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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 ※これは二本目に書いた王レベ話になります。
 書いたのは2001年の頃だった事は辛うじて記憶に
あります。
 最初に書いた五本は何となく覚えていますが、それ以後は
順番とかは細かく覚えていません(汗)
 ただハマりたてで、勢いで書いてしまった…そういう
懐かしい思い出が伴う作品でございます。

 セレストが初体験だったら、という今思い返すとちょっと
酷い設定の話だなって我ながら思いますけど(笑)

 地上から僅かに指し込んでいる光が、揺れる水面に反射していた。
ここは古き時代の遺跡の跡地。
 六百年もの昔に堕天使ウルネリスを封印した英雄、
ルーシャスが使役した聖幻獣が眠る場所。

 辺りには、八翼の一人フォンテーヌとの激戦の跡が色濃く残されている。
そしてカナンの命で聖幻獣が再び眠りについたその場は、凛とした清浄な空気
が支配していた。
 そこでセレストとカナンは、互いを決して離さぬように抱きあっていた。
 先程カナンに自分はお前にとってどうゆう存在だという問いに対して、
セレストは正直に己の想いを相手に告げた。

 それだけで終われば、主従の心温まるやりとりで済んでいるのだが今もなお、
二人は相手の身体を離そうとはしなかった。
心臓の音が、体温がいやでも伝わるくらいに密着していた。
今までそんな事をカナン相手に意識した事など…伝説の滝で一回あったが、
それ以外はまったくなかったのでこの時セレストは混乱していた。

「見てろよ…すぐに弟のようになんかでなくなってやるからな…」

 気のせいか、すぐ側にあるカナンの顔まで真っ赤になっている気がする。
どうしよう、何故かもの凄く可愛く見える。
 いや、前からカナンが自分の前で素直に感情を出す様は可愛らしいと口には
出さなかったが常々思っていた事だ。
 しかし…この反応は、自分が今感じている衝動は…。

(どうして俺は、カナン様にキスしたいなどと…)

 その薄い形の整った唇に触れたら、どんな感触がするのだろうか…。
 そんな事を考えている自分が恐ろしくなった。
カナンは仮にも主君だ。
そして自分はそんな彼を守ることを何より優先せねばならぬ従者の身だ。
 そんな恐れ多い事をする訳にはいかないのに、自分の理性とは関係無く
言葉は紡がれていく。
どんどんヤバい雰囲気になっていく。

「いえ…弟のようなというのも例えで…なんというか、本当に大切で…」

どうやって今カナンに感じている気持ちを表現すれば良いのか判らなかった。
自分の頬もまた赤く染まっていくのを感じる。

「本当に…大事な方で…ずっと近くにいて…御側で…」

 けれど、これは本当の気持ちで…。

幼い頃、まだ本当にカナンが当時の自分の腰くらいの背丈しかなかった時から、
ずっと自分にとってカナンはかけがえの無い人だ。
 そんなセレストの言葉に、カナンはどんどん真っ赤になっていく。
どう見ても照れてる事は一目瞭然だった。

「近くって、どれくらい近くだ」

 その問いに、セレストの方がぎょっとなった。

「近くって、これくらい近くか?」

「き、聞かないで下さい。何だかヤバいです」

「それを言うなら、僕の方だってヤバい」

 その言葉を吐いた後、カナンは顔を赤らめながら溜め息をついた。

「まいったな…人肌のせいか…離れたい気がしない…」

 ただでさえ密着してたのに、更に顔が寄せられる。
綺麗な造りの顔に、滑らかな肌。伏せられた睫毛は意外な程に長かった。

「だから…」

 時間が止まるような、張り詰めた空気が訪れる。
何が起こるかは予想はついていた。そして今なら、まだ引き返せるとも思っていた。

 だが触れ合ってる部分のカナンの体温がたまらなく愛しくて…。
 自分の中の衝動がまるで激しい奔流のように勢いを増していく。
  カナンの吐息がどんどん近づいて来る。
 そして自分は…迷った末に瞳を閉じて、その行為を受け入れていた。

「んっ…」

 初めて触れたカナンの唇は乾いていて、けれどほんのりと自分に温もりを伝えていた。

「そうゆう場合、離れたくないとおっしゃられる方が正しいです。文法的に…」

「うるさい」

 唇を離し、カナンの肩の付近にセレストは顔を埋めていた。

「私達。白鳳さんに毒されましたかね…?」

「知らん」

「それとも伝説の滝がまずかったんでしょうかね…」

「外部に要因を見つけるのは止めろ」

 そこで、こちらの心を射貫くように、自分の瞳をその青い瞳が覗き込んでくる。

「僕達二人の…気持ちの問題だろうが…」

 その言葉に、セレストは自分の心に嘘をつく事を止めた。
 先程のキスで、カナンもまた同じ気持ちである事はすでに察していた。
そして自分もまた、この先を望んでいた。
 今時分は堪らなく、カナンに触れたいと思っていた。
 だから勇気を振り絞って、目の前の愛しい金髪の少年にこう答えた。

 そうですね…と。


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HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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