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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 4月24日からの新連載です。
 無印の眼鏡×御堂ルートのED.NO「因果応報」を前提にした話です。
 シリアスで、ちょっとサスペンス風味の強い話です。
 眼鏡×御堂ルート前提ですが、眼鏡なしの克哉も色々と出張ります。
 それでも良い、という方だけ付き合ってやって下さいませ。

(納得行かず一回書き直ししたので、予定より掲載時間遅れました。すみません
ついでにいうと…R×克哉要素も今回若干混じっているので苦手な方は
注意して下さいませ)

 
 咎人の夢(眼鏡×御堂×克哉)                            10
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 ―ステージ上には、目隠しをされた佐伯克哉が十字架に括りつけられて
ライトアップされて…闇の中に浮かび上がっていた

「…どうして、彼が…?」

 白い布地に目元を覆われているので、100%本人だという確証はない。
 けれど…ほぼ、間違いないという気持ちもあった。
 舞台の袖から…こんな妖しい場所で開催されるステージに彼が
参加している事を目の当たりにして、御堂は衝撃を隠せなかった。
 とても…こんな世界に関わりがあるような人種には見えなかったからだ。

「…今夜だけの特別ゲストですよ。あの人の望みを叶えて差し上げた対価と
して今宵…当店の他のお客様を愉しませて貰うようにお願いしましたので…。
 ですが、とても綺麗でしょう? あの人は本当に良い素材ですので…
幻想的な演出を施させて頂きました…」

「あれが、幻想的だと…?」

「えぇ、様々な色の光に照らされて…あの均整の取れた白い肢体が
闇の中に浮かび上がる。そして…覆われた目元と、幾重にも張り巡らされた
鎖は…束縛と従順をイメージしております。まさに天界に住まう…穢れを
知らない天使のようではありませんか? 己に課された運命の全てを知らず
目の前の言葉を疑うことなく受け入れて…そして、翻弄されていく。
そういったイメージで…今宵のセッティングをさせて頂きました…」

「…実に悪趣味だな」

 男が歌うようにうっとりと言葉を紡いでいくのに対して…御堂は明らかに
嫌悪感を相手に覚えていく。
 だが…淡い赤、青、緑の三色の光に照らされ…オーロラのように折り重なる
中に浮かび上がる佐伯克哉の姿は…確かに、美しかった。
 十字架に括りつけられている姿は、まるで多くの教会に設置されている
神の子の姿のようだ。
 聖なるものと、妖しい色気が同意する姿に知らず…目が釘付けになっていく。

「随分な謂われようですね…では、少々時間を差し上げますから…その間に
ステージに上がられるかどうかを決めて下さい。…これから始まるショーが
終わるまでの間に…参加を決めて下さらない場合は…当店の他のスタッフが
あの人を存分に可愛がる事になります…」

「…本当に、そちらの正気を疑う処だな…。いきなり、こんな場所に招いて…
衆人監視の中で、舞台の上でセックスをしろなんていう非常識な人間が
この世にいるとは思わなかった…」

 とびっきりの皮肉と悪意を込めながら言葉を紡いでいくが…黒衣の男は
ニッコリと笑うだけだった。

「…それは褒め言葉と受けとっておきますよ…」

 そう言い捨てながら…男は自ら舞台に上がっていく。
 瞬間…ザワっと空気が変わっていく。
 だが、安っぽいストリップ劇場の観客達のように…安易にはやし立てたり
ヤジを飛ばしたりはしなかった。
 
「こんばんは…今夜は当店、クラブRにお越しに頂いてありがとうございます…。
これより、今宵限定の特別なショーとして…一人のこの純粋そうな青年が
深い快楽によって闇に堕ちていく様を皆様にお見せしたいと思います…」

 そうして…ミスターRが克哉の後ろに静かに立っていく。
 黒い服を着た男が…銀色の盆の上に豪奢な細工が施された三又の蜀台を
そっと差し出していった。
 其処から一本、赤い蝋燭を引き抜いていくと…ミスターRはそっと佐伯克哉の
胸元を炙っていき…。

「うっ…あっ…」

 その熱気に耐えきれず、佐伯克哉はうめき声を漏らしていった。

「…今宵のショーは…死からの再生をイメージしております…。それでは
皆様、存分に楽しんで下さいませ…」

 そうして…ミスターRの手が克哉の下肢にねっとりと絡まっていきながら…
胸元に熱い蝋がポタリ、と垂らされていく。
 赤い蝋は、彼の白い肌に落とされると…血のように固まっていく。
 奇妙に…扇情的な光景だった。

「ひっ…あっ…!」

 熱い蝋と、黒い革手袋に包みこまれた男の掌の感触が交互に佐伯克哉に
襲いかかっていく。
 胸の突起に、中心に…ポタポタ、と血のように赤い蝋が落とされて…
皮膚の上で固まっていく。
 徐々に近づけられているせいで、克哉の身体はビクビクと大きく震えて…
その熱さに必死に耐えているようだ。
 手の中に収められている彼のペニスが…熱いぐらいに張り詰めていき…
怒張しているのが舞台の袖から見ていても十分に判る。 

「…見て下さい。この…厭らしい身体を…。熱い蝋を落とされて、こうして
皆様に見られているだけで…こんなにも浅ましく己の欲望を滾らせて
いらっしゃる…。ほら、もっと彼の媚態を眺めてやって…下さいませ…
皆様に見られれば見られるだけ、己を解放して…どこまでも深い
悦楽に堕ちていかれる事でしょうから…」

 男がそう舞台で述べていくのと同時に…さらに場の空気は濃密で
妖しさを増していった。
 いつしか、静寂に包まれたその空間には…観客達の荒い息使いと
佐伯克哉のあえぎ声、そして…彼の性器から零れる淫靡な水音
だけが響き渡っていった。

「あっ…ああっ! ふっ…やっ…!」

「実にイイ声を上げられますね…こういった舞台に立つのが初めてとは
思えないぐらいですよ…。ほら、こんなにも厭らしく私の手の中で…
蜜を零されて…。本当に淫乱な身体をなさっておりますね…」

「ひっ…やっ…い、言わないで…下さい…!」

「駄目ですよ…貴方のその欲望に忠実な、浅ましい姿で…この場にいる
全てのものを魅了して下さいませ…」

「やっ…あぁぁー!!」

 男の手が一層、淫猥に克哉のペニスへと絡みついていくと…
彼は耐え切れずに、ビクビクビクと全身を痙攣させていく。
 胸元の赤い蝋の塊はいつしか、赤い十字架のように広がり…
中心に刻みこまれていた。
 蝋燭は最初の頃は30センチぐらいの距離だったのに対して、
気づけば10~15センチぐらいの間近に迫っている。
 蝋燭を肌に落とす場合は、30センチ以上離すのが確かセオリー
だった筈だ。あまり近い距離で蝋を落とすと火傷する可能性が
極めて高くなるからだ。
 そうしている間に…演出の光は、時々妖しく点滅を始めて…
舞台の上は闇の中にうっすらと浮かび上がる感じに仕上がっていた。
 周囲が薄暗くなった分だけ…白く輝く佐伯克哉の存在だけが
くっきりと強調されていくようだ。

―気づけば御堂は、その舞台に釘付けになってしまっていた

 佐伯克哉が身悶え、切羽詰まった声を漏らしていく度に御堂の心の
奥底に眠っていた嗜虐心が呼び覚まされていくようだった。
 心臓は妙に荒く脈動を繰り返し…呼吸も忙しいものになっていく。
 アドレナリンが、興奮して大量に分泌されていくような感覚。
 ドクドクドク…と米神が、頸動脈が…手のひらが荒く波打っていくのが
自分でも判ってしまう。

「ひっ…いぁ! あぁ…ああぁ、あっー!」

 そして、グチャグチャという水音が一層濃くなっていくのと同時に
一際大きく、佐伯克哉は啼いていった。
 その瞬間、ペニスから勢いよく白濁が放たれ…胸の中心に赤い
蝋燭をジュっと押し付けられていく。

「ひぃあーー!!」

 耐えきれずに、あられもなく佐伯克哉は高い声で叫んでいく。
 哀れな獲物が追い詰められて、断末魔を発しているようなその光景に…
御堂の雄は、酷く刺激されていった。
 元々…御堂の中には強い嗜虐心が眠っている。
 エリートとして日中、過ごしている彼からは排除されている部分。 
 それが…今、目の前で繰り広げられているショーをキッカケに…
呼び覚まされていった。
 頭がクラクラして、眩暈がする。
 この店の中に充満している…エキゾチックで蟲惑的な香りが…
こちらの理性を、奪ってしまっているのかも知れない。
 身体全体が、欲情して熱くなっていた。
 
「…何を、馬鹿げた事を…!」

 だが、ギリギリの処で欲望を抑えていく。
 あんな男の言いなりになって…他の人間が見ている前で同性を
犯すなど…もし、外部に知られてしまえば…今までの社会生命を
脅かす程のスキャンダルにもなりかねない。
 だから…必死になって欲望を抑えて、この場から立ち去ろうとした。
 しかし…男が言った一言がどうしても気になってしまう。
 自分が抱かなければ、何人もの男に犯されると。
 そのセリフを思い出した瞬間に…ザワザワと心が落ち着かなくなっていく。
 
―私を………した、男が……など、自業自得…だ…

「えっ…?」

 自分の無意識が、何かを呟いていった。
 それは普段の日常では潜んで隠されてしまっている御堂の無意識の部分。
 奥に潜んで、見失いがちになる…本音。
 己の中に、暗い目をした自分が浮かび上がる。本気で佐伯克哉を憎んでいる自分。
 
―良いザマだ…そんな、扱いこそ…あの男には…相応しい…

 それは、もう一人の御堂の姿だった。
 本気であの男を憎み…殺したい程までに思い詰めている闇の部分。
 それが唐突に目の前に現われて…御堂は言葉を呑んでいった。
 今の彼からは消されてしまった記憶の断片。だが深層意識に沈んでも…
どれだけ強い暗示を施されても…憎悪は、完全に消えることはない。

―あいつが、私の全てを奪ったんだからな…! 長年築き上げてきたものも、
周りの信頼も、私自身の命すら全部…! だからあんな男はどうなろうが…
知った事か…!

「お前、は…」

 目の前に、もう一人の御堂がいた。
 実体はない、恐らく自分だけにしか見えていない存在。
 だがその瞳に、恐ろしくて目を背けたいぐらいの激しい憎悪が宿っている。
 あまりの光景に、言葉を失う。

―これは一体、何だ…?

 爛々と瞳だけが、憎しみで輝いている己の姿に…恐怖すら覚えた。
 御堂が何も言えず、茫然と立ち尽くしていると…憎悪の塊となっている
もう一人の自分は、ふと何かを考え付いたものだった。

―だが、あの男に…一度ぐらい、私が受けた屈辱を与えてやるのも…
悪くないかもな。何人もの男にグチャグチャにされるというのも愉快だが…
復讐、というのも…悪くはない…

「何を、言っている…?」

 あまりにも恐ろしい顔で、もう一人の自分が言うものだから…御堂は
蒼白になりながら、呟いていく。

―お前は、忘れられて幸せだな…。あれほどの目にあって、平凡な日常を
変わらず送れているそのおめでたさが逆に羨ましくもある。
 だが…私は、決して忘れられない…。お前が忘れても、命すらも奪われた
私は…この憎しみを消すことなど出来ない…。
 あの男さえいなければ、私はこんな目に遭うことも…死ぬことすら
なかった筈なのだからな…!

 激情のままに、もう一人の御堂が叫んでいく!
 頭の芯が、電流に打ち抜かれたような衝撃が走っていった。
 半透明の、恐らく自分にしか見えていないであろう…憎悪の化身となった
御堂の身体が自分に重なると同時に…それが、御堂の全てを乗っ取っていった。

―私の気の済むままにさせて貰おう…これは、私の正当な権利であり…
復讐だからな…!

 そうして、自分の心の中でもう一人の御堂は嗤っていく。
 まるで気が触れたように、正気など失ってしまったかのように。
 あまりのどす黒い心に、吐き気すら覚える。
 剥き出しの憎悪がこれほどまでにおぞましく…恐怖を覚えるものである
事を…思い知らされた気がした。

「や、めろ…!」

 必死になって、御堂は叫んでいく。 
 だがもう…激しい負の感情に支配された方の彼には、その声は
届くことがなかった。

―そうして、御堂の意識は闇に呑まれていく

 そして彼は…朦朧としながら、これから広げられる一幕を前に…
傍観者という立場となってしまったのだった―




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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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