鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※この話は記憶を一部欠落した状態で生活している設定の
ノマと、真実を隠している眼鏡と閉ざされた空間で生きると
いう内容のものです。
一部ダークな展開や描写を含むのでご了承下さいませ。
忘却の彼方に 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
―そしてフワフワと暖かい気持ちを抱いたまま、三カ月が
緩やかに過ぎていった
相手への想いをここに来てから十日目に自覚していきながら。
記憶を取り戻したいという強い願いを抱きながら…この暮らしを
失うのが怖くて、克哉は何の行動に出る事もなく、流れに身を委ねて
その間…過ごしていった。
今朝も相手の腕の中で目覚めた。
そうしてこちらがシャワーを浴びている間に、相手が作ってくれた朝食を
食べていき。
そうしてまたじゃれ合い、抱きあう流れになって、其れを一日の内に
平均2度ぐらい繰り返していく。
そうしている間に克哉の中では、眼鏡は愛しい存在になりつつあった。
けれど言葉で、お互いに好きだと愛しているという言葉を交わした事は
一度だってなかった。
ふと、色々と考えを整理したくて…克哉は白いパーカーにジーンズと
スニーカーという実にラフな格好をしながら、建物の外を何気なく
歩き回っていった。
(そろそろ…せめて好きだって言葉ぐらい口にするべきかな…?)
相手への想いが、強くなって抑えきれなくなってきたからこそ…
克哉は悩み始めていた。
言葉の上で伝えられない代わりに、自分達はあれだけ抱きあって
いるようにすら感じられる。
一緒にいるとドキドキして、どうしようもなくなる。
けれど何故か自分達二人の間には…素直に好き、とかそういった
言葉をやりとりしてはいけないような空気が流れているように思える。
自分が好きだと言ったら、この関係は何か変わるのだろうか?
この閉ざされた世界で、いつか必ず終わりを迎えると告げられたからこそ…
相手を好きになってしまったからこそ、克哉の中に恐れが生まれていく。
「終わって、欲しくないな…」
自分が記憶を取り戻す事を求めれば、この世界は終わってしまうと
いつか言われた事を思い出す。
失いたくなくて、目を閉じてやり過ごしていた。
けれど…克哉の中には、いつだって…どうして自分達がこうして二人で
この世界に来ることになったのか、一緒に過ごしているのかその経緯を
どうしても知りたいという欲求があった。
けれど其れは…この暖かな日々を失う行為だと知って、一度は
諦める事にした。
脅かされて、余りに哀れな末路を辿った自分の姿を見せつけれらて…
あの時点で真実を探るのは中断した。
(…オレは一体、どうしたら良いんだろう…。あいつとこのまま、この世界で
いつまでも過ごしたい気持ちと…記憶を取り戻したい気持ちが、同じぐらいの
強さで存在している…)
けれど、その願いはどちらも相反するもので。
片方を積極的に選びとれば、もう一つの可能性は消えてしまう。
だから両方の可能性を残す為には…克哉は何の行動にも出ず、曖昧に
して消極的にならざるを得なかった。
(けど、もう駄目だ…。オレはそろそろ…どちらか一つの可能性を選びとる
べき時期に来ているのかも知れない…。行動をしたら、確実に何かが
変わってしまうだろうし…下手したら、何かを失うかも知れない…。
けど、もうこれ以上目を背けてなんていられないよな…)
曖昧な状態は、色んな可能性を内包する。
何も失いたくなければ目を逸らして口を閉ざしていれば良い。
そうすれば様々な未来が存在して、何かを失う可能性も少なくなる。
けれど…今の自分には明らかにそれでは満たされなくなっている
部分が存在していた。
(もう、駄目だな…。曖昧にして逃げれば、このままの生活を送り続ける
事は可能かも知れないけれど…。もうそれじゃ、満たされなくなっている
自分がいるから…)
愛し始めているからこそ、この世界と自分達の関係の成り立ちを
どうしても知りたかった。
其れはパンドラの箱をまさに開ける事に等しいのかも知れない。
けれどどちらか片方しか得られないのなら…その片方だけでも
欲しいと強く望む気持ちを、克哉は自覚していった。
(もう、このままじゃいられない…。あいつに、この気持ちを伝えよう…)
そう決意した瞬間、声が聞こえた。
其れは…三カ月前に、克哉に忠告をした人物の声とは明らかに
違うものだった。
―ああ、それで良い…。お前さえ、それで幸せに過ごしてくれるなら…
その声を聞いた瞬間、克哉はハっとなった。
何故この場所で…この声を聞くのか、心底疑問に思った。
けれど幻聴では絶対にない、と確信していった。
「…えっ、何で…本多の、声が…今…聞こえた、んだ…?」
自分と彼以外、存在しない世界。
だから他の人物の声を聞く事は暫くなかったからこそ…
克哉は驚愕を覚えていく。
しかし、まだ克哉は知らない。
此処がどのように成り立っている世界であるかを。
何故、大学時代からの付き合いである本多の声が…今、
聞こえたのかも。
その言葉の意味も、何もかもを忘れている。
―そして疑問を覚えていきながら、克哉は行動に移す事を
決意していく
其れが…この幸せなまどろみの世界を、打ち砕く結果を招く事を
薄々と感じていきながら…
ノマと、真実を隠している眼鏡と閉ざされた空間で生きると
いう内容のものです。
一部ダークな展開や描写を含むのでご了承下さいませ。
忘却の彼方に 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
―そしてフワフワと暖かい気持ちを抱いたまま、三カ月が
緩やかに過ぎていった
相手への想いをここに来てから十日目に自覚していきながら。
記憶を取り戻したいという強い願いを抱きながら…この暮らしを
失うのが怖くて、克哉は何の行動に出る事もなく、流れに身を委ねて
その間…過ごしていった。
今朝も相手の腕の中で目覚めた。
そうしてこちらがシャワーを浴びている間に、相手が作ってくれた朝食を
食べていき。
そうしてまたじゃれ合い、抱きあう流れになって、其れを一日の内に
平均2度ぐらい繰り返していく。
そうしている間に克哉の中では、眼鏡は愛しい存在になりつつあった。
けれど言葉で、お互いに好きだと愛しているという言葉を交わした事は
一度だってなかった。
ふと、色々と考えを整理したくて…克哉は白いパーカーにジーンズと
スニーカーという実にラフな格好をしながら、建物の外を何気なく
歩き回っていった。
(そろそろ…せめて好きだって言葉ぐらい口にするべきかな…?)
相手への想いが、強くなって抑えきれなくなってきたからこそ…
克哉は悩み始めていた。
言葉の上で伝えられない代わりに、自分達はあれだけ抱きあって
いるようにすら感じられる。
一緒にいるとドキドキして、どうしようもなくなる。
けれど何故か自分達二人の間には…素直に好き、とかそういった
言葉をやりとりしてはいけないような空気が流れているように思える。
自分が好きだと言ったら、この関係は何か変わるのだろうか?
この閉ざされた世界で、いつか必ず終わりを迎えると告げられたからこそ…
相手を好きになってしまったからこそ、克哉の中に恐れが生まれていく。
「終わって、欲しくないな…」
自分が記憶を取り戻す事を求めれば、この世界は終わってしまうと
いつか言われた事を思い出す。
失いたくなくて、目を閉じてやり過ごしていた。
けれど…克哉の中には、いつだって…どうして自分達がこうして二人で
この世界に来ることになったのか、一緒に過ごしているのかその経緯を
どうしても知りたいという欲求があった。
けれど其れは…この暖かな日々を失う行為だと知って、一度は
諦める事にした。
脅かされて、余りに哀れな末路を辿った自分の姿を見せつけれらて…
あの時点で真実を探るのは中断した。
(…オレは一体、どうしたら良いんだろう…。あいつとこのまま、この世界で
いつまでも過ごしたい気持ちと…記憶を取り戻したい気持ちが、同じぐらいの
強さで存在している…)
けれど、その願いはどちらも相反するもので。
片方を積極的に選びとれば、もう一つの可能性は消えてしまう。
だから両方の可能性を残す為には…克哉は何の行動にも出ず、曖昧に
して消極的にならざるを得なかった。
(けど、もう駄目だ…。オレはそろそろ…どちらか一つの可能性を選びとる
べき時期に来ているのかも知れない…。行動をしたら、確実に何かが
変わってしまうだろうし…下手したら、何かを失うかも知れない…。
けど、もうこれ以上目を背けてなんていられないよな…)
曖昧な状態は、色んな可能性を内包する。
何も失いたくなければ目を逸らして口を閉ざしていれば良い。
そうすれば様々な未来が存在して、何かを失う可能性も少なくなる。
けれど…今の自分には明らかにそれでは満たされなくなっている
部分が存在していた。
(もう、駄目だな…。曖昧にして逃げれば、このままの生活を送り続ける
事は可能かも知れないけれど…。もうそれじゃ、満たされなくなっている
自分がいるから…)
愛し始めているからこそ、この世界と自分達の関係の成り立ちを
どうしても知りたかった。
其れはパンドラの箱をまさに開ける事に等しいのかも知れない。
けれどどちらか片方しか得られないのなら…その片方だけでも
欲しいと強く望む気持ちを、克哉は自覚していった。
(もう、このままじゃいられない…。あいつに、この気持ちを伝えよう…)
そう決意した瞬間、声が聞こえた。
其れは…三カ月前に、克哉に忠告をした人物の声とは明らかに
違うものだった。
―ああ、それで良い…。お前さえ、それで幸せに過ごしてくれるなら…
その声を聞いた瞬間、克哉はハっとなった。
何故この場所で…この声を聞くのか、心底疑問に思った。
けれど幻聴では絶対にない、と確信していった。
「…えっ、何で…本多の、声が…今…聞こえた、んだ…?」
自分と彼以外、存在しない世界。
だから他の人物の声を聞く事は暫くなかったからこそ…
克哉は驚愕を覚えていく。
しかし、まだ克哉は知らない。
此処がどのように成り立っている世界であるかを。
何故、大学時代からの付き合いである本多の声が…今、
聞こえたのかも。
その言葉の意味も、何もかもを忘れている。
―そして疑問を覚えていきながら、克哉は行動に移す事を
決意していく
其れが…この幸せなまどろみの世界を、打ち砕く結果を招く事を
薄々と感じていきながら…
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
鬼畜眼鏡にハマり込みました。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
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…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
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