リズム天国

　先月、Ｗｉｉでリズム天国の三作目が発売された。
　兄貴はこのシリーズ、大好きで大好きで、先週…
「兄貴、今のオイラうつ病に片足突っ込み始めている」と
打ち明けたら、問答無用でＴＶをつけられて、Ｗｉｉを起動して
はい、とリモコンを手渡された。

「はい、気分転換にどうぞ」

「…何故、うつだと打ち明けてリズム天国を薦められるんだ？」

「何も考えないで出来るから。そんなに操作難しくないしね」

「む～」

　うちの兄貴は、昔っからそういう部分があります。
　真剣な話をしても、茶化されるというか…問答無用でゲームを
ほい、と投げつけられる。
　兄貴の論理では、「考えても仕方ない事は其れ以上は考えない。
後は気分転換してさっさと忘れて引きずらない！」になります。
　おかげで真剣に悩む事がアホらしくなり、一時間ばかりプレイする。

　今回のリズム天国は、基本的に音楽に合わせてＡを押すか、
ＡＢを同時押しするのどっちかの動作しかしない。
　そして相変わらず、バカバカしいノリ全開だったりする。

　兄貴いわく、お気に入りは重役会議。
　４匹のぶたさん（重役）が音楽に合わせてノリノリで椅子を
回して、回転を止めていく。
　全然、会議してないよ。
　秘書の言葉に合わせて、重役が回っているだけやんか！と
ツッコミ処が大満載すぎるわ！

　という感じで、バカバカしいテイストのゲームをやっている内に、
確かにその間はネガティブな考えからは解放されていたのは確か。
　案外、うつにはこういうシンプルな操作のゲームをやるっていうのは
有効かも知れない。

　…そして、兄貴の態度を見ると…自分がうつ病の友人に対して
手を差し伸べた時、ただ真っ正面から受け止めるんじゃなくて、こうやって
気分転換出来そうなものを薦めて楽しんでもらうって視点もあったんやな、と
ちょっと気づかされる。

　人を救うのって、時にそういういい加減さの中にもあるのかも知れない。
　真っ正面から受け止めて、相手が嫌になるよりも。
　そうやって適当に受け流して、変わらない態度で接する方が…
良いような気もするし。

　…とりあえず、私が辛うじて社会生活を今も送れているのも…ま、こんな
兄上が傍にいたからだという感謝は忘れていないが。
　
　一応、原稿を今は優先しているからそんなに今は付き合えないが。
　夏コミが終わったら、リズム天国の二人用プレイのレビューを書く為に、
一緒にプレイして協力しようと思う。
　まあ、メダル５枚しか取っていない私が、５０枚全部ゲットしている兄貴に
勝負を挑んで、勝てるとは思えないけどね…（汗）