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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※御克ルート前提の、鬼畜眼鏡R内で判明した澤村や 
ノーマル克哉の大学時代の過去が絡む話です。
 RのED後から一年後の春…という設定の話なので
ご了承くださいませ。

 桜の回想  
                   10  
         11  12


心に不安が生じると、大きな空洞が生まれるような気分に
なることは誰にでもあるだろう。
 今の克哉がそうだった。
 あの男性の事を、思い出せない。
 けれど心は大きくざわめき続けて…心の中の世界で、もう一人の自分の
切ない顔まで見てしまった克哉の心は…酷く乱れてしまっていた。
 そういう時の愛しい人の抱擁が、熱がどれだけこちらの心を
満たしてくれるか。
 頼りなくなっていた自分に芯が与えられているような気分だった。
 
「はっ…ぁ…んんっ…熱、い…!」
 
 克哉は悩ましい声を挙げていきながら、御堂の熱を
全身で享受していく。
 自分の中のぽっかりとした何かが埋められていく。
 お互いの体温と吐息が重ねられていった。
 本来、男の身体はこうやって誰かを受け入れるようには
作られていない。
 数え切れないくらいに肉体を繋げても、挿入する段階には
どうしても多少の苦痛は伴う。
 だが、息が詰まるような思いを覚えた後の…強烈な快感を
すでに知ってしまっている。
 ひきつれるような感覚が、じきに収まり…慣れてくれば自ら蠕動を
繰り返して、相手を際奥に招き入れていくことだろう。
 
「克哉…今は、私だけを…感じろ…!」
 
「ふっ…あぁぁっ! はい、貴方を…オレに、下さい…!孝典さんの
事だけ、考えられるように…」
 
「そうだ…こうしている間だけは、他の事を考えることは…許さない。
私のこと以外は、一切考えるな…」
 
 静かな声で、鋭い眼差しをこちらに向けていきながら…御堂は
恋人にそう命じていく。
 それは厳しくも甘い命令であり、支配だった。
 御堂の怜悧な双眸に見つめられて、そう囁かれるだけで克哉の背筋に
甘い快感が走り抜けていく。
 身体が揺さぶられる度に、前立腺の部位を擦り上げられて抗いがたい
ぐらいの悦楽が全身に走り抜けていく。
 その度に、先程まで克哉の中を満たしていた暗澹とした気持ちが晴れて、
今…自分を組み敷いて抱いている愛しい人の事しか考えられなくなる。
 それが今の克哉には救いだった。
 
(今は、貴方だけを…感じて、いたい…!)
 
 現在の克哉は自分の足下がおぼつかなくなるような不安感を覚えていく。
 だが、こうしてこちらを抱いてくれる熱が…確かなものを与えてくれていた。
 この人はこれだけ自分を必要として、愛してくれている。例えこちらの心を、
痛みを完全に理解しえなくても…側にいて、助けようとしてくれている。
 それで、充分なのだ。
 根本的な救いはきっと、自分の手でしか成せない。
 どれだけ愛し合おうと、セックスをしようと…自分以外の他者の気持ちなど
完全には判らないし、理解出来ない。
 人が、本当の意味で把握する事が出来る心は唯一…自分のもの
しかないのである。
 
ーこの人を愛しているからこそ、甘えすぎてはダメなのだと克哉は思った
 
 ギチギチに張り詰めた熱い塊が、克哉の中で往復を繰り返して頭が
真っ白になるほどの悦楽を生んでいく。 
 身と心が、御堂に焼き尽くされていきそうだった。
 その熱さと感覚に、全てが飲み込まれて…流されていく。エクスタシーの
極地は、無我の極地にも等しいのかも知れない、
 頭の中が真っ白になり、御堂とのこの行為の事以外が考えられなくなり…
どうでも良くなっていく。
 いつの間にか受け入れている箇所が怪しくゼンドウして御堂のペニスを
強く締め付けていた。
 
「くっ…君の、中は相変わらず…良く、締まるな…」
 
「やっ…ぁ…言わない、でぇ…」
 
 克哉はこれ以上、羞恥を煽る言葉を言われたくなくてイヤイヤするように
首を振っていくが…御堂は容赦しない。
 更に深い快楽を与える為に克哉の性器を…抽送のリズムに
連動させるように扱き始めていく。
 
「ひっ…うぁ…! やぁ…孝典、さん…それ、は…!」
 
「…何がイヤ、なんだ…? こんなにグチャグチャに濡らして
震えている癖に…」
 
「それは、貴方に…抱かれて、触れられて…いる、からで…ああああっ!」
 
 亀頭と前立腺、それは男にとって最も脆弱な場所であり…強烈な
快楽を生み出す場所だ。
 それを愛しくて仕方ない男に同時に攻めたてられたら…抗える訳がない。
 まるで水から上げられた海老のように激しく仰け反りながら御堂の
腕の中で痙攣を繰り返していった。
 
「んんっ…も、う…うぁ…た、孝典…さん…あぁ…!」
 
 あまりの快楽に思考がすでにまとまらなくなって、まともな言葉が
紡げなくなってしまう。
 譫言のように甘ったるい言葉と、大切な恋人の名前だけを口に
上らせ続けていく。
 激しく突き上げられている内に、快楽がせり上がって頂点が迫って
来ているのを感じ取っていく。
 御堂の腕の下で、克哉は大きく見悶えて…喘ぎ続けていく。
 その瞬間、身体の中に納めているペニスが一際大きく膨れ上がり、
先走りがあふれてくるのが判った。
 
「くっ…もう、イクぞ…克哉…!」
 
「はい…貴方を、オレの中に…下さいっ!」
 
 お互いの身体を強く抱きしめあいながら、ほぼ同時に
絶頂の瞬間を迎えていった。
 熱い精が際奥にそそぎ込まれるのを感じていって克哉はビクビクと
大きく肩を震わせていく。
 自分の中に、御堂の想いと熱が注がれる。
 その瞬間だけでも、愛しい人と一つになれた一体感と幸福感が溢れてくる。
 この時、克哉は自分は生きてて良かったと…この人と出会えて、
結ばれて良かったと心の底から思える。
 御堂と出会う以前の克哉は、自己主張もせず…人との衝突と摩擦を
避けるばかりで、何の目的もなく生きているだけの存在だった。
 そんな自分が、御堂と出会い…あの不思議な眼鏡を掛けたことに
よってそれ以前とは大きく変われた。
 
(この人がいなかったら…オレはきっと人の顔色ばかりを伺って、ビクビクと
生きていた時のまま…変わることがなかった。こんなに幸せなのも、仕事が
充実して毎日が輝いて感じられるのも…オレの傍には、孝典さんが
いてくれるからだ…。オレを必要としてくれているからだ…)
 
 荒い息を吐きながら、ギュウっと目を閉じて克哉は今の
幸せを噛みしめていく。
 その瞬間、天啓のように何かが閃いていく。
 もしかしたら其れは、この深いモヤのように心にのし掛かっている
疑問を晴らす為の糸口だったのかも知れない。
 
ー俺には、大切な人っていたのかな…? そうだ…あの人、俺に対して
自分は親友だって言っていたけど…其れはもしかして『もう一人の俺』の
昔の親友だったのか…?
 
 克哉は、先程みた夢をぼんやりと思い出していく。
 つい数年前まで人との関わりを避けて生きてきた克哉には親しいと言える
友人は殆ど存在しなかった。
 たった一人…いるすれば大学時代からの友人でもあり、キチク時代の
同僚だった本多くらいだ。
 彼以外に、今の克哉には親友と呼べる存在はいない筈だ。
 だが、それ以前だったら?
 
(もしかして…中学に入る以前の、思い出せない記憶の中に
全ての答えがあるのか…? もう一人の俺を知れば、全て判るのかな…?)
 
 御堂の身体の重さを感じていきながら、克哉は必死に逡巡していく。
 それは長く広大な思考の迷路を抜け出す為の手段を模索している
ようなものかも知れない。
 だが、そこまで考え至った時…御堂の不機嫌そうな声が耳元に響いていった。
 
「克哉…こういう時は私以外の男のことは決して考えるな…と、
さっき言った筈だぞ…?」
 
「っ…! い、いいえ! 孝典さん以外の男のことなんて、
考えていませんか…!!」
 
 思いっきり拗ねた表情を浮かべている御堂に向かって克哉は
恐縮した様子で首を振っていく。 
 
「…ほう、それなら何を考えていたんだ…?」
 
「そ、その…昔の、自分のこと…です…」
 
 そう、今の克哉は『もう一人の自分』の事と『中学入学以前の出来事』の
二つに心を馳せていたのだから決して嘘は言っていない筈だ。 
 正直、御堂に間近で見つめられて心臓はバクバク言って緊張していたが…
真っ直ぐに見つめ返して応戦していく。
 
「…嘘は言っていないみたいだな。ふっ…それなら、君をこれ以上
お仕置きする訳にはいかないようだ。確かに『他の男のことは考えるな』という
約束は守っていた訳だからな」
 
「は、はい…」
 
 そのもう一人の自分に、過去に対面した時に好き放題された事があるのは
決して御堂に言わない方が良いだろう。
 現実に到底有り得る訳がない光景だし、正直に話したってまず正気を
疑われるのがオチだ。
 少しして、機嫌を直した御堂がそっとこちらを腕枕して眠る体制を整えてくれた。
 この瞬間が、克哉は好きだ。
 御堂と一緒にいてあっさり眠ってしまうのはもったいないと思う反面…
愛しい人の体温に包み込まれる幸せを同時に覚えていくからだ。
 
「…今夜は色々あったが、もう随分と遅い時間だ。君と一緒に過ごす時は
貴重だが…明日の為にそろそろ寝よう」
 
「はい…」
 
 思いもよらない週末になったけれど、抱き合っているうちに次第に
細かいことはどうでも良い心境になっていった。
 瞼を閉じると、一気に心地よい気怠さと…疲労感が襲いかかってくる。
 
―なあ、「俺」…お前には…大切な人はいたのかな…? オレにとって
御堂さんのように…? さっきのあの人が…そうだったのか…?
 
 眠りに落ちる寸前、もう一人の自分に問いかけていく。
 だが、返答はないままだった。
 
「おやすみ…克哉」
 
「…はい、おやすみなさい…孝典、さん…」
 
 小さく就寝前のやりとりを交わしていきながら、二人とも
寝やすい体制を整えていく。
 そして御堂のことと、もう一人の自分の事を交互に頭に思い浮かべていきながら…
克哉はその夜、深い眠りへと落ちていったのだった―
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 とりあえず新しい会社に入って最初の週は無事に
終わりました。
 ん~と次の会社は四週六休、大体二週間で三日ぐらいの
お休みペースになります。
 …そして大変、辺鄙な場所にあり…最寄り駅からバスで
30分くらい掛かる上に、人数が少ない会社なので…通勤の際に
同じ会社の人と誰とも一緒になりません。

 そのおかげで往復2時間分+休み時間プラスα執筆時間がある状況に…

 七人しかいない会社で、おばさま4人べったりで入り込めないぐらいの
仲良しっぷりで残りの男性二人は自分のペースを作っていて、それぞれ
各自休み時間は一人で過ごしております。
 同じぐらいの年齢の人もいなきゃ、話す相手もありゃしない。
 通勤時間も一緒に誰ともならない。見事なぐらいのロンリー感。
 たまに発言すりゃ、凄く気を使われておばさま達の会社の流れを止める
状況なので…自分がまだ仲間じゃなく、お客様扱いなのがよ~く判ります。
 新人が居つかない、残ってくれない状況なのが理解出来ました。

 面接の時に「一年働いてくれますか?」と聞かれて即答したから採用に
なったんですが…うん、まあ…普通の神経していたら、一年ここで働くのは
きっついだろう。
 おばさま達と感覚が近くて馴染める人か…もしくは一人でいても苦痛に
ならない子のどちらかじゃないと続かないだろうと思いました。
 そして香坂は、どっちかっていうと…一人でいても苦痛じゃない子の方より
なのでマイペース貫くことに致します。
 おっかげで待遇は非常に良く、試用期間は最初の週で終了したし…
来月には各種保険も入れてくれる話も出ました。
 という訳で私は…。

 もう徹底的にその一人の時間を執筆と読書に当てることにしました。

 だからオリジナルも、鬼畜眼鏡の連載も書く時間だけは出勤している日は
沢山ありますよ、ひゃっほー!
 当分、話せそうな同僚は出来そうにありません。
 ならこの状況を、「書くのには最良な環境」と見なして…ロンリーな状況を
楽しむのが吉かと存します。
 小説書きだの、物書きなんて…一人を楽しめる奴じゃなきゃ出来ないしね。
 私はどっちかっていうと、人の集団に入り込んでいく方が苦手なので我が道を
突き進んで行きますわ。
 仕事内容自体は、以前に似たような職種の場所に一年ちょい居たことが
あったのである程度…すでに流れは掴めましたし。 
 作業内容自体は苦もなくこなせる状態なので…何かそんなスタンスで
働くことにしました。ちなみにニコニコ、良い子な感じで働いておりますよ(ニコ)

 今後の掲載ペースは、朝早く起きれて一時間程度…執筆時間を
取れそうな日は朝に書いていって。
 今日みたく、少々一本書き下ろすには厳しい日には出勤時間中に
連載を書いて…帰宅後(夜)に掲載というペースになります。

 本日分は、帰宅後に掲載させて頂きます。
 夜にまたお会いしましょう。ではでは~!
 
 
 何かバタバタしていたのでなかなか拍手、ログイン出来て
いなかったのですが…八月初めにちょこっと書いた子猫の話、
写真を見たいとリクエストした方がいらっしゃったので…
遅くなりましたが掲載させて頂きます(ペコリ)

 名前はクロです。
 まだ赤ちゃんネコなのでチビ、とたまに呼ぶ事もあります。
 最近、ようやく私に慣れて来てくれて…抱っこしても逃げなくなったり
たまに傍らで寛いだりするようになりました。
 DSiで撮影した写真のうち、比較的可愛く撮れたのをここに
掲載させて頂きます。
 興味ある方は「つづきはこちら」をクリックしてみてやって
下さいませ~。

※御克ルート前提の、鬼畜眼鏡R内で判明した澤村や 
ノーマル克哉の大学時代の過去が絡む話です。
 RのED後から一年後の春…という設定の話なので
ご了承くださいませ。

 桜の回想  
                   10  
         11

  かつて親友と思いながら、今は完全に存在ごと忘れてしまった男と
再会した夜…克哉はどこかおかしかった。
 そんな彼を少しでも励ましたいと願って、御堂はその身体をソファの上に
押し倒して、強い力で抱きしめていく。
 息が詰まりそうなぐらいに強い包容だった。

「孝典、さん…?」

「克哉、不安というのなら…幾らでも私に縋りついても構わない…」

「…はい」

 きっと御堂は、今の克哉の言いようのない不安をきっと感じ取って
くれているのだろう。
 自分の足下すらおぼつかないような、あやふやな状態を。この漠然とした
恐怖感に気づいてくれている。
 今の克哉の中ではまだ上手く整理がついていなくて、相手に筋道立てて
説明したりは出来そうにない。
 だからこそ、ただ無条件で抱きしめられることが克哉には嬉しかった。

ー私は君の味方だ…

 例え理由を話さなくても、話せなくても克哉を支える為の腕は
ここにあるのだと…静かに示してくれている。
 たったそれだけの事が今は泣く程、嬉しかった。
 紫紺の、真摯な瞳がこちらに真っ直ぐに向けられる。
 この双眸に見つめられるだけで…恋人関係になってすでにもう十分に
経っているというのに毎回、電流が走り抜けていくような気がする。
 御堂はいつだって、はっきりと自分の意志を二対の目に映していく。
 克哉はその強さに、畏れと同時に…頼もしさを覚えていた。
  こんな素晴らしい人が、自分なんかを選んでくれたのは本当に
奇跡だといつも思ってしまう。
 御堂の身体が次第に熱を帯びていく。
 その熱さのつられるように、こちらの身体も高まって…心が
浮き足立っていくようだった。

「克哉、抱くぞ…私以外の男のことはもう考えるな…」

「はい…」

 御堂はこちらを見据えていきながら、はっきりとした意志を
込めて告げていく。
 克哉もまた、静かに頷いていくと唇が重ねられていった。
  すでに何度、こうしてキスをしたのか数えられないぐらいに交わしている。
 なのに、未だに御堂とこうしているとドキドキする。
 全然飽きたりする暇がない。
 ヌルヌルした舌先がこちらの口内に差し入れられて、あっと言う間に
舌を絡め取られていく。
 甘く吸い上げられてしまったら、到底抗えそうにない。
 早くも腰が疼いて、どうかなりそうだった。

「あっ…はっ…」

 上着とネクタイを剥ぎ取られて、手荒く服のボタンを外されていく。
 酷く心臓がドキドキして落ち着かなくなった。

「はっ…んんっ」

「もう、君の此処は反応しているみたいだな…相変わらず敏感な身体だ…」

「ふっ…は…言わないで、下さい…!」

 今までにどれくらい御堂に抱かれているか数え切れないぐらいなのに、
未だにこの人に言葉で責められると羞恥がこみ上げて来る。
 頼りない棟の粒を両手で責められて、鎖骨の周辺に所有の証を刻み
つけられるだけで己の欲望に飲まれてしまいそうになってしまう。

「ふっ…ぁ…胸ばかり…攻め、ないで…」

「嗚呼、君は淫乱だからん。まだ始まったばかりなのに…此処の刺激だけでは
物足りなくなってしまっているのか…?」

「だから、孝典…さん…。言わないで…」

 克哉は泣きそうな顔を浮かべていきながら、御堂に訴え掛けていく。
 だが、普段の彼が悩んだり悲しんだりする事で泣く事は御堂は酷く厭うのに、
こういう状況下においてはむしろ自分の恋人は積極的にこちらを泣かせようとしていく。
 堅くしこった胸の突起を押し潰すように愛撫されるだけで腰に重く響いて
堪らなくなってしまうのに、それに強弱をつけてこねられたり爪を軽く立てられる
刺激まで加えられてしまってはもうダメだ。
 きっとソファから起き上がったら満足に立ち上がれない状態に
なってしまっているだろう。

「ん…ああっ…や、孝典…さん。胸だけ、そんなに…責め、ないで…」

 スーツズボンの下では、こちらの欲望はすでに痛いぐらいに
堅く張り詰めてしまっている。
 もう焦れったくて、早くペニスに強烈な刺激を与えて欲しいのに
いつまで経っても触れてもらえなくて気が狂いそうだった。
 強請るように克哉が腰を何度も捩らせていくが、御堂は一向に
愛撫する場所を変える様子はなかった。
 
「早く、触れて下さい…気が狂って、しまいそう…です…」


「ククッ、これぐらいで君が狂っていたら…君はとっくに正気では
ないだろう…。これぐらいで根を上げるなど情けないぞ…克哉…」

「んんっ…はぁ…」

 こんなに性器も穴も、疼き切って仕方ないのに全然欲しいものが
与えられなくて克哉は悶え続けていった。
 御堂はこちらを抱く時、この瞬間を確かに楽しんでいた。
  克哉が腕の中で、涙を流すぐらいに追いつめられて…快楽の涙を流す瞬間を…。

(孝典さんは、本当に…こういう時は、意地悪だ…。普段は
優しくて、いつだって俺を気遣ってくれるのに…)

 だが、自分は御堂のそういう意地悪な部分もひっくるめて
好きになってしまっているのだからどうしようもない。

「お願い、早く…貴方が、欲しいんです…」

 更に延々と胸ばかり責め立てられて、克哉はついに
懇願するように御堂に訴え掛けていった。
 これ以上じらされたら、耐えられない。
 相手の首筋にギュっと強くしがみついていきながら訴え掛けていく。

「…まったく、君は本当にこういう時は堪え性がないな…。そこまで淫らな
身体をしているとは本当に驚いてしまうな…」

「意地、悪…んあっ!」

 けれど克哉が快楽の涙で瞳を潤ませて訴え掛けていくと…ようやく
待ち望んでいた箇所に御堂の指が絡められていった。
 それだけで克哉は歓喜の声を上げていき、大きく全身を震わせていった。

「嗚呼…!」

 御堂に触れられた頃には克哉のその部分はすっかりと
濡れそぼって、男の手を汚していった。
 鈴口を責められる度に先走りが厭らしく伝っていってグッチャヌチャと
^淫猥な水音を立てていた。

「ほう、もうこんなに濡らしているとはな…そんなに私に触れられるのを
期待していたのか…?」

「はい…さっきからずっと…貴方に、そうされたくて…おかしく、
なりそう…でした…!」

 克哉が髪を振り乱していきながらそう口にすると、御堂は満足そうな
笑みを浮かべていく。
 こうして快楽に従順になって、自分の腕の下で喘ぐ克哉はハッと息を
飲むぐらいに艶っぽかった。
 
「ほら…克哉、聞こえているか…? 君の厭らしい穴からはこんなに
汁が溢れて私の指を濡らしているぞ…?」

「やっ…お願い、だから…言わない、で…」

「何がイヤなんだ? もっと激しく扱いて…気持ち良くして欲しい癖に…」

「んんっ…ぅ…はっ…」

 もうどんな反論も、今は睦言に近くなってしまう。
 克哉のペニスはすでに御堂の手の中ではちきれんばかりになっていて、
ピクピクと小刻みに痙攣を繰り返していた。

「孝典、さっ…ん…!も、う…!」

「嗚呼、イクと良い。…君のその顔…見ていて、やる…
から…」

「はっ…あああっ…!」

 そうして強く扱き上げられて、克哉は耐えきれずに一際大きな声を
挙げて達していった。
 目の奥で花火が散るような、頭が真っ白になるような感覚が走り抜けていく。
 そうして、克哉は愛しい恋人の手の中に白濁を吐き出して
荒い呼吸を突いていくと…。

「克哉、抱くぞ…」

「あ…はぁ…!」

 御堂に低く掠れた声でそう宣言されると同時に、絶頂の余韻に
浸る間もなく…御堂の熱い塊が克哉の中に侵入してきたのだったー

 

 今朝はちょいと仕事の疲れが残っていたので
書けませんでした(汗)
 けど、先月までに比べれば再開宣言をした以上
連載や、こういうちょっとした報告等は以前に近い感じで
書いていくつもりです。

 仕事の方は四ヶ月ぶりに働いているので、まだちょっと
身体がついてきていないけれど今までやってきたことの
延長なので、最初から多少はある程度こなせる仕事が
幾つかあるっていうのがちょっと強みかな。
 ベテランのおばさまたちのスピードがともかく速くて
それについていこうと必死の日々です。

 で、今回はバス→電車→バスという通勤経路なので
POMERAを使える時間はたっぷりです。
 昼休みとかもね、おばさまたちの会話にまだ入っていけないので
小耳を立てつつ、カタカタ打っているのでこの三日間は平均2~3時間
打ち込んでおりましたので、結構な量を書けました。
 この三日間でワード文書で換算すれば17P分ぐらい
書いたよ…。
 今、書いているのは投稿用と、たま~に今後掲載していく予定の
碧の疾風の書き下ろしですけどね。
 鬼畜眼鏡の連載の方は、中途半端になっているものは徐々に
片付けて完結させていく予定です。
 良ければ付き合って下さい。
 後、無料配布は週末に時間取れたら作業して発送しますのでもう少し
お待ち下さい。今、帰宅後は疲れでソファで倒れこんで眠りこけている
状況なので…(汗)
 
 では、本日は近況のみですが…これにて。
※これは鬼畜眼鏡の創作物ではなく、香坂の
以前に出版社に持ち込んだオリジナル作品です。
 その際に帰ってきた感想を元に、サイト上では若干手を加えて
掲載している形になっております。
 持ち込んだバージョンより中盤以降はアレンジしてもう一つの
パターンを展開していく予定なので、付き合っても良いという方だけ
読んでやって下さい。
  OKの方のみ、「つづきはこちら」をクリックして読んでやって
下さいませ~。
 ちなみにこのシリーズ「碧の疾風」と書いて「あおのしっぷう」と
読みます。

 過去ログ

 碧の疾風 1 
※御克ルート前提の、鬼畜眼鏡R内で判明した澤村や 
ノーマル克哉の大学時代の過去が絡む話です。
 RのED後から一年後の春…という設定の話なので
ご了承くださいませ。

 桜の回想 
                  10

―御堂は、克哉を強く抱きしめていきながら…複雑な思いに
駆られていた。
 明らかに、赤いフレームの眼鏡を掛けた男と出会ってからの
克哉の様子はおかしかった。
 中学以前の記憶がない、という言葉も…あれだけこちらに悪意を
見せている男の事を覚えていないとか、不可解極まりなかった。
 だが、彼がおかしくなってしまっているのならば…少しでも
手助けしたいと思っているその気持ちだけは偽りがなかった。

 だが、御堂の胸の中に宿るのは…本城との一件だった。
 …あの時期、御堂は…本城への怒りと憎しみを心の底に
押し殺しながら生きていた。
 本当ならば、大切な克哉をあんな目に遭わせた本城を許すことが
出来なかったし…他の友人たちのように、堕ちてしまったかつての友を
心の底で案じたり、手助けしようという気持ちにもなれなかった。
 だから、克哉とも…友人たちと顔を合わせることもどこかで辛く
思っていた時期。
 二人きりでリビングでゆったり過ごして会話をしていた時…
本城の話題が軽く上った時、克哉は穏やかな顔を浮かべながら
こう口にしたのをふと、思い出した。

―オレはあの人を、憎みません…。確かにあの人に大きな怪我を
負わされてしまったけれど…こうしてオレは生きていますから。
幸いにも、後遺症も何も残らなかった。それなら…今は袂を分かって
しまったとは言え…オレは、貴方のかつての友人を憎んだり
恨んだりしたくないんです…

 あの本城の暴走で大怪我を追って、退院した直後…二人きりで
過ごしていた時に、そっと克哉が静かな声でそう呟いたことがあった。
 御堂はその一言に、驚いた。
 けれど…克哉の表情はとても透明で、それが酷く印象的だった。
 
―例え私のかつての友人であったとしても、今の私にとって…
君以上に大切な存在なんかいない! その君を傷つけた彼を私は…
心の底から、許せそうにない…

 大学時代の他の友人たちが、麻薬漬けになった本城を案じている事を
知っていた。
 克哉も、許そうとしていることを察していた。
 だから…御堂は、必死になって気にしないようにしていた。
 だが、かつての旧友を案じる気持ちよりも克哉を傷つけた怒りの方が
その時期の御堂は勝ってしまっていた。

―忘れて下さい御堂さん。オレはこうして…今、貴方の傍にいます。
本当にあの人の過ちでオレを失ってしまったというのならば…貴方が復讐に
身を焦がしても何も言えません。けど…オレはこうして貴方の傍にいる。
貴方の目の前にいるんです…!

 そうして、食い入るように真摯な眼差しを向けた後…克哉は酷く魅惑的な
笑みを浮かべて、次の瞬間…御堂の心を酷く驚かせる一言を吐いた。

―憎しみなど捨てて下さい。オレは…貴方が、どんな感情であれ…オレ以外の
人間に、強い感情を抱いていることの方が耐えられませんから…!

 その一言を聞いた時、御堂は驚きを隠せなかった。
 何を言われたか把握出来ない、鳩が豆鉄砲を食らったようなマヌケな
顔を自分は浮かべていたのだろう。

―同時に、貴方が…その憎しみを抱くことで四柳さん達とすれ違って
しまうことも嫌なんです。…孝典さん、オレはこうして…五体満足の姿で
貴方の目の前にいる。だから、もう引きずらないで下さい。
 憎しみを抱き続ければ…本来あるべき形が歪められてしまうから。
 心の中に重いものを抱き続けなければならないから!
 人は誰でも間違います。本城さんは弱くなって…その過ちを犯して
しまっただけです。皆が、貴方のように強い訳ではない。
 間違えないで生きれる程…強い人なんて、世の中に殆ど存在いません。
 誰だって間違える時はあります。魔が差してしまう時だってあります。
 …だから、オレを傷つけたことであの人を憎んでいるというのならば…
どうかその恨みを流して下さい…!

―それが君の、望みなのか…?

―はい

 力強く、克哉はそう言い切った。
 自分を傷つけたものを許せと、その為に他の男に憎しみとは言え強い感情を
向けてくれるなという…その正直さに、つい笑いが込み上げて来た。
 御堂はそのやりとりの後、一頻り笑い続けた。
 そうして…心から、こう思った。

―君には、本当に私は一生…敵わないな…
 
 あの男と出会って、おかしくなった克哉を胸に抱きながら…御堂はあの日の
やりとりを鮮明に思い出していた。
 あの日、憎しみを胸に抱えて歪になりそうだった自分を…克哉は必死になって
救おうとしてくれた。

『自分以外の男に、憎しみでも強い感情を抱かないで欲しい』

 そんな風に、愛しくて堪らない存在に言われてしまったら…惚れた男として
聞き遂げない訳にはいかない。
 おかしくて、おかしくて…そう笑っている内に、確かに自分の心の底に溜まって
いた猛毒のような感情は確かに流れていくのをあの日…感じていた。
 あの日、また自分は彼に救われたと思った。
 その事を思い出したから…今度は、自分が彼の心を汲み取って…少しでも
楽にしてやりたいと思った。
 あの男の事を思い出せない、貴方を知らないと言った時の克哉の
苦しそうな顔が脳裏に蘇っていく。

(あの男を思い出せないことであんなに君が辛そうな顔をするのなら…桜を
一緒に見に行くぐらいの事は幾らでもしよう…)

 それが本当に、彼を救うことになるか判らないけれど…少しでも
御堂は克哉を助けたかった。
 その想いにだけは偽りはなかった。
 お互いに無言で、ただ…抱き合っていく。
 こちらが本城との一件を思い出している間…彼の方には果たして
どんな気持ちが湧き上がっているのだろう。
 あの男の事を考えて、今も不安を覚えているのだろうか…とふと思った時、
心の中にチリリとした想いが宿っていった。

(私も大概、嫉妬深いな…)

 けれど…克哉の方に意識が戻った時…こうして抱き合っている最中に
これ以上…他の誰かの事を考えて欲しくないと、思い始めていく。
 だから御堂は甘く掠れた声で…そっと相手の耳元で囁いていった。

「克哉…」

 そうして、愛しい人間に呼びかけると同時に…御堂はそっと、その晩…
克哉の身体をソファの上に組み敷いていったのだった―

 
 とりあえず今月から、かなり掲載が飛び飛びに
なっていた連載等を少し更新ペースを上げて書いていきます。
 それでも、チョコチョコ顔を出して下さった方…気に掛けて
下さった方、ありがとうございます。
 …本気でここ数ヶ月サイト止めようかとか、静かに
消えようかぐらい思い詰めていたけど…コメントや拍手を
下さっている方のおかげでギリギリ踏み止まれました。

 その件に関しては自分の中でようやく答えが出ましたし、
原因となった相手側の心境も、この期間中にその相手と
同じ間違いを自分もしてしまった事で気づけたし。
 自分の中で回答が出た以上は引きずるの止めようと
思ったので、とりあえず再開宣言。

 …と言っても仕事が今月から本格的に始まるので、
最新のを掲載だけして…「はじめに」のページのリンク整理とかは
時間取れた時にボチボチという感じになっていきますが、
書くだけ書いていきます。
 良ければ付き合ってやって下さいませ(ペコリ)
 
 先日、グッコミで発行した無料配布本…イベント自体に
来られた方が少なかったみたいなので、今回はサイトの方にも
掲載させて頂きます。
 無料配布本の方は、GO! GO! HEAVEN!5の方にも
受かっていたら持っていってこっそり残りを配布させて貰おうかな、と。
 とりあえず克克の縁日絡みの話というか、無駄にバカでエロいというか
眼鏡が微妙に策略家というかそんな感じの話です。
 投稿する際に文字数が多すぎます、とエラーが発生して
しまったので二回に分けて掲載させて頂きます。
(こちらは後編に当たります)

 前編のリンク内容はこちら↓

 スイート☆バナナ 

 興味ある方だけ、「つづきはこちら」をクリックして続きを読んで
やって下さいませ(ペコリ)
 先日、グッコミで発行した無料配布本…イベント自体に
来られた方が少なかったみたいなので、今回はサイトの方にも
掲載させて頂きます。
 無料配布本の方は、GO! GO! HEAVEN!5の方にも
受かっていたら持っていってこっそり残りを配布させて貰おうかな、と。
 とりあえず克克の縁日絡みの話というか、無駄にバカでエロいというか
眼鏡が微妙に策略家というかそんな感じの話です。
 投稿する際に文字数が多すぎます、とエラーが発生して
しまったので二回に分けて掲載させて頂きます。
(こちらは前編に当たります)
 興味ある方だけ、「つづきはこちら」をクリックして続きを読んで
やって下さいませ(ペコリ)
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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