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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※この話は過去に書いた王レベの話を
改めて大雑把に編集してこのブログに掲載
させて貰ったものです。
 興味ある方だけどうぞ~。

 セレストH LV1      



その翌日、朝からカナンは原因不明の発熱と筋肉痛を起こしていた。
 無事にレイブンとユーリの謀略を跳ね除けた程の実力を持った二人だったが、
これだけはどうしようも無かったようだ。
 カナンの私室で、すでに日が傾いて夜が訪れても甲斐甲斐しくセレストは
カナンの看病を続けていた。
ベッドに横たわる主の顔は、今もなお熱で真っ赤に染まっていた。

「うー…こんなにHが身体に負担掛かるものだなんて知らなかったぞ。
これなら白色破壊光線を立て続けに放った方がまだマシかも…」

「城内ではなさらないでくださいね。危険ですから…」

 泣きそうな顔になりながら、セレストが諌める言葉を吐いた。
  明らかにカナンはムッとしたようだった。

「お前、僕を何だと思っているんだ? そのくらいの思慮分別くらいは僕にだってあるぞ」

「判っていますよ…」

 ニコリと優しく微笑みながら、セレストはカナンの為にリンゴの皮を剥き始めた。
リンゴを皿の上に並べられて、手渡される。キレイに八等分に切り分けられていた。
 熱はあるが、食欲までなくなった訳ではない。
  一つを手にとって食べ始めた。

 カナンの体調が悪くなると、いつもこうしてセレストは側にいてくれた。
けれど…昨日の事があってから、変に意識をしてしまっている。
 それは目の前の青年も同様のようだ。
 カナンがリンゴを食べている間、沈黙が訪れる。
 心なしか重い雰囲気だった。
 その何とも言えない空気が、余計にカナンの気に触った。

「セレスト、もっと近くに寄ってくれ」

「えっ…近くに、ですか?」

「そうだ、早くしろ」

 すでにカナンのベッドに腰を掛けているのに、これ以上近くにと言われれば、
密着せざるを得ない。
 しかしカナンの言葉には逆らえない。
 セレストは少しだけカナンに近づいた。

「っ!」

 次の瞬間、柔らかな感触が自分の唇に触れる。
そしてカナンの舌が、セレストの舌を捕らえていた。

「んー! んー!」

 突然の状況に、セレストの頭は混乱を起こしていた。
昨日自分との行為のせいでカナンが体調を崩したというのに、
このまま続けられたらまた歯止めが効かなくなってしまう。

「な、何をなさるんですか! カナン様!」

 どうにかカナンを引き剥がし、セレストは目の前の少年に訴えた。

「お前こそ! 何をそんなに気にしているんだ!」

 カナンはそう叫びながら、セレストの胸に顔を埋めた。

「…お前の態度を見てれば判る…昨日の事を気にしているって事はな…。
けど、まだ判らないのか、セレスト」

「な、何がですか…?」

「僕はそうやってお前に気を使われる事の方がイヤだって事…」

「カナン様…」

 胸元を掴む少年の手の力は思いのほか強くて、その気持ちを青年に伝える。

「もう…キスもしてくれないのか…ただの従者でいるつもりなのか…」

「そんな事…」

 出来る訳がない。
 こうして触れ合っているだけで、抑えが効かなくなりそうなのに…。

「昨日言っただろう? 僕はお前が初めてで嬉しかったって…。お前が下手でも良い。
冒険を始めた頃のように、これから二人で経験値を稼いでいけば良いんだから…」

 下手でも、という言葉にセレストは多いに傷ついていたが、カナンの
その気持ちは凄く嬉しかった。
腕の中にいるカナンの背中をそっと撫ぜながら、問い掛けた。

「私で…本当に良いんですか?」

「お前じゃなきゃ…イヤなんだ…」

 二人は、相手の目を逸らさずに見つめる。
昨日何度も、気持ちを確かめる為にした行為。

「私も…カナン様じゃなきゃ駄目です…」

 そうして二人は抱き合いながら、口付けを交わした。
ベッドに横たわり、セレストに包み込まれるような体勢になる。

「側にいてくれるか…セレスト」

「…はい、いくらでも…」

 優しく微笑みながら、セレストは答えた。
 その後セレストはカナンの体調を慮って、今日はその先の行動には進めなかった。
 しかしその腕の中にいるカナンに幾度もキスを繰り返し、その金色の髪を撫ぜ、
自分の温もりを大事な人に分け与えた。
 カナンの気持ちもそうされる事で、次第に落ち着いていく。

「大好きだぞ…セレスト」

 眠りに落ちる寸前、カナンはポツリと呟いた。
「私もですよ…」

 その言葉が耳に届いたのか、届かないのか…。
 すぐに安らかな寝息が聞こえ始めた。
 その穏かで幸せそうな寝顔を見ている内に、セレストの決意は次第に強まっていく。

(俺は…この人を守っていきたい)

 そして、こうしてずっと二人で歩んでいきたい…。
 昨日の事を、なかった事になど出来ない。自分はこの人が愛おしい。

「カナン様…俺はずっと、貴方の側にいますから…」

 そうして、唇に一つキスを落とす。

「ずっと…」

 カナンの手をそっと掴んで、その寝顔を見ている内に自分にも睡魔が襲ってきた。
 セレストはその衝動に逆らわずに、身を委ねた。
 大事な存在をいま、一人になどしたくはないから…。
間もなく眠りの淵にセレストの意識は落ちて行った…。
 こうしてこの夜、二人の優しい時間は紡がれたのだった。


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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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