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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 ※4月1日からの新連載です。
それぞれ異なる結末を迎えた御堂と克哉が様々な
謎を孕んだまま出会う話です。
 彼らがどんな結末を辿った末に巡り合ったのかを
推測しながら読んでください。
 途中経過、結構ダークな展開も出て来ます。
 それらを了承の上でお読み下さいませ。

   GHOST                             10    11    12    13    


―正直、悶々して眠れない一夜を過ごしてしまった

 御堂は昨晩、自分の中に湧き上がった感情が一体なんなのか
判らなくて混乱してしまっていた。
 何故、密着した状態の時に妙に意識してしまったのか。
 首筋に衝動的に吸いついてしまったのか…自分が取った行動が
上手く説明出来なくて、心の中に霧が発生してしまったようだった。

(どうして私は…あんな事をしてしまったのだろう…?)

 あの後、夕食を食べて入浴を済まし…二時間ぐらいしてベッドに入って
からもなかなか眠れなかった。
 元々、御堂は睡眠時間は四時間程度確保すれば翌日充分に動ける
性質だと言っても…今朝は少し、頭がすっきりしなかった。

(だが、私がそんな朝を迎えても…窓の外は腹立たしいぐらいに
爽やかだな…)

 目覚めてから寝室を出て、洗面所で軽く洗顔と整髪を済ませてから
リビングに顔を出していくと…いつもと変わらない克哉の笑顔が
其処にあった。
 違う処と言えば、あちこち覗いている素肌から情事の痕跡みたいなものが
伺える事ぐらいだ。
 しかしそれ以外はあまりにいつも通りだったので…昨晩に起こった事は
全て嘘だったのではないかと感じてしまう。

(佐伯君の態度や表情は…いつもと違った部分は見えないな…)

 だが、相手の上に覆いかぶさって…不可抗力とはいえ密着して
抱き合ってしまった時の感触はリアルに覚えている。
 それを思い出した途端、また心がモヤモヤし始めた。

「あ、おはようござます…御堂さん。今日の朝食の準備は
もう出来ていますよ」

「ああ、いつもありがとう…。頂かせてもらうよ」

 正直言うとあまり食欲など湧いていないのだが…気持ち悪いという程でも
なかったので相手が用意した朝食を無下にするのは躊躇われた。
 素直に席に腰を掛けて、並べられた定番のメニューを眺めていく。
 変わらない日常の延長のようにすら感じられる。
 だが…昨晩、彼はこの部屋で何者かに抱かれた。
 しかもこのセキュリティが比較的しっかりしている筈のこのマンション内でだ。
 確か室内には物色した跡のようなものは残されていなかった。
 そう、はっきりと覚えている。

―彼の様子は悲惨なものだったが、室内の状況が異様なぐらいに
綺麗に整っていた事を…

 すなわち、その事実が示すのは…自分の部屋に侵入した何者かは
何かを盗むのが目的ではなく、彼に何かする為に押し入ったのでは
ないかという推測が出来る。
 ついでに言えば、元々克哉と御堂はそんなに親しい間柄ではない。
 彼がこの家に身を寄せるようになってから今日で四日目という非常に
短い期間内のことだ。
 それらの事実から指し示されるのは、昨晩彼を犯した何者かは克哉の顔見知りか、
もしくは彼がここにいることを知っている人間にほぼ限定される。
 このマンションには女性も多数住んでいる。 
 強姦目的であるなら、わざわざ男を選ぶ必要はない。
 言い方は悪いが、他に幾らでも相手がいるのに身長 180センチを越える
成人男性を選ぶ必要はまったくない。
 それらの事実を照合していくと、次第に認めたくない真実ばかりが
浮き彫りになってきた。

―昨晩克哉を犯した人間は、彼の顔見知りの人間である可能性が
極めて高いと…

 逆を言えばそれ以外の可能性で、比較的セキュリティがしっかりしている
このマンション内であのような事件が起こる可能性は極めて低いからだ。
 マンション内にいる人間が招き入れない限りは、カードキーがなければ
まず入れない造りになっているし、住人の後をついていって入った場合も
監視カメラでチェックされている筈だから確実に引っかかる筈なのである。
 其処までの御堂の推測はほぼ正しく、現実的であったが…御堂はMr.Rと
いう男が平然と壁をすり抜けてどこからでも出没出来る能力があるという
事実までは知らない。 
 だからこうして朝食を食べている間でも、甲斐甲斐しくこちらの朝食を
準備してくれている克哉への疑念は急速に広がっていく。

―昨晩、君を犯した人間は君の知り合いなのか?

 そう問いただしたい誘惑に駆られたが、同性にレイプされるということは
かなりの精神的苦痛が伴うと推測される。そのことを考えると、御堂は
安易に問いただしていいのか珍しく迷っていた。
 結果的に無言のまま、朝食を食べ進める以外に道はなく
…心の中にそんな疑問が渦巻いているせいで、味がちっとも判らなくなってしまった。
 聞くべきか、聞かずにそっとしておくべきか。
 昨日作ってもらったメニューと同じ物が机の上に並んで、出来栄えもほぼ
同じレベルのものだった筈なのに今朝はまったく美味しいと感じられなかった。
 基本的に物事にはっきりと白黒をつけたがる御堂にしては珍しい葛藤を
心中で繰り広げていた。
 しかし殆どのものを胃に収め終わると、結論が出た。

(やはりしっかりと聞いておかなければ…彼をこれ以上、この部屋に
置いておく訳にはいかない…)

 ここは自分の部屋だ。
 またあのような事件が起こるかと不安を覚えていたら、此処で自分が
寛ぐことが出来なくなってしまう。
 最終的にそう結論付けて、御堂は克哉を呼んでいった。

「佐伯君、片付けが終わったらちょっとこちらに来てくれないか」

「はい、判りました…すぐ区切りを向けてそちらに向かいます!」

 台所から元気良く、返事が返ってくる。
 そして五分も経たない内にシンプルなデザインの緑のエプロンをした
克哉がダイニングに現れていった。

「其処に座ってくれ…」

「はい…」

 そうして克哉が座ったのを確認してから、意を決して尋ねようとした。
 しかしやはり瞬間、躊躇いを覚えて30秒程度…沈黙してしまった。
 その間に、克哉がオズオズと切り出していく。

「あの…オレもずっと、御堂さんに言いたいことがありました。先に
言わせてもらって良いですか…?」

「あ、ああ…」

 そう尋ねる克哉の目が真剣なものだったから、つい御堂は
頷いてしまう。
 そして…御堂はその内容を聞いて、大きく目を見開く羽目に
なっていったのだった―
 


 

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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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