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今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
他の相手にグラつく描写もこの話以降は出る事も
あるのでそれを承知の上で目を通して下さるよう、
お願い申し上げます。
恋人の条件 1 2 3
―扉が開かれて、其処に現れたのはMr.Rだった
就業時間中の資料室、何故こんな時間帯に…同じ職場の片桐や
本多ではなく、彼が現れたのか…克哉には信じられなくて、達して
いきながら疑問を感じていく。
(こんな処、本多や片桐さんに見られていたら余計言い訳がつかなかった
けど…どうして、この人が此処に…?)
快楽によって思考が霞んでいくのを感じていきながら、己の掌に
熱い精を解放していく。
べったりと汚れた己の手を見ると、思いっきり自己嫌悪に陥っていくが
そんな克哉に構う事なく…黒衣の男は歌うように言葉を紡いでいった。
―ふふ、今の貴方はまさに…知恵の実に興味を持って手を伸ばして
しまったアダムとイブのようですね…
「えっ…其れは、どういう意味…ですか…?」
知恵の実とか、聖書の中に存在している『楽園追放』のエピソードの
事だろうか。
神に決して食べていけないと言われた知恵の実を、イブは蛇にそそのかされて
食べてしまい…そして伴侶であるアダムにも食べるように薦めていく。
その結果二人は知恵を身に付けたが…その事によって神の怒りを買い
二人は楽園を追われ、外の世界で生きる事によってあらゆる苦しみと
苦痛を受けて生きる事になったという話だ。
有名なエピソードだから、社会人になれば大抵の人間は頭の片隅には
入っている話だろう。
しかし何故、開口一番にこの男性にこんな事を言われたのか克哉は
混乱している間に、気づけば…Rは間近に立って、悠然と微笑んでいた。
―ただ役割を果たしていただけに過ぎないペルソナが…こうして本来
生きるべきであるあの人を押しのけて、こうして生きているだけでも
信じられないのに…まさか、あの方に恋までしてしまうとはね…。
本当に、貴方の事は予想がつかない結果ばかりを起こしますね…
「ペル、ソナ…?」
其れは心理用語で、人格とも仮面とも訳される言葉だ。
何故、この人は自分の事をそう呼ぶのか…ぼやけた頭では上手く
思考がまとまってくれない。
そうしている間に…目の前の男性の長い金髪が鮮やかに揺れて…
克哉は強引に顎を掴まれてしまう。
目の前に、男の愉快そうな眼差しが瞬きながら存在していた。
―貴方は、もう一人の御自分を…眼鏡を掛けた貴方の半身を
愛していますね…?
「っ…!」
訳の判らない事ばかり言っていたと思ったら、いきなり核心を突いて
来たので克哉は咄嗟に言葉を失っていく。
だが、彼の眼が大きく見開かれて明らかに狼狽している様子を見せた事で
Rは確信していったようだった。
―ふふ、隠しても私には判りますよ…手に取るようにね…。貴方が今は
あの方に強く惹かれて…そして快楽以上のものを求めるようになった事は…
「どう、して…」
自覚をしたのは、克哉だって今朝の事だったのに…何故、こんなにも
早くこの男性にその事を知られてしまったのだろうか?
克哉は心底疑問に思っていったが、相手に真摯な眼差しで見つめられて
いく度に頭の芯がグラグラしていく。
そうしている内に、いきなり…さっき達して、柔らかくなってしまった己の
ペニスをいきなり男に掴まれて、克哉はギョッとなっていった。
「な、何をするんですか…! 離して、下さい…!」
―ふふふ…今の貴方は凄く魅惑的ですよ…。匂い立つような色香を放って…
私の目から見ても色っぽく見えます。なら…この薬を与えればさらに
多くの男を惑わすようになるでしょうね…?
「えっ…? 薬って、それは一体…?」
いきなり克哉の眼前に白いカプセルが一つ、現れていった。
其れをこちらに見せつけるように翳していくと…グイ、とこちらの口内に
押し込めていった。
突然の事に事態を把握出来ず、克哉は咄嗟にそれを飲みこんでしまった。
「しまった…!」
慌てて、吐きだそうとしたが…Rに更に力を込めて顎を握られて
いってしまうと…それどころではなくなっていく。
―その薬は貴方が本来持っている魅力を更に高めて…潜在的に貴方に惹かれて
いる男性の本心を表に出させる効力があります。それによって…多くの男性が
貴方を求めてくるでしょう…? 今から二週間程度、そうですね…15日と
設定しておきましょうか。その期間…貴方がどんな誘惑にも負けずに、
あの方以外の男性に身を任せて抱かせずに、貞操を守る事が出来ましたら…
その時に、もう一人の御自分に会わせて…告白する機会を授けて
差し上げましょう…。此れは、貴方に私から与える試練です…。
無事に越えられるかどうか…影からそっと見守らせてもらいますね…
「なっ…何を言っているんですか! いきなり、そんな試練なんて
与えられても…どうしたら、良いんですか…!」
訳が判らない事ばかり言っていたと思ったら、いきなり得体の知れない
薬を強引に飲まされて、試練など与えられたって気持ちがついて
いく筈がない。
克哉はただ混乱して、わめく事しか出来なかったが…そうしている内に
意識がボウっとなって…唐突に途切れていった。
何も考えられず、白いモヤの中に落とされていくような感覚だった。
―そして目が覚めると、其処には克哉しかおらず…全身の衣類は乱されて、
掌にはべったりと精液がついているような…情けない姿で資料室の床に
一人、倒れていた
「今のは…夢、だったのか…? それとも、現実だったのか…どっち
なんだろう…?」
そして、目覚めてから克哉はポツリと床に倒れた状態のままで
呟いていった。
だが、其れは決して夢うつつの事ではなかったと…克哉はその日の
内に思い知らされる事となったのだった―
※7月25日からの新連載です。
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。
恋人の条件 1 2
―どうしよう、あいつに嫌われちゃったのかな…
克哉は資料室のディスクに突っ伏しながら、頭の中でずっとグルグル
している事に振り回されて…深い溜息を吐いていた。
今朝の眼鏡の怒りは、好きという単語を克哉がついポロリと口にした事が
キッカケのようにしか、感じられなかった。
だからこそ克哉は出社しても、どうしてもその事が頭から離れてくれなかった。
本日のコンディションは限りなく最悪に近くて。
昨晩、何度も激しい行為をされた肉体は…腰は重いわ、あちこちの普段
使っていない筋肉がギシギシと早くも悲鳴を挙げているわ、とても満足に
働けるものではなかった。
(ううう…凄く身体のアチコチが痛い。全く、週末ならともかく…平日に
突然現れて好き放題やるなよ。おかげで、こっちは今日…働くのすら
辛い状態になっているんだぞ…)
心の中で思いっきりもう一人の自分に対しての文句を盛大に思い描きながら
克哉はどっかりと椅子に座り、机の上に身体を伏せる格好で軽く目を閉じて
休んでいった。
しかし…セックスが原因で、仕事に支障を出して営業八課の仲間たちに
迷惑を掛けるのはどうかと思ったので、どうにか全気力を振り絞って
克哉は業務に辺り、午前中は何とか乗り切れた。
だが、午後二時に差し掛かった辺りで流石に限界を迎えて、こうして
少し休む事にしたのである。
それでも15分程度、身体を休めたら…また仕事に戻るつもりだったが、
こうして作業を止めると、余計な事ばかりが頭の中に浮かんできて…
それが一層、克哉を苛んでいった。
「…あいつに、恋しているなんて…認めたくないけど。けど…この胸の
モヤモヤはそれ以外に当てはまりそうにないんだよな…」
相手に会いたいと思ってヤキモキしたり。
顔を思い描くだけで何となく暖かい気持ちになったり。
触れられるとドキドキしたり、照れくさい気持ちになったりと…これらの
症状をひっくるめるとそれ以外に該当するものはなかった。
それが余計に克哉の心をズーンと沈めて、落ちこませていった。
何でよりにもよって、自分と同じ外見をした存在に対して恋など
しなければならないのか。
そんな自分の感情を認めたくないという気持ちもまた強かったが…
相手にその気持ちを否定され、怒られてしまったという痛みだけは
どれだけ打ち消そうとしても心の底からなくなる事はなかった。
(…次、いつ会えるのかな…)
ふと、そんな考えが過ぎってつい涙がこぼれそうになった。
今までこんな風に…次、もう一人の自分がいつこちらの前に来てくれるのか
望んだ事はなかった。
けれど想いを自覚したら、まるで泉のように胸の底から…気持ちが
溢れて来て、止まる事はなかった。
「会いたい、よ…」
今朝、会えたのに…あんな風に機嫌を損ねたまま、次いつ現れるかを
心待ちにしなければならないのだろうか。
そう考えた瞬間、さらに否定的な感情が胸の奥から湧きあがってくる。
―今朝の事で機嫌を損ねて、もう自分の前に来てくれなかったら
どうしよう…
普段だったら、ここまでネガティブな感情に支配される事はない。
相手の心中は、克哉には理解出来ない。
ただ…今朝のやりとりを思い出す限りでは、自分が『好き』だと言ったから
怒ったようにしか感じられなくて。
相手にとっては自分の想いなど煩わしいものでしかないのだろうかと
思うと…本当に辛くて堪らなくなってきた。
(いつ、次は会えるんだろ…それまで、この胸の奥に溜まったモヤモヤを
抱え続けなきゃいけないのかな…?)
苦しくなれば、なるだけ…相手の熱を求めて、身体の奥で何とも言えない
燻りが生まれていく。
其れを吐きだしたくて仕方なくなって…克哉は無意識のうちに己の股間に
手を伸ばしていく。
(こら、止めろ…。今は就業時間中なのに…)
理性が、ギリギリのところで無意識の行動を止めようとする。
しかし…この出口のない逡巡から、一時だけでも解放されたいという
欲求の方が勝っていき、克哉は…スーツズボンのフロント部分を寛げて
その部分から手をしのび入れていく。
まだ柔らかさを保ったままのペニスは、相手の事を思い描いて軽く
触れただけであっという間に硬度を取り戻していく。
(一度…抜いてからじゃないと、モヤモヤして…集中して仕事に
取りかかれそうにない…情けないな、オレ…)
苦笑していきながら、出来るだけ素早く達して気持ちを切り替えようと
自らの性器を克哉は扱きあげていく。
興奮するのは、簡単だった。
昨晩から今朝に掛けて、もう一人の自分がこちらに対してどんな事を
したのかを思い出すだけで…充分なおかずになったから。
「ん…んんっ、『俺』…!」
このやりきれない感情も、疼きも全て吐きだしてリセットしたかった。
その一心で克哉は自分のモノを必死に慰めていく。
射精感はすぐに訪れていった。
克哉の頬は真っ赤に紅潮し、吐息も荒く…瞳も艶っぽく潤んだ状態に
なりながら追い上げられていく。
そして絶頂を迎えようとした次の瞬間、予想もしてなかった事態が
起こっていく。
ガチャリ…
その音を聞いた瞬間、克哉は冷や水をぶっかけられた気分になった。
「っ…!」
だが、もうギリギリまで追い上げられた身体は止められなかった。
そうして…扉の向こうに現れた相手に克哉は自慰をして達する己の浅ましい姿を、
思いっきり見られる形になってしまったのだった―
これは元々、スーパーファミコンで発売した「紋章の謎」の二部の
リメイクになる訳ですが、今回DS版で再発売をした際…幾つか
大胆な変更点が加えられています。
大雑把に言えば以下の通り。
・もう一人の主人「マイユニット」の追加
・序章エピソード8章&外伝6話の追加
・全てのキャラにほぼ最低三種類の会話シーンが加えられている
・スーパーファミコン版では一部から二部に掛けてリストラされているキャラが
全員、復活して使えるようになっている。
・何故か美女の三姉妹しか使えなかった「トライアングルアタック」が
ゴツイ斧戦士三人組にも使用出来るようになった。
・ファミコン版だけの出番だった僧侶リフが復活し、外伝一話はある意味
彼が主役になった
・イマイチ愛着なく、使えなかった序盤の新人騎士達がマイユニットの追加と
序盤エピソードが追加されて仲間意識が芽生えるので愛着が湧くようになった
・前作である第一部をプレイしていなくても、こっちだけ遊べば大体のストーリーが
判るように、マイユニットの目を通して補足説明が大量に追加されている
…と幾つも書きましたが、要約すれば…仲間数が格段に増えて、そして…
コミュニケーションが取れるようになって、影が薄かった仲間にも個性や
エピソードが掘り下げられて書かれるようになったという事です。
香坂はまだ6章までしか行ってないんですが、兄上は最後までクリアしたので
回想で色んなキャラの会話とかを見せて貰うと…これがなかなか面白いんですよ。
まあ…兄上が好んで使ったキャラが非常に偏っているんですけど。
何せこの人、この追加要素を知った時の反応が…。
誰もが使うような王道美形キャラよりも、マニアックで影が薄い奴を
使って意外な一面を見る方がはるかに価値がある!
と力説したので…ともかくどんな時も一人、という個性を足された弓兵や、
本来なら影も形もいなかった筈の斧戦士達や、シューターという職業自体が
削除されてしまったので影も形もいなくなっていた筈のジェイクやベックと
いうキャラだの、使っている人少ないだろ! というキャラばかり埋まっていました。
美形で成長率が良いキャラを見事にスル―している辺りがやっぱり
ウチの兄上です。美女とか美少女にもあまり関心示さないし。
何分、このゲームを買おうと決意したのも…リストラキャラが復活
していたり、何より。
マジ様が出ているならば何がなんでも絶対買わねば!!
と力いっぱい言っていたのが全ての動機です。
…お前、第一部の暗黒竜と光の剣の方では容赦なくマジを
ぶっ殺して外伝行く為のイケニエにしていたよね…(汗)
けど前作が「リフが復活しているから」が動機で、今回はサジ・マジ・バーツと
いう斧戦士三人が復活し、かなり優遇されている事が購入動機につながったらしい。
どの愛の為か、奴のマジは本気で強くてシャレにならない強さを誇っていたよ。
ある意味すげぇよ…兄上。
そして、私ら兄妹の最大のツッコミ処は…。
私が男で、兄貴が女のマイユニットで遊んでいる事
…まあ、私が男っぽい女で、兄貴が女っぽい男なので…こういう処に
本来の性分が現れるんでしょうかねぇ(笑)
最近だとドラクエⅨでも同じような事が起こってましたが…(遠い目)
ただ、支援会話は男女別に用意されていて…どっちかの主人公で見てセーブすれば
両バージョンの会話が回想に保存される訳です。
主人公の性別がバラけたのはその辺では利点でしたけどね。
なんつーか全体的に、地味で影が薄かった皆から使われないキャラに
面白いエピソードを追加されている感じなので、兄貴の回想を見るだけでも
結構楽しめます。
私が本格的にプレイするのは、夏コミの原稿が終わって一段落が
ついた頃ですが…これは本当に良い改良をしてくれたな、と思う。
本来はマルスが主役だったゲームに、もう一人の主人公を足してそれを
中心に進めていく。
人によっては賛否両論だろうけど、それによって…全てのキャラ達を
掘り下げて色んな一面が出来るっていうのはファンとしては凄い嬉しいですね。
前作の殺さないと外伝行けない仕様は私はどうしても受け付けなくて…
本腰入れて遊ばなかったけど、こっちは楽しんで出来そうですね。
…ただオイラは基本的にシュミレーション系苦手なタイプなので
それだけが難点ですかな。
しかし男主人公で、男ユニットばかりと仲良くなると…たま~に
ホモっぽい会話が飛び出してドキドキです。
兄貴が熱く色々と語るから、ついこっちもテンションが上がって
こんな記事を書いてしまったけれど…ここまで読んで下さった方、
どうもありがとうございます。
ちょっと暑さにヘバって集中力が落ちているので…小説の投稿が
少なくなっててすみません。
整った日にまたボチボチやっていきますので気長に構えてやって下さい。
では、今宵はこの辺にて…。
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。
恋人の条件 1
恋人関係って、良く考えたら何なんだろう?
相手に好きって告白して、受け入れたらそうなるのかな?
気が付いたら、そうなっているものかな?
愛しているって思って胸に秘めて言わないでいても…自分が相手を
そうと認識すれば良いのかな?
今まで何人かと、相手に求められたから付き合って来た。
けれど…今までの人生の中で、克哉の方から誰かを好きになってそういう風に
求めた事がないから、判らなかった。
人の愛し方も、愛され方も知らないのだと…そんな事すら気付かずに
今まで生きて来た。
―オレ、あいつが好きなのかな…?
ふと、ある晩気付いた感情は…それまでのもう一人の自分との関係を
揺るがす大きな波紋となってしまう事に…まだ克哉は気づいて
いなかった。
『好き』
恐らく、もう少し前の自分だったら決して認めたくない事実。
克哉は…傍らに始めてもう一人の自分が残ってくれた晩、その寝顔を見て
気持ちを自覚していった。
意識した途端…こうしてひっついて相手と一緒に寝ている事が非常に
恥ずかしくなっていく。
それはもう一人の自分との関係において、初めての経験だったから。
いつもは抱き合えば、途中で自分が意識を手放して…目覚める頃には
身体にはセックスした痕跡だけは残されていたけれど…もう一人の自分の
姿は煙のように消えてしまっていたから。
(…何でオレ、こんな奴を好きになってしまったんだろう…? 今までだって
ロクな事をされていないのに…なのに、どうして…好きになって
しまったんだろう…)
克哉は、静かに寝入っているもう一人の自分の顔を見ながら自問自答を
繰り返していった。
けれど、一旦自覚してしまった思いは…もう、目を逸らしてなかった事に
しようとも…消し去ることは出来ない。
ドクンドクン…ドックン…。
相手の鼓動を聞くと、それに連動するようにこちらの心臓の音まで
大きくなっていく。
相手の吐息が、肌の温もりが…血流が流れる音までも酷く鮮明に
感じられてしまった。
それらの一つ一つが、酷く愛おしいものに思えてくる。
(…どうしよう。起しちゃうかも知れないけれど…もっと、コイツにオレから
触れてみたい…)
今まで、良く考えてみればもう一人の自分に煽られるように触れられたり
刺激を与えられるばかりで…克哉の方から、彼に触れた事は殆どなかった
事に気づいていく。
間近で見ると相手の睫毛は長く、整った顔をしている事に気づいていった。
(…同じ顔をしている筈なのに、こいつの方が格好良く見えてしまうのは
何故なんだろう…?)
自分はここまでナルシストだったのかな? と少し疑問に思いつつも
克哉はそっと相手の顔に掌を這わして、静かに撫ぜていった。
少し触れたぐらいでは相手は目覚める事はなかった。
そして…初めて、克哉の方から相手に手を伸ばしていった事で…
また暖かいものが胸の奥から、込み上げていった。
「あっ…」
其れはとても暖かくて、優しい気持ちになれそうな感じだった。
その時、克哉は先程感じた「好き」という気持ちが…錯覚でも何でもなく
自分の中では本当のものである事を自覚していった。
「…オレ、こいつが…好き、なんだ…」
そして、思わず力なく呟いていってしまう。
瞬間…ピクリ、と相手の睫毛が…肩が揺れていった。
「えっ…?」
相手の目が、ゆっくりと開かれていくと…克哉は突然の事態に
目を見開いていく。
だが、静かに…しっかりと閉じられていた相手の瞼が開かれて、
酷薄ささえ感じる、アイスブルーの瞳が現れていった。
「……お前、今…何て言った?」
「えっ…な、何でもない…! 空耳じゃ、ないのか…?」
相手が寝入っていると思ったからこそ、思わず漏れてしまった一言を
彼に聞かれてしまって、克哉はかなり動揺し…咄嗟にそれを否定して
しまった。
だが、相手の追撃は…そんな曖昧な態度で止む事はなかった。
「嘘をつくな。俺はしっかりと聞こえたぞ。『オレ、こいつが…
好きなんだ』って言葉をな…」
「…だから、空耳だって言っているだろう…!」
相手の目が、克哉には怒っているように見えてしまった。
だから相手の逆鱗に触れないように…たった今、自覚したばかりの
感情を必死に、全力で否定していく。
しかし…克哉が打ち消そうとすればするだけ、相手の目は冷たさを増し…
見ているだけで冷や汗が伝い始めるぐらいに冷酷なものに変わっていく。
「…そうか、お前は戯れで言ったに過ぎない訳か…」
「だから、そんな事は言っていないってば…!」
相手の怒りを収めようと、さらに強く否定していく。
だが…克哉の思惑と裏腹に、其れは…ただ眼鏡を掛けた方の自分を
怒らして、刺激するだけの結果しか生み出さなかった。
「…うるさい! 黙れ…!」
「っ…!」
そして今まで見た事がないぐらいに、もう一人の自分が怒り狂い…
鋭い声を漏らしていった。
鼓膜が大きく揺さぶられ、脳がグラグラとしてしまいそうだった。
弾かれるように相手に再び、圧し掛かられると同時に…両手を頭上で
纏めあげられて片手で押さえつけられ、大きく足を開かされて…
相手の身体が割り込んできた。
「ちょ…待って! やっ…あっ…!」
相手の性器がいつの間にか硬度を取り戻しているのを自覚するのと
同時に、再び挿入されてしまった。
さっきまで二回、相手の精を放たれた内部はあっさりと相手の熱を
飲みこんで奥まで再び貫かれていってしまう。
「うるさい、余計な事を言うだけの口だったら…ただ、喘いでいれば良い。
…その方がまだ、可愛げがある…」
「あっ…うっ…ごめん、ごめん…怒らせたなら…ごめんね、俺…ああっ!」
克哉は必死になって謝っていく。
しかしその謝罪の言葉はより、もう一人の自分を怒らせるだけの結果に
なった事に克哉はまだ気づいていない。
「黙れ、と言っているだろう…!」
怒りながら感情に任せて眼鏡は激しく…さっきよりも容赦ない律動で
克哉を犯していった。
そして…行為が終わる頃には、窓の外には陽が昇り始めて…いつものように
克哉は泥のように眠って、意識を手放してしまい。
―もう一人の自分の姿もまた、彼が覚醒する頃には煙のように消えて
しまっていたのだった―
一カ月ぐらい前から、餌を貰いにうちに顔を出すように
なったトラ。
シャーシャー鳴くわ、まだ子猫だと思っていたら三匹の子猫の
母親だったとか色んなネタに事欠かない猫ですが…何だかんだ
言いつつ、一ヶ月間毎日のように顔を出されているので愛着は
湧いて来ました。
うちの食卓に使っている部屋の外の物置が日向ぼっこスポットとして
お気に入りの模様。
毎日のように餌をあげているので、最近は少しだけ威嚇行動は
控えめになってきて…凄く恥ずかしそうに「ニャ、ニャア…」と私らに
対しても鳴くようになってきた。
何故、お前は猫なのに…鳴くのがそんなに恥ずかしいんだ! と
突っ込みたいんですが…これでもトラ的には譲歩している模様。
昨日の夕方頃、家の周りに久しぶりに子猫の微かな鳴き声が聞こえたので
裏口に回ったらばったりトラと遭遇しまして。
子猫が塀を挟んで隣の家の敷地にいる状態で鳴いていると、
まるで安心させるようにその度に「ニャ~ニャ~」と鳴くトラ。
…ああ、ちゃんと子猫達相手には猫らしく鳴くんだ
とこの一カ月、威嚇行動ばかりされてあまり私の前では鳴いて貰えなかったので
目からウロコの心境でした。
何かね、その光景に母猫らしい優しさを感じて…心がポワっと
暖かくなった。
子猫たちは未だに人間に慣れないらしく、ウチに顔を出す事はないんですが
時々、それでも微かに声は聞こえている。
まだトラにおっぱいを貰っているのか、近所の他の家の人が餌をやっているのか
判らないけど…子猫達は元気でやっている模様。
たまにチラっと姿だけ見るんですが、相変わらずチマチマしてて
可愛いです。
…一枚で良いから、可愛い盛りの時に写真を撮影したいと思っているんですが…
その日が来る前に大きくなられる可能性のが大っぽいです。トホホ…。
最近は、トラは撮影出来るようになってきたんですけどねぇ(汗)
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。
―ねえ、教えてよ…。お前にとって『オレ』の存在って何なのかな…?
ある夜、克哉は心の底からそう疑問に思いながら…自室のベッドの上で
意識を覚醒させて、深い溜息を突いていった。
時刻は夜中の三時に差し掛かろうとしている頃。
藍色の闇の中、辺りは静寂に包まれていて…耳に入るのは時計の
秒針が進む音と、穏やかな寝息ぐらいだった。
「えっ…?」
克哉は、寝息が聞こえた事に驚きを覚えていく。
少し動揺しながら反対方向に向き直っていくと…信じられない事に
今夜は、もう一人の自分がまだ自分の傍にとどまっていた。
その事実に克哉は心底…驚愕していった。
「嘘だろ…。俺が起きても、まだ…こいつが傍にいるなんて…」
自分の傍らには一人の男がぐっすりと眠っている。
その顔の造作は、克哉と酷似している。
否…まったく同じと言って過言ではなかった。
Mr.Rという謎めいた男が渡した眼鏡を掛けた事によって
その存在を自覚した…もう一人の佐伯克哉。
眼鏡を掛けて性格が真逆である存在は…いつもなら克哉を好き勝手に
して気を失うまで犯した後、こっちが目覚めた頃には跡形もなく姿を
消している…という存在だった。
(こうして…『俺』の寝顔を見るのって初めてかも知れないな…)
彼との関係は、一年近く前から始まった。
かなり唐突に、恋愛感情の類など一切抱くことなく始まり、
其れがズルズルと続いてしまっていた。
いつも彼に抱かれれば、途中で気を失ってしまい…そして目覚めた時には
一度だってその姿が残っている事はなかった。
だから今夜はかなり珍しい出来事と言えた。
常に自分は気を失う形で彼に寝顔を晒していたのに…今までに一度も
こうしてもう一人の自分の無防備な姿を見た事はなかったのだから。
いつだって現れる時に予告や連絡の類は一切なく。
そして顔を合わせれば問答無用に犯されて、流されるようにセックスをして
いつの間にか意識を失い…目覚めた時には相手の姿は完全に消えている。
そんな逢瀬を、どれくらいの回数重ねて来たのだろうか。
だからこそ、克哉は…目の前に相手の寝顔が存在している事が
信じられなかった。
それこそ、何かの夢だろうかととっさに思ってしまったぐらいだ。
だからこれが現実か確かめる為に…身体を相手の方に向かせてから
そっとその頬に指を伸ばしていった。
「…夢、じゃない。確かに今…『俺』が、存在している…」
一度だって、セックスが終わった後に残る事はなかった相手が…
傍らで静かな寝息をしながら寝入っている様子を見て…ようやく
これが現実である事を理解していった。
そうしてマジマジと相手の顔を見つめていくと…先程の激しい行為の
最中の記憶が鮮明に蘇ってくる。
―あっ…うぁ…! や、そんなに掻き回さない、でぇ…! やっ…んんっ…
もう、イク、イッちゃうから…!
―何を言う…お前の中は、俺が欲しくて堪らないって必死になって
喰い締めている癖に…少しぐらい己の欲望に、正直になったらどうだ…?
―ふっ…あっ…やっ、だから…ヤメ、て…おかしく、なる…から…!
あ、ああああっ…!
―イケよ。俺がお前のその顔、見ていてやるから…
―あああああっ…! ん、ふっ…!
先程、彼に抱かれている時の自分の乱れた姿を思い出して…カァと
顔が赤くなっていく。
居たたまれないぐらいに、今夜は感じてしまった。
手首にはタオルで縛られて、もがいたせいで擦れた痕がくっきりと
残されている。
手首を拘束されて四つん這いにされて…バックから激しく獣のように犯されて、
あんなにも感じてしまった自分の浅ましさに、余計恥ずかしさを覚えていく。
(…けど、コイツに抱かれると…メチャクチャ気持ち良いんだもんな…。
大学時代とか何人か彼女とか作ったけど、どの相手としたセックスよりも…
こいつと抱きあう方が気持ち良いし…)
そう、その強烈な快楽を覚えるからこそ…自分は彼との関係を
心の底から拒む事が出来ない。
そうして何度も一方的に抱かれて、好き放題された。
けれど今夜は初めて克哉の方が途中で意識を覚醒して…もう一人の自分の
寝顔を目撃する結果となった。
だからこそ…今まで、考える余地がなかった疑問を抱いていく。
(そういえば…オレ達の関係って、一体何なのかな…?)
もう一人の自分。
佐伯克哉という人間の、ドッペルゲンガーとも呼べる存在。
そんな奴に定期的に顔を合わせて、一方的に抱かれる関係が
いつの間にか築かれてしまっていた事に克哉は愕然となっていく。
―オレはこいつに、何を求めているんだろう…?
相手の寝顔を見て、克哉の中に今までとは違う感情が芽生えていくのを
感じていった。
其れはくすぐったいような、甘ったるいような奇妙な感情だった。
優しく眠る相手の頬を撫ぜて…克哉は己の胸に問いかけていく。
―お前の気持ちを、知りたい…
其れは初めて感じた、欲求だった。
相手の柔らかそうな茶色の髪を撫ぜ、その疑問を抱いていった。
その願いが…彼らの関係を変える、起爆剤になってしまう事など今は
気づく事なく…眠る相手の髪を優しく撫ぜて、暫しその寝顔を眺めて
いったのだった―
今年の7月15日、DSでファイアーエムブレムの二部の
リメイク作であるファイアーエムブレム 紋章の謎&影の英雄」が
発売されたのをキッカケに、十数年ぶりにこのゲームをやっております。
何というか、非常に懐かしいというかなんというか。
香坂は学生時代にこのゲームを遊んでおりましたが、当時は自分は
途中で挫折して…お父さんやお兄ちゃんがプレイしているのを傍で
通してみていたって感じなんですけどね。
つか、思い出してみると鬼畜眼鏡の原画さんである、みささぎさんを
知って追っかけていた頃…当時はファイアーエムブレムで活動していたから
何冊か同人誌買っていたのを思い出した。
アベルとカインの本とか、そういえば私持っていたよ。
おかげでプレイしていると…うん、何冊か同人誌も買い求めていたし、
漫画版を買ったりしていたから…大体のストーリーや人間関係は
全部クリアしていなくても覚えているし、把握しているんですよね。
だから充分、懐かしい~と言いながら遊べるレベルにこのゲームの
内容を知っている訳です。
スーパーファミコン版が発売された時は、一部と二部がワンセットに
なっていた訳ですが…リメイクされた際、それぞれ別個になって発売
された訳です。
一部が新・暗黒竜と光の剣。二部が紋章の謎でした。
ところがこの二作はリメイクの際に両極端な進化を遂げています。
暗黒竜の方は、スタッフが「戦争は必ず人が死ぬものだ。一人も死なないで
目的を達成するのは本来はありえない!」という考えの元に、追加要素は
人をザクザク殺さないといけないようにしてくれた訳です。
ファンからしたらこれ涙目。
好きなゲームの新作が発売されてやった~! と思っているのに…その
思い入れのあるキャラ達を殺さないと追加要素を楽しめないんですから。
香坂自身はこの追加の仕方がちょっとやだな~と思ったので二年前に
発売した当初は一切手を出さず、遊ぼうという気も起りませんでした。
処が…この時の反省を生かしたのか、二部のリメイクの方は全く
正反対のものになった訳です。
二部は「マイユニット」と言われる…自分で作成したキャラの視点で
遊べるようになり、それによって…それぞれのキャラクター達が掘り下げられて
色んな会話が見れるようになったり、前作と逆転して…一人も殺さないで進まないと
外伝に進めなくなったり、キャラを死なせてしまっても次のマップには復活する
カジュアルモードが追加されたりしました。
新規ユーザーが手に取っても大丈夫なように配慮されているのを見て…
興味を覚えて、ちょっとだけプレイしたんですが…こっちはああ、ファンが
求めていたのはこっちだよ! と凄い満足感です。
兄上がプレイしているので、私は5章で止まっていますけどね。
何かユーザーの声を生かして、反省して…こういうファイアーエムブレムを
求めていたんだよ! と思ったら懐かしくなって…ちょっと今度の休みでも
みささぎさんのFE本でも発掘して読もうかなとか考えております。
…何だかんだいいつつ、私にとっては思い入れがあるゲームなので。
ふふ、ちゃんと見つかると良いなぁ。
二部の方は兄上が終わったら渡して本腰入れてプレイするであります。
それまではお預けなのがちょっとさびしいですけどね~(笑)
オムニバス作品集です。
暫くの期間、出てくるCPはネタによって異なります。
通常のように一つのCPに焦点を当てて掲載する話ではなく
1話完結から2~3話で纏めて、鬼畜眼鏡ゲーム本編に出てくる一通りの
CPを消化するまで続きます。
期間中、それらを踏まえた上で作品をご覧になって下さい。
この形での連載期間はタイトルの部分に扱うCPも同時に
表記する形になります。興味ない方はスルーなさって下さい。
本多×克哉? ガムガムメッセージ 1(完)
眼鏡×秋紀 愛妻弁当 1 2 3 4(完)
太一×克哉 二人の記念日 1 2 3 4(完)
本多×松浦 光に託して 1 2 3
―それくらいの事は覚えておけ。今年からお前がキャプテンに
なるんだから…いざって時に部員に何かあった時の為に
それくらいの知識は覚えておいた方が良いだろう…
それは、本多が大学のバレー部のキャプテンに収まった年の
夏合宿の準備をしていた時の他愛無いやりとりだった。
―うっへ~覚えておいた方が良いのかよこれ。結構な量あるぞ…
―まあ、備えあれば憂いなし。一応俺は覚えておいたぞ…。
この部内にはお前みたいに向う見ずで単細胞な奴が多いからな。
覚えておけば、向こうから救助信号が出されてもすぐに対応出来る。
滅多にない事でも、こういう知識は覚えておくかいないかで生存率は
変わるからな。一応、応急手当の方法も消防署に行って覚えて来たし…
―宏明、お前凄いな。さりげに尊敬するぜ…。俺には無理だ…
―何を甘ったれた事を。お前が主将なんだから、部員に何かあった時に
対応出来るように備えておくのが筋だろうが…。それくらいの事を
覚えてばっちりだぜ、と言えるぐらいの根性と責任ぐらい見せてみろ…
其れは呆れ口調に、モールス信号の表を渡して覚えてみろと一応
薦めてみた時の事だった。
けど、松浦は本多の反応を見て…恐らく無理だと反応して、あまり期待は
していなかった。
そして…意識の底に封じて、忘れてしまった他愛無いやりとりだった。
『ありがとう』
光を託して、伝えられた言葉。
其れは…大学時代の、口ではきつい事を言いながらも…心から本多に
全幅の信頼を寄せていた時の思い出の一つ。
其れに気づいた瞬間、目の前の男が照れくさそうに笑っていた。
「…良くお前、覚えていたな…。俺は正直、忘れていたぞ…」
「あぁ、俺も半分忘れかけていた。けどさ…何かジブリの新作が今年発表
されたから、テレビとかで…崖の上のポニョが放映されたりしたろ?
何となく見ていたらさ、こう…光のやり取りで遠くからパチパチとメッセージを
託し合う場面あって…格好良いなって思ってさ。それで…興味持ってちょっと
調べてみたらああ、昔お前に万が一の為に覚えろって言われた表は
これだったんだって知ったんだ。当時は覚えるの面倒でスル―しちまったけどな」
「…やっぱり、スル―していたのか。まあ…判っていた事だがな」
本多の言葉を聞いて、当時感じていた事は当たっていたのだと判った。
大学時代だったら少しは傷ついていたかも知れないが、今はあまり
本多に期待していないので当然のことのように受け止められていた。
「…けど、船であぁやっている場面見て…妙に心が騒いだっていうかよ。
そう思ったから…こうやってお前とまた友達づきあいをするようになって
結構たつけどさ。きつい言葉を言われた事も何度もあったけど…こうして
大学時代の仲間だったお前が戻って来てくれて…本当に許してくれて、
嬉しかったんだ…。だから、伝えたいと思って今夜…呼んだんだぜ…」
「本多…」
目の前の男が不器用に笑ったのを見た瞬間…ジワリ、と何かが
胸の奥からこみ上げて来た。
「…俺は、絶対に嫌だと思ったからあの八百長試合を断った。
それで将来を閉ざしてしまった。きっと俺は何回、あの場面に遭遇しても…
絶対に受けることはなかっただろうけど…。それでも、宏明も他のみんなも
俺にとっては大事な奴だった…。そいつらの恨みを買って、
一生許せないと言われたの…マジで辛かったからさ。だからこそ…
お前だけでも戻って来てくれた事に、感謝しているんだ。
本当に…ありがとう…」
「…お前、もしかして…泣いて、いるのか…?」
「えっ…マジ? 俺、泣いているのかよ!」
本多は真剣になって話している間に、気づけば感情が高ぶって
知らずに涙を零していた。
其れは何年も胸に秘めて、彼の心の澱になっていたものだった。
松浦は其れを見た瞬間…本多にも弱い処があるのだと、当時は強くて
何でも出来ると思い込んでいた男もまた悩み…苦しむ事だって
あったのだという当たり前のことに思い至った。
「…お前が、そんなふうに思っているなんて…知らなかった。
全く、困った奴だな…」
デカい図体をした男が、自分の事を…かつての仲間たちを想って
泣いている姿を見た瞬間…妙に、憎めない気持ちになっていった。
庇護欲に近いものが松浦の心に浮かんでいった。
そして…男としてのプライドにこだわる気持ちも何となく判るので…
本当にごく自然に、本多を抱きしめて…顔を見ないようにしてやった。
「宏明…?」
松浦のこの行動に、本多は大いに驚いていく。
その瞬間…彼はとても優しい顔をして呟いた。
「…信頼しているアタッカーが泣いている事があったら…肩を貸して
やるぐらい…セッターとして当然だろう…?」
「わりぃ…ありがとう。今はその言葉に甘えるわ…」
そうして、顔は見えなかったが…本多は何度かそうして肩を
震わせていった。
その様子を見た時…本多が光に託して、こちらに気持ちを必死になって
伝えようとしたり…今も仲間を想っているのだというのが本当の気持ちで
ある事を理解していった。
(全く…本当に困った奴だ…。あれだけ憎くて仕方なかった奴を…今は
憎む事すら出来なくなってしまっている…)
そう心の中で自分にも本多にも呆れていったが、悪い気持ちではなかった。
そうして…一言、伝えてやる。
友人として、少しでも目の前の男の気持ちを楽にしてやる一言を…。
「いつか、他の皆とも笑えあえる日が来るさ…。きっと、一番憎んでいた
だろう俺がこうして…お前の傍に戻ってきたんだからな…」
「うっわ! お前がそれ言うと…説得力ありすぎるわ。けどな、マジで…
ありがとう。宏明…」
「…いいさ。俺も心のどこかでは…お前とこうしてまた笑い合える
関係に戻りたいと望んでいたんだろうからな…」
「…そっか…」
そうして二人は笑っていく。
顔は見えない状態のまま…暖かい時間がそっと流れていく。
「…困った奴だ…」
そう笑いながら呟いた時、相手を抱きしめた状態のまま…優しく、クシャと
本多の髪を撫ぜていってやって…穏やかに松浦は微笑んでいったのだった―
ふと気まぐれを起こして…バスの路線から外れた道を試しに歩いて、
知っている場所に辿り着いたら、其処から近いバス停に乗って帰る
というのをやったら道に見事に迷いまして…。
この炎天下で二時間歩き通す羽目になりました
…そうしたらさ、職場から最寄駅までバスで30分。
徒歩にしたら1時間半から二時間って距離なんですが…
どうにか駅に辿り着くバスの路線がある処まで辿りついたら、
最寄駅を通り越して次の駅近くまで行っていたという
非常にマヌケな事になりました。
…そんなアホな事をやったので、今朝は出勤ギリギリまで身体を
休めてやっと動けるコンディションな状態なので朝に書いていく
時間の余裕ありません。
…いい加減、一本書き下ろして終わらせたいので、22日の夜か
明日の朝までには今連載している話を完結させます。
…何かね、知らない道に突き進んでいく習性があるからたま~に
こういう事をやらかす訳ですが…昨日はど田舎でそれをやった
ものだから、ちょっと日が暮れた頃になっても自分がどこにいるか
判らない状態だった時、野宿か…近くの家の人に頼み込んで、バスの
路線がある位置まで連れてって貰うか本気で考えました。
…そんなプチ遭難を体験しました。
…この暑いのに何をやっているんだお前はって感じですよね、はい(汗)
ちょっと考え事をしてて、考え纏める為に歩きたかっただけなんですが
予想以上に大変な事になりました。アホ過ぎる…(T○T)
こんにちは香坂です。
最近、夏の暑さにすっかり連日参っております。
その割には夏バテとかそういうのとは無縁ですが、気を抜くとアチコチに
あせもや湿疹が出来るのでそういう意味でこの時期は苦手です、はい。
先日、三匹の子猫について叫び声をあげましたが…あれから
子猫達はうちに一回も顔を見せておりません。
ニャーニャー連日聞こえる事もなくなったので誰かに飼われたか、
別のテリトリーに移ったかしてしまったようです。
その代わり親猫の可能性が高いトラだけは未だに我が家に一日に
何回かは顔を出しておりますけどね。
トラもシャーシャー言うだけじゃなく、たまに「ニャオン」という感じで
短く猫らしい声で鳴くようになったので可愛くなってきました。
…けど近くに寄ってはくるけど、相変わらず撫ぜようとすると全力で
逃げてしまいます。
本当はこの子を真っ先に不妊手術しなきゃいけないんだけど…そもそも
触る事も出来ない状態では病院にも連れていけない。
ただ、今後何ヶ月間ずっとうちに毎日のように餌を食べに来るようなら
不妊手術をする事も考え始めていますね。
子猫は正直可愛いけど、一匹だけならともかく…一回妊娠したら
何匹かは一緒に生まれてしまう訳で。
三匹の子猫はすでに生まれてしまっている訳ですし、姿も見せないなら…
こっちからは干渉する気はないんですが…まあ、トラが半分ウチの猫になった
時には飼い主として責任も考えなきゃな、と思っています。
うちに古くからいるミーは、この家に拾われた時にはすでに不妊手術済みで
その心配はなかったんですけどね~。
まあ三匹の子猫たちは可愛かったけど、実際に三匹をプラスでずっと面倒
見なきゃいけないとなったら少し考えてしまいますしね(汗)
とりあえずひっそりと、どっかで元気でやっている事を祈っています。
後、最近の近況として…ボチボチ、夏コミの準備をし始めています。
といっても今回の夏は自分は落ちてしまったので、また別ジャンルの友人の
処に委託させて貰う形での参加になります。
まあ…今年の冬コミは、書類不備を出さなきゃほぼ当選する状況なので…
それまでしっかり貯金して、その時に鬼畜眼鏡の新刊を気合い入れて
出そうかなって考えています。
スプレーオンリーも当選していたら参加します。
現在の予定はこんな感じですね。
…新刊を発行したら、また改めて通販を一時的に取り扱う事も
考慮中。現在のオフラインの活動の方はこんな感じです。ではでは~。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
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24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
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…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。