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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※色々とグルグルして悩むオジサンが読みたくて
書きました。
   息抜き程度に読んで頂ければ幸いです。

 オジサンの葛藤    前編



「バニー…」
 
 相手の名を、微かな声で呼びながら…虎徹はゆっくりとバーナビーの方に
顔を寄せていく。この気持ちは伝えなくて良いと、密やかなもので良いと…
そう言い聞かせていきながら、ほんのちょっとだけ自分の我儘を通していく。
 
「んっ…」
 
 キスを受けて、くすぐったそうに腕の中の青年が身をよじっていく。
 それが可愛くて…一度だけじゃ足りない気分になって、もう一回だけ頬に
キスを落とそうと顔を寄せていくと…。
 
「…貴方って、本当にヘタレですね…」
 
 
「…っ!」
 
 唐突に、そう声が聞こえて…目を見開いていくと…唐突に、唇に柔らかい
ものを感じて、ぎょっとなった。
 だが…その隙に、バーナビーの方から舌を積極的に絡めてくるのを感じて…
脳内がパニックに陥りかける。
 だが、気付けばこちらからも…相手からの情熱的なキスに夢中で応えて
しまっていて…嵐のような時間が、瞬く間に通り過ぎていった。
 キスを解いた途端、お互いの口の端に銀色の糸が伝ったいった。
 
「…バニー…お前、起きて…いたのか…?」
 
「…ええ、そうですよ…。これだけ僕が勇気を振り絞って…頑張ってお膳立て
したのに、いつまで躊躇しているんですか…。このまま寝た振りしていたら、
キスもしないままで終わってしまうような気がしましたからね…」
 
「えっ…まあ、その…自分の相棒の寝込みを襲ってあんな事やこんな事を
しちゃうって…人としてどうかなってオジサン、ブレーキ掛かっちゃったからさ…」
 
「…いつまで、貴方は本音を隠すんですか? …あんな風に僕からの
キスに応えた癖に…」
 
「…そう、だな…」
 
 自分の胸の中で、バーナビーは真摯にこちらを見つめて来る。
 その視線は痛いぐらいで…こちらの言い訳とか、建前を全て取り払って
しまうぐらいの威力が感じられた。
 その目を前にしたら…嘘なんてつけない。
 溜息混じりに…虎徹は、暴かれる感覚を味わいながら言葉を紡いでいった。
 
「…俺は、お前が好きだよ…バニー」
 
「…僕の名前は、バーナビーです。こういう時ぐらい…ちゃんと名前を呼んで
下さいよ。さもないと…また、名前じゃなくてオジサンって呼び方に戻しますよ?」
 
「はは、相変わらず…へらず口ばっかり叩きやがって。本当に可愛くないよな…
お前は…。けど、こんな風に腕の中に抱いてて…キスしたいとか、触れたいとか
感じちまう俺は…相当な末期だよな…」
 
「…心配、しなくて良いです…。その辺は僕も一緒ですから…」
 
「…そっか、何か…お前の口からそんな言葉を聞けるとは思っていなかったな。
何か…夢みたいだな…」
 
「…夢で、終わらせないで下さい…今の、キスを…。そんな事されたら…僕は、
拗ねますし…怒りますよ?」
 
「…もう、夢になんて…出来るかよ…」
 
 虎徹は、知ってしまった。
 先程の熱いキスを…甘美な一時を。
 キス一つしただけで…自分の中のブレーキは完全に壊れてしまった事を
虎徹は自覚していた。
 相手のその一言を聞いた途端、バーナビーは本当に嬉しそうに微笑んでいた。
 いつもカメラとか、人前を意識して浮かべる営業スマイルや作り笑いではない…
本当に嬉しそうな顔に、虎徹の視線はつい釘付けになってしまっていた。
 
「…良、かった…」
 
 きっと、虎徹のその言葉に凄く安堵をしたのだろう。
 トロンと蕩けそうな眼を浮かべていきながら…すぐに、バーナビーは
眠りに落ちていった。
 青年の唐突な反応に、男は完全に取り残された気分を味わっていった。
 
「お~い、バニーちゃん! あんな挑発的な事を言って、濃厚なキスをしておいて…
それでスヤスヤと寝ないでくれよ! 俺、どうしたら良いんだよ!」
 
「…むにゃ…うるさ、いですよ…」
 
「バニーちゃぁぁん」
 
 虎徹が思いっきり情けない声を上げていくも、今は睡魔の方が
勝っているらしい。
 良く考えたら自分達は酒盛りをする前は出動して、思いっきり身体を
使っていたし…今夜は結構な量を飲んでいるから、これが自然な反応なのかも
知れないが…それでも虎徹は思いっきり取り残されたような気分を味わっていた。
 だが、彼は知らなかった。虎徹は一旦眠った時…短時間とはいえしっかり
熟睡していたが…バーナビーはずっと、目だけ閉じて…眠っていなかった事を。
 精いっぱいの勇気を振り絞って虎徹と寄り添い…彼が自然に目覚めてくれるまで
…辛抱強く相手が待っていた事実など想像もしていなかった。
 
「あ~あ…可愛い顔して眠っちまって…。よっぽど緊張していたか、
疲れていたんだな…お前…」
 
 自分の腕の中で安らかに眠っている相手を、無理に起こすのはしのびなくて…
結局虎徹は諦めて、腕の中にバーナビーを抱きながら自分も目を閉じていく。
 さっきのキスのせいで妙に下半身は元気になってしまっていたが…自分も
確かに疲れているので、今夜は大人しく引き下がる事にした。
 
(けど…次の機会があった時は…こんな風に安らかに眠らせてなんて
やらないからな…覚悟しておけよ、バニーちゃん…?)
 
 まだまだ、自分の中では葛藤は沢山あった。
 結局…強気にまだ出れないのはその辺の迷いとか、ためらいがあったからだ。
 特にバーナビーは…セブンマッチでジェイクを倒したシュテルンビルドの英雄だ。
 きっといずれ…スカイハイを抜いて、キングオブヒーローの座に就いても
おかしくない将来有望な青年だ。
 自分と特別な関係になったら…相手の輝かしい未来を脅かす汚点に
なるかも知れない…そういった怯えや危惧が確かに自分の中にあった。
 だから意識しても迂闊に手を出せなかったし、この想いを告げる事も
考えないようにしていた。
 けれど…バーナビーの方もまた同じ気持ちを抱いてくれていると判ったら、
覚悟のようなものが芽生えて来た。
 
(…バニーも同じ気持ちを持っていてくれるなら…全力で応えるしかないよな…。
いつまでもグチャグチャ悩んで、立ち止まって怯んでいる姿なんて…
惚れた奴に見せたくないしな…)
 
 相手の髪を愛しげに撫ぜていきながら…そう腹を括っていく。
 そして…決意を込めて、そっと今度は自分から小さくキスを落としていった。
 
―先の事を考えると、これからも色々と葛藤していくだろうけど…今はお前の
手を離したくないよ…バニー…
 
 そう、自分の気持ちに正直になって眼を伏せていく。
 そして今までと…関係が変化していくのを感じていきながら…あれこれと
考えている内に、虎徹もまた…バーナビーと寄り添いながら…緩やかに
安らかな眠りの中へと落ちていったのだった―
 
 









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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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