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今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
他のカップリング要素を含む場面も展開上出てくる場合があります。
それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。
恋人の条件 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
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―二回目の行為をされる頃には、克哉は後ろに両手を纏められて
手首を縛られる格好で犯されていた
酷く抱いて欲しい、と願ったのを眼鏡は叶えてやったのだ。
全身の衣類は完全に剥かれて全裸の格好で、こちらに腰を
突きだす格好で犯される克哉の姿は酷く艶めかしかった。
その状態で息を付く間もない程激しく相手を犯し続けていった。
二度目、三度目と手首を縛られながらの行為は克哉にとって
苦痛と快楽がない混ぜになっている時間だった。
だが、相手の精が内部に放たれる度に克哉の内壁は柔らかみを
帯びて…相手の性器に一層吸いつくような動きに変わっていった。
「はぁ…んっ…あっ…あっ…」
克哉の瞳は、蕩けて焦点を失っていた。
今、眼鏡が与えてくれる感覚以外は意識が回らない…そんな
状態にまで陥っていく。
だからこそ、何度もベッドサイドで携帯がバイブ状態で振動していた事に…
何度も掛かって来ていたコールに、眼鏡が通話ボタンを押して一時…
こちらの声が筒抜けになってしまっていた事に気づいていなかった。
其れはまるで、電話の向こうにいる相手に「こいつは自分のものだ」と
暗に示すような行為に他ならなかった。
三度目の行為が終わる頃には克哉の手首はうっすらと鬱血が
始まっていた為に…その拘束を解いていってやる。
しかし腕に残された赤黒い痕は、すでに彼の肌に刻まれていた。
恐らく数日は、残り続ける事だろう。
(俺は一体…何をやっている…?)
三度目の精を克哉の中に放って、全身を汗まみれにしていきながら…
ようやく少し冷静になれた頭で自問自答していく。
どうして自分は、こちらの提示した条件を守れなかった克哉の前に
姿を現してしまったのだろうか。
その事に心底疑問を覚えつつ、荒い呼吸を眼鏡は整えていった。
胸の中にドロリ、とした想いがいつの間にか宿っている。
それを一言で説明するのが難しく…何とも言えない閉塞感を、どうにか
少しでも晴らしたくて彼は…無我夢中で克哉を犯していった。
そうした事で肉体的にはすっきりして、多少は気が紛れた。
しかし…眼鏡は今、自分が抱いている感情の正体に気づく事を
無意識の内に恐れてしまっていた。
(この訳の判らない感情の正体は一体なんなんだ…?)
男は、背後から克哉の身体を掻き抱きながら、疑問を覚えていく。
昨晩…御堂に身体を許したもう一人の自分に対して、どうしようもない
苛立ちを覚えているのは何故なのか。
その答えに薄々と判っているが、其れは彼のプライドが許さなかった。
―自分がこんな冴えなくて情けない半身に、同じように恋をしてしまって
いた事など…この時点の眼鏡には認めがたい事だったから
だから無言のまま、暫く小休止をせいった。
すると…ベッドシーツの上に突いていたこちらの手に、克哉の手が
そっと重ねられていった。
「ありがとう…『俺』…。夢でも、オレの処に来てくれて…」
こちらを振り返りながら、克哉は泣きそうな眼差しでそう呟いていった。
その目を見て、眼鏡は何とも言えない心境に陥っていく。
(何故、こいつの目を見ていると…こんなに心が落ち着かなくなるんだ…?)
眼鏡は、何も言えずに克哉の瞳を真っすぐに見つめ返していった。
克哉はそんな彼を愛しげに見つめていく。
引力がその瞬間、二人の間に発生していく。
吸い寄せられるように顔を寄せていくと、克哉の唇にそっと重なり触れるだけの
口づけを交わしていった。
チリリ、と胸が焦げていくような気分だった。
何かに、心が浸食されていく。
だが…眼鏡は、言葉を失いながら…暫し、その口づけに応じていった。
「大好きだよ…『俺』…」
泣きながら、克哉はそう告げて…そうして意識を手放していった。
崩れるようにその肉体がシーツの上に突っ伏していった。
元々の体調の悪さも手伝ってか、ブレーカーが落ちるように克哉の意識も
閉ざされていく。
其れを見つめていきながら…眼鏡はそっと呟いていった。
「お前は一体、俺にとって何なのだ…?」
その問いの答えに、まだ彼は気づけないままだった。
そして意識を失った克哉にそっとキスを与えていくと…眼鏡は身支度を
整えて彼の傍から立ち去っていく。
―そして数時間後、克哉が目覚める頃には…その姿はまるで幻か
何かのように完全に消えてしまっていたのだった―
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
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―ツゥルルルル…ツゥルルルル…
御堂は昼休みを過ぎてから、執拗なぐらい何度も克哉の携帯に
コールしてしまっていた。
今は仕事時間中で、専念しなければならない事は山積み状態で
あるのに…どうしても、克哉の声を聞くまでは何であっても集中
出来ない心境に陥ってしまっていた。
執務室の自分の椅子に座りながら、携帯に登録された「佐伯克哉」
という番号に掛け続けていく。
気づけば発信履歴はその名前だけで埋め尽くされてしまっていたが…
それでも克哉に繋がる気配を見せなかった。
(克哉…本当に一分…いや、30秒で良い。君の声が聞ければ…
それで良いんだ…)
そう思った瞬間、御堂の脳裏に昨晩の甘い時間の記憶が猛烈な
勢いで再生されていく。
―あんなにも佐伯克哉が甘い肉体を持っていた事など、今まで
考えた事もなかった
昨晩、酷く甘い匂いを彼に感じてからの自分は、本当に気が狂ってしまった
かのようだった。
それまであまり親しくなかった相手を追い掛けて、公園という屋外の場所で
あんな風に激しく犯すなど…正気の沙汰ではない。
けれど、まるで理性のタガが彼に関してだけは壊れてしまったかのように…
昨日、佐伯克哉を前にしている間は制御出来なくなってしまっていた。
どこまでも彼が欲しくて仕方なくて、その衝動のままに彼を犯した。
一度達してもまだ足りなかった。二度目を迎えても飢えは更に強まって
いくような気がした。
(一晩で五回も求めるなど…どんな相手にだって今までした事がない…)
御堂とて、それなりにセックスの経験を積んでいる。
なのに昨日の自分は…まるで快楽を知ってしまったばかりのサルのような
状態だったではないか。
その事に気づいて自嘲的な笑みを浮かべていく。
「克哉…」
そう、名前を呼ぶことさえ…酷く甘いもので心が満たされていくような
気分になった。
そして何十回目のコールになっただろうか。
もう無為な事になりつつあり、機械的にリダイヤルボタンを押した瞬間…
ついに、通じていった。
「っ…!」
もう無駄かと諦めようとした矢先だったので御堂は瞠目して…どんな
声が聞こえるか耳を澄ませていった。
―あっ…ん…イイ…もっと、苛めてぇ…あ…ふっ…
その声がうっすらと聞こえた瞬間、御堂は頭が真っ白になった。
それは紛れもなく情事の時の声だったから。
状況が把握出来ず、茫然とするしかない。
だが声は更に続いていく。
『………………』
もう一人、どうやらいるようだった。
だがそちらの人物の声は遠すぎて、何を言っているのかは聞き分ける
事が出来なかった。
しかし、克哉と違う声の主が電話の向こうにいる。
それだけは…はっきりと感じ取ることが出来た。
そしてこちらが聞いていることなど向こうは全く気付いていないだろう。
昨晩、散々弄って聞いた克哉の甘い声が絶え間なく漏れていく。
もう、聞き間違いなどではない。
この電話の先で…克哉は誰かに抱かれているのだ。
―昨晩、あんなにも自分が求めて刻みつけたと言うのに…!
御堂は電話を壊してしまうのではないかと思うぐらいに強く強く握りしめていく。
もう何も複雑な事は考える事が出来なくなっていた。
怒りを通り越して、感情すら凍ってしまうような感覚がした。
唐突に通話が切れてツーツーという音が耳に届いた頃、御堂の顔には
酷薄な笑みが浮かんでいた。
「…昨晩、あんなにも私が抱いたというのに…そのすぐ後で、他の男を
受け入れるぐらい…君は淫乱だというのか…」
そう呟いた途端、御堂は冷酷な笑みを浮かべていった。
恋は人を狂わせる。
昨晩、自覚したばかりの想いはその事実を知った途端に変質して…
彼を鬼に変えていく。
―許せない。あっさりと他の男を受け入れた君も、今…君を抱いている
男も、どちらも…!
そして、御堂は心が酷く荒れ狂うのを感じても今はそれを切り捨てて
どうにか仕事に向かっていく。
―心の中で、こちらの想いを踏みにじった克哉にどのようなお仕置きを
与えてやるか、凶暴に考えていきながら…
オープンしていたので、24、25日と連続で行ってきて
二種類の漫画を一巻から最終巻で読み漁りました。
24日が三時間コースで、マガジンとサンデ―を読み終えた後、
デーモン聖典を1~11巻まで読破して。
25日は休みだったので、朝11時までに入店してモーニングセット
五時間を使って、輝夜姫を1~27巻まで一気に読み終えました。
…最近、漫画を買うの控えていたので少し刺激が少なくなって
いましたが…漫画を読んでて、その世界に浸るのってやっぱり
快感でして。
トータル八時間で、これだけの量読むっていうのは我ながら
凄いなと思うけど、非常に充実した時間でした。
最近は本読む頻度も減って刺激が減っていたので…ここで
通える範囲に漫画喫茶が出来て、昔好きだった漫画とかそういうのを
改めて読めるようになったのはプラスだと思うので活用する事にします。
それによって、微妙に連載中の話にも影響が出てくるでしょうけど。
どっちの作品も『愛』や『嫉妬』などが出てくる話だったので、ちょっと
考えさせられてしまったり。
デーモン聖典で一番印象的だったのはやはり『恍惚の死』の
存在でした。
何十億と生きる幻獣にとっては、死ねない事が一番の苦痛。
同族に食われて殺される『屈辱の死』
自らの意思で死を選ぶ『選択の死』
そして…聖典(サクリード)と呼ばれる一生に一度しか出会えない特別な
存在に唯一の存在として愛され、「愛している」や「好き」と言われる事に
よって満足して死んでいく『恍惚の死」
この三つの死に方の中で…確かに長過ぎる生の終止符を打つとしたら
三つ目の死を求めて、彷徨い続けるというのは本当に良く判る気がする。
それをテーマにしている話なんだけど、本当に…ラスボスと、ある青年との
すれ違いは見ていて切なかったです。
多分一番かわいそうなのラスボスだろう、と心底思ったよ。
けど結構、胸の中に残る作品でありんした。
輝夜姫は中学生時代に気に入って追っかけていたんですが…自分自身が
同性の友人に告白されて一悶着あってから、ちょっと女同士の愛をテーマに
扱う作品は暫く受け付けなくなっていたので…結末を見ずに過ごしていた
作品なんですが、大人になって見てみると…登場人物たちの痛みや
切なさが子供だった頃に読んでいた頃よりも、グンと理解出来るように
なっておりました。
…いや、本当に女×女要素が強い作品なので人によっては凄い嫌悪感…
つか、抵抗あると思います。
けどそんなものを吹き飛ばすぐらいにスケールが大きい話なので…
その辺大丈夫なら見る価値はあると思います。
本当に展開、今読み直してもまったく予想がつかない事の
連続だったし。
自分的に一番泣けたのが、25巻前後の碧という少年の場面。
『憎しみで人を殺したらその人は鬼になる。そして鬼が人を
殺せば…また新たな鬼が生まれる。そうなると悲しみは連鎖して
ずっと続いていく事になる。だから…鬼を作らないようにするには
自分の愛する人を殺した人間を愛して、許していく事だ。
そうなればそれ以上の鬼は生まれないよ…』
と、物語中に胃がんになって死に掛けたり…作中のある人物の暴走によって
植物人間になって半分脳死状態にまで追い込まれた人が口にして、
滔々と憎んではいけない、と伝える場面は本気でウルっと来た。
読んでて終盤の碧に関係する場面は涙なしには読めないです。
私の中では主役は、最早碧だろくらいの勢いなんですが…これは
本当に目からウロコのスケールです。
月と地球の関係を、そう解釈するか! と本気で中学時代は衝撃を
受けたお話です。
人によって好き嫌いは極端に別れる話でしょうが…香坂はやはりこの作品は
マジで凄いと思っています。
そういうのを見て…あぁ、疼く自分を久しぶりに感じました。
刺激を受けて、もっと書きたいとワクワクしている自分っつーか。
今は正直、長年本当は疲れ果ててボロボロだったのに其れを無理に隠して
頑張りすぎていた反動みたいなのが来て…無理が効かん感じですが。
―自分も何か人の心を揺さぶれるような作品を書きたいっていう欲を
久しぶりに覚えました
…やっぱり、刺激を受けるのが一番ですね。
恐らく時間を作って、暫く漫画喫茶に通って昔好きだった漫画を改めて
読んだり…という時間を多く取るようにしていくと思います。
つか、そろそろ連載やるのに…自分の中で材料がないときっつい
状況になってきたので…他の人の作品を読むことで、色々と材料と
ネタを仕入れてこようと思います。
他の人から受けた影響を、どういった形で今書いている話に
反映させるのか。
その辺を考えると、私もワクワクするから。
…漫画読んだおかげで、ちょっと明確に自分が何で書いているかの
根っこみたいなの思い出した。
そのワクワクが、楽しいからやっている。
恐らくそれはそんなシンプルな話です。はい。
※7月25日からの新連載です。
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
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―克哉はこちらに向かって必死になってすがりついていた
まるでその手を離したら、こちらが消えてしまうとでもいうかのように。
自分の元に引き留める為に、強い力を込めてしがみついてきていた。
(何故、こいつを抱きしめて…こんなすっきりしない気持ちになって
しまっているんだ…?)
眼鏡を掛けた方の克哉は自問自答していく。
己の中にゆっくりと生まれてきているこの感情が一体なんなのか…
まだその正体に気づくことなく。
むしろその気持ちから必死に目をそらそうと相手の身体を強引に
弄り始めていった。
克哉のパジャマを乱暴に脱がせて、両方の胸の突起を押しつぶすように
愛撫を施していく。
「ふっ…ぅ…ぁ…」
たったそれだけの刺激で、相手を大きく腰を揺らめかして…
悩ましい声を漏らしていく。
触れている内に眼鏡の手の動きは更に大胆さを増していき。
突起を指の間に挟み込んでいくような動きになれば堪らないというように、
克哉はしきりに腰をよじらせていた。
「ほう? まだ胸だけしかいじってないのにここまで顕著な反応を示すとは…
やはりお前は天性の淫乱だったということだな…」
「んんっ…やだ、そんなこと…いうなよぉ…」
気持ちを寄せている相手からからかうようにそんなことを言われて
克哉は涙目になっていく。
だが目の前の男は意地悪な笑みを浮かべているだけで、こちらの
懇願を聞き遂げてくれそうにはなかった。
「…お前がイラヤシイ身体をしているのは事実だろう? 誰に
抱かれても激しくよがって乱れる癖に…」
「…っ! やだ、お前の口から…そんな事を言われ、たくない…!
やめて、くれよ…!」
「事実だろう? お前rは御堂に抱かれていた時でさえも…
あんなに感じまくって、何度も上り詰めていたのだから…」
「ううっ…お願いだよ、もうそれ以上は…言わないでくれぇ!」
繰り返し指摘されて、克哉は耐え切れずに叫び声を上げていく。
さっきまでもう一人の自分に触れられている喜びが胸の中に広がっていたが…
その言葉を聞いた途端、克哉は冷水を浴びせられたような心境に陥った。
克哉は今の言葉が、昨晩お御堂との行為を指していることを瞬時に理解して、
消え去りたい心境になっていった。
―もう一人の自分に、昨晩の出来事を知られてしまっている
それは彼を絶望に突き落とすには十分な事実だった。
本当に…このまま消えることが出来たらどれだけよかっただろうか。
胸の中にジワリ、と流されて御堂とセックスをしてしまった事実が重く
圧し掛かってくる。
御堂の真剣な瞳に、結局抗うことが出来なかった。
あの腕の強さと熱さに、本だの時のように全力で拒んで…絶対に
貞操を守るという強い意志を貫くことが出来なかった。
その苦い思いが涙となって、また克哉の目元を濡らしていく。
「…お前は今日は、泣いてばかりだな。抱いていて辛気臭い気分になるから…
そんな顔はもう止めろ…」
「・・・お願いがある、んだ…オレを、酷く抱いてくれ…」
「何、だと…?」
克哉からの唐突な申し出に、めがねは一瞬面食らっていった。
だが…当の本人は真剣そのものの顔を浮かべて、必死になってこちらを
見つめて来ていた。
「…オレは、お前を想いながら…安易に御堂さんに抱かれたことを、オレ自身が
許せなくなっている。こんなの、甘えだって分かっているんだけど…今は
優しくなんて抱かないでくれ。むしろ、いつもよりも酷く激しく…オレに罰を
与えるように、苛め抜いてほしい…」
そう、縋るような眼差しを浮かべていきながら…頼んでいく。
快楽よりも、今はもっと苦しいものが欲しかった。
息もつくことの出来ない激しさと忙しさと、そしてこちらに快楽以外の
感覚も今は彼から与えて欲しかった。
だから克哉は、相手に強く抱きつきながら懇願していく。
「お願いだよ…そうしなきゃ、オレは…自分を許せなくなる。こんなオレに、
罰を…与えてよ。お願いだから…」
「分かった、そんなに望むなら…お前が望むものを与えてやろう…」
そうして唐突に眼鏡の手は乱暴なものへと変わっていった。
パジャマを藪間ばかりの荒々しさで克哉の衣類を剥ぎ取って、あっという間に
全裸になっていく。
そしてその体を四つんばいにさせていくと…眼鏡は己の胸元を締めていた
ネクタイを外して、克哉の両手を縛り上げていった。
両手を後ろで拘束されて、一気に自由が奪われていった。
「あっ…」
「…淫らなお前に、お仕置きをしてやろう…。お前が一体、誰のものなのか
この体に教え込んでやる為にな…」
「うん、お願い…。お前を、しっかりと刻んで…あい、…んっ…!」
―愛してくれなくてもかまわないから
そう続けようとした途端、強引に熱いペニスを捻じ込まれて…
まともに言葉が紡げなくなっていった。
首筋に顔を埋められて、くっきりと歯型を刻まれていくと…その痛みと
疼きに勝也は身を震わせていく。
こちらの体を良く知り尽くしているペニスは…的確に感じる部位を探り当てて
こちらの快楽を引きずり出していった。
「あっ…あああっ…! イイ、もっと…激しく、オレを…犯して!
お前の手で、オレを…罰してくれ、よぉ…ああっ!」
「…頼まれなくても、そうしてやる…!!お仕置きに何度でも今日は…
お前を犯してやろう…!」
そうして肉が打ち合う音が部屋中に響き渡るぐらいに激しく揺さぶられて
克哉は一度目の絶頂を迎えていった。
相手の熱い精を感じ取って、ブルリと震えていく。
「あっ…はっ…」
克哉は歓喜の声を漏らしていきながら、その感覚に陶然となっていく。
「…何をうっとりしている。まだ、お前へのお仕置きは終わっていないぞ…」
「ふっ…うっ…!」
背後から手を回されて、胸の突起を弄られていくだけでキュウ…とまだ
内部に納まったままの相手のペニスを締め付けていってしまう。
その刺激で、眼鏡のペニスは再び硬度を取り戻して自己主張を
始めていった。
「もっと…オレに、お前を刻み込んで…!」
愛されていなくても良い。
それでも克哉は今はもう一人の自分を感じたかった。
彼が与えてくれる感覚を、己の体に刻み込みたかった。
そうして再び激しい抽送が開始されていく。
―そうして克哉は、何度もその後…快楽に翻弄されながら
嬌声を上げ続けていたのだった―
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―克哉が夢と思って、もう一人の自分に縋りついているのと
ほぼ同時刻…御堂は、深い溜息をついていた。
自分の執務室の椅子に座り、大量の書類に目を通し終わって
一段落がついた頃…ふと、御堂は窓の外を眺めて思案し始めていた。
時刻はとっくの昔に昼休みを迎えていたが…心の中にモヤモヤした
想いが強烈に広がっているせいで、空腹を感じる事が出来なくなって
しまっていた。
(昨晩の私は…どうかしていたな。何故、あんなにも自分を抑える事が
出来なくなってしまったんだ…?)
同性の相手を、無我夢中で…狂ったように抱き続ける。
そんな行動に出た自分を、今さらながら信じられなくなっていた。
だが…どれだけ打ち消そうとしても、こちらがシャワーを浴びている間に
克哉がいなくなってから、筆舌しがたい焦燥感が湧いていて…仕事に
集中している時ならともかく、ふと隙間時間が生じる度に…苦い
想いを噛み殺すしか出来なくなっていた。
「佐伯、克哉…。何故、私は君に対して…いきなり、こんなにも抑えがたい
感情をいきなり抱いているんだ…?」
昨日、街中で顔をばったり合わせてから…それまでとは違う感情が
急に湧き上がった事に、御堂自身も疑問に覚えていた。
何故、唐突に…今まで仕事上の付き合いしかなかった筈の相手を
こんな風に想うようになってしまったのか御堂自身も理由が
判らなかった。
だが、昨日…克哉から脳が蕩けてしまいそうな甘い香りが立ち昇っていて、
其れをずっと嗅いでいる内に…気持ちが徐々に変わってしまったのは
辛うじて覚えていた。
(君から立ち昇っていた…あの甘い香りは一体、何だったんだ…?
私が知っているどんなフレグランスとも、香水とも違う…不思議な
匂いだったが…?)
今朝、克哉が自分の傍にいた時は…『何故』や、『どうして?』を
考える間など全くなかった。
克哉の中に己を刻みこむのに夢中で。
彼の心をどうにかして得たくて、それ以外の事など一切考える事が
出来ないぐらいに克哉を求めてしまっていたから。
だが…こうして仕事に忙殺される日常に戻り、彼が傍らにいない事によって
少しだけ疑問に思う余裕が生まれていった。
冷静になってみれば、昨晩の自分がどれだけおかしかったのかを
嫌でも自覚出来る。
それでも…急速に胸の中に生まれた感情に、ただ翻弄されるしか
今の御堂は出来ないでいた。
「…どうして、こんなにも…君が、欲しくて堪らないんだ…。一体、
私はどうなってしまったんだ…」
昨晩公園にて…強引に連れ込んだホテル内で、克哉を衝動のままに
犯して…五回もその中に熱い精を放った。
だが、本当ならそれでも足りないと思っていた。
彼の意識が完全に失われて、がっくりと意識を失っていたから…
その回数で止めたのであって、克哉の意識が残っていたのならば…
昨晩の御堂はそれこそ、何度でも克哉の中に己を刻み続けていたのだろう。
まるでこれではセックスを知ったばかりの高校生みたいではないか。
そんな風に夢中になって、狂ったように相手を求める自分など…
御堂は信じられなくて、ふと遠い目になっていく。
―だが、昨晩の出来事は紛れもなく現実の事であった事を…
御堂自身も、認めざるを得なかった
本当なら、克哉の事を考えて溜息をついている余裕など
御堂にはない筈だった。
自分が情熱を注いで作り上げた製品がもうじき完成して…
これから全力を注いで、そのプロジェクトに当たらないといけない
時期である筈なのに。
昨日までそれ以外の事など、御堂の頭の中には全く存在して
いなかった筈なのに…今は、気を抜くと克哉の事ばかり考えて
しまって…あれだけ、全力を注いで開発に当たった製品の
事さえも吹っ飛んでしまいそうになった。
「佐伯君…どうして、私は急にこんなにも君を想うようになって
しまったんだ…? 私にとって君は…一体…?」
そう疑問に思って小さく呟いていっても、答えてくれる
者などどこにもいなかった。
まるで…禁断の果実を口にしてしまったような気分だった。
彼という豊潤で甘い香りを漂う果実を一度口にしてしまったら最後…
虜になって、他の事などどうでも良くなってしまう。
そんな馬鹿げた考えがふと浮かびあがってしまい…御堂は
自嘲的に微笑んでいった。
「…ふっ…馬鹿げた考えだ…」
そう思い、一旦は御堂は思考を切り替えていく。
今は…仕事に集中しなければならない。
そう理性を働かせた瞬間、ふと一つの考えが浮かんでいった。
(後で佐伯君に連絡してみよう…。確か彼の携帯の番号はまだ…
私のアドレス帳に登録されていた筈だから…)
そう考えて、気持ちを仕事の方へと向けていく。
だが…御堂のこの気まぐれのような考えが、予想もつかない
自体をまた一つ引き起こすトリガーになってしまう事を、
彼もまた…予想する事なく。
―克哉が同時刻に、どんな事をしているのか…まだ御堂は知ることなく
再び意識を仕事の方へと、今は戻していったのだった―
現在連載中のお話のログ
※7月25日からの新連載です。
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
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―眼鏡を掛けた佐伯克哉は、ぐったりと力なく横たわるもう一人の
自分を見て複雑な想いを抱いていた
(俺はどうして…こんな奴を気にしているんだ…?)
Mr.Rを通じて渡した伝言。
15日、貞操を守れればお前の元に現れると言って、こいつは
一日も守る事が出来なかった。
なら、二度と会わなければ良いのに…何故、こうして自分は
現れてしまったのか。
その事に疑問を覚えつつ、深い眠りに陥っている克哉を
どこか冷たい目をしながら見下ろしていく。
胸の中に何とも形容しがたい感情が渦巻いているのが判った。
(何なんだこの感情は…。どうしてこんなすっきりしない気持ちを
俺はコイツに対して抱いてしまっているんだ…?)
憎いような、生温かいような…叩き壊してやりたい思いと、優しくして
やりたい気持ちがごちゃ混ぜになっているような感じだった。
引き寄せられるように口づけてから、眼鏡は混乱していた。
早くこいつの元から立ち去るべきだと思った。
幸い、こいつは睡眠不足と強い精神的な葛藤が重なって
泥のように眠り続けている。
この段階で姿を消せば、存在を気取られる事なく立ち去れるというのに
足がその場に縫いつけられたように動いてくれなかった。
(俺は一体、どうしてしまったんだ…?)
そんな風に、自分の感情に戸惑いを覚えていきながらもう一度…
克哉の髪を撫ぜていく。
一昨日の夜、抱いたばかりで…こいつは自分の出した条件を
守れなかった。
克哉の前に姿を出してやる義理などない。
―もうこいつの前に二度と現れてやる義理などない…!
強くそう思うのに、こちらの思惑を裏切った相手に対して最高の
罰を与えるとしたら…其れが最良だと判っているのに、其れを
実際に行う事に対して躊躇いを覚えている自分がいた。
「ちっ…忌々しい。お前がどうなろうともう俺の知った事ではない…!」
そう吐き捨てて、妙な感情を断ち切ろうとした。
だが、其れが出来ない。
その瞬間…克哉の縋るような眼差しがぶつかってしまったから。
「あれ…『俺』…? まさか、これは…夢。夢、なのかな…?」
克哉は迷子のような頼りない目をしていきながら…こちらを
見つめてくる。
現実と幻想の狭間を彷徨っているような不安定な瞳。
けれどまるで、行かないでというようにこちらの袖を強く
握りしめていく。
「………………」
眼鏡は克哉の問いに対して、何も答えてやらなかった。
こっちが応えてやる義理などないと、そういう冷徹な対応をしていくと
克哉は不意に…力なく笑っていく。
「…いい、俺にとって都合の良い夢でも構わない。オレは…もうあいつに
顔を合わせる資格もないんだから。せめて…夢の中でも、会えれば
充分なのだから…」
資格を喪失した筈の自分の前に、眼鏡が現れてくれる訳がないと
ごく当たり前のように思ったようだった。
克哉はこれを、夢の中の事と認識したようだった。
その呟きを聞いた時、ふと…眼鏡は気まぐれな想いを抱いていった。
強引に相手の背中を掻き抱き、一気に自分と相手との距離を
詰めていった。
眼鏡の瞳にある強い感情に、視線がぶつかった瞬間に克哉は
覚えた目を浮かべていった。
だがこの千載一遇のチャンスに対して、決して逃すまいとするかのように
克哉もまた少し遅れて相手の首元に強い力で、抱きついていく。
「…夢で構わない。抱いてくれ…。せめて幻想の中でも構わないから
お前のものになったという夢に浸りたい…!」
涙を浮かべながら、克哉は縋りついてくる。
その様子を見て…眼鏡は強く心を揺さぶられていった。
視線がぶつかった瞬間、真珠のような涙が克哉の目元から
溢れて頬を伝っていく。
「お前は、夢で良いのか…」
だから、眼鏡は問いかけていく。
瞬間、克哉は眼を伏せて…慎重に答えていった。
「嗚呼、夢で良い。資格を失ったオレに…甘い夢をもつ事はきっと
許されないのだから。…だからせめて、一時の夢ぐらい見たい。
きっとあいつはもう…オレの前に現れてくれないのなら、せめて…」
そうして、涙腺が壊れてしまったかのように克哉はポロポロと
涙を零し始めていく。
其れを見て、眼鏡の気持ちがゆっくりと変化していった。
「…仕方ない。お前の夢に付き合ってやる…」
そうして眼鏡は溜息を吐きながら…克哉の幻想に
一時付き合ってやる事にしたのだった―
なんかも~、サイトの更新頻度が低くなっててすみません。
つか、ここ二週間ぐらい仕事がある日は真剣に風邪引きかけてて
常に体調がBADです。
会社にお偉いさんが視察に来た時に、エビをボイルしてボイラーを
つけている時に顔を出して「この部屋は暑すぎる!」と文句を言って来た
おかげで…ただでさえ、冷房負けをしていたのに…一台だけでも強力な
エアコンを更にもう一台、20度設定で追加してつける事になり。
二台のエアコンのフル稼働に一日6~7時間晒されているせいで
すっかり真夏なのに身体が冷え込んで、連日扁桃腺が腫れております。
休みの日は大丈夫なんだけど、常に風邪引きかけの状態です。
…ボイラーをつけている真っ最中に来て、それを言うのってすっげー
筋違いだと思うんだけどねぇ。
時々、設定温度を1~2度変えて少しだけ調整したり…濡れたタオルを
現場内に干して空気が乾燥しすぎないように工夫してやっと、昨日辺りから
少し帰宅してから使い物になるようになりました。
頭がボーとしてしまって集中力がイマイチ、というか頭回ってくれない
感じでしたが…ちょっとはマシになりました。
冬は風邪引かないのに、夏風邪でこんな風に参るのは初めてです。
今日はやっとコンディションが比較的良いので…これからコメントを
返させて頂きます。お待たせしてマジすみませんでした。
ちなみにトラと三匹の子猫は…どうやら子猫は一匹、いなくなって
しまった模様。はぐれたか、もしくは我が家で餌を食べるようになる前に
栄養が取れなくて…となったかは不明ですが、トラと二匹の子猫は
ここ十日ぐらい毎日、一回は顔を出すようになり餌を食べる
ようになって来ました。
…相変わらず親子して、近づくと威嚇するか逃げるかどっちかで
人に慣れる気配があまりないんですけど。
少し離れた距離から撮影する程度ならどうにか大丈夫になったので
子猫の写真をちょっと掲載致します。
子猫の内の、うちに良く顔を見せるようになった方の猫。
二枚目に一緒に映っているのはお母さんのトラ。
母親猫に比べると毛並みは父親の血が混じっているせいか
グレイっぽく、ちょっとキリっとした顔つきの男の子です。
(後ろから見たら、ちっちゃいけど確かに玉があった)
もう一匹の子猫はシャイなので、家の中を駆け抜けたり暗がりに
いたりするんですが…撮影出来る場所に留まってくれていないので
未だまともな物が撮影出来ず。
そっちの子の方は毛並みが茶色っぽく、どっちかっていうと
母親似のようです。
今住んでいる家に十年以上住んでいる古参のミ―は他の
雌猫と子猫一家が餌を貰いに来るのが嫌みたいで、顔を合わせると
威嚇して追い出すので…時々、興奮するミ―を抱きあげてなだめたり
しながら、この三匹に餌をやっています。
うちで面倒見ているなら、去勢や不妊手術、それとワクチンの類も
いずれ考えないといけないけど…今はこの三匹は、触る事も
出来ないので現段階では無理。
…しかし、うちってミ―一匹しかなかった筈なのに何で
こんなに一気に猫が増えてしまったんだろう。謎だ(汗)
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
他のカップリング要素を含む場面も展開上出てくる場合があります。
それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。
恋人の条件 1 2 3 4 5 6 7 8 9
頭の中でグルグルしていた。
神経を大きく苛んでいた。
与えられる筈だった。
つかない出来事ばかりが連続して、彼の思惑とは全くかけ離れた方へと
動きつつあった。
戻った頃には、もう着替えて会社に行く事など出来なくなってしまっていた。
ベッドの上に倒れ込んでいった。
会社に行けるコンディションではなかった。
しょうがない、しな…)
だから何もかもが億劫になってしまっても、辛うじて電話に手を伸ばして
体調不良で本日休ませて欲しい旨を片桐に伝えていく。
本当に消え入りそうな弱々しい声で言っていたからだろう。
全く疑われる事なく「お大事に」と最後、優しく伝えられて電話が
切られていった。
動かす事すら、もう面倒くさい心境になってしまった。
(…この薬の効果、いつまで続くんだろう…)
一度、あの銀縁眼鏡をRに返却してからは…比較的穏やかな日々が
続いていたのに、あの薬を飲まされただけで生活は再び一転して
しまった。
今日、休んだ理由の中に…これ以上、周りの人間の態度がこの薬の
効果によって豹変するのを見たくないという気持ちも含まれていた。
人間の消化吸収のサイクルは、24時間が普通だ。
丸一日経過すれば、グっと効能も落ちるかもしれない。
そんなか細い希望を抱いていきながら…布団の中で深い溜息を
吐いていく。
「…これから、一体どうすれば良いんだろう…」
御堂と、あんな形で身体を繋げてしまった。
しかもそれを得体の知れない男に目撃されてしまったのと…
本多に迫られたという自分にとっての大事件が三つも重なって
しまえば…途方に暮れる以外、何も出来なかった。
本来なら、解決策を考えなければならないって判っていた。
けど、今はそれすらも面倒くさくて…全てを放棄したかった。
(…もう、オレはあいつに会えないのかな…)
絶望が、ジワリと心の奥底に広がっていく。
脳裏に何度ももう一人の自分の面影が浮かんでは消えて、
罪悪感のようなものを感じていった。
全ての発端は、あいつに恋心を抱いたから。
こんな気持ちなど…分、不相応だったというのだろうか?
一昨日の夜に抱かれて気づいたばかりの想いは…御堂に
抱かれた事によって、チクチクと克哉を苛んでいく。
「…たった一日も、貞操を守れないオレって…本当に情けないよな…」
克哉は、泥のように重い身体を引きずりながらそう呟いていった。
あいつに会いたい、心からそう思うのに…もう二度と会えないかも
知れないという恐れが、克哉の中で引きずっていく。
その恐怖の気持ちが彼の目元に涙を浮かばせて、ゆっくりと
泣き始めていった。
「会いたい、よ…もう、会えないなんて…嫌だよ…『俺』…」
条件を、守れなかった。
だからもう会えないと克哉は信じ込んでしまった。
だから…絶望を抱きながら、いつの間にか泣きつかれて…
克哉は意識を手放していった。
―それからどれくらいの時間が過ぎただろうか。
克哉は眠っていて、だから夢だと思った。
自分にとってはあまりに都合が良すぎる夢だと。
数時間眠ってから、夢うつつに目覚めていくと…克哉の
傍らに、もう一人の自分が立っている気がした。
(これ、夢かな…。あいつが、オレの傍にいる…。触ったら、
消えちゃうのかな…それでも…)
恐る恐る確かめる為に手を伸ばしていくと、しっかりと触れる事が出来た。
言葉もなく、相手の頬に触れる。
…もう一人の自分もまた、何も言わなかった。
鋭い目線が、こちらの心を深く抉るようだった。
「…御免、な…『俺』…」
そして謝罪の言葉を呟いていった。
そんな自分に対して、眼鏡は小さく返していった。
「…馬鹿が…」
吐き捨てるように言うと、一瞬だけ触れる口づけを克哉の唇に
落としていく。
其れを引き留めたくて、必死になって相手に抱きつこうとしたけれど…
一瞬のうちに相手の姿は幻のように消えてしまって、その場には
克哉だけが残されていった。
(今のは、夢…。夢、だったのかな…。けど、良い。それでも
一瞬だけでも、会えたなら…)
そうして克哉は再び、夢の中に意識を落としていく。
その光景が現実だったのか、それとも都合の良い願望だったのか
判らぬまま…この日は克哉は一日の大半を眠って過ごし、疲れ果てた
身体と心を束の間、癒していったのだった―
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
他のカップリング要素を含む場面も展開上出てくる場合があります。
それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。
恋人の条件 1 2 3 4 5 6 7 8
―翌朝、克哉は強い自己嫌悪に苛まれていた
結局あれから、屋外で二発…ホテルに入ってから三発
御堂の精を注がれてしまった。
公園内での行為が終わった時点で、克哉に抗う気力も逃げる体力も
残されておらず…其処からズルズルとまた抱かれてしまった。
一足先にシャワーを浴びるように促され、今は御堂の方がバスルームを
仕様している。
それなりに高級な雰囲気の漂うビジネスホテル。
克哉はその室内で、苦い顔をしながら…ようやく一人になって
考えを巡らす自由を与えられ、そして苦い溜息を吐いていた。
(…結局、流されて御堂さんに抱かれてしまった…。たった一日すら、
俺は貞操を守れなかったんだな…)
その事実が克哉の胸の中に深く突き刺さっていく。
苦しくて、自分という人間がどうしようもない存在に感じられてしまう。
あいつに、会いたかった。
だから15日間は絶対に誰にも抱かれないで過ごすつもりだったのに…
そんな願いはあっという間に打ち砕かれてしまった。
これからどうすれば良いのか、克哉は途方に暮れていた。
御堂がシャワーを浴びている水音が耳に届いていくが…今、全ての
ものがひどく遠く感じられてしまった。
「これから…どうしよう…」
今日は、平日だった。
しかも…昨日と同じスーツを着ている。
幸い、激しい行為をされたが…精液の類では汚れなかったので
辛うじて着て帰れるが、汗の臭いだけはどうしようもない。
一応、電車を使って帰る事ぐらいは出来るが、このスーツを着て
直接出社するのは社会人としてNGだろう。
そうなると一度、帰宅するしかない訳だが…。
(そうなったら、御堂さんをどうにか振りきって自宅に帰る以外
ないよな…。きっとシャワーから出たらまた凄く執着されるに
決まっている…。なら、今…この部屋から出ていくしかない…)
昨日、ずっと克哉を逃すまいと強い力で抱きしめ続けていた
御堂の心情を考えると少し胸が痛んだが…それ以外の道は
存在しないだろう。
Mr.Rから飲まされた薬のせいで、御堂も本多も…恐らく太一も
潜在的に狂わされてしまっている。
なら、チャンスはこの瞬間しかない。
シャワーの音が止んだのに気づいて、克哉は慌ててベッドから
立ちあがって己のカバンを手に取っていった。
(御免なさい、御堂さん…)
どれだけ激しく抱かれても、今の自分の中には…こんなにも色濃く
もう一人の自分の面影が宿っている。
だから、今は…御堂の前から逃げる以外の選択肢が克哉の中には
存在しなかった。
バスルームの扉が開かれると同時に克哉は入口の方まで全力で
掛けていく。
扉を開けて出ていく瞬間、御堂の叫び声が聞こえていった。
「佐伯君! 何をしている…!」
「御堂さん、すみません! 一旦帰らないといけないのでこれで
失礼します!」
「待て、待ちたまえ!」
御堂がバスローブを纏った格好で必死の形相でこちらを
追いかけてくる。
だが克哉は苦しげな顔を浮かべていきながら…御堂の気持ちを
立ちきるように、全力で駆けだしていった。
(ごめんなさい…御堂さん…!)
昨晩、御堂に抱かれた腕の熱さが鮮明に思い出せてしまうからこそ…
克哉は胸が潰れそうになってしまった。
だが、感傷に流されてしまったら…余計に自分が許せなくなる気がした。
もうとっくに…もう一人の自分に会える資格などなくなってしまっている。
しかしすぐに諦めて、御堂の腕の中に収まってしまえる程…克哉は
諦めが良くなかった。
(今、御堂さんの腕の中から逃げたって…何にもなる訳じゃない。けど…
今は一人になって少し考えたいんだ…!)
だから、克哉は御堂から逃げるようにともかく走りまくった。
御堂がバスローブを着てくれていたのが幸いした。
其れに対して克哉はスーツにすぐに着替えたから…少しだけ逃げる為の
時間が確保されていた。
こんな処でバスローブ姿で同性の相手を追い掛けるなんて真似を生粋の
エリートである御堂が出来る訳がない。
だからこそ生じた隙を…克哉は見逃さず、生かしていった。
そしてホテルの入り口にさしかかった頃、突き当りを曲がっていくと
思いっきり人のぶつかっていく。
「うわっ!」
「わっ!」
その衝撃でとっさに弾き飛ばされそうになる。
しかしどうにか体制を整えて、ぶつかった相手を見遣っていった。
「あっ…ごめんなさい! 今、急いでいたもので…!」
現れたのは克哉と同年代ぐらいの赤いおしゃれ眼鏡を掛けた
青年だった。
体格的にもこちらと同じくらいだろう。
少し神経質そうな印象が感じられるが…充分に美形と言って差し支えない
容貌をしていた。
「いや…良いよ。…昨日は、ここに泊ってお愉しみだったのかい…?」
「えっ…?」
いきなり、見知らぬ男性にそんな事を言われて…克哉は面喰っていった。
だが目の前の青年は邪悪な笑みを浮かべてこう告げていく。
「…昨日、公園で見させてもらったから…。クク、こんなものを公表されたら
君が築き上げた全てのものなんて吹っ飛んでしまうよね…」
「はっ…?」
公園、という単語が出て克哉の顔は蒼白になっていく。
心当たりは一つしか存在しなかったからだ。
こちらの動揺を、相手はどこまでも愉快そうに見つめていた。
「…ふふ、顔色が悪いよ。…けど、僕はちょっと急ぐからこの辺で。
また…君の前に現れるからその時は宜しくね…。それじゃあ…」
「待って! 貴方は…一体!」
不吉な事を言って立ち去る相手を必死に引き留めようとした。
しかし男性は克哉を一瞥しただけで、あっという間にホテルの外へと
消えていく。
克哉はその姿を追い掛ける事が出来ず、その場に立ち尽くしている。
「一体…俺は、どうしたらいいんだ…?」
昨日からとんでもない事が連続して起こっていて、ただ混乱するしか
出来ない。
そうして…克哉は途方にくれながら…すぐに気を取り直して、一旦
自宅に戻って着替える事にしていったのだった―
…つか、正直に言うと自分の中で二つ展開が
存在しているんだけど、どっちを採用するかで
悩んでいて…それで調整している処です。
まず、コミケ前にアップした話で御堂さんがこちらの
予想を超える行動を取ってしまった為に、予め
想定していた展開とは変わってしまったので(汗)
香坂の話の書き方はちょっと癖があって、基本的に
私は大まかに流れを作って、後はキャラ達に自由に行動を
させる形で作っているのでアドリブが多く発生します。
つか、たまに書いてて「何故、こうなる!!」と私自身が
びっくりしたり叫んでいる事が多いので…まあ、その辺を
手綱取るのが私の仕事なんですけどね。
昨日から必死になって考えているけど、どっちを選ばせるかで
凄い悩んでおりまして…キリがないから、今夜には決断して
書き始める事にします。
一つのルートは、御堂さんが目立つ話。
もう一つのルートは、最初に想定していたもう一人の人物が
深く入り込んでいく流れになります。
アドリブが発生した御堂さんメインで行くか。
最初に想定した人物の流れに戻して続けるか…うが~と
なりながら考えまくっています。
そして今日は、同時にコミケの郵送申し込みにも追われてます。
明日が郵送締め切りなので昨日から何パターンかカット書いたり
ワタワタしています。
…とりあえず17日、夜までには決断しますので…もうちょい
お待ち下さい。
話を書いてて、たまにキャラが書き手の予想すら超える行動を取る事が
楽しみの一つではあるんですが…同時にそれで本来予定していた
展開が使えなくなってしまい、悩む事もしょっちゅうです。
本当、W克哉、御堂さん、Rの三人はこういったアドリブが発生
しやすいので…たまに泣かされますが…だからこそ、書いてて
面白いというのもまた事実。
コメントの返事も、今夜には返します。
本当にお待たせしてしまってすみませんでした(ペコリ)
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
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…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。