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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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現在連載中のお話のログ

 ※7月25日からの新連載です。
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
 それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。

 恋人の条件            

―早く今夜は家に帰らなければ、と危機感を克哉は抱いていた

 珈琲を飲んだ後、暫く談笑していたら…ゆっくりと太一の様子が変わり
始めたのに気づいて、慌てて克哉は席を立って喫茶店ロイドを後に
していった。
 息を詰めるような緊張感は、何度か覚えがあったから。
 それより少し前に、本多と自分との間にもその空気が漂っていたから
克哉は太一の前から、慌てて姿を消していった。
 やはり強く呼びとめられたけれど…けれど克哉は振り返らず、
彼の前から逃げるように去って帰路についていた。

(いつまで、この薬の効果って続くんだよ…。いつまで、仲の良い相手から
こんな風に逃げ続けないといけないんだよ…! 何で、こんな事をあの人は
俺に施したんだよ…!)

 気持ちがグチャグチャになりながら、克哉はロイドがある通りを抜けて
マンションまでの道を一気に駆けていこうとした。
 その時、克哉は一瞬だけ自分の家の方に向かっていく本多の
姿に気づいていった。

「…本多? まさか、俺の自宅まで追って来たのかよ…」

 一瞬、見間違えかと思ったが…あの体格に、特徴的な青いスーツ。
 いつも身近で見ている相手を間違える筈がなかった。
 この道は克哉の自宅に続く一番の近道で、今…本多は駅のある
方角から確かに歩いて来ていた。
 ロイドで過ごしていたのは十数分程度の時間だ。
 其れで駅の方から本多がこちらの自宅方向に向かって早足で
向かって行ったのなら…自分が、股間を蹴り上げて逃げた際に…
そのショックと痛みから復帰したらすぐにこちらを追い掛けて
来た事になる。

(…思いっきり蹴り上げたから相当に痛いだろうに…。それでも
オレの自宅に根性を振り絞って追いかけてくるぐらい…あの薬の
効果は半端じゃないって事か…)

 その姿を見て、さっき強烈に感じた罪悪感が再び復活していくが…
だが、このまま自宅に帰る訳にもいかないと思った。

(…今は自宅に帰れない…。せめて終電ギリギリまで時間を潰さないと…)

 本多を自宅の前で待ちぼうけにさせるのは悪いと思いながらも…
このまま、再び彼の前に現れる訳にはいかなかった。 
 少なくとも終電寸前までは他の場所で時間を潰さないと、
さっきの二の舞になるだけだろう。
 明日は休みではなく、普通に仕事がある日の筈だ。
 そればかりは本多の良心に掛けるしかないが…明日が仕事なら、
幾らなんでも終電に間に合うように帰宅する筈だ。 
 幾らそれなりに暖かい時期であったとしても、人の家の玄関先で一晩
過ごしたらとても仕事を出来るコンディションではなくなるだろう。

(だから、終電には幾らなんでも帰る筈だ…。そう信じたい…)

 祈るようにそう考えていくとなら、何処に向かうか思案を巡らせていった。
 克哉はその候補先を必死に考えていく。

(バーとか、レストランとか…ファミレスとか、その辺りで時間を
潰すとするかな…)

 どの店に入るか、まだ決めかねているが…一先ず、繁華街の方まで
出た方が無難だろう。
 そう考えて、克哉は移動先をそちらの方角に決めていった。
 そして駆け足で向かい始めていく。
 歩いている内に、景色はグングン変わって…人通りも徐々に
増え始めていった。
 飲食店や、飲み屋が並ぶ界隈に辿りついていくと…一旦足を
止めて克哉はどの店に入るか考えていった。

(飲み屋か、ファミレスか…キチンと食事を取れそうな店か…。
何処に入ろうかな…)

 店の看板や、辺りの様子を確認していきながら…今の自分の気分に
合った店は何かを考慮し始めていく。
 そして今夜は一杯飲みたい気分だと、そうして心の奥に溜まった
モヤモヤを一時でも洗い流したいという本心に気づいて一件の飲み屋に
入ろうと向かい始めた時、背後から声を掛けられていった。

「…佐伯君か?」

「えっ…?」

 いきなり背後から声を掛けられて、克哉はぎょっとなっていく。
 非常に聞き覚えのある声だったからだ。
 そして振り返り、その顔を確認していくと余計に克哉は眼を
見開いていった。
 どうして、こんな場所にこの人が? という想いを抱きながら…
克哉はその人物の名を呟いていく。

「御堂、部長…どうして、こんな処に…?」

 そう、この辺りは克哉の最寄り駅であり…本来なら、こんな時間に
御堂がいるなど考えられない。 
 だが、上質のブランドスーツに身を包み、一糸の乱れもなく綺麗に
髪を整えている男性は紛れもなく、プロトファイバーの営業を手掛けていた時期に
自分たちと一緒に仕事をした御堂孝典、その人だった。

「ああ、取引先の接待でこの近辺の店を指定されたんだ…。今から
そちらに向かう処なのだが。奇遇だな…」

「えぇ、そうですね…」

 と他愛無く相槌を打っていくが、克哉は内心ヒヤヒヤしていた。

―どうか御堂さんまで、いきなり様子が変わりませんように…

 心からそう願いながら、克哉はぎこちない笑顔で御堂と向かい合って
いったのだった―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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