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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 ※本日は澤村本のイメージが強烈に浮かんできた為にそちらに
専念しておりました。
 2時間近く集中して書いたので…本日は日付変更までにもう一本は
出来そうにないので、今日書いた分の冒頭部分掲載で失礼します。

 イメージは…御克ルート前提で、澤村が若干絡んでくるみたいな造りです。
 現在雑誌に掲載されている情報を元に、原作に忠実をモットーに…
ノマと澤村と夢の中で絡ませる…という感じのお話になります。
 新キャラの澤村さんは眼鏡と深く絡んでもノマとはあんまりな感じなので
個人的な萌え要素を詰め込んだものになると思います。
 一言でいうなら、「俺の事を忘れて他の奴と一緒になって幸せになって
いるなんて許せない」みたいな雰囲気の話になります。
 それで踏まえた上で興味ある方のみ、「つづきはこちら」をクリックして
お読みください。
 まだ正式なタイトルはないので「澤村本 冒頭」としておきます。
 では…。

『澤村本  冒頭部分』

―その日は桜が鮮やかに舞い散っていた
 
 ふと立ち寄った公園で一人佇んでいた。
 恋人を得た事で眼鏡がなくても自信が持てるようになった克哉は…
私生活でも、仕事上でも実に充実した日々を過ごしていた。
 だが、幸せな日々が紡がれていく中…少しずつ、何か不穏な影が
自分の中からゆっくりと湧き上がってくるのを感じていた。
 毎年、無性に…桜が怖くて仕方なかった。
 桜が満開に咲き誇る季節、他の人間が花見や鑑賞会、写生会などを
開いて愛でていく中…克哉は、この時期に言いようの知れない不安を
抱えている事となった。
 今は桜が満開の時期を迎えている。
 誰が見ても、見頃だと太鼓判を押すような…見事な咲きっぷりだ。
 それをとても綺麗だと思う。思わず目を奪われ…感嘆の息すら
零れてしまう。
 だが、胸に巣食う不安だけは…どうしても、拭えなかった。
 
―何故、こんなに桜が怖いんだろう…?
 
 MGN本社から、取引先の会社に打ち合わせの為に出向した帰り…
克哉はふと、その桜が見事に咲き誇っている公園の敷地に気まぐれに
足を向けて…暫く、その光景を眺めていた。
 そういえば、御堂に今度…一緒に花見にでも行かないかと誘われていた。
 こちらにそう告げてきた御堂の表情は柔らかくて…だから、「桜が怖い」と
いう事実を言えなくて…つい頷いてしまったけれど。
 今日、ここに顔を出したのはその予行練習の為でもあった。
 桜を前にしても、強張った表情を浮かべない為に…御堂と花見に
出掛ける、その一時を楽しいものにする為に…心の準備をしておく為だ。
 なのに、ダメだ。何故か…ザワザワと胸の奥から、不安と焦燥感が
競り上がってくる。
 桜を見る度に、思い出したくない何かが生じて…そして。
 
「どうして、こんなに…桜に纏わることで、一体何があったというんだ…?」
 
 知らず、独り言が零れていた。
 克哉はどうして…自分がこんなに桜が怖いのか、その理由が
判らなかった。
 記憶が無いから、余計に…漠然とした不安は徐々に広がり続けていく。
 
―聞きたいですか?
 
 ふいに風に乗って…聞き覚えのある声が流れてくる。
 一瞬、誰の声かと疑った。だが…すぐに判った。
 
「…Mr.R…?」
 
―ご名答。久しぶりだというのに、すぐに良くお分かりになりましたね…。
やはり貴方は記憶力の方も確かな御方のようですね…
 
 そして、一瞬の強い風が吹き抜けて…周囲にブワっと
桜吹雪が吹き荒れていく。
 視界が、桜の花びらで覆われて…一瞬、何もかもを
見失っていった。
 その花嵐が収まり、克哉がゆっくりと瞼を開いていくと…其処には、
愉快そうな笑みを浮かべている黒衣の男…秋頃に克哉に謎多き眼鏡を
渡して、今までの自分と変えるキッカケを与えてくれたMr.Rが其処に立っていた。
 
(いつの間に…?)
 
 克哉が目を閉じていた一瞬の間に、花吹雪と共に…
幻のように現れていた。
 
『お久しぶりですね…佐伯克哉さん。その後は、如何でしたか…?』
 
「…どうして、貴方が…また、オレの前に…?」
 
どこまでも楽しげで胡散臭い笑顔を浮かべながら…克哉の前に
立ち塞がり、再会の挨拶をしていく。
だが、克哉の中に静かに警鐘が鳴っていく。
それは今の生活を、日常が再びこの奇妙な男によって覆されて
しまうのではないかという危惧。
動揺をあからさまに顔に出しながら、つい…そんな声を漏らして
いきながら…謎多き存在と対面していく。
 
『貴方にどうしても、直接お聞きしたいことがありましてね…』
 
 そう、まるで芝居の台詞を滑らかに口に上らせているかのような
口調で…問いかけてくる。
 
「オレに…な、何を聞きたいって言うんですか!」
 
 克哉は、心臓がドクン、ドクンと重苦しく鳴り響いているのを
自覚していった。
明らかに、今…自分は冷静さを失いつつある事が判っていた。
  だが、どうしようもない。
背筋に冷や汗が伝うのを感じていきながら…黒衣の男が
何かを言うのを待っていく。
 
―ねえ、佐伯克哉さん。貴方は…大切な己を構成する大きな欠片を
忘れたままの状態で、本当に幸せですか…?
 
 と、今の克哉を根本から揺るがすような…そんな質問を投げかけて来た。
 その問いかけは、静かだった水面に勢い良く石を投げ込まれて…
大きな飛沫と波紋を生み出されていくようなもの。
今の幸せに、生活に一石を投じて波風を立てられるにも等しい一言。
   だが…克哉は、即答出来ずに沈黙し続けることしか出来なかった。
 そして、克哉にとって…今の幸せを揺るがす一幕が静かに開けていく。
 目の前の男はその紡ぎ手。
 
―黒衣の男との再会により、彼は桜の中で過去の幻影と遭遇する
 
 桜が、吹き荒れて…全てが覆い尽くされていく。
 その中で…無理やり、過去と現在を繋がれた。
 そして克哉は、一時…幻想を見る。
 自分が生きる事によって、置き去りにされた過去を。
 桜を見る度にどうして…恐怖心を覚えるようになったのか、その原因と
なった痛みの伴う思い出を。
 
「Mr.R…貴方、は…!」
 
 克哉の言葉の全てが、強風の中に掻き消されていく。
 そして現実から切り離され…悪夢に等しい出来事の中に突き落とされていく。
 
「うわぁぁぁー!!」
 
 それは逢魔ヶ時が終わる頃まで、飽くことなく紡がれていった。
 全てが終わった時、克哉は…顔面が蒼白になり、ヨレヨレの
状態に陥っていた。
 報告の為に会社に戻らないという事をやっと思い出した時には…
日は完全に暮れて、その場には何もなかったかのように…静かな
光景だけが広がっていた。
 夢と見まごうような、非現実過ぎる体験。
 だが、黒衣の男によって引きずり出されて…今、垣間見せられた
己の欠片は、今まで何の疑いもなく現在の幸せを享受していた克哉に
とっては大きな衝撃以外の何物でもなかった。
 
―その日、克哉がMGN本社の御堂の私室に戻れたのは…残業時間に
差し掛かった頃の話だった―
 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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