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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 2009度のクリスマス小説。
  克克ものです。ちょっとサンタクロースの逸話を
  ネタに使っているので宜しくです。
  微妙にヒヤっとする描写もあったりしますのでそれを
 了承の上でお読み下さい。コミカル、ギャグ要素も有。

  白と黒のサンタ                        10

 ―クラブRの店内でもう一人の自分に抱かれて、克哉は意識を
手放し…少し経ってから、目覚めていった。
 
 気づくといつの間にか自分は銀世界の中に立っていた。
 シンシンと雪が降り積もる中…自分は泣いていた。

「何で、オレ…泣いて…」

 涙腺が壊れてしまったかのように、とめどなく泪が溢れてくる。
 ポロポロポロポロと、涙が溢れて…キラキラ輝く結晶となった。
 それはまるで、自分の涙が宝石になる魔法でも掛けられてしまった
ような光景だった。

―だが自分の手のひらも身体も血で真っ赤に染まっていた

 傍に倒れているのは黒い衣装を着たもう一人の自分。
 真っ白な世界に、目にも鮮やかな『赤』が浮かび上がっていく。
 相手の身体から…胸元から、血が溢れて…周囲の雪が染め上げられていた。

「あっ…あっ…な、んで…?」

 何故、こんな光景が広がっているのだろうか?
 克哉はさっきまで彼に抱かれて、幸せな気持ちに浸っていた筈なのに…
どうして目覚めたら、こんな悪夢のような光景が広がっているのだろうか?

「何で、こんな事になって…いるん、だよ…?」

 信じたくなくて、克哉は必死に首を振っていく。
 こんなの認めたくない。
 誰か悪い夢だといって即座に指定して欲しかった。
 しかし暫くの間…誰の声も聞こえることなく、耳に届くのは
時折強く吹きぬける風の音だけだった。

―それが貴方達が完全な一人の人間…本来の佐伯克哉に戻る為に
必要な過程だからですよ…

「Mr.R!」

 頭の中に唐突に聞き覚えのある男性の声が木霊して、即座に
克哉は反応していった。
 
―貴方達はある出来事をキッカケに己の魂を二つに分けられておられます。
それぞれの佐伯克哉さんはとても魅力的で…私はどちらも素敵だと思って
おりますが…本来は一つだったものが二つに分かれているので…
片方が持つものを片方は持っていない、という非常にアンバランスな状態に
なってしまっている訳です…。
 しかし本来の貴方は万能な存在。それこそ全ての力を覚醒させて…強い欲望を
持てば大抵のことは叶えてしまえるでしょう。
 それだけの力が貴方には備わっている…ですから、これは私からの
クリスマスプレゼントです…。
 貴方に一つに機会を与えましょう…。
 この白と黒のサンタクロースの逸話のように…もう一人のご自分をクリスマスの
夜の間に手に掛ければ…貴方は万能の力を得られることでしょう。
 その力を欲するのなら…この夢の通りになさって下さい…。
 『完璧』な佐伯克哉に戻る為の…これが唯一の手段ですよ…それは
肝に銘じておいて下さいね…。

「あ、なたは…一体、何を言っているんですか…?」

 それはまるで、呪いの言葉のように克哉の頭の中で鮮明に
響き渡っていった。
 こんな事を自分は一切、望んでいない。
 さっきだってもう一人の自分にはっきりとその意志を告げたのに…。

(なのに、こんな光景を見たら…まるで予知夢のようにすら…
これから本当に起こることのように感じられて、しまう…!)

 例えそれが夢の中の事でも、自分は見たくなかった。
 こんなに血の気のない顔で…己と同じ顔の男が息絶えて
しまっている処なんて。

「いやだぁぁぁ~~!」

 胸の中に耐え切れない程の悲しさと切なさと、何と形容すれば良いのか
思えない感情がゴチャゴチャになって交じり合っていく。
 その瞬間、全ての光景がかすみ始めていった。
 それは夢の終わりを告げる予兆でもあった。

―オレは…お前をこの手に掛けるなんて、絶対に嫌だ…。
自分がそれで不完全な存在になったとしても…自分は、あいつの事を…
口には出せないけれど、心憎からず想っているからだ。

『オレはお前が…好きなんだ! だから、こんな夢はもう見たくない!
お前が消えるなんて真っ平ごめんだ!』

 克哉は勢い良くそう叫んでいくと同時に…再び、世界はホワイトアウトして…
ゆっくりと彼の意識は覚醒していったのだった―

 
 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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