて紹介。
 香坂が本文の二段組設定で6P分程、ゲスト致しました。
 タイトルは『奈落』 ヤンデレなストーリーが素敵な
代物です。漫画内容や世界設定が忠実になるように
意識したお話をこちらも一本書いております。
(実質原稿用紙10~12P分)  


 
 へそまる嬢側の告知ページは以下になります。
(こっちからもリンク貼らせて貰います~)
 内容とか雰囲気を知りたい方は是非飛んでみて下さい~。
 ちょこっとだけ漫画の最初の方と、小説の一文が読めます。
  
 『奈落』告知ページ

 当日はKYM様の机に、この二冊が新刊で発行されていますので宜しく~。

 とりあえず春コミでは、他に…香坂側は冬コミに発行した「INNOCENT BLUE」
と「幻花繚乱」の二種類+御堂×克哉の無料配布を持って行かせて貰います。

『INNOCENT BLUE』  LUNA SOLEILの前作。
克克新婚本その1でこちらは甘いがモットーです。





『幻花繚乱』 御克前提の澤村話 シリアス泣き系ストーリー




 へそまる嬢の方も既刊の方は冬コミで発行した『哀歌』を持っていきます。
 これは彼女サイドの既刊になります。
 精神的に御堂×眼鏡要素が強いメガミド。
 R×眼鏡要素も有。シリアス色の強いストーリーです。



 当日、私の本は三種類+無料配布…へそまる嬢の本が二種類並んでいる筈です。
(INNOCENT~にはワンセットになっている無料配布がまた一種類つきます)
 委託させてくれたへそまるさんに本気で感謝っす。
 本日はこの辺で。ではでは~。 

 ※これは3月10日の御堂さんの日にちなんだ作品です。
 御堂×克哉で甘くてイチャラブものです。
 付き合い始めて三ヶ月ぐらいの時期(丁度三月ぐらい)を
目安に書いております。ご了承下され。
 あれ…? 三話で終わりそうになくて、4~5話ぐらいの
長さになりそうな予感が…(ガタガタ)

 御堂がダイニングルームに足を向けると、食卓の
上にはホカホカと湯気を立てているトーストと目玉焼きが
二人分、綺麗に置かれていた。
 克哉はキッチンスペースの方で目まぐるしく動き回りながら
残りの食器類とコーヒーの準備をしている。
 
(愛しい恋人が私の為の朝食を用意してくれている光景というのも
なかなか良いものだな…)
 
 相手がチョコマカと自分の為に心を砕いてくれている場面というのも
気持ちが暖かくなった。
 心情的に、自分も手伝おうかという思いも湧いて来たがとりあえず
先に席に座って、相手が来るのを待っていく。
 皿の上に乗せられた目玉焼きの焼き加減は上々だ。
 
(随分と上達したものだな…最初に彼が作ってくれたものは
二個とも散々だったからな…)

 ふと、その形良く仕上げられた目玉焼きを見ていると付き合って
三週間ぐらいが経過した頃の出来事を思い出す。
 週末の朝に、いつものように克哉がこの部屋で目覚めた時…
彼の方から申し出て、朝食を作ってくれたことがあった。
 しかしキッチンにどんな調理用具や調味料があるのが説明する為に
自分が傍にいたら、どうやら緊張してしまい…結果、作った目玉焼きは
どちらも黄身の部分が破れてしまって、見た目が良くなかった。
 本人は綺麗に仕上げられたなかったことを物凄く気にしていたが…
ちょっと焼きすぎの部分があるぐらいで味にそんなに支障はなかったので
御堂はあまり気にしなかった。
 けれど、その時の凄くしょげた表情を思い出し…そんな他愛無い出来事の
一つすらも懐かしく思えてしまった。

「御堂さん、お待たせしました…。暖かいコーヒーの準備が出来ましたので
一緒に朝食を食べましょう」

 ふと、彼の方を振り返っていくと…軽く頬を赤く染めながら微笑んでいる
克哉の姿があった。
 何となく新婚っぽいやりとりだな、と感じた。
 彼とはこんな風に何度も朝を迎えている。
 けれど…今朝は、格別に克哉が可愛くて仕方なかった。
 思わず鼻の下が伸びそうになるのを必死に堪えて、いつもの余裕ありげな
微笑を浮かべていきながら頷いていく。

「そうだな…君が作ってくれた朝食を頂かせて貰おうか…」

「はい、是非。貴方に食べて貰いたくて作りましたから…」

 そうして瞳を細めながら、柔らかく微笑む克哉が可愛くて仕方なかった。
 しかしここで抱きしめたりなんてしたら、再び狼にならないでいられる
自信がまったくなかった。

(せめて朝食を食べ終わるまで耐えるんだ…私の理性…)

 肩をフルフルと震わせながら、御堂は必死に自分の理性と戦っていく。
 そうして、ようやく食卓に向き合いながら座って…食事を開始していった。
 ただ匂いを感じているだけでも、可愛い彼が作ってくれた朝食は…
食欲をそそるとても美味しそうな匂いを漂わせていた。

「頂くぞ、克哉…」

「はい、どうぞ召し上がって下さい」

 満たされたような笑みを浮かべながら、彼がそう告げてくると…御堂も
フッと瞳を眇めて、ナイフとフォークを手に取っていった。
 そうして手馴れた動作で、半熟の状態で焼かれた目玉焼きに
クレイジーソルトを振りかけて、綺麗にナイフで切り分けてトーストの
上に乗せていく。
 パンは齧ると、パリっと小気味良く音を立てていた。
 良い焼き加減で仕上げられていた証だ。
 そうして何度か咀嚼していって、率直な感想を漏らしていく。

「うむ、今朝の朝食はかなり良い出来だ。見栄えも味も上々だな…」

「…本当ですか? …ありがとうございます。御堂さんに気に入って
貰えたなら、作った甲斐がありました」

 こちらが味見をしている間、少し不安そうに曇っていた顔がパっと輝いて
元通りの笑顔を浮かべていく。
 そんな表情の一つ一つが、眩暈を覚えるぐらいに可愛らしい。

―あぁ、どうして君は表情や何気ない仕草とかがこんなに愛らしいのだろうか…!

 心の中でそんな事を叫びながらも、言葉や顔にはあまり出さないで
御堂はそのまま…心の篭った朝食を食べ進めていく。
 その間、至福に浸りながら…彼は、恋人が愛情を込めて作ってくれた品々を
全部綺麗に平らげていったのだった―
(注) これは3月10日の御堂さんの日企画に参加して
書いた作品です。しかも一日分(一話)じゃ終わらないので
2~3回に分けて掲載します。ご了承下され(ふかぶか~)
  とりあえずこれを十日分の掲載分に載せておきますね~

 ―君と恋人同士になって、私は随分と変わったな…

 克哉と正式に交際するようになってから三か月程度が
経過した、ある週末の朝…隣で眠る恋人の姿を眺めながら
しみじみと御堂は呟いていった。
 昨晩も例に漏れず愛し合ったので…二人とも、キングサイズの
ベッドの上で裸のままであった。
 無防備な寝顔を晒しながら自分の傍らで眠っている恋人を
心から愛しそうに見つめながら、御堂はそっと髪を梳いていってやる。

(このまま、起こすか否か…)

 窓の外は薄らと明るくなり始めて、そろそろ夜が明けようとしている。
 このまま暫くチョッカイを掛け続けていればきっと気配に敏感な
彼は目を覚ます事だろう。そうなれば…。

(…もう少し、寝かせておこう…。ここ最近は忙しくて私も克哉も
睡眠不足気味だったしな…)

 きっと、こうして触れ続けて…彼が目覚めていけば、自然と
求めあう流れになってしまうだろう。
 裸の彼がこうしてすぐ傍に眠っていると、また良からぬ欲望が
ムクムクと目覚めてしまいそうだが、今朝は辛うじて労りの心が
勝って、もう少しそっとしておいてやろうという気持ちになった。

「…私も随分と甘くなったものだな…」

 ごく自然にそんな言葉と、無自覚な微笑みが零れていく。
 彼を起こさないようにそっと、静かに自分の胸の方へと引き寄せて
いきながら改めて布団を掛け直し、そっとまどろみに落ちていく。

―もう少しだけこのままで…

 そう考えながら、相手の体温を感じ取ってそのまま瞼を閉じていく。
 可愛くて仕方ない恋人を腕の中に抱き込んでいった。
 相手の髪や肌の感触も、その匂いも全てが心地よかった。
 そうして御堂は、静かに…再び眠りに就いていった。

                     *

 それからどれくらいの時間が過ぎたのだろう。
 いつの間にか、傍らにあった克哉の温もりはなくなっていた。 
 その事に気づいた途端に、頭上から声が聞こえて来た。

「御堂さん…おはようございます。朝食を今、貴方の分も作った
んですけれど…起きれますか?」
 
「あぁ、大丈夫だ…」

 とりあえず起きてすぐの状態でも、相手の言っている言葉の内容は
理解出来たので頷いていくが、その瞳は寝起きだったせいか少しだけ
トロンとしたものになっていた。
 御堂のこんな隙のある姿は、滅多に見られないだけに克哉は
少しだけ嬉しそうな表情を浮かべながら、告げていく。

「…そんなに急がなくても大丈夫ですよ。まだ目玉焼きもトーストも
作ったばかりで熱いぐらいですから…。良かったら、洗面所で
顔を洗ってからダイニングの方に来て下さい…」

「うむ、判った。そうさせて貰うことにしよう…」

「…待ってます、ね…」

 そう呟きながら、克哉は御堂の頬に小さく触れていく。
 その指先の感触が心地よくて…こちらがそっと目を眇めていくと…
年下の恋人もまた満たされたような表情を浮かべていく。
 他愛無い、けれど…優しい一時。
 
「あぁ…だが、克哉…少し待ってくれ…」

「えっ…?」

 ふいに愛しさが胸の奥から湧き出て来て…御堂は唐突に、離れて
踵を返そうとしていた相手の腕をしっかりと掴んでいった。
 そのまま強引に引き寄せて、ベッドの方へと引き寄せていく。
 やや身体を大きく捩るような体制で相手を腰かけさせると…
御堂は強引に、自分の方へと引き寄せて唇を塞いでいく。

「っ…ぅ…!?」

 突然のことに、克哉は目を見開いて驚いていく。
 だが…彼が硬直して、軽くパニックになっている間に…御堂の
舌先は性急に入り込んできて、容赦なく歯列や、こちらに舌先を
甘く絡め取っていく。

「ふっ…ぅ…ぁ…」

 甘い声を漏らしていきながら、克哉はとっさに相手の剥き出しの
肩を掴んで、その甘美な快感に耐えていく。
 御堂の熱い舌がこちらの口腔を弄り、脆弱な場所を探り当てて
いく度に…その全身は小刻みに揺れて、ビクビクと震えていく。
 そんな仕草すら可愛らしくて、たっぷりと舌先を吸い上げていって
やると…Yシャツで覆われた相手の背中を、ゆっくりと背骨のラインを
辿るようになぞりあげていき…。

「んんー!」

 このままでは朝食を食べるよりも先に、こちらが食べられてしまうと
危機感を抱いた克哉は、必死になって御堂を振り払っていく。

「み、御堂さん…止めて下さい!」

 どうにか、脱出成功した頃には克哉の顔は真っ赤に染まってて
肩も荒く上下を繰り返していた。
 今の唐突なキスに、思いっきり狼狽しているようだ。
 そんな表情でさえも、御堂の心を大きく煽って止まなかったのだが。

「どうしてだ…? 私はただ、君が可愛くて仕方なくてキスをした
だけだぞ…?」

 相手のそんな反応が可愛くて、愉快で仕方なくて…意地の悪い
表情を浮かべていきながら御堂はクスクスと笑っていく。
 恋人の余裕たっぷりの態度に、克哉は少し悔しかったのだろう。
 ジト、と相手の方を見つめていくと…溜息交じりに呟いた。

「…御堂さんは、本当に意地悪です…。いつだって、そんな風に…」

「そんな風に、何だ?」

 至近距離で、相手の頬をソロリと撫ぜ上げていきながら問いかけて
いくと…更に頬を紅潮とさせながら、克哉が俯いていく。
 顔を伏せても、耳まで赤く染まっているのでその反応までは
隠しようがない。
 今の克哉は照れて羞恥を覚えていることが一目瞭然だった。

「…オレを、からかって…」

「それは仕方ないだろう。君が可愛い反応をするから…いけないんだろう…?」

 そうしている内に、もっと相手に触れて戯れたい衝動に駆られて、
狼のような表情を浮かべながら顔を再び寄せていく。
 克哉は一瞬、それに呑まれて硬直していったが…すぐに正気に戻って
慌ててその腕の中から飛び出していった。
 
「み、御堂さん! 朝食が冷めてしまいます! せっかく暖かいのを
用意したんですから…一度、起きてダイニングに来て下さい!
 このままだと、絶対にいつものパターンになってしまいますから…!」

 克哉は大きく声を上ずらせながら、大慌ての様子で捲し立てていく。
 こちらのチョッカイに大きく動揺しているのが一目瞭然だった。
 その反応に、御堂が喉の奥でククっと笑いを噛み殺していくと…それで
一層、居たたまれない気持ちになったのだろう。
 ム~と小さく唸りながら、相手を軽く睨んでいった。

「あぁ、判った。それなら君の愛情がたっぷりと籠った朝食を
戴きに向かうとしようか…」

「もう! そんな言い回しをわざわざしないで下さい…!聞いている
こっちが恥ずかしくなりますから…!」

 羞恥のあまりに御堂の一挙一足、一言一句に過剰に反応してしまう。
 自分でもみっともないぐらいに動揺しているのを自覚してしまって
克哉はつい、大声になってしまっていた。

「事実だろう?」

「そ、そうなんですけど…! じゃ、じゃあ…コーヒーとかも
今から準備をしておきますからすぐに来て下さいね! じゃあ…!」

 そういって、慌てて別の口実を作って脱兎の勢いで克哉は
キッチンの方へと消えていった。
 恋人の姿が自分の寝室から消えると、御堂はつい…口元を
綻ばせてしまっていた。

「まったく…本当に君は可愛くて仕方ないな…」

 そんな事を呟きながら、御堂は笑みながら一旦身体を起こしていく。
 そうして…クローゼットに向かい、下着と室内用のシャツとYシャツに
袖を通していくと…ゆっくりとダイニングの方へと向かっていった―
 
 うごご~!御堂さんの日の更新もの、ちょっと
長くなりすぎてアップするの少々遅れそうです~。
 疲れて頭が働かないから、少し仮眠取ったら若干
予定より眠り込んでしまったっていうのもありますが(爆)

 けど遅れても良いからせめて十日から十一日の間に
アップしたいので暫しお待ち下さいませ~。

 現在、セーフティーモードでマイパソコンから
書いております…。
 現在の香坂の実家のパソコン事情。

 マイパソコン→いったん電源入れて、正式に終了しないで
立ち上げて強引にセーフティーモードでなら入れる。
 ネット立ち上げてブログ更新だけなら出来るけど他の機能は
マジで何も出来ません。ドキュメント、お気に入りも使用不可。

 兄上のパソコン→ネット繋げます。しかし自作パソコンの為に
メーカー純正品と色々仕様が異なり、私の外付けHDのデーターが
その為に2割ぐらい誤作動起こして中身見れません。
 ついでにキーボート上段の英数字の部分が壊れているので其処に
由来する記号や数字が打ち込めないのでひらがなで数字や記号の
読みを打ち込まないといけません。めんどい…。

 父のパソコン→ワード、スキャナー等は問題なく繋げます。
作業して外付けHDに保存するぐらいは出来ますが古いPCなので
saiやフォトショップを立ち上げての作業は不可能。
 ついでにネット繋げません。それでもHDでファイルを開いたり
ワード立ち上げて小説を満足に書けるのは現時点ではこの子だけです…。

 …とまあ、一長一短と申しますが皆、何かが足りないというか
素敵な問題点がある状況です。
 それでも家でアップしたり、作業が出来るだけマシですが…やはり
自分のPCがある状況に比べて色々と不便でございます…(アタタ)
 一応一個前の富士通っ子は日曜日に近所のPCの修理をメインに
扱っている店に出してみた処、三万程度でどうにかなりそうだっていうので
正式に依頼して来ました…。
 とりあえず木曜日の午後六時以降に引き取れるそうなので…まあ、
HD全部取り換えなので、ワード、エクセル等はまた再インストール
しなきゃならないですが…使えればもう良いです。
 一応、富士通が帰って来たらVISTAっ子の方は買ってから一年経過
してない保証期間内なので…こっちはメーカー修理に出して来ます。
(富士通は二年以上経過しているから、保証はもう使えなかったので)

 一応、当面の状況はそんな感じ。
 VISTAも裏ワザに近い状態でログインしているので、後何回使えるか
解らないですが…木曜までだったらどうにか持つと信じたい。
 今回は無事に入れたので、とりあえずこれから更新してきます。
 では行ってきま~す!

 克哉は暫く落ち着かない様子で、もう一人の自分と茶髪の
若い男性とのやりとりを見守っていた。
すぐ目の前にいるのにお互いに別の人間と話している状態なので
声を掛ける事が出来なかった。
 
(…どうしよう)
 
 こんなに近くにいるのにこのまま、あいつが他の人間と
消えてしまうのを見送るのだけは嫌だった。
 自分がモタモタしている間に別の人間と夜を過ごしたかも
知れないという事実はショックだったけれど、すぐ側にいるのに
黙って指を加えているなどしたくなかった。
 
(…どう思われても良い。ユキさんにキチンと断りを入れよう…)
 
 いきなり割り込んだら茶髪の若い男にも怪訝そうな目で
見られてしまうかも知れなかった。
 けれど人目を気にして何もしないで見過ごしたくない。
やっとそう決心してユキの方を向き直っていくと…そこでようやく
克哉は、彼もまた浮かない顔をしている事に気付いた。
 さっきまでのこちらをからかって楽しそうにしていた時とは
別人のような、切なくて寂しそうな視線を…茶髪の若い男性に注いでいた。
 
「…あの、もしかしてあちらの若い男性はユキさんの
知り合いの方ですか…?」
 
「…あぁ、そうだよ。結構頻繁にやりとりをしている相手かな…」
 
 静かな声で、彼は頷いて肯定していった。
 やはり、と思った。
 自分が『俺』が別の人間と一緒にいるのを穏やかな気持ちで
みれないように…この男性もまた、あの茶髪の若い男が別の人間と
話している事実に気が気じゃないのだろう。

(…あぁ、きっとこの人は今…オレと似たような気分を味わっているんだな…)

 そう思うと、さっき際どい発言でからかわれたり唐突に頬にキスをされた
時に感じた抵抗感が、一気に薄らいで…代わりに親近感を覚えていった。
 
「お好きな方、なんですか…」

「ん…そうかな。リョウ、と言ってね。この間…告白して振られた相手」

「えっ…?」

 予想外の答えが戻って来て、克哉は一瞬言葉を失う。
 けれど目の前の男性は何でもない事のように笑って、あまり気持ちが
乱れた様子を見せずに口にしていく。

「…そんなに気を遣わなくていいよ。告白って言っても…『俺はお前が
他の男と寝て欲しくない。出来れば真剣に付き合ってやってくれないか』
…みたいな、そういう感じでそこまで重いものじゃなかったし…」

「けれど、その…好きだから…そう伝えた訳ですよね?」

 自分だってそうだ。
 眼鏡が他の男を抱いたら、穏やかじゃいられない。
 今、こうしてリョウ、という男性と話しているだけでもこんなに心が乱されて
仕方ないのに…ホテルに消えたり、そんな真似をされたら…と想像する
だけで胸が痛くなった。
 いつの間にか、二人のやりとりよりも…ユキの言葉の方が今は
気になった。何となく相手が傷ついているような、そんな気がしたから。
 けれど目の前の男性は、首を振って静かに告げた。

「…あぁ、俺はあいつに執着しているけれど…あいつは俺一人に絞るほど
まだ気持ちが行っていない。それだけの事だよ。
 だから…まあ、それなら告白はなかったことにしようとすぐに撤回したし。
あまり気にする事はないよ。…こういう街では、一夜のセックスは遊びと
同じだしね。その遊びにすぐに本気になるのは…ルール違反だし」

「それ、でも…」

「…そういうお前さんも、あちらの顔が良く似ている男性に執着しているんじゃ
ないのかい? さっきから凄く落ち着かない顔しているし…」

 相手に再び指摘されて、克哉は少し動揺していく。
 けれどここで取り繕っても仕方ないとすぐに思い直して正直に伝えていく。

「…はい、そうです。さっきも言った通りオレが探している相手というのは
あいつの事で…貴方の言う通り、執着しています。きっと今…他の人間と
消えられたりしたら、穏やかではいられないぐらいは…」

 初対面の人間に、こんな事を言うのは少し躊躇いがあった。
 しかし曖昧なままでいたら、きっと今夜ももう一人の自分を見失ってしまう。
 そう思ったら覚悟するしかなかった。
 すると相手は…一瞬だけ穏やかな瞳を浮かべていくと…。

「そうか、同士だな…。今、この時だけは…」

 と言って穏やかな手でこちらの肩をポンポンと叩いた。
 その仕草だけは性的なものを一切含まない、暖かいものだったので克哉も
身を硬くしないで受け入れていく。

「そう、ですね…」

 隣で二人の会話が続いていく。
 それが時々耳に入っている度に克哉は落ち着かなくなったりハラハラしたけれど…
もう少しだけそのまま、目の前の男性と会話を続けていく。

 人の縁は一期一会。
 今夜は縁があったとしても、これきりの出会いになるかも知れない。
 それなら、もう五分か十分ぐらいなら…この人と話していても良いかも
知れないと思い、克哉はそっと相手を見遣っていった。

―あいつの元に行く前に、今…似たような痛みを抱えて、そしてこの店に案内
してくれたこの男性に一言ぐらいは礼を伝えたいと、そう思ったから…


 

 

  -もう一人の自分が店内に入ってきた瞬間
店の中が大きくざわめいていった。
 多くの人間の視線が、注目が入り口の方に注がれている
のがすぐに判る。
 克哉の意識も、隣にいる黒髪の男性から一気に彼の方へと
注がれていた。

(…まさかこんなに早くあいつに会えるなんて…)

 正直、Rが言っていたのはこの街でほぼ間違いないだろうと
いう予感はあったが、実際に会えるかどうかはまだ未知数だった。
 何日か通って情報収集とか聞き込みとか、そういうのを
しなければならないか…と覚悟していただけに、彼をこうして
見つける事が出来たのは有り難かった。

「良かった…あいつに、会えて…」

 無意識の内にそう呟いた瞬間、克哉をこの店まで案内してくれた
ユキと名乗る男性は怪訝そうな表情を浮かべていく。
 その瞬間、何か気づいたようだ。ハッとなっていきながら
交互に…眼鏡と克哉の顔を眺めて考え込んでいったようだ。

「…あの男、お前さんと知り合いかい? 何となく顔の造作とかが…
印象は違うけど、似ている気がするし。兄弟か何かかい?」

「えっ…? いや、あいつと兄弟って訳じゃないんですけど…」

「…本当にかい? それにしては似すぎている気がするけれど…」

「そ、そんな事は…うわっ!」

 いきなり確認するように、ユキは克哉の頬に両手を添えて
至近距離で見つめ始めていく。
 宝石のような虹彩のブルーの瞳が吐息が掛かるぐらいに近くに
迫ってきていて、大声を挙げていく。
 瞬間、幾つかの瞳と…もう一人の自分の視線がこちらに注がれて
克哉はカアッと頬を熱くしていった。

「へえ、随分と初心な反応するなぁ。克哉って本当に
からかいがいがあるな…」

 しかしユキという男性は慣れたもので、あまり動揺した様子を
見せずにおかしそうにクスクスと笑っている。
 だが克哉の方はその間、気が気ではなかった。
 チラリと横目でもう一人の自分の反応を伺って行ったが…彼の顔には
何の感情も浮かんでいるように見えなかった。
 こちらに気づいてはいるが、他の男と一緒にいても心配している
風でも嫉妬している様子もない。

(…結局、あいつにとってオレなんてその程度の存在でしかないのかな…)

 あいつの表情に、何の色も浮かんでいない。
 その事実が少し切なくて、寂しかった。
 そうしてもう一人の自分に脇見している間に、ユキの顔はすぐ
間近に迫って来ていた。

 チュッ…

 あっ、と思った瞬間にはすでに遅かった。
 不意を突かれて克哉は頬に小さくキスを落とされていく。
 瞬間、慣れないことをされて大きく動揺して…克哉は顔を真っ赤に
しながら相手から飛びのいていった。

「うっ…わわわわっ! えっ、今…一体何を…!」

 克哉はスツールから慌てて腰を上げて相手から身を離していくと
こちらの過剰な反応に、男性の方もびっくりしたらしい。
 驚いたような表情を浮かべていくと…それからすぐに愉快そうに
微笑んでいった。

「…うっわ~…まさかここまで派手な反応されるとはね…。克哉って
本当に遊び慣れていないんだな~」

「あ、当たり前です こ…こんな事、され慣れている訳ないでしょう!」

「…オレにとってはこれぐらい挨拶の範囲内なんだけどなぁ…。いや、
まさかここまで可愛い反応されるとは…」

「…可愛いとかそういうの言わないでください。不本意ですから…」

 それから警戒するように克哉はジリジリと相手から後ずさって離れて
いこうとしていた。
 その気配を察したらしい。
 ユキは軽く手招きするような仕草をすると、朗らかな笑顔を浮かべながら
際どいことをサラリと言った。

「あ~大丈夫、いきなり襲ってホテルに連れ込んだりはしないから。
一応俺は…強姦とか、無理やりっていうの嫌いな性分だしね。
不意打ちでほっぺにキスぐらいはするけれど、乗り気じゃない子を
強引に口説いてベッドに連れて行ったりはしないから安心しなさい」

「…それって一体、どんな台詞なんですか! 余計警戒しますよ!」

 ユキにからかわれている内に、気づけば店内の人間の注目は
克哉に集まりつつあった。
 本人にはあまり自覚はないが…克哉はこれでも相当に整った
容姿の持ち主である。
 しかもこの街に馴染んだ様子がなく、からかわれて振り回されていろんな
顔を見せている様は他の男の関心も知らない内に引いていた。
 二人のやり取りを、鋭い瞳で目がねは眺めていたが…克哉は
気づかなかったがその顔には面白くなさそうな色が濃く現れていた。
 克哉が顔を真っ赤にしながらぎゃあぎゃあと言っている間に…眼鏡は
そう遠くない位置のスツールに腰を掛けていったのだが、今の
頭に血が上っている彼は気づくことはなかった。

「ようするに合意じゃなきゃ、俺は押し倒しはしないよって言って
いるんだよ。まあお前さんはからかいがいがあって非常に面白くて
結構だが…他に目的があるんだろ?」

「そ、そうですけど…」

「ちなみに件の男前さんは、お前さんの近くに座っているぞ」

「ええっ…! まさか…そんな…! うわっ!」

 克哉が心底狼狽しきった様子で慌ててユキが指を指した方角に
顔を向けていくと…物凄い目を鋭く光らせたもう一人の自分と
ばっちり目が合ってしまった。

(うわぁ~! 今、驚きまくって『俺』の方から意識を逸らしてしまって
いたからなぁ。何かさっきまでと違って、目が凄く怖い気がする~!)

 眼鏡は克哉より二つ隣のスツールに腰を掛けていて、その間には
誰も存在していない。
  少々、距離を取った形での隣同士に気づけばなってしまっていた。
 さっきまで赤かった克哉の表情が、今度は一気に蒼ざめていく。
 そして目の前のユキなる男性は、明らかにこちらの反応を大いに
楽しんでいるようだった。
 目元が大変に微笑んでいる事実から見ても、間違えがない。

(…この人、絶対にオレのことをからかって遊んでいる! この顔から
見ても間違いない! どうしてオレってこういう風にいつも振り回される
側なんだよ!)

 心の中でそう叫んでいきながら、克哉は本気でどう対応したら
良いのか悩んでしまっていた。
 ユキと名乗る男性に一言告げて、さりげなく席移動をした方が
良いのだろうか。
 自分がこの街に足を向けたのは、もう一人の自分に会いたい一心だ。
 だから目的を果たすなら、行動を起こすのは今しかないと思った。

「あの…すみません…!」

 意を決して、克哉がユキに向き直って一言断ってもう一人の
自分の方へと行こうとした矢先に…。

「お兄さん、久しぶり。昨日の夜は最高だったよ…また会える何てね…」

 と、右隣の眼鏡の方に声を掛けてくる若い男性が近づいて来た。

(…えっ? 今、何て…?)

 その若い茶髪の男性の雰囲気は年齢こそ若干こちらの方が上だが
もう一人の自分が以前、気まぐれに抱いたことがある秋紀という少年に
何となく似ている気がした。
 猫のような印象の、少し中性的な容姿の若い男だった。

「あんなのが最高、か。お前も物好きだな…。あの程度で満足か?」

「うん、とっても良かった…ねえ、良かったら今夜も…」

「気が向いたらな…」

 二人のやり取りを聴いている内に、克哉は次第に穏やかではない
気分になっていく。

(…まさか、あいつ…あの人と…?)

 二人が交わしている会話を深読みすれば、どう考えても昨日
二人は夜を共にしているような…そんな感じだった。
 その一言にハンマーで頭を叩かれたような衝撃を覚えていく。
 信じたくなんて、なかった。
 けれどそれ以外の答えが見出せない。

「ウソ、だろ…?」

 克哉はショックを受けたような、呆けた表情で視線を
彷徨わせていく。
 だから彼は気づかなかった。

―その若い男性を目の前にした瞬間、さっきまで余裕ありげで
愉快そうだったユキの顔までも強張っていた事に

 夜の街は様々な人の想いが交差する
 虚言、嘘、駆け引き、誤魔化し。
 真実の想いを隠し、一夜の愛を求めるもの。
 その言葉のゲームを楽しみ、空気だけを満喫するもの。
 人の心をもてあそび、掻き回すことに興じるもの。
 傍観者に撤して、人の思惑がぶつかりあう様を愉快そうに眺める者

 決して画一ではない、多くの人間の思惑が小さな界隈で
幾つも交じり合い、複雑な模様を生み出していく。
 そして今、二人の克哉の思惑は…それぞれに声を掛けて
関わるものが現れたことで、少しだけ複雑に変わっていったのだった―


 
 
 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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