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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※ 久しぶりのメガミドです。
眼鏡が過去にやってしまった罪を後悔し
それを考えてどうしていくかというのが
主題の話なので了承の上でお読みください。


-決して許されない罪を、かつて自分は
犯した事があった

 結ばれて、両思いになってもその出来ごとは
時々彼を苛む毒になった。
 御堂は、寛大にも自分を許して愛してくれた。
 彼に自分がした事を思い返せば、其れはどれだけ
奇跡のような幸運だったのだろう。
 真綿に包まれるような幸福な日々の中、その痛みは
いつもは胸の奥に沈んで、自覚せずに生きていられる。

―克哉、愛している

 けれど、御堂からの真っすぐな気持ちを向けられる度に
自分の中にチクリとした痛みが確かに走っていく。

―俺は本当に、あんたにこうして愛される価値のある
男なんだろうか

 自分がこんな弱気な事を考えるなんて、認めたくなかった。
 けれど二人で新しい会社を興して、その基盤を固める為に
忙殺される日々を送りながら…少しずつ、その否定的な
気持ちは静かに降り積もっていく。
 愛しさが募るからこそ、かつての罪がどれだけ愚かしく…
自分の事しか考えていなかったのを自覚させられるから。
 御堂はすでに、許してくれている。
 蒸し返して謝ったとしても、自分の自己満足に過ぎない
かも知れない。
 そう理性では判っていても、時にその古傷は疼いて…
時々、彼を眠れなくさせる。
 愛しい御堂が傍らにいない夜、佐伯克哉はそうして…
眠っている最中、起きてしまう日が度々あった。
 今夜はまさにそんな夜で、夜明けまでには程遠い
時刻に…彼は起きてしまっていた。
 部屋の明かりは全て消されて、藍色の闇がリビングを
満たしている中…佐伯克哉はゆっくりと身体を起こして
深い溜息を吐いていった。

 身体が限りなくダルイ。
 昼間、あれだけ働いているのに…泥のように眠りに
落ちたつもりだったのに。
 着替える余裕もなく、ソファで寝てしまっていた筈なのに…
午前三時という中途半端な時間に目覚めてしまった。
 帰宅して、眠ったのが丁度日付が変わる辺りだったことを
思い返せば…少し睡眠時間が足りなかった。
 自分は4~5時間眠れば問題ないショートスリーパー
タイプである事は把握していたけれど。
 やはり三時間程度、しかも途中で覚醒してしまっていては
色々と響くものがある。

「…やっぱり、あんたに無理やりにでも泊って貰う
べきだったかな…」

 そう呟きながら、克哉は指先を伸ばして…煙草とライターを
手に取っていった。
 ソファから身体を起こして、紫煙をゆっくりと燻らせていく。
 その瞬間だけ、胸の奥の痛みが少しだけ紛れていく。
 しかしすぐに…その後悔の念は、喚起されていく。

「…情けないな、今でもその事を悔やみ続けて…安眠する
事も出来ないでいるとはな…」

 御堂と、抱き合っている夜。
 傍らに彼が眠ってくれている日は…こんな痛みに
苛まれる事はない。
 むしろ普段よりもたっぷりと眠る事が出来るし、
充足感がある。
 最近、御堂を自分は求め過ぎていた。
 毎夜のように抱いても、傍にいても足りないという
飢餓感が消えてくれなかった。
 流石に連日のように求めていたら、御堂は今夜は
帰らせて貰う…とつれない回答をされてしまい、
こうして久しぶりに一人寝をしたけれど。

「…あいつがいてくれないだけで、眠れなくなるなんて…
本当に、情けないな俺は…」

 自嘲気味に呟いて、また深く煙草の煙を肺の奥に
吸いこんで、満たしていく。

「俺は、あんたに狂っているな…。あんたに欲しくて、
あんたに依存して、あんたに癒されたくて助けて貰いたくて
仕方ない…。そんな資格は、ないかも知れないのに…」

 御堂が愛しい。
 本当に心から、彼が欲しいし…絶対に手放したくない。
 その想いは一緒に働くようになってから日増しに
強くなっていく。
 其れと同時に、自分の中に少しずつ翳りのようなものが
濃くなってきて、胸の奥に重いしこりのようなものが
大きくなっていくのにも気づいていた。

「それでも俺は…あんたを、愛している…」

 なかなか言えないでいる本音をポツリと漏らしていく。
 照れくさくて、御堂を前にしてなかなか伝えられない一言。
 苦笑しながらそう呟いていけば、胸の中に御堂の面影を
静かに描いていく。

-その瞬間、フラッシュバックするかのように
かつての己の犯した罪の光景が脳裡をよぎっていく

 どれだけ彼が泣き叫んで懇願しても、酷い事を
するのを止めなかった鬼のような自分が其処にいた。
 其れを思い出す度に、克哉の胸に後悔ばかりが
広がっていく。

「御堂、どうしてあんたは…俺を、許せたんだ…?
あんな酷い事をした男を、どうして…」

 力なく佐伯克哉は呟いていく。
 其れに対しての答えは、帰って来ないで…室内に
静寂が広がっていくばかりだった。
 そして一本の煙草を吸い切ると…克哉はソファに再び
倒れ込んでいって、もう一寝入りする事にした。
 せめて後一時間ぐらいは寝ておいた方が良いと
思うから。

 けれどその夜、暫く彼は寝つけないまま…夜明けまでの
時間をモヤモヤして過ごす羽目になったのだった―
 
 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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