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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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(注) これは3月10日の御堂さんの日企画に参加して
書いた作品です。しかも一日分(一話)じゃ終わらないので
2~3回に分けて掲載します。ご了承下され(ふかぶか~)
  とりあえずこれを十日分の掲載分に載せておきますね~

 ―君と恋人同士になって、私は随分と変わったな…

 克哉と正式に交際するようになってから三か月程度が
経過した、ある週末の朝…隣で眠る恋人の姿を眺めながら
しみじみと御堂は呟いていった。
 昨晩も例に漏れず愛し合ったので…二人とも、キングサイズの
ベッドの上で裸のままであった。
 無防備な寝顔を晒しながら自分の傍らで眠っている恋人を
心から愛しそうに見つめながら、御堂はそっと髪を梳いていってやる。

(このまま、起こすか否か…)

 窓の外は薄らと明るくなり始めて、そろそろ夜が明けようとしている。
 このまま暫くチョッカイを掛け続けていればきっと気配に敏感な
彼は目を覚ます事だろう。そうなれば…。

(…もう少し、寝かせておこう…。ここ最近は忙しくて私も克哉も
睡眠不足気味だったしな…)

 きっと、こうして触れ続けて…彼が目覚めていけば、自然と
求めあう流れになってしまうだろう。
 裸の彼がこうしてすぐ傍に眠っていると、また良からぬ欲望が
ムクムクと目覚めてしまいそうだが、今朝は辛うじて労りの心が
勝って、もう少しそっとしておいてやろうという気持ちになった。

「…私も随分と甘くなったものだな…」

 ごく自然にそんな言葉と、無自覚な微笑みが零れていく。
 彼を起こさないようにそっと、静かに自分の胸の方へと引き寄せて
いきながら改めて布団を掛け直し、そっとまどろみに落ちていく。

―もう少しだけこのままで…

 そう考えながら、相手の体温を感じ取ってそのまま瞼を閉じていく。
 可愛くて仕方ない恋人を腕の中に抱き込んでいった。
 相手の髪や肌の感触も、その匂いも全てが心地よかった。
 そうして御堂は、静かに…再び眠りに就いていった。

                     *

 それからどれくらいの時間が過ぎたのだろう。
 いつの間にか、傍らにあった克哉の温もりはなくなっていた。 
 その事に気づいた途端に、頭上から声が聞こえて来た。

「御堂さん…おはようございます。朝食を今、貴方の分も作った
んですけれど…起きれますか?」
 
「あぁ、大丈夫だ…」

 とりあえず起きてすぐの状態でも、相手の言っている言葉の内容は
理解出来たので頷いていくが、その瞳は寝起きだったせいか少しだけ
トロンとしたものになっていた。
 御堂のこんな隙のある姿は、滅多に見られないだけに克哉は
少しだけ嬉しそうな表情を浮かべながら、告げていく。

「…そんなに急がなくても大丈夫ですよ。まだ目玉焼きもトーストも
作ったばかりで熱いぐらいですから…。良かったら、洗面所で
顔を洗ってからダイニングの方に来て下さい…」

「うむ、判った。そうさせて貰うことにしよう…」

「…待ってます、ね…」

 そう呟きながら、克哉は御堂の頬に小さく触れていく。
 その指先の感触が心地よくて…こちらがそっと目を眇めていくと…
年下の恋人もまた満たされたような表情を浮かべていく。
 他愛無い、けれど…優しい一時。
 
「あぁ…だが、克哉…少し待ってくれ…」

「えっ…?」

 ふいに愛しさが胸の奥から湧き出て来て…御堂は唐突に、離れて
踵を返そうとしていた相手の腕をしっかりと掴んでいった。
 そのまま強引に引き寄せて、ベッドの方へと引き寄せていく。
 やや身体を大きく捩るような体制で相手を腰かけさせると…
御堂は強引に、自分の方へと引き寄せて唇を塞いでいく。

「っ…ぅ…!?」

 突然のことに、克哉は目を見開いて驚いていく。
 だが…彼が硬直して、軽くパニックになっている間に…御堂の
舌先は性急に入り込んできて、容赦なく歯列や、こちらに舌先を
甘く絡め取っていく。

「ふっ…ぅ…ぁ…」

 甘い声を漏らしていきながら、克哉はとっさに相手の剥き出しの
肩を掴んで、その甘美な快感に耐えていく。
 御堂の熱い舌がこちらの口腔を弄り、脆弱な場所を探り当てて
いく度に…その全身は小刻みに揺れて、ビクビクと震えていく。
 そんな仕草すら可愛らしくて、たっぷりと舌先を吸い上げていって
やると…Yシャツで覆われた相手の背中を、ゆっくりと背骨のラインを
辿るようになぞりあげていき…。

「んんー!」

 このままでは朝食を食べるよりも先に、こちらが食べられてしまうと
危機感を抱いた克哉は、必死になって御堂を振り払っていく。

「み、御堂さん…止めて下さい!」

 どうにか、脱出成功した頃には克哉の顔は真っ赤に染まってて
肩も荒く上下を繰り返していた。
 今の唐突なキスに、思いっきり狼狽しているようだ。
 そんな表情でさえも、御堂の心を大きく煽って止まなかったのだが。

「どうしてだ…? 私はただ、君が可愛くて仕方なくてキスをした
だけだぞ…?」

 相手のそんな反応が可愛くて、愉快で仕方なくて…意地の悪い
表情を浮かべていきながら御堂はクスクスと笑っていく。
 恋人の余裕たっぷりの態度に、克哉は少し悔しかったのだろう。
 ジト、と相手の方を見つめていくと…溜息交じりに呟いた。

「…御堂さんは、本当に意地悪です…。いつだって、そんな風に…」

「そんな風に、何だ?」

 至近距離で、相手の頬をソロリと撫ぜ上げていきながら問いかけて
いくと…更に頬を紅潮とさせながら、克哉が俯いていく。
 顔を伏せても、耳まで赤く染まっているのでその反応までは
隠しようがない。
 今の克哉は照れて羞恥を覚えていることが一目瞭然だった。

「…オレを、からかって…」

「それは仕方ないだろう。君が可愛い反応をするから…いけないんだろう…?」

 そうしている内に、もっと相手に触れて戯れたい衝動に駆られて、
狼のような表情を浮かべながら顔を再び寄せていく。
 克哉は一瞬、それに呑まれて硬直していったが…すぐに正気に戻って
慌ててその腕の中から飛び出していった。
 
「み、御堂さん! 朝食が冷めてしまいます! せっかく暖かいのを
用意したんですから…一度、起きてダイニングに来て下さい!
 このままだと、絶対にいつものパターンになってしまいますから…!」

 克哉は大きく声を上ずらせながら、大慌ての様子で捲し立てていく。
 こちらのチョッカイに大きく動揺しているのが一目瞭然だった。
 その反応に、御堂が喉の奥でククっと笑いを噛み殺していくと…それで
一層、居たたまれない気持ちになったのだろう。
 ム~と小さく唸りながら、相手を軽く睨んでいった。

「あぁ、判った。それなら君の愛情がたっぷりと籠った朝食を
戴きに向かうとしようか…」

「もう! そんな言い回しをわざわざしないで下さい…!聞いている
こっちが恥ずかしくなりますから…!」

 羞恥のあまりに御堂の一挙一足、一言一句に過剰に反応してしまう。
 自分でもみっともないぐらいに動揺しているのを自覚してしまって
克哉はつい、大声になってしまっていた。

「事実だろう?」

「そ、そうなんですけど…! じゃ、じゃあ…コーヒーとかも
今から準備をしておきますからすぐに来て下さいね! じゃあ…!」

 そういって、慌てて別の口実を作って脱兎の勢いで克哉は
キッチンの方へと消えていった。
 恋人の姿が自分の寝室から消えると、御堂はつい…口元を
綻ばせてしまっていた。

「まったく…本当に君は可愛くて仕方ないな…」

 そんな事を呟きながら、御堂は笑みながら一旦身体を起こしていく。
 そうして…クローゼットに向かい、下着と室内用のシャツとYシャツに
袖を通していくと…ゆっくりとダイニングの方へと向かっていった―
 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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