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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 本日は皆様、インテ参加お疲れ様でした~v
  とりあえず狙っていた本は無事にゲット出来てホンマに良かったですv
  うちの本もとりあえず完売しました。マジで勢い凄いよ…キチメガ(汗)

 …昨日、両面印刷しようとしたら…疲れ溜まっていたせいでコンビニのコピー機を
二件連続で停止させてしまい。
 今の自分に両面印刷作業は無理だ! 頭がパーすぎる! と諦めた結果…
中綴じ諦めて普通の閉じ方の本になってしまいました。
 製本、荒い作りに仕上がって申し訳ない…(T○T)
 それでも買ってくださった方、どうもありがとうございました…。
 値段分くらいの価値がある作品になっているか、凄いびくびくものです。

 これから御堂と太一が活躍するのに! という場面で12、13日と連続で
セーラーロイドをお休みして申し訳ないです。
 14日から残りの話を書き始めますので…もうちょいお付き合い下さいv
  委託先様、オフ会に参加した方々、こちらを構って下さってありがとうございました。
 本日は疲れの為、連載の方はお休みします(連作は家帰って腰据えてやりたい)
 …が、一人を覗いて皆、遠方からはるばる~という感じだったのでお開き早かったのと
太一に対しての熱い思いと語りに触れまくったので、一本ここにSS書いておきます。
 短めですが、少しでも楽しんで頂けたら幸いv

『ずっと貴方を見ていた…』   BY 香坂 幸緒


 
 殆ど着の身着のままでアメリカに渡り、外国での暮らしに慣れてきたある晴れた日の午後。
 ようやくしばらく定住するアパートが決まり、久しぶりに部屋の片付けをしていた。
 こちらに渡ってから、当面の生活を維持する為のバイトと…音楽活動に明け暮れ。、
ゆっくりと部屋を掃除する暇すら取れなかった。
 久しぶりの休日、溜まりに溜まった洗濯物を全て片してしまおう! と克哉は朝から
気合を入れて…洗濯に精を出して、一段落がついた頃の話…だった。

「よしっ! これであらかた片付いたなっ!」

 アパートのベランダには壮観な程、沢山の洗濯物が干されていた。
 それが微風によって靡く度に…克哉は、気がかりになっていた事が片付いたような
満足げな笑顔を浮かべていた。
 時計の針を見れば、朝の十時半を指している。
 この時間になっても、太一が起きて来ないので…少しだけ不満げな顔になった。

「…ったく、幾ら今日がオフの日だって…こんな時間まで寝ていたら、生活ペースが
崩れてしまうのに…。まあ、昨日は久しぶりだったから仕方ないんだけど…ね…」

 忙殺される日々が続く中の、本当に久しぶりの二人一緒の休みだ。
 昨日は…かなり夜遅くまでお互いの愛情を確かめ合ったから、寝たのは遅かったけれど…
自分は9時には起きてこうやって…家事をやっているのに、と。
 そういう小さな不満が、チリリと克哉の中に芽生えていく。

(ま、太一が…オレ以上に大変だっていうのは判っているけどね。もう少しゆっくりと
寝かせておいてあげたい…けど…)

 けれどせっかくの、二人一緒の休日だ。
 どうせならば、少しでも長く…一緒に過ごしたいと思う。
 太一のマネージャーみたいな感じで、音楽活動をしている時はいつも自分は
彼に傍らに立っている。
 だが、そういう公の場と…プライベートで一緒に過ごすのはまた違うのだ。

(寝顔くらい、見に行こうかな…。それなら起こさないで済むし…)

 ふっとそんな思いが脳裏をよぎって、克哉は自分たちの寝室に足を向けていく。
 寝室に立ち入ると、自分たち用のダブルベッドの上に…太一が本当に心から
気持ちよさそうに眠りこけていた。
 すでに窓から朝日が差し込んでいるような時間帯になっても、部屋が明るくなっているにも
関わらず、太一は子供のように眠りこけていた。

(太一…本当に、子供みたい…だよな…)

 どんな克哉さんでも、丸ごと受け止めたい、という包容力に溢れる発言をするかと
思えば…子供のようないたずらっ子の表情を浮かべて。
 太一は本当に感情表現が豊かで、見ているだけで飽きなかった。
 ベッドの傍らに座って、微笑ましい気持ちになりながら…大事な恋人の寝顔を
見つめていった。
 起こさないようにそっと、慎重に髪を優しく梳いていく。
 …こういう他愛ない時間さえも、ジィンと胸が温かくなっていくような気がした。

(ふふ…太一、本当に可愛いな…)

 幸せそうに笑いながら、飽く事なく太一の顔を見つめ続けていた。
 その瞬間、窓の隙間から風が吹き込み…窓際の木机の上に置いてあるノートが
パラパラパラと…ページが捲くれていった。

「あれ…? ノートが…?」

 ふと、紙が捲くれる音のおかげで…そのノートの存在に気づいていく。
 気になって近づいていくと…そこには何やら字がびっしりと書き記されていた。
 
(太一の新しい創作ノートかな…?)

 彼は新しいメロディや、フレーズ。曲のイメージに合う風景や演出、そして旋律やら…何か
思いついたものがあると片っ端から書き残していく。
 以前にもそれを見せて貰った事があるので、興味を覚えて…そのノートをパラパラと
巻くって、内容を眺めていった。

「…こ、れ…何だよ…」

 読んでいる内に、恥ずかしくなって…克哉は顔を真っ赤に染めていった。
 あまりの予想外の内容に、みるみるうちに照れくさくなって…つい、相手に一言言いたい
心境になっていった。

「…こんな前から、あいつがオレの事を見ていたなんて…まったく、知らなかったぞ…」

 ノートの一番古い日付は、一年前だった。
 自分と太一が出会って、駆け落ちまでした期間が三ヶ月。
 アメリカで生活を始めてから、更に三ヶ月が経過していた。
 だから自分達の思い出というものは、半年前から始まっていると…克哉の中では
そう考えれていた。
 だが、違った。太一の中では…少なくとも、自分の存在はそれよりもずっと前に
心の中にあったんだ、と。
 その事実を…まざまざと突きつけられた。

 ×月  ×日

  この間、パンを咥えて全力疾走をしていた人があまりに面白かったので、今日から
観察日記を始めてみる。
 今日は普段より遅い時間帯に出勤しているみたいだった。
 額から汗を浮かべて、息を切らせながらウチの店の前を横切っていった。
 …話しかける隙もないよな。本当に残念…。

 ×月 ×日

 ここ最近は見かけてないので、ちょっと不満に思っていたらひょっこりと夜、
バンドの帰り道に遭遇した。何か身体が大きい人に肩を貸してもらってどうにか
家に向かっている感じだった。ストレスでも溜まっているのかもね?

 ×月 ××日

 今日は何かうれしい事でもあったのかな? 夕方頃にちょこっとだけ
顔を見れたんんだけど、ウキウキした様子で店の前を通り過ぎていった。
一体、どんな事があったんだろう? 凄く気になる…。

 ×月 ××日  初めてあの人がこの店に来てくれた! 念願の日がやっと
来てくれて本当に嬉しかった! しかも話していて結構楽しかった上に、予想通り凄く
良い人だったみたいで…知り合えて本当に良かった! 克哉さんって名前も
改めて聞けたし…今度からは少しずつ仲良くなっていけると良いな…。

 ざっとページを捲って、内容を目を追っていくだけでも…自分とこうなる前から
どれだけ太一がこちらに関心を払ってくれていたか。
 短く纏められた日記の一文に、その気持ちが込められているような気がして…
恥ずかしかったけれど、本当に嬉しかった。

「…太一、ずっと前から…本当にオレの事を気にかけてくれていたんだな…」

 この日記は、その証みたいな物だった。
 関心も、愛情もない人間のことをこれだけ観察したりしないだろう。
 それが判ったからこそ…嬉しくて、つい…涙腺すら緩みそうになってしまう。

「あれ? 克哉…さん? 其処に…いてくれたんだ?」

 こちらが日記の前で立ち尽くしている内に、太一の意識も覚醒していったらしい。
 まだ夢の中にまどろんでいるような、そんなトロンとした眼差しで…優しくこちらを
見つめてくれていた。

「あ…うん。おはよう…太一…」

 こちらが顔を赤らめながら答えていくと、最初は嬉しそうな顔をしていたが…すぐに
今、克哉が立っている机の上に何があったかを思い出したらしい。
 瞬く間に太一の表情も真っ赤に染まり、あわてて叫んでいく。

「…っ! って克哉さん! もしかして…そのノートの内容…見た?」

「えっ…それは、その…! 御免! 太一の創作ノートだと思ったから、気軽な気持ちで
覗いちゃったんだ…」

「…う~~! マジ? それ、ずっとこっそりとつけていたのに! 本人に見られちゃうと
すっごく恥ずかしいんだけど…」

「オ、オレだって恥ずかしいよっ! だって…その、こんな前から…太一がオレの事を
見ていてくれたなんて…知らなかったし…」

「…ん、まあね。俺も改めて克哉さんに言うつもりなかったけどね。けど…初めて
意識した時から、何か克哉さんって気になったっていうか…忘れられなかったんだよね。
 だからつい観察して、記録に残してしまったというか…」

「そう、だったんだ…けど、何か文面にこっちへの気持ちが溢れている気が
したから…オレは、嬉しかったよ。太一…」

 照れくさそうな顔を浮かべながら、克哉はゆっくりと太一の方へと間合いを
詰めていく。
 朝日が差し込む狭いアパートの一室で…二人は暫し、見詰め合う。
 そのまま克哉がダブルベッドの上に体重を掛けて、四つんばいになりながら
太一の方へと、顔を寄せていった。
 その後は恋人特有の甘く優しい雰囲気。
 何を言わなくても、合図しなくても…お互いに目を伏せて、ゆっくりと唇を
近づけていった。

「ん、だって俺は…ずっと貴方を見ていたから、克哉さん…」

 こちらを幸福で満たしてくれる、魔法の言葉を寸前で聞きながら…
二人の唇はそっと重なっていく。

 その瞬間、克哉は心から感謝していた。
 こうして今、この時…二人で寄り添っていられる事を―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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