鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※7月25日からの新連載です。
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。
恋人の条件 1 2 3 4 5 6
―まさかこんな道端で、御堂にばったり会うなんて予想してもいなかった
しかも今は、例の妖しい薬の効果が出まくっているせいで…克哉は
御堂の顔をまともに見られなかった。
相手の方はいつもと変わらず、キリっと威厳のようなものを感じさせて
背筋も真っすぐにして立っているのに、克哉の方はまさに挙動不審と
表現するに相応しい態度しか取れないでいた。
(ど、どうしよう…。御堂さんまで、本多みたいに態度が豹変してしまったら…)
結局、喫茶店ロイドをそそくさと出て行ったのも、自宅に帰れないでいるのも
今の自分は例の薬のせいで危険な存在になっているという自覚があるからである。
太一だって何となく目の奥に不穏な光が宿っているのを感じたから、さっさと
店を後にしていった。
(御堂さんの元も、早く退散させて貰った方が良い…)
一応、辺りには人通りもある、決して二人きりという訳ではない。
何か口実をつけて早く御堂の前からいなくなった方が被害がこれ以上拡大
しないで済むと結論づけて、実にぎこちない笑顔を浮かべていきながら
克哉は御堂と応対しようとしていった。
だが克哉が口を開くよりも先に、暫くこちらが口を閉ざしてしまっていた
事を訝しげに思われてしまった。
「…佐伯君、どうした? さっきから凄く重苦しそうな顔をして黙りこんで
しまっているようだが…」
「あ、す…すみません。少し考え込んでしまっていたので…。あの、ちょっと
今夜はこれから用事があるのでこれで失礼させて貰いますね…」
とりあえず無難な口実をつけて、克哉はさっさと御堂の前から姿を
消そうと試みていった。
どれくらい一緒に過ごしていたら…例の薬の効能が出てしまうのか
まだ克哉にも判らなかったが、短時間で切り上げれば大丈夫な筈と
信じたかった。
だが目の前から逃げようとしている克哉の態度に不審なものを感じ取って
いったのだろう。
みるみる内に御堂の目が鋭いものになっていった。
「…佐伯君、この後用事があるなんて嘘だろう?」
「えっ…?」
いきなり図星を突かれてしまったので克哉はとっさに否定をする事が
出来なくなってしまった。
そして繁華街に立っているのに、二人の間に息が詰まるような独特の
空気が流れていった。
(もしかして…もう、あの薬の効能が御堂さんに出てしまっている…?)
そう気付いた瞬間、克哉は背中に冷や汗が伝っていくのを感じていった。
このままじゃ本多の時の二の舞になる。
そう考えた瞬間、克哉はとっさに御堂の前から駆けだそうとした。
「いえ、嘘じゃないです! すみません急ぐので失礼します!」
「待ちたまえ!」
だが、御堂の行動もまた早かった。
痛みを感じるぐらいの強い力を込めて手首を握り締められて
引き留められてしまう。
「痛い…! あの、離して下さい…!」
「駄目だ。君ともう少し話していたいからな…。どうしてこんな気持ちに
なるのか私にも判らないが。おや…佐伯君、君は何か香水でもつけているのか?
仄かに甘い香りがする…」
「はっ…甘い香り、ですか…?」
其れは克哉自身も気づいていなかった事だった。
現在の彼は特定の条件を満たしている人間には甘い芳香を感じられる
ようになっている事に。
「そうだ、今まで嗅いだ事がない匂いだが…何となく脳髄が蕩けていくような
そんな気分になってしまう…。一体、君はどんな香水をつけているのが、
凄く興味がある…」
そうしている内に、御堂の瞳に剣呑な輝きが宿り…次第に強いものに
なっているのに気づいていった。
これでは本多の時と本当に同じになってしまう。
15日間、貞操を守る事が出来たらもう一人の自分に会わせて貰えるのに
其れが破られてしまったら、会える機会を失ってしまうかも知れない。
そう危機感を抱いた克哉は、ふいに御堂の方に顔を寄せていき。
「御堂さん、ごめんなさい!」
ぐいっと御堂の方に顔を寄せると同時に深く懐に踏み込んでいき…
そしてその場で屈んでから勢いよく背筋を伸ばしていった。
克哉の頭のてっぺんが、御堂の顎の部分にクリーンヒットしていった。
「ぐはっ!」
克哉のこの大胆な行動は、御堂も予測していなかったのだろう。
その隙に腕の力が緩んで、克哉は急いで駆けだしていく。
「本当にごめんなさい!」
「待て、待ってくれ!」
そうして全力で逃げだしていく克哉を、御堂もまた真剣な顔をしながら
必死に追いすがっていったのだった―
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。
恋人の条件 1 2 3 4 5 6
―まさかこんな道端で、御堂にばったり会うなんて予想してもいなかった
しかも今は、例の妖しい薬の効果が出まくっているせいで…克哉は
御堂の顔をまともに見られなかった。
相手の方はいつもと変わらず、キリっと威厳のようなものを感じさせて
背筋も真っすぐにして立っているのに、克哉の方はまさに挙動不審と
表現するに相応しい態度しか取れないでいた。
(ど、どうしよう…。御堂さんまで、本多みたいに態度が豹変してしまったら…)
結局、喫茶店ロイドをそそくさと出て行ったのも、自宅に帰れないでいるのも
今の自分は例の薬のせいで危険な存在になっているという自覚があるからである。
太一だって何となく目の奥に不穏な光が宿っているのを感じたから、さっさと
店を後にしていった。
(御堂さんの元も、早く退散させて貰った方が良い…)
一応、辺りには人通りもある、決して二人きりという訳ではない。
何か口実をつけて早く御堂の前からいなくなった方が被害がこれ以上拡大
しないで済むと結論づけて、実にぎこちない笑顔を浮かべていきながら
克哉は御堂と応対しようとしていった。
だが克哉が口を開くよりも先に、暫くこちらが口を閉ざしてしまっていた
事を訝しげに思われてしまった。
「…佐伯君、どうした? さっきから凄く重苦しそうな顔をして黙りこんで
しまっているようだが…」
「あ、す…すみません。少し考え込んでしまっていたので…。あの、ちょっと
今夜はこれから用事があるのでこれで失礼させて貰いますね…」
とりあえず無難な口実をつけて、克哉はさっさと御堂の前から姿を
消そうと試みていった。
どれくらい一緒に過ごしていたら…例の薬の効能が出てしまうのか
まだ克哉にも判らなかったが、短時間で切り上げれば大丈夫な筈と
信じたかった。
だが目の前から逃げようとしている克哉の態度に不審なものを感じ取って
いったのだろう。
みるみる内に御堂の目が鋭いものになっていった。
「…佐伯君、この後用事があるなんて嘘だろう?」
「えっ…?」
いきなり図星を突かれてしまったので克哉はとっさに否定をする事が
出来なくなってしまった。
そして繁華街に立っているのに、二人の間に息が詰まるような独特の
空気が流れていった。
(もしかして…もう、あの薬の効能が御堂さんに出てしまっている…?)
そう気付いた瞬間、克哉は背中に冷や汗が伝っていくのを感じていった。
このままじゃ本多の時の二の舞になる。
そう考えた瞬間、克哉はとっさに御堂の前から駆けだそうとした。
「いえ、嘘じゃないです! すみません急ぐので失礼します!」
「待ちたまえ!」
だが、御堂の行動もまた早かった。
痛みを感じるぐらいの強い力を込めて手首を握り締められて
引き留められてしまう。
「痛い…! あの、離して下さい…!」
「駄目だ。君ともう少し話していたいからな…。どうしてこんな気持ちに
なるのか私にも判らないが。おや…佐伯君、君は何か香水でもつけているのか?
仄かに甘い香りがする…」
「はっ…甘い香り、ですか…?」
其れは克哉自身も気づいていなかった事だった。
現在の彼は特定の条件を満たしている人間には甘い芳香を感じられる
ようになっている事に。
「そうだ、今まで嗅いだ事がない匂いだが…何となく脳髄が蕩けていくような
そんな気分になってしまう…。一体、君はどんな香水をつけているのが、
凄く興味がある…」
そうしている内に、御堂の瞳に剣呑な輝きが宿り…次第に強いものに
なっているのに気づいていった。
これでは本多の時と本当に同じになってしまう。
15日間、貞操を守る事が出来たらもう一人の自分に会わせて貰えるのに
其れが破られてしまったら、会える機会を失ってしまうかも知れない。
そう危機感を抱いた克哉は、ふいに御堂の方に顔を寄せていき。
「御堂さん、ごめんなさい!」
ぐいっと御堂の方に顔を寄せると同時に深く懐に踏み込んでいき…
そしてその場で屈んでから勢いよく背筋を伸ばしていった。
克哉の頭のてっぺんが、御堂の顎の部分にクリーンヒットしていった。
「ぐはっ!」
克哉のこの大胆な行動は、御堂も予測していなかったのだろう。
その隙に腕の力が緩んで、克哉は急いで駆けだしていく。
「本当にごめんなさい!」
「待て、待ってくれ!」
そうして全力で逃げだしていく克哉を、御堂もまた真剣な顔をしながら
必死に追いすがっていったのだった―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
鬼畜眼鏡にハマり込みました。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
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…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
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