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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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この話は鬼畜眼鏡とセーラームーンをミックスさせたパロディものです。
 登場人物が女装するわ、必殺技をかまして怪しい奴らと戦い捲くります。
 無駄にお色気要素満載です。1話&2話目まではギャグ要素に溢れています。
 そういうのに不快になられる方はどうぞ回れ右をお願いしますです(ふかぶか~)

 御堂と共にエレベーターに乗って、最上階のエントランスに辿り着いた頃には
そこは一種の地獄と化していた。
 黒い影で覆われたMGNの社員と、エナジーを吸い取られてミイラのように
干からびてしまった人間が大量にそのフロアに溢れていた。

「これ、は…本当に、現実の光景なのか…?」

 自分が女装して戦う羽目になるよりも、凄惨な現実が確かにここにあった。

「…オレも、本格的な敵と戦うのは今回が初めてですけど、酷い…ですね。
こんな奴らを見過ごしておけない…!」

 さっきまではこんな格好で戦う羽目になるなんて、という思いが強くあった。
 しかし…このミイラのようになった人間は、そのまま放置しておけば確実に
命を落としていくだろう。
 こんな真似をしでかす輩を、到底許す訳にはいかなかった。
 彼らを救う為に、克哉は…両手を掲げて…高らかに叫んでいった。

「ムーン・ヒーリング…エスカレーション!」

 先程、セレニティ・眼鏡に指示された通り…回復呪文を唱えていく。
 その瞬間…克哉の身体は光り輝き、その場で萎れた花のようになっていた
人たちの肌に生気が戻り始めていく。

「やった…! オレの力でも、人を助けられるんだ…!」

 前回、戦った時は自分は結局…殆ど何も出来ないままだった。
 だが…今回は初めて、何か出来たという手応えを感じる事が出来た。
 しかし目の前で起こった奇跡のような出来事に、御堂は思いっきり目を
瞠っていた。

「驚いたな…君には、そんな事が出来るのか…」

 先程までの御堂にとって、この男はただ気弱そうな…平凡な男という
歯牙にも掛けない存在に過ぎなかった。
 しかし今の能力は…正直、驚いたし凄いと思った。
 あの憎たらしい男はこいつには戦う力がない、と言い張っていたが…
ミイラのように干からびている人間を、瞬く間に元通りに戻せる能力というのは
戦闘できるよりも凄いのではないか。正直にそう思った。

『誰だっ! ワシの邪魔をする奴は―!』

 しかし次の瞬間、額に真っ黒に染まった宝石を嵌めた壮年の男が…
恐ろしい形相をしながら、こちらにゆっくりと近づいてきた。
 今は魔石に支配されている…MGN専務、大隈氏である。
 御堂が入社した時より、目に掛けてくれて…現在の部長という地位を得たのも
大隈に引き立てられたから、という部分が大きかった。
 だが今はその眼差しは真っ赤に染まり…一目で、尋常じゃない状況である事が
伝わってくる。
 それを見て…悔しい事だが、やっと眼鏡が言っていた発言がどれも事実を
告げていた事を実感した。
 黒い影を何体も引き連れながら、こちらに歩み寄ってくる大隈の姿はかなり
威圧感を伴っていて、二人は固唾を飲んで見守っていく。

『行け! わがしもべ達よ!』

 大隈が命じるのと同時に、黒い影がいきなり…ぐにゃりと歪んで、まるで巨大な
スライムのように形をウネウネと変えながら襲い掛かってくる。

「うわっ! 何だこれはっ…!」

 御堂がとっさに反応して、素早く遠くに飛んで逃れていく。
 克哉の方もそれに習って、彼と反対方向に転がっていったが…キチンと足で
着地している御堂に比べ、克哉は転がって逃れた分…時間的ロスや、次の移動までに
掛かる時間が余分に掛かってしまう状況だった。

『おおっ…! 貴様から、凄いエナジーが伝わってくるぞ…これは是非、
我が主…ダーク・エンディミオン様に捧げねば…!』

 その名を聞いた瞬間、克哉は…その場に固まった。

(ダーク…エンディミオン…だって…?)

 それは昔から見る、例の夢に出て来る存在の名前…。
 子供の頃から繰り返し繰り返し、何かの時に見る夢。
 切なくて、悲しくて…最後に自分が「エンディミオン…」と呟いて、覚める―。

「君っ! ぼうっとするなっ! 危ないっ!」

「えっ…!」

 その思考に一瞬、囚われた時…克哉には大きな隙が生じてしまっていた。
 こちらのエナジーを狙って襲い掛かって来ている敵が、そんな絶好の機会を
逃すはずがない。
 先程まではどうにか紙一重でかわせていた攻撃に、ついに捕まり…克哉は
黒い巨大なスライム状の物体に、四肢を拘束されていった。

「くっ…ぅ…!」

 ベタベタする不快な感触のものが両手足に絡み付いて…そこから克哉の
生命エネルギーを吸い上げ始めていく。

『おおっ! 思った通り…こやつ、何と極上のエナジーを持っているんだ…。
吸い上げれば吸い上げる程…こちらに力が漲ってくるわ…!』
 
 大隈が、邪悪な笑顔を浮かべて…己の拳を握り締めていた。
 事実…生気を吸い取られた人間を回復させる能力を持つ克哉の生体エネルギーは
常人の何十倍という膨大なものだった。

『しもべ達よっ! そやつを昂ぶらせて…もっと純粋なエネルギーを搾り出せ!』

 そう命じた瞬間、四肢に絡み付いていた黒い粘性のものが…ジワリジワリと胴体の
方に近づいて来て…ゆっくりと克哉の太股や、脇の辺りを撫ぜ擦っていく。
 その不気味な感覚に、克哉は悪寒にも似たものを感じて…逃れようと必死に
もがき始めていった。

「彼を放すんだっ! …くっ…どうやって戦え、ば…!」

 先程、眼鏡から指令が出た時…本多と克哉の二人は、その場で戦う為の
必殺技を授けられていたが…御堂には与えられていなかった。
 その為に…目の前で克哉が襲われて危険な目に遭おうとしているのに…御堂には
戦う術を持っていない。
 それで無闇に突っ込んでいっても、自分も囚われるだけだ。
 冷静な判断で、とりあえず…様子見しているが、御堂は正直…唇が切れるぐらいに
強く噛み締めて、悔しさに耐えていたのだ。
 ただ…黒い不気味な存在に、彼が弄られている様を眺めているしか出来なかった。

「や、だっ…! あぁ…やめ、ろ…! 気持ち、悪い…から…はっ…!」

 ついに黒い触手が…克哉のスカートの中や、胸元にまで及んで…全身を容赦なく
締め付けていきながら…不気味に性感帯を刺激していった。
 苦痛と、くすぐったさと…妙な疼きが入り混じった感覚に…克哉は嫌がりながら
耐えていく。
 それは無理やり、レイプされているような感覚に近かった。
 克哉の身体を無理やり押し開かせ、無理に昂ぶらせて…強引に生命力を搾り出そうと
試みる、暴力にも等しき行為だ。
 とりあえず…間接的に戦闘服が守ってくれているから、局部はギリギリ守られて
いたが…それもこのままでは時間の問題、だった。

(ちく、しょう…! この間も真っ先に捕まって…今回も、また…
足手まといにしか、ならないのか…っ! オレは…!)

 克哉は悔し涙を浮かべながら、前回の事を思い出していった。
 あの時は…迷わず変身する事を選んだ太一が自分を助けてくれた。
 けれど…アキが呼びに行ってくれているという彼の姿はまだここにない。
 目の前で、本気で悔しそうな顔をして…傍観を貫いている御堂の顔が
視界に飛び込んでくる。
 現在、指令を出すべきセレニティ・眼鏡が…本多と片桐への指令の方を優先していて
御堂の方まで手が回っていない状態だった。
 だから…たった一言「今は耐えろ」という言葉に従って、敵の攻撃から
逃げ続けている。

(太一…! お願いだから、早く…来て、くれっ…! オレと御堂さんだけじゃ、
とてもじゃないけど…まだっ…!)

 必死の想いで、ただ…もう一人の仲間の事だけを考えていく。
 助けて欲しい、と願うのはみっともないと思うけれど…それ以上に、今
太一の顔が見たいと思った。
 その必死の祈りが通じたのだろうか。
 次の瞬間、最上階の壁にいきなり…鋭い雷の一閃が振り下ろされた!

 ピカッ! ガラガラガラっ!

 轟音を立てながら、最上階の壁に大きな風穴が空いていく。
 爆煙と共に一人のシルエットが…其処に現れて、高らかに宣言していく。

「じゃじゃ~じゃ~ん! お待たせっ! 克哉さん! ピンチの時にささっと
登場! セーラーロイド、ここに見参したよ!」

 その場の暗い空気を全て吹き飛ばすくらいに、底抜けに明るい声が
フロア中に響き渡っていく。

「な、何だ…こいつは…?」

 いきなり現れて、あまりのテンションの高さに…御堂の方が思いっきり
引いていく。

「…あ~あ、克哉さんってば…また敵に捕まっちゃって…! これだから
貴方は放っておけないんだ…! エアロ=ハリケーン!!」

 克哉が黒い影に捕まって、良いようにされているのを目撃した時…
太一の目には明らかに強い怒りの感情が宿っていた。
 それを態度には御くびにも出さずに、華麗に風の刃を巻き起こして…
克哉の救出を試みていく。

「助かった! ありがとう…! 太一!」

 ようやく、あの厭らしい責め苦から解放されて…克哉は満面の笑みを
浮かべて、太一の方へと駆け寄っていく。

(本当に、来てくれた…! 凄く、嬉しい…!)

「克哉さん! 良かった…まだ、無事で。来るのが遅くなって
大変な目に遭っていたらどうしようって…本当に気が気じゃなかったけど…
無事で、良かった…」

「太一…」

 そうして、緑の襟とスカートの戦闘服に身を包みながら、太一は
ピシっと指を立てて…大隈へと向かい合っていった。

「…おい! どこのオッサンだか知らないけど…克哉さんをこんな
目に合わせた落とし前は絶対につけさせてもらうかんね!」

「…一応、我が社の専務なんだがな…」

 口ではそう反論するが、御堂の表情も先程よりはずっと明るく
なっていた。
 太一の登場は今の御堂と克哉にとって…まさに闇を払う一筋の光明
そのもののように…感じられていたからだ。

「克哉さん、下がっていてね! 俺が絶対に…貴方を守ってみせるから。
その為に今日、ここに駆けつけたんだからね!」

 そういって、明るく笑いながらこちらを励ましてくれる。
 その優しさに涙がうっすらと滲みそうだった。

「ありがとう…ありがとう、太一…!」

 心からの感謝を込めながら、この日…初めて、克哉は嬉しそうな
笑みを浮かべていったのだった― 
 

 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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