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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※この話は記憶を一部欠落した状態で生活している設定の
ノマと、真実を隠している眼鏡と閉ざされた空間で生きると
いう内容のものです。
 一部ダークな展開や描写を含むのでご了承下さいませ。

忘却の彼方に                      10

 抱きあったまま、静かに部屋の片隅に置いてあるベッドの上に
二人で倒れ込んでいった。
 現在二人で暮らしている高級ペンション風の家には、あちこちに
ベッドが備え付けられている。
 キッチンと風呂、物置、リビング以外の客室にはほぼ、備え付けられて
いると言っても過言ではない。
 克哉がこの部屋にいたのも、何処かでこの流れを期待しているからに
他ならなかった。

(浅ましいな、オレって…)

 今の克哉は記憶がないからこそ、自分がからっぽになっているという
自覚がある。
 その抜け落ちてしまった部分が酷く意識されて、不安で…だからこそ
無償に他のもので埋めたいという欲求が強くなっていく。
 抱きあい、口づけて…相手の鼓動や吐息を間近に感じている間だけは
そのカラッポな部分を意識しないで済むから。
 だから、抱かれる事を望んでいるのかも知れない。
 そんな事をシーツの上に組み敷かれていきながら…ふと、考えていき。
 深く舌をもう一度差し入れられて、舌を濃厚に絡ませ合うキスを交わす
頃には再び、欲望だけを忠実に追いかけ始めていった。

「あっ…」

 相手の手が、手早くこちらの衣類を剥いていって…胸板全体と、
最も敏感な突起を的確に弄り上げてくる。
 その手つきは、日増しに優しいものに変わっていくような気がする。
 初日のセックスが、こちらの性欲を強引に煽って一方的にされたものと
するなら、抱かれる度に相手の手は羽のように柔らかくなっているように
感じられていく。
 愛撫の基本はソフトタッチ、だと男女のハウツー本とか、どこかの雑誌の
特集とかにも書いてあったように思う。
 実際、こうして抱かれてみると…妙にその言葉に納得出来るように
なってしまった。
 眼鏡を掛けた、自分と全く同じ顔をした男の手が…スウっと肌全体を
撫ぜるように触れてくるだけで、皮膚に電流が走っていくようだ。
 慈しむような触れ方に、まるで女のように敏感に反応しまくっている
自分がいて…其れが一層、羞恥を煽っていく。
 欲望を煽るようなキスと、優しすぎる触れ方の落差に、頭の芯が
ボウっとなってしまいそうだ。
 下半身の衣類を剥かれて、己のペニスが飛び出していくとそれだけで
頭から火を噴きそうになってしまう。

「やっ…見る、なよ…」

「何を言うんだ。すでにキスと胸だけでこんなにさせているのは…
お前が、いやらしい身体をしているからだろう…」

「うっ、それはそうなんだけど…あ、やっぱり…見る、なよ…はっ…ん」

 相手の右手が的確にこちらのペニスを弄り上げてくる。
 克哉が感じるポイントなど、とっくにお見通しだというぐらいに…その手は
巧みに性感を高める部位を刺激していった。
 まるで魔法の手のようだ。
 眼鏡に触れられる度に、何もかもがどうでも良くなってしまいそうで…
そんな自分に怖くなる。
 
「こんなにさっきからお前の此処は浅ましく蜜を零して…俺の手を
汚している癖に。今更…いや、とか見るなを繰り返すのか…」

「あ、当たり前だろ…。は、恥ずかしい、んだから…」

 そういってイヤイヤするように頭を必死に振りかぶっていく。
 そんな自分を相手は、欲情に濡れた双眸で見つめてくる。
 この目が本当に、毎回反則だと思う。
 見られれば見られるだけ恥ずかしくて死にそうになるのに…同時に、背筋から
ジワリと欲望がせり上がって来て頭がおかしくなりそうだった。
 
「後、服…お願いだからお前も脱げよ…。いつも、一回目の時点では
お前、脱いでない事の方が多いじゃないか…。抱きあうなら、どうせなら
お互い裸になった方が良いし…」

「別にその後、脱ぐんだから同じようなものだろう。其れに俺が服を
脱ぎ忘れるのはお前がそんなにいやらしく、こっちの欲情を煽ってくるからだ。
お前こそ少しは加減したらどうだ…」

「な、何だよそれ! そ、そんな言い方って…! はあ!」

 相手の物言いに恥ずかしくて大声で反論しようとすると、いきなりペニスを
宛がって入口部分を執拗に擦り上げてくる。
 満足に慣らしてもいない個所に、いきなり猛りきったモノを宛がわれて
克哉はぎょっとしていく。
 コレが克哉にとって強烈な快楽を与える存在だっていうのは判っているが、
こちらはあくまで男である。
 慣らしていない状態で踏み込まれたら激痛が走るのも本能的に判っているから
思わず身体を固くしてしまう。

「…俺はいつだって、お前の中に早くコレを挿れたくて仕方ないんだ…。
あまり、こちらを煽るな…」

「煽るなって言われたって、どうすれば良いんだよ…は、あ…!」

 そうして入口にペニスを宛がわれた状態で、こちらの性器を扱きあげられて
しまうと必要以上に感じてしまう。
 いつ、挿入されてしまうかも知れないスリルと、相手の欲望を如実に感じて
否応なしに高揚していってしまう。

「やっ…あっ…お願いだから、ソレ…ど、うにかして…!」

 腰が焦れて、揺れてしまう気持ちと…痛みを怖がる気持ちがない混ぜになって
克哉は泣きそうになってしまう。
 本人には自覚はない、そういった今にも泣きそうな切なそうな顔をしながら
身体をしきりに捩る仕草が、余計に男心を煽ってしまう事を。
 そうして眼鏡の手の中で克哉のペニスは大きく膨れ上がり、あっという間に
大量の白濁を放っていく。

「んあ、あああっ!」

 そして達して、身体の緊張が一気に緩んだタイミングを見計らって相手の
ペニスが強引にこちらの中に押し入ってくる。
 一瞬、キツく締めつけていったが、同時に相手の舌先がこちらの口腔に
侵入してきたのでそちらに意識が向けられていくと…強張った内部が自然に
緩み始めていく。

「ふっ…うっ…」

 優しさと強引さを同時に感じさせる交歓に、克哉は身も心も日増しに
籠絡されていってしまう。
 そして相手の身体が緩やかに動き始めていくと…こちらも其れに
合わせて腰を揺らしていく。

 そして何度も相手の精を絞り尽くすぐらいに今日も激しく抱きあい…
行為が終わった頃、克哉は泥のように眠っていった。

―束の間だけでも、胸の中に湧き上がる疑問から目を逸らす為に…
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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