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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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  ※4月1日からの新連載です。
それぞれ異なる結末を迎えた御堂と克哉が様々な
謎を孕んだまま出会う話です。
 彼らがどんな結末を辿った末に巡り合ったのかを
推測しながら読んでください。
 途中経過、結構ダークな展開も出て来ます。
 それらを了承の上でお読み下さいませ。

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 ―須原秋紀が眼鏡を掛けた方の佐伯克哉の元に行くことを
選択したのと同じ夜、克哉と御堂の間にも微妙な変化が訪れていた

 御堂の元で働くようになって今日で四日目。
 最初の三日間は定時には帰るように促されて、それから夕食を克哉が
作って待っていたのだが…今日は初めて、残業をするように言われた。
 そして20時まで一緒に業務をこなした後、御堂に食事に誘われて
彼の行きつけのワインバーで夕食を取った。
 初めて一緒に外で食事をして、酒を飲んだせいで…御堂と一層、
親しくなれたような気がして帰宅後も克哉は幸福だった。

(今日…御堂さんと一緒に食べた夕食、凄く美味しかったな…。
それにあの人がワインに凄く詳しいという新たな一面を見れたし…)

 御堂が入った後、克哉も入れ違いで入浴していた。
 シャワーを浴びている最中、食事中に見せてくれた御堂の優しい顔を
何度も思い浮かべていきながら…克哉は幸せを噛み締めていた。
 今、この状況が時間制限があるものだと判っている。
 けれど…日増しに御堂と親しくなり、今まで見れなかった顔を改めて
発見する度に心がひどく満たされていくようだった。

(少しずつ…あの人に認めらていくようで、凄く充実している…。
人に認められるのってこんなに嬉しいことだったんだな…)

 そう実感していきながら克哉はシャワーコックを捻って入浴を切り上げ、
身体を拭いて清潔な水色のパジャマに袖を通していく。
 御堂も克哉も元々、そんなに入浴に時間を掛ける方ではない。
 シャワーを浴びて身体全体を洗えば、それで十分な性質だ。
 そうして飲み物を求めてキッチンに移動していくと…途中通りがかった
リビングで御堂が革張りのソファに腰を掛けていきながら、窓の外を
眺めている光景に出くわしていった。

(御堂さん…何か考えているみたいだ。邪魔をしちゃ悪いな…。
さっさと立ち去ろう…)

 そう御堂を気遣って、静かにキッチンの方へと移動しようとした。
 だが相手の方は其れよりも先にこちらの存在に気づいたらしい。

「佐伯君…良ければ、こっちに来ないか…?」

「えっ…あ、はい…喜んで!」

 まさか御堂から声を掛けられて、近くに来るように言われるなど
予想してもいなかっただけに克哉はびっくりしたが…すぐに頷いて
隣のスペースに腰を掛けていく。

「…風呂上りで喉も渇いているだろう。外国製のミネラルウォーターだが
君も飲むか?」

「あ、はい…ありがとうございます…」

 優美な動作で、クリスタルガラスで作られたコップに軟水の
ミネラルウォーターが注がれていく。
 些細な一挙一足すら、御堂の動作はとても綺麗で…何気なくその仕草に
見とれていきながら薦められたグラスを克哉は口にしていく。
 さっきグラス二杯程度とは言えワインを飲んだのと、シャワーを浴びた直後
だったせいで…その水は五臓六腑に染み渡るような気がした。

「あ、美味しいですね…この水…」

「そうか…」

 他愛無いやりとりだった。
 だがその後に何を切り出せば良いのか判らなくて克哉は押し黙るしかなかった。

(この家に転がり込んでから十日が経つけれど…こんな風に御堂さんの
傍に黙って許されるなんて初めての経験だ…)

 会話もなく、沈黙だけがお互いの間に落ちていく。
 どこかくすぐったいような…けれど相手に拒絶されている訳でないから
なんとも形容しがたい空気が流れていく。
 何を言えば良いのか、どうやって行動すればよいのか迷いかねて
いると…唐突に御堂に肩を引き寄せられていった。

「うわっ…!」

 だが、驚いている間に…一瞬だけ克哉の唇に、何かやわらかいものが
触れていった。
 それが何なのか理解できずに呆けた顔をしていると…気づけば御堂の顔は
至近距離に存在していた。
 相手の視線を意識した途端、体中の熱が上がっていく。

「…今のはあくまで、酒に酔った弾みだ。早く忘れてくれ…」

「えっ、は、はい…判りました…」
 
「…そうか、判った。なら私は先に眠らせてもらう…おやすみ…」

 その時、一瞬だけ御堂の指が克哉の頬を静かになぜていく。
 突然の接触に、状況を理解するまでそれなりの時間が掛かった。
 こちらの思考が停止している間に隣に座っていた御堂はさっさと立ち去って、
その場には克哉一人だけが残されていく。

(今の…もしかして、御堂さんからキス…されたのか…?)

 それを意識した途端、耳まで真っ赤に染まっていく。
 本当に頭から火を噴きそうなぐらいに恥ずかしかった。
 けれど…同時に嬉しくて、そのまま泣き出してしまいそうだった。

「御堂さんが、オレにキスを…? これ、夢じゃないよな…?」

 克哉はその瞬間、胸が詰まりそうだった。
 だがその直後に…その幸せな気持ちの全てを打ち砕く声が
頭の中いっぱいに広がっていく。

―あの方が…須原秋紀さんを、四人目を手中に治めましたよ…
貴方に残されている時間は後、僅かです…克哉さん…

「っ…!」

 そのことが告げられた瞬間、冷や水を頭から被せられたように
現実へと意識が引き戻されていった。

「まさか、もう…四人目が…そん、な…」

 御堂からキスをされて嬉しい筈の夜だった。
 だが、過酷な現実を改めて突きつけられて…克哉は思わず、
絶望の言葉を漏らして、その場で項垂れてしまったのだった―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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