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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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―結婚してから二ヵ月半が過ぎ去ろうとした頃。眼鏡はある日、
本多と一泊予定で…遠方に出張する事となった

 結婚してから、夜に眼鏡が帰って来ないことなど…結婚してから
初めての経験で。
 克哉は若干の不安を思いながら、いつもよりも早く起床して…
台所でお弁当を作成していた。

 窓の外の天気は快晴。
 すでに三月の中旬を迎えているおかげで…気温も随分と暖かいものへと
変わって、まだ早朝ながら…日向ぼっこすれは気持ち良さそうな感じだった。
 だが、何となく克哉の気持ちは晴れない。

 ちょっとだけ憂いげな表情を浮かべていきながら…克哉は、ほうれん草の
白和えを作成しようと豆腐を裏ごししていた。
 やや目の粗いカゴの上に木綿豆腐を乗せていきながら…ゆっくりと
摩り下ろすようにして解していく。
 ちょっと固まりが残っているような部分は…指先で握り潰して細かくしていき
全体的に滑らかな感じになっていくと…塩、砂糖、ゴマペーストの順で
調味料を全体に掛けて、混ぜ込んでいった。
 それを塩茹でしたほうれん草と混ぜていけば…まずは一品が完成
していった。

(…結婚してから、あいつが帰って来ないことなんて…初めての
事だよな…)

 そんな事を考えてしまうと、少しだけ寂しいとか思ってしまう自分がいた。
 結婚前なんて、あいつがいない夜を過ごす事など当たり前だった。
 出没するのはいつだって気まぐれで…こちらが会いたいと強く望んだって
携帯電話やメールなどのコンタクト方法がある訳ではない。
 それに比べれば毎日のように顔を合わせて、夜になれば必ず帰って来て
くれるこの生活は…随分と幸せなものだった。
 なのに、たった一日…今夜は出張で帰って来ないというだけでやや沈みがちに
なっている自分に…少々呆れてしまった。

「…何か贅沢になっているよな。あいつが一日帰って来ないだけで…
寂しいとかってさ…」

 今は、まだ眼鏡は安らかな顔をして寝ている。
 …というか、もう一人の寝ている時じゃなければ…お弁当なんて
作れる訳がないのだ。
 一緒にいれば、顔を合わせれば…必ず眼鏡は克哉に対してちょっかいを
掛けてくる。

 そういうのも適度なら、むしろスキンシップの一環として結構好きなのだが…
迂闊に朝早くなんてに起床すると、ただでさえ毎晩のように夜遅くまで抱かれて
いるというのに…朝からまたセックスをする羽目になるのだ。
克哉は自己防衛の為に出来るだけ相手が出社する時間近くまでベッドから
起き上がらないようにしていた。
 そうしないと…日によっては、正午過ぎまでぐったりとして寝込んで
いなければならない程…朝から疲労してしまうからだ。

(あいつに抱かれるのは嫌じゃないし…いや、むしろ…好きな方だけど…
あんまりされると、その後に一日丸々寝込む羽目になる事になるし…・。
本当は奥さんらしいことを、もうちょっとやりたいけどね…)

 しかし、何度か朝食を作ろうと試みて早起きをした日は…どの日も早朝から
激しく抱かれるという結果に終わってしまっていた。
 だが…一日帰って来ない日ぐらい、お弁当を作りたい。
 そう一念発起して…克哉は今朝、目覚ましの力を借りずに早い時間帯に
目覚めることに成功したのだ。

「…愛妻弁当だなんて、本当はオレの柄じゃないけれど…」

 頬を赤く染めながら、克哉は今度は卵焼きの作成に取り掛かっていく。
 卵を二個分くらいボウルに割っていくと…砂糖、みりんと酒を少々、つゆの素、
塩、胡椒、醤油、粉末のダシの素を少々ずつ振り入れて…菜箸で均等に
混ぜ込んで調味していった。
 それを熱した後に濡れ布巾の上に乗せて、程好く冷ましていった
四角型の卵焼き用のフライパンの上に流し込んでいく。
 最初は薄く焼いて行き、端っこの方にそれを寄せていくと…油を浸した
ティッシュで鍋の表面に油分を塗していって、そして同じ手順を繰り返して
徐々に巻き込んでいく。
 
 ここら辺の手順は…学生時代に家庭科で教わったままだ。
 一人暮らしをしている際、たまに気まぐれで作ることもあったが…
今、それを眼鏡に作ってやっているなんて少し不思議な気持ちだった。
 卵焼き用のフライパンの中には、3~4分もすれば…美味しそうな色合いの
形の良い卵焼きが出来上がっていた。
 それを皿の上に乗せて覚ましていくとざっと鍋に水を流して表面をキッチン
ペーパーで拭いていき、手入れをしていった。
 
「良し、卵焼きは上手くいった。後は…材料を冷まして、詰めていくだけだな…」

 克哉は今の仕上がりに満足そうな表情を浮かべていくと…嬉しそうに
笑いながら団扇で仰いで、全ての材料を冷まし始めていく。
 机の上に並んでいるのはご飯が詰めてある弁当箱。
 それと…さっき仕上げたカニ型のウィンナーを炒めたものと、昨晩の
残りであるエビチリだった。

 これに白和えしたほうれん草と…黄色い卵焼きを少量ずつ詰めて
いけば…彩が良い弁当に仕上がっていく筈だ。
 冷ましている間に…ご飯の上にパラリとカツオ風味のフリカケを
掛けていって中心に梅干を一個、チョコンと乗せていく。
 卵焼きは丁度良い大きさにカットしていき…若干冷めた頃を
見計らって四角く区切られた弁当箱のおかずスペースに詰めていく。
 他の材料も同じ要領で詰めていくと…其処には克哉の愛情も
たっぷりと詰め込まれた弁当が完成していった。

「…柄にもなく弁当なんて作ってしまったけれど…あいつは、喜んで
くれるかな…?」

 作り終わった後で、ちょっと照れくさくなって…軽く頬を染めながら呟いていくと
いきなり背後から抱きすくめられていった。

「あぁ…とっても嬉しいぞ? お前が…俺の為にわざわざ早起きしてまで…
愛妻弁当を作ってくれるだなんてな…?」

「お、俺…っ? い、いつからそこに…?」

 克哉が動揺したように叫んでいくと、心底愉快そうな表情を浮かべながら
背後でククっと相手が喉を鳴らして笑う声が聞こえていった。

「今さっきだ…今朝は目覚めたら、お前の姿がベッドになかったんで…軽く
探していたんだがな。なかなか貴重な光景に遭遇出来たもんだ…」

「そ、そう…で、まだ…ちょっと作業残っているんだけど…離して貰えないかな…?」

 抱きしめた早々、眼鏡の手は克哉の身体を妖しく蠢き始めていた。
 上はシャツ一枚しか羽織っていないというのに…胸の突起をゆっくりと弄るように
しながら掌を這わされていく。

「…片付けなんて後で構わないだろう…特に今夜は、俺は出先で…お前を
可愛がってやれないからな…。今日の分は、ここで…」

「やらなくて良いってば! お願いだから朝からこっちを著しく消耗なんて
させないでくれ…!」

 そう言いながら克哉は必死になってもがいていくが…相手の腕の力はかなり
強くて…一切外れる気配はない。

「…お前のこんな可愛い姿を、朝から見せつけられたら無理だ。諦めろ…」

「わっ…ちょ、ちょっと待って…あ、や…其処、を弄るなってば…はぁん…」

 眼鏡の指先はダンダンと大胆さを増していって、両手で的確に胸の突起を
責め始めていった。
 その状態で首筋や耳の穴周辺に唇と舌を這わされているのだから…溜まった
ものではなかった。

「…一晩、お前を抱けないんだ。今…ここでお前を食わせろ…」

「あぅ…んんっ…」

―耳元で、そんな事を…掠れた声音で囁くなんて反則だと思った。
 
 そんな誘惑の言葉を言われながら、求められたら…それ以上、抗えなく
なってしまう。
 だから克哉は観念して…そっと身体の力を抜いていく。

「…ん、判った…好きに、して良いよ…『俺』…」

 そうして、克哉は自分から苦しい体制になりながらも振り向いて、相手の唇に
そっとキスを落としていくと…素直に身を委ねて眼鏡に…キッチンで抱かれていった。
 立ったままのセックスは久しぶりで…少し苦しかったが、やっぱりもう一人の
自分に抱かれるのは気持ちよくて…。

 そして全ての行為が終わって、眼鏡が出社する時間を迎える頃には…
ぐったりとなりながらも、克哉は頑張って「いってらっしゃい」のキスの日課を
こなして…昼過ぎまで、ベッドの上でぐったりとなる羽目になったのだった― 
 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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