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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 4月24日からの新連載です。
 無印の眼鏡×御堂ルートのED.NO「因果応報」を前提にした話です。
 シリアスで、ちょっとサスペンス風味の強い話です。
 眼鏡×御堂ルート前提ですが、眼鏡なしの克哉も色々と出張ります。
 それでも良い、という方だけ付き合ってやって下さいませ。
 
 【咎人の夢 過去ログ】                   

―御堂はその後、社内を全力で走り回ることになった。

 先程自分の私室に訪れた佐伯克哉の態度がかなり変なものであった
事は確かだったが…その事を考える隙間などないぐらい、御堂は
地震後の対処にともかく追われ続けた。
 今回の地震の震度は4.5。
 耐震強度のない窓ガラスや壁等ならひび割れがしたり、収まりが悪い
家具等が動いたり転倒したり、ライフラインの一部が破損する可能性が
ある震度だった。
 死傷者こそは出なかったが、ガラス製の器具などを利用している者が
多い商品開発研究室等では、何人か運悪く怪我人が出てしまって…
その事実確認と、手配の為にあっという間に二時間ぐらい費やされてしまった。
 ようやく御堂が一段落ついて…自分の私室に戻った頃には、日が
少し傾き始めようとしていた。

「…あぁ、藤田君はちゃんと…こちらの部屋を直しておいてくれたみたいだな…」

 佐伯克哉が何ともおかしな様子で出て行った直後、携帯で部下の藤田を
呼び出して…一緒に机を起こした後、残りの細かい後片付け等は彼に
頼んで…御堂は各部署を直接見て回っていった。
 先程、派手に床の上に散乱していた書類や関連資料の類は…藤田の
おかげですっかり元通りに片付けられている。
 こうして見ると…さっき、あれだけ派手な地震が起こったことなどまるで
嘘のように思えてくる。
 本当に何て一日なのだろう、とつくづく思った。

「…少し、休むか…」

 普段の御堂なら、決して休憩時間以外に積極的に休みを取ろうなどと
考えないが…今日一日はあまりに色んな事があり過ぎて、目まぐるしすぎた。
 自分のディスクの上に腰を掛けながら、深く溜息をついていく。

(10分程度なら…一息入れても、良いだろう…)

 自分の携帯で、現在の時刻を確認していくと素早くアラーム設定をしていく。
 自分が課した時間以上に、休まない為の防止策だ。
 準備をしてから…御堂は、ようやく様々なことを考え始めていった。

「…一体、昼前と…地震が起こった後の皆の態度の違いは…何だったんだ?
それに…ひき逃げ事件なんてものまで、この近所で昨日起こっていたらしいし…
まったく、何が何だか…判らない…」

 御堂は、社員の安全を確認する為に…様々な部署を見て回った。
 大きな災害や、事件が起こった時は誰かが率先して指示したりしなければ
大きな混乱が起こる可能性があるからだった。
 その最中に…昼間の女性社員達と顔を合わせていったが、ロビーで会った
時はあれだけこちらを恐れているような態度を見せていたのに…地震が
起こった後に偶然顔を合わせた時は、まるでそんな事などなかったかのように
普通の態度でこちらと接していた。
 藤田も同じような感じだった。

 地震が起こった直後、大急ぎでこちらの部屋へと駆けつけて来た藤田は
昼間の…ぎこちない笑顔は一切浮かべなかった。
 いつもと同じ、天真爛漫で一辺の曇りもなくこちらを信じている態度。
 まるで、その事件など存在していなかったかのように…彼らはこちらに
接していた。
 代わりに、何人かの女性社員が…昨日、誰かがこの近辺でひき逃げ
事故があったことを噂していた。
 この社内の誰かが跳ねられたらしいが、人だかりが出来ていたせいで…
MGN内の人間の殆どが、「事故は起こっていることは知っているが、
どこの誰が引かれたのか具体的に知らない」状態になっていた。

「…同じ日に、公園で…私が見た夢とほぼ被る事件が起こって…しかも
その付近で…ひき逃げ事故まで起こった。こんな偶然が重なるものなのか…?」

 御堂が一番混乱しているのは、それだけではない。
 自分は現場の指示をして社内中を走り回っている最中に、3人の女性社員が
話しこんでいる処をたまたま立ち聞きをしていっただけだ。
 その会話が御堂にとって…心に引っ掛かったのは…。

―その轢き逃げ事故が起こって、人だかりが出来ている周辺に…
佐伯克哉が、この世のものとは思えないぐらいの絶叫を挙げて泣き叫んでいる
姿を…女性社員が目撃した、という事だった

 その噂を聞いた時…御堂は混乱した。
 一体、どちらの事件が…本当に起こった事なのだろうと。
 刺されて血の海の中に倒れている佐伯克哉と。
 誰かが轢かれて、嘆き悲しんでいる姿と…真実がどちらなのか
御堂には判り兼ねていた。

「…どちらかが事実なら、片方が有り得ないものとなる。…まさに矛盾だな。
私が見た夢こそ…一体何だったんだ…?」

 御堂は、今朝見た夢のリアルさをはっきりと覚えている。
 あれが事実なら…もし、誰かが罪を言及しても御堂は言い逃れることが
出来なかった。
 しかし…轢き逃げ事故の情報を聞いた挙句に、藤田と昼間の女性社員の態度が
いつもと変わらないものにこの短時間で戻っているのを目の当たりにして…
余計に判らなくなってしまった。
 どこに本当の答えがあるのか…判らない。
 けれど…共通しているのは、どちらの事件にも佐伯克哉が関わっている。
 それだけは…確かだった。

(佐伯…一体、君は何を知っているんだ…?)

 不可解な態度を、別人のような顔を見せた…さっきの佐伯克哉の事を
思い出していく。
 彼を中心に、全ての謎が存在しているような気がした。ならば…。

―君に近づけば、私はこの謎を解き明かすことが出来るのだろうか…?

 そう考えた瞬間、御堂は…今まで心の中で強い嫌悪や、違和感を覚えていた
佐伯克哉という存在に…急速に興味を覚えていき。
 彼にどうにか近づいて、答えを知りたいと思う心が…一層強まっていくのを
感じていったのだった―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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