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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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  ※ この話は鬼畜眼鏡とセーラームーンをミックスさせたパロディものです。
 登場人物が女装するわ、必殺技をかまして怪しい奴らと戦い捲くります。
 無駄にお色気要素満載です。1話&2話目まではギャグ要素に溢れています。
 そういうのに不快になられる方はどうぞ回れ右をお願いしますです(ふかぶか~)

 あまりの事態に、その場の空気は一斉に硬直していた。
 気分は瞬間冷凍されたのに近い。
 もしくは思考停止状態といえば良いのだろうか?
 本多は燃えるように赤い襟元とスカート、リボンの色は紫の上に何故か真っ赤な
ハイヒールを履いていた。こんなデカイ代物が良くあったな、と疑いたくなった。

(ほ、本多に真紅のハイヒールって…似合わな過ぎるっ!)

 そして一歩、踏み出した瞬間、バランスを崩して思いっきり地面に激突していた。
 片桐の方は襟元とスカートは明るいオレンジ色で、リボンの色は深い青。
 それに若干踵が高い雰囲気の黄色い靴を履いていた。
 43歳にも関わらず、モジモジと恥らっているような様は想いっきり乙女な
雰囲気満載である。それで見苦しく感じないのは一種の奇跡に近かった。

 御堂の衣装は、水色を基調にした物だ。襟元、スカート、リボン、ブーツの全てが
淡い水色に統率されていて清楚な印象がある。
 額を飾るティアラのデザインは、各人若干嵌められている宝石が違うだけで
ほぼ同じ形状をしていた。
 …一気に変身少女物のヒロインになってしまったかのような錯覚に陥るが、
この場にいるのが全員、いい年した男ばかりという現実に…本気で克哉は
卒倒したくなっていた。
 全員が、各人の衣装を穴が開く程眺めながら…重苦しい沈黙が落ちていく。
 …一番最初に正気を取り戻したのは御堂だった。

「一体これは何だと言うんだっ!!」

  さっきまでパリっとしたスーツに身を包み、エリート然としていた32歳の男性が
水色を基調にしたセーラー服に似た衣装に身を包む羽目になっていたら、吠えるのは
むしろ当然の反応である。
 その顔は耳まで真っ赤に染まっていて、羞恥と憤怒の為か小刻みに震え続けていた。


『それは戦いの為の正装だ。一応…月の王族に仕える戦士達に代々伝わる
由緒正しい衣装だ。本来ならお前には勿体無い代物なんだぞ?』

「えぇい! 戦う衣装だとかそういうのはどうでも良い! その正装とやらが
どうしてこんなふざけた代物なんだっ! イイ年をした男が、スカートをヒラヒラ
させて戦っていたりしたら変態以外の何物でもないだろうが!」

 グサッ!

 その一言を聞いた時、昨晩すでにその格好で戦う羽目になっていた克哉の胸は
かなり傷ついていた。

(…御堂さん。それは同感なんですけど…オレ、もう昨日の時点で立派に戦って
変態になってしまっています…)

 本気でシクシクと心の中で泣きながら、克哉は訴えたくなった。

「くくっ! なかなかその格好…そそるぞ? ミドォール…今度お前の夢の中に
現れる時は、その服装を着させるのも楽しそうだな…』

「…っ! この変態めっ! お前は一体…私をどれくらい辱めれば気が済むんだぁぁ!!』

「…なあ、克哉。一つ聞きたいんだが…お前に妙に顔が似ている、ドレス着た怪しい奴と…
御堂さん、凄い単語ばっか飛び交っている気がするんだけど…気のせい、か…?」

 やっとどうにか現実に戻ってきた本多が、かなり気の抜けた炭酸状態…というか、
視線を明後日の方に彷徨わせながら、棒読みに呟いていった。

「…あぁ、本多君。人は誰しも…安易に立ち入ってはいけない領域というものが存在
します。御堂部長にとって…恐らく、今がそうでしょう。そっとしておいてあげましょう…」

(片桐さん、その判断…正しいです…)

 昨日、自分も初めてこの格好をする羽目になった時は…本気で恥ずかしくて
自己嫌悪に陥っていて…本気で暫く一人になりたい気持ちになっていたから、彼の
言い分に心の中で思いっきり賛同していく。

『…どうでも良いが、あんまりモタモタしていると…敵がさっさとこのビルを
破壊し尽くすぞ? お前達…それでも良いのか?』

 一番の非現実の塊である存在が、一番正当な意見を口にしていく。

「そ、そうだ! こんな恥辱を覚えてでも、私には成さねばならない事があるんだっ!
さあ…次はどうしたら良いんだ?」

『焦るなよ…とりあえず、お前達には二手に分かれて貰おう。本多、片桐の二人は
このビルの基礎がある地下へ…御堂と、克哉の二人は…今回の元締めがいる
最上階へと向かって貰おう。恐らくお前達二人では荷が重いだろうから…今、
アキに向かわせてもう一人もここに来るように手配してある。
それまでとりあえず持ち応えるのが当面のお前達の指名だ。判ったか?』

「…もう一人、こんな格好をして戦う奴が存在しているのか?」

「…あ、はい。太一って言って…オレよりもずっと戦えるし、戦力になると思います」

『…本多は炎の属性があるから、それで…「クリア・フレイム」と唱えれば…黒い影に
憑りつかれている人間を、命を奪わずに影だけ追い出せる筈だ。片桐は石や
鉱石の類を強化したり、元通りの形状に残す能力があるから…本多と共に地下に向かって、
壊れたコンクリートを掻き集めて、壊されたビルの基礎を復元しろ。
 それでここの倒壊は防げる筈だ。
 御堂はこの中じゃ一番戦う力があるから、今回の元締めと…もう一人が来るまで
軽く手合わせして時間稼ぎを。克哉は…生命力を吸い取られた人間を回復させる
為に「ムーン・ヒーリング・エスカレーション」と…人がいっぱい倒れている地点に
差し掛かったら唱えていけ。各人への指令は以上だ…」

「…元締めっていうのは、一体誰なんだ? そんな不埒な輩が…最上階まで
入り込んでいると…そういうのか?」

『…確か今回選ばれたのは、この会社の専務の…大隈って男だったと
思うがな。お前…顔ぐらいは知っているだろう?』

「っ! な、何をデタラメな事を! 大隈専務が元締めだと! ふざけた事を言うのも
大概にしろっ!」

『…いや、事実だ。その大隈という男は…ジェダイト…あいつらが使っている傀儡に
する為の魔石に選ばれてしまっている。…敵の四天王は遠い昔に肉体は滅んでいるが
その意思だけは今も生きていて…己に波長が合う人間か、欲望や野心の強い人間を
選んで乗っ取る性質を持っている。大隈という男は選ばれてしまっているだけだ』

「バカな! MGNの上層部の人間が…敵に操られているだとっ!」

「あぁ…最近この近隣で起こっている、原因不明の…バタバタと人が昏睡状態になって
倒れる事件。今回に限って言えば…その指揮を取っているのは、ジェダイトに意識を
操られている大隈という男だ。間違いない…。
 だから、あんたはこの件に対して拒否権はない筈だ。このまま放置しておけば…
いずれ大隈が今回の事件の犯人という事が世間にいつ知れ渡るか判らない。
 そんな会社の信用が地に落ちるような事態を…果たしてあんたは放置しておけるのかな?」

 心から楽しそうな笑みを浮かべながら、御堂にそこら辺の事情を説明していった。

「放置出来る訳がないだろうがぁぁ!! あぁぁ! プロトファイバーの企画、開発段階までは
非常にスムーズに行っていたのに…何でこんな重要な時期に、厄介事が一挙に押し寄せて
くるんだっ!」

 普段は冷静でクールで、人を手玉に取る立場に回る事が多い御堂も…どうも何か因縁らしき
ものがある眼鏡の前でだけはどう見ても取り乱しているようだった。

「…何か御堂さんのイメージがどんどん壊れていく気がするな…」

 もう二人のやり取りを見て、本多が目が点になりながら様子を見守っていく。

『…じゃあ、さっさと現場に向かえ。今は全員に声が届くように調整してあるが、
細かい指示を出す必要性が出来たら、即座にその人間以外には俺の声は聞こえない
ように設定しておいた。聞こえた場合は、俺の指示に従ってもらうぞ』

『『『はい』』』

 御堂を除く、全員の声が折り重なっていった。

『俺がいる以上は…必ずお前達に勝利の味を味合わせてやろう…。
せいぜい、頑張って貰うぞ…?』

 強気かつ、不穏そうに微笑みながら…眼鏡はその場にいたメンバー全員に
そう告げていく。
 不遜で傲慢な発言だが、むしろその方が彼らしく感じられた。

『じゃあ、行け! 吉報を待っているぞ…っ!』

「行くぞ! みんなっ!君達の健闘を期待しているっ!』

 御堂が皆を振り返りながら、そう声掛けしていく。
 そのまま、彼らは二手に分かれて…全力で敵の下へと駆けて向かっていった。
 敵の勢力から、このビルを解放する為に―彼らは戦う事を選択していく。
 そうして、克哉は御堂と共に…MGN本社ビルの最上階へ向かう為に
エレベーターの方へと勢い良く駆け出していったのだった―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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