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…このタイミングだったのが唯一の救いでした。
またかよ、とツッコミ受けそうですが。
またパソコン壊れました
今度は乗り換えた方のパソコンが、こっちのユーザー情報に
ログイン出来ないって言いだしまして~。
…どないせいっつーねん、こんな状況。
一応、救いがあるとすれば…まだ乗り換えて間がなかったから
殆どのドキュメントのデーターのバックアップはHDに残っている事。
印刷所出す前に今回の本のデーターも保存していたので
被害は今回も最小限で済みましたけどね。
(本気でバックアップ取る習慣つけといて良かった…)
バックアップ取れていない作品も大抵、このブログサイトかフリーメール
サーバーのどっちかに転送されて残されているんで、まあ…作品のロストは
なかったのが唯一の救いかな。
とりあえず…セーフモードでなら一応ログイン可能です。
ドキュメントもフォトショップも、お気入り登録(ブックマーク)もな~んも
使えない素敵仕様ですが、辛うじてブログに文字書くぐらいなら出来ます。
外付けのHDを組み合わせれば、過去のデーターを開いたりとか
そういうのがギリギリ出来ますかね。
これで繋いで、一個前の富士通の子を修理出します。
…それまで持つんだ! VISTAっ子! というのが近況です。
後は兄上のPCを、許可取って使わせてもらうかしますわ。
…それでもやれる範囲で、更新していきます~。
ではでは、本日はこの辺で~。
頑張って作業し続けて、どうにか無事に印刷所の方に原稿を
送りました。
…データー入稿、本気で便利ですね~。
おかげでどうにか間に合いました。
まあ、香坂自身が描いた口絵の方に関してはあまり期待しちゃいけませんが
(自分の絵のレベルは可もなく不可もなくという自覚は存分にあるので)
話そのものは、今の自分に出来る精一杯のものを紡ぎました。
今回は前回収録出来なかった四話の為に作りましたが、ただの再録に
したくなかったので・・・結婚前の眼鏡視点とか、色んなものを織り交ぜて
ちょっとドラマチックにしました。
ですから前回は甘い+ラブラブが基本だったのに関して、こっちは切なくて
シリアス要素がかなり強いです。
…ま~話によっては甘かったり、ラブかったりしますけどね。
…書き下ろし五本に比べて、各話を繋げる為のRと克哉のやりとりを
すでにサイトで公開している、爪切り編、朝食編、お風呂編、出張編
バレンタイン編の五話にも若干書き足しているので・・・サイトで単体で
読むのとはまた違った感じで読めると思います。
…ちょっとどれぐらい書き下ろしたか調べてみたら、書き下ろした分の
P数の方が多かったです。
比率にすれば55%前後、今回用の書き下ろししました。
1Pが40文字×36行の設定の原稿用紙で、68P分くらいの量です。
本文量が、その設定の原稿用紙で130Pです。
それをこう、ギュっと二段組みの原稿用紙で編集して、116Pに
収めたって感じですね。
…イノセント~も結構なボリュームだったけど、今回もそんな訳で
長いです。そして厚さが0.8ミリからほぼ1センチになりました。
前回の本を読んで下さった方がハラハラしたり、ドキドキして貰えるような
そんな本をがんばって作ったので良ければ見てやって下さい。
表紙、挿絵担当のへそまる嬢も、かなり気合入れて絵を描いてくれました。
彼女のパンツへの書き込みっぷりは必見です(笑)
…其処までパンツに熱いパッションを抱く彼女に今回はともかく
感服というか、すげ~と思いました。それだけ凄い気合いの入れよう
だったというか、何というか…(汗)
…という訳で本日、10時間近く作業してヘロっているので・・・今夜は
この報告のみで失礼します。
やっと苦戦していたオフ本での話作成作業が本日で終わったので・・・
連載もぼちぼち、進めていきます。
残雪とバーニングは今月中には終わらせたいっす…それ目標です。
今年に入ってから、正直…疲れからか、調子が出ないというか軽い
スランプになってしまっていましたけれど、その状態でもどうにか…
今回の本を完成まで持って行けたことで少し自信は回復しました。
ボチボチ、自分のやれる範囲でやっていきます。
そういう訳で、今夜はこれにて…(ペコリ)
落ち着いた雰囲気の漂うショットバーだった。
内装が視界に入った。
目にも鮮やかなボトルや硝子瓶が綺麗に陳列している。
それなりの人数の客で賑わっている。
落ち着いた雰囲気が漂っていた。
男性客しかいない状態は見た事がなかった。
豊富で、雰囲気も良いからね…」
所が凄く良いですね」
カウンター席で良いかな?」
克哉もそれに倣った。
店中の人間の視線を集めてしまいそうな場所だった。
この店に入ってから注がれているものは先程のものに比べると
少し性質か異なっているように感じられた。
人間が入り込んで来たので見ているという感じだったのに対して、
今は…まるで何かを確かめようとしている執拗な眼差しだった。
そう、一言で言うならすでに自分達は注目を集めてしまっているみたいだった。
反発を覚えかけた時、ハッと気付いた。
探し人はもう一人の自分だ。
不思議はないんじゃないか? そこまで考えが至ると同時に、隣に座っていた
青年に肘で突っつかれていた。
バーテンさんが困っちゃうよ?」
酒は強い方なんだ?」
そちらは何をオーダーしたんですか?」
酒に強い方じゃないから専らアルコール度数が低いカクテル系ばかり注
文しちまうけどね。そちらみたく格好良くウイスキーをロックで…とはいかない訳」
合っていると思うけどね。
あんたの事はどう呼べば良いかな?」
夜の街特有のルールなのかな…)
お互いの所属する会社名なり、部署なりと一緒に名字と肩書き…
」もしくはフルネームで名乗るのが普通だ。
されたのは久しぶりだった為…克哉は軽く面食らっていた。
彼は好きなように名乗れば良いという態度を取っているような気がした。
来て下さってありがとうございます」
そんな素直に出られると…何か、その…」
青年は苦笑していく。
真摯な眼差しを浮かべていくと…。
変化した事はすぐに察したようだ。
三日間を費やしてしまった。
足を踏み入れる事で克哉は非常に緊張していた。
行った事があるけど…夜にプライベートで足を向けるのは初めてだな…)
いう処まではすぐに行き当たった。
最初の二日間はエラい目にあったのだ。
呼び込みのおじさんがしつこかったり…ケバいキャバ嬢に興味持たれて
異様に色目を使われたり…迫られたり…)
本気で押し切られそうで身の危険すら感じた。
流されて他の人間に既成事実を作られてしまったら、どんなややこしい
ことになるか判ったものではないからどうにか言いくるめて隙を作り、
それこそ全力疾走で走り続ける羽目になったのだ。
…キャバ嬢とサラリーマンの追走劇など、そうそう見られる光景ではない。
周りの人間に痛いぐらいに見られ続けて、本気でシクシクと泣きたい心境に
陥った。あの周辺にはしばらく行きたくないとトラウマになりかけているぐらいだ。
いう事は…男に興味があるって事だし。都内に数多くある歓楽街の中で
多くの男がそういう意味で集うのはきっとここしかないと思う…)
浮かべながら一人で立っていた。
彼自身はまったく気付いていなかった。
持ち主である。特に眼鏡に何度か抱かれてから…妙に色香が
漂うようになっていたのだ。
こんな美味しそうな獲物を見逃す筈がなかった。
周りの人間は暫く遠巻きに克哉を見ていたが、その中の若い男の
一人がスウっと間合いを詰めていった。
肩を叩かれてギョッとした表情を浮かべながら振り返っていく。
そこには克哉とそう年が変わらないくらいの、二十代半ば
程の男が立っていた。
顔立ちは鼻筋が通っていて整った方だが笑うと妙に愛嬌があった。
吐かれた経験はまったくなかった。
この街のような場に慣れていない事を感じとったらしい。
良いな…何だか新鮮な感じがする」
場所に来た事はありませんから!」
案内人もなしに一人でこんな処を歩いていたらどんな目に遭うか分からないぜ?」
この街にいる可能性が一番、高いんです。だから探しもしないで
尻尾巻いて帰る事だけはしたくないんです…」
悩むような仕草をしていった。
やろうか? 慣れてない奴が一人でうろつくより、二人で行動する方が
変な奴に捕まりにくくなるし。
問いかけてくる。
ようやく自分に注がれていた無数の視線に気付いていく。
暴力や、無言の圧迫にもなりうる。
人に連れてってもらう形でしか、店に入ったことはない。
人間…他者に連れて行ってもらう場合はそこまで店の位置や周囲の風景を
細かくチェックしないものだ。だから全然、この辺りの地理についてはさっぱりだ。
間しては不慣れですから…」
強引に手を引いて歩き始めていった。
あった事を未だに知らずに…
対応に追われていてあまりこの二日間では進んでいませんでした。
代わりに3月4日、5日は本腰入れてやります!!
少し余裕なくなったので、サイトの方に今掲載してある
『夜街遊戯」は過去に携帯でオフ本作ってみようかと
挑戦して、その周辺に克克新婚ネタを思いついてそっち
ばっか書くようになったので途中で放置されていた
書きかけのお話です。
まあ、連載4回分ぐらいの分量(14P前後)は
書いてあったし、パソコンの中で眠ってしまっているよりは
良いだろうと判断して掲載しました。
…また克克かよ!とか言われそうですが…すみません、
ストックはマジでこれくらいしかないので。
メガミド、もしくはミドカツを目当てで通っているお嬢様たちには
本気で申し訳ない状況ですみません(汗)
とりあえず締切が3月7日の午後三時までなのでそれまで
全力で行きます。
とりあえず専念すれば十分間に合う圏内です。
そして先日、E坂さん所にフラっと立ち寄ったら3月10日→御堂さんの日
という企画リンク貼ってあるの発見したのでは参加しようかなと。
主催者のたかねさん、以前からファンの好きな作家さんですし。
知り合いの方が主催とかされるなら、微力ながら協力したいですしね(^^)
…3月7日までに入稿して、10日にアップすれば良いなら三日あれば
SS一本ぐらいなら書けると思いますので。
という訳で3月10日は、御堂さんをお祝いするお話を書きますので
ご了承下さいませ(ペコリ)
ちなみに企画ページはこちら(以下)になります~。
それでは一旦失礼します~。
―この公園に足を向けるのはどれくらいぶりの
事だっただろうか…?
仕事を無事に終えた後、佐伯克哉はMr.Rと初めて
遭遇した例の公園の敷地内へと向かっていった。
都内の中心地にあるこの公園の敷地は結構広く日中であるなら
散歩客でかなりの賑わいを見せている。
だが夕刻を過ぎると昨今、連日のように凶悪な犯罪が報道されて
いるせいかかなり人気がなかった。
(…酔っぱらっていたり、何か悩んでいた事があった時は気が
つかなかったけれど、夜に一人で来るとこの公園…少し怖いな)
鬱蒼と生い茂る樹木が深い影と闇を織り成し、どこか不気味な
雰囲気を生み出していく。
まるですぐそこにある木陰から何か妖しいものが飛び出して
来そうな気配すらあった。
確かに夜、一人でこんな場所にいたらあんなに奇妙な人物に
遭遇してもおかしくはない。
ついそんな風に納得していくとその場にいきなり突風が吹き付けていった。
その瞬間に、周囲の木々が意思を持っているかのようにザワザワと
ざわめいていく。
「うわっ…!何だ…!」
強風に視界を遮られてしまって一瞬だけ目を伏せていく。
全てが闇に閉ざされて、状況の判断がつかなくなる。
それに少しだけ不安を覚えながら…ギュっと目を瞑っていくと、ふいに
少し離れた処から聞き覚えがある声が耳に届いていった。
『ご機嫌よう。お久しぶりですね。佐伯克哉さん』
「…Mr.R…!」
心のどこかで、今夜ここに彼が現れる事を期待して訪れた。
なのに本当に、こんなにあっさりと会えるとは予想していなかった
だけに克哉は心底驚愕していった。
『おや、私が現れた事をそんなに驚かれるとは…。今夜は、貴方が
望まれたのではなかったのですか? 私とここで邂逅する事を…。
貴方が、会いたいと望まれていると…何となくそう感じましたからこちらも
足を向けてみたのですがね…』
「…どうして、オレが貴方を呼んでいる事を感じ取れたんですか…?」
『さあ、どうしてでしょうね? それに理由は必要でしょうか…?』
豊かな金色の髪に、黒衣の衣装。
頭の天辺から足先まで怪しい雰囲気を纏っている謎の男、Mr.R。
彼の胡散臭い笑顔は…半年前、初めて出会った夜とまったく
変わる処がなかった。
(…今更ながら思うけど、半年前のオレって…良くこの人から受け取った
眼鏡をすぐに掛ける気になったよな…)
どこからどう見ても怪しい人物以外の何者でもない。
そんな人物から受け取った者をすぐ掛けて…あんな不思議な体験を
する羽目になったのだから…そう考えると半年前の自分の行動につい
ツッコミを入れたかった。
『しかし…貴方がお元気そうで何よりでした。私にあの眼鏡を返された日より
三ヶ月…。本当に月日の経つのは早いものです。それで…今夜の貴方の
願いは何でしょうか? わざわざ私に会いたいとここまでご足労をされる程です。
私にしか叶えられない事を願うおつもりだったんでしょう?』
ニッコリと男は微笑を浮かべながら、一切言葉を淀ませる事なく弁舌を続けていく。
まさに歌うように話すとは彼の事だと思う。
しかしそれが余計に…男の怪しさを際立たせる事となっていた。
「え、えぇと…」
しかし実際にこの男に遭遇すると…本日の昼間に自分が望んでいた事を
実行に移してもらうのは如何なものか…という理性が働き始めていった。
(本当にこの人に向かって言って良いものなのか…?)
そんなブレーキを掛けるような思考が、彼の中に生まれていく。
黒衣の男は…その態度に何かを感じ取ったのだろう。
更に目元を笑ませていきながら…巧みに言葉を紡ぎ始めていった。
『おや、答えられないご様子ですね。それなら…私の方から当てさせて
頂きましょうか? …貴方は恐らくもう一人の御自分の存在を知って、
今までとはまったく違った世界を垣間見せられた。それによって…今まで
通りの日常や、平穏というのがとても退屈でしょうがなくなって…それを
打破する為にもう一人の御自分と会いたいと思われるようになった…。
違いますか?』
「…っ! どうして、それを…!」
あまりに正確に図星を突かれてしまったので否定する事も出来ずに、
顔色を変えて返答していた。
―しまった…! これじゃ今この人が言った内容がその通りだと
認めているようなものじゃないか…!
咄嗟に自分の口元を覆って後悔していったが、Mr.Rは…今、自分が
述べたことが正解であった事にとても満足そうな顔を浮かべていた。
『嗚呼、そんな自分に引け目を持たなくても大丈夫ですよ。むしろ…一度、
知らない世界への扉を覗いてしまった後に…退屈な日常になど戻られて
貴方が本当にやっていけるかどうか…むしろ私は心配していたくらいですから。
…あの刺激を、充足感を…貴方はもう一度、味わいたいのではないですか?』
「そ、れは…」
―貴方は、その為にもう一人のご自分にお会いしたいと願って
いるのではないですか?
まるで悪魔の囁きのように甘く、男が告げていく。
克哉は『違う』と即答出来なかった。
代わりに強張った表情を浮かべながら…ゴクン、と息を呑んでいく。
同時に蘇る、あの夜の自分の嬌態。
あいつに快楽を与えられて、乱れて…苦しいぐらいに喘がされている
自分の姿を思い出して…ゾクゾクゾク、と皮膚が粟立っていくのを感じていった。
(ダメだ…この人に全てを見透かされている…。オレの中の浅ましい欲望も、何もかも…!)
克哉はようやく観念して、ガクリ…と項垂れていく。
そして、一回だけ小さく首を縦に振って肯定していった。
「…その通り、です…。オレはあれだけ望んでいた平穏な毎日っていうのを
取り戻した筈なのに…何かが物足りなく感じられてしまって…。それで何故か、
もう一度…アイツに、もう一人の『俺』に会いたいと…願ってしまったんです…」
もう取り繕っている余裕すらなかった。
素直に自分の心情を吐露していくと…Mr.Rは楽しそうに微笑んで見せた。
『…それで良いんですよ。あれだけの甘美な体験…そう易々とは忘れられない
でしょうから…。それであの方に会いたいと…貴方は望まれる訳ですね?
佐伯克哉さん…』
「はい…」
眼鏡と過ごした夜を思い出してしまったせいだろうか。
克哉の頬は赤く上気していた。
心臓がバクバクと荒く脈動しているのが判る。
あいつの事を考えるだけで…自分は、こんなにも…。
『結構。それならば…これを齧って下さい』
そうして男は、懐から一つの石榴の実を取り出していって…克哉の
目の前に差し出していく。
真ん中からぱっくりと裂けた実からは真紅の粒が覗いていて、
瑞々しくてとても美味しそうだった。
「…これは?」
『石榴です。貴方があの方を会うのを望まれるのならば…まず、
その実を齧る事が前提になります』
「…判り、ました…」
そうして、オズオズとその実を受け取っていくと…克哉はカリっと
その実を一口齧っていく。
甘酸っぱい味わいと芳醇な香りを感じて、一瞬だけ酔いしれて
しまいそうな感覚を覚えていった。
『…それで、貴方はあの方と再会する為の一つの手順を踏まれました
。…後は、今回は貴方自身がご自分であの方を求めて…お探しください。
今、この時より…あの方は一つの意思と身体を持って、この世界に存在
されています。それを無事に見つけ出した時…貴方の渇望していた物は
与えられて…その心の飢えは満たされる事でしょう…』
「えぇ…今回はこれじゃ駄目なんですか?」
「駄目です」
黒衣の男はとても爽やかな笑顔で、即答していった。
『これはあの方と、貴方の遊戯です。本当に求めるならば…苦労して
自分の足で彷徨い歩いて求めなさい。その方が安易に満たされるよりも…
ずっと味わい深く、再会を愛おしいものに感じられるでしょうから…。
では今夜の私の役目は終わりましたので…これで失礼しますね。是非、
あの方を見つけ出して己の欲望を満たして下さいね…佐伯克哉さん』
「って…待って下さい! 何のヒントもなしにあいつを探せって言われても…
東京は広いんですよ! 手掛かりもなしにあいつを探し出せって無茶じゃ…!」
『…それじゃあ、一つだけヒントを与えて差し上げましょう。其処は…
鮮やかなネオンが瞬く処。そして多くの人間の欲望がひしめき、美しいものも
汚いものも混じり合って同時に存在するような場所です。
この言葉が差している場所を連想して当たっていけば…
必ずお会い出来る事でしょう…。それでは、御機嫌よう…』
「わっ…待って下さい!」
だが、克哉の静止の言葉もむなしく…Mr.Rの姿はあっという間に
闇に消えて見えなくなっていった。
その場にただ一人…克哉は取り残されて、呆然となるしかなかった。
「…今のヒントを頼りに、あいつを探し出すって…凄く難しくないか…?」
ガクリと肩を落としていきながら、克哉は呟いていくしかなかった。
どうやら…今回のもう一人の自分との再会は容易にはいかないらしい。
その事実を悟って、克哉は…ガクリと気落ちしていくしかなかった。
「まったく…どこにいるんだよ~! 『俺』!」
克哉のそんな心からの雄叫びが、夜の公園内に大きく木霊していったのだった―
『夜街遊戯』
―プロトファイバーの一件が片付いてから、佐伯克哉は
平穏な日常を取り戻していた。
Mr.Rから例の眼鏡を受け取った日から三ヶ月間は今までの
自分からしたら激動の日々の連続だったが…定められていた
期間が過ぎてあの眼鏡を返してからは、ゆっくりとそれまでの
日常に克哉は戻っていた。
本日は陽気もうららかなもので、こんなに日差しが穏やかな日なら…
散歩したり、公園で日向ぼっこをしても良いと思えるくらいだ。
柔らかい陽光に照らし出された街並みを眺めていきながら、
佐伯克哉はしみじみと感じていった。
(…平和だなぁ)
八課のオフィス内で、ふとキーボードでの打ち込み作業を中断して、
窓の外に広がる青空を眺めながら、克哉はしみじみと実感していた。
本多と協力してバイアーズと契約を結んで、プロトファイバーの新しい
販売経路を開拓した一件のおかげでキクチ社内での営業八課の評判は
格段にはね上がっていた。
そのおかげでここ数ヵ月間は仕事上は順風万風。
以前に比べてあらゆる仕事がやりやすくなっていて…何の不満も
感じる事はなかった。
八課内の空気も活気に満ちていて実に明るい。
いずれはどうせリストラされる身分なのだから…と諦めムードが
漂っていた頃に比べれば見違える程の変わりようだった。
それなのに何かが足りないような…そんな気持ちが常に消えなかった。
「…何だろう。現状にそんな不満を抱いてない筈なのに、どうして
こんなに空虚な気持ちになっているんだろう…」
そんなのは我が儘で贅沢だという自覚はある。
だがあの慌ただしかった日々と比較したら今はあまりに平和すぎて。
そのせいで克哉の胸には「退屈」という病魔が深く巣食うようになっていた。
―刺激が欲しい
あの時のような毎日が充足していて飽きる暇がない程の何かが欲しい。
そう望んだ時、克哉の中で真っ先に浮かんだのは例の不思議な力を
持った眼鏡と、もう一人の自分の存在だった。
克哉と同じ顔をしている筈なのにその表情は自信に
満ち溢れた理想の自分の事を…。
(…っ!何であいつの事なんて考えているんだよ!俺はこの手で
眼鏡を返す事を選択したんじゃないか…!何を今更…)
いや、違う。
自分はあの眼鏡自体には執着はない。
以前と比べて自分は随分と自信を持てるようになっていた。
だから自信がない自分を変えたい…そういう動機では克哉は
眼鏡を欲していなかった。
ただ、何故かもう一人の自分に会いたいと荒唐無稽な事を願っていた。
(バカバカしいよな…オレ達は同じ人間同士なのにアイツと
会いたいと思うなんてさ…)
どうしてこんな事を思うのか克哉自身にも不思議だった。
その瞬間、脳裏をよぎったのは真っ赤な天幕で覆われた部屋での記憶。
あの部屋での奇妙な邂逅を思い出し瞬く間に克哉の頬は真紅に染まった。
(…わわっ!仕事中にオレはなんて事を考えているんだよっ!)
だが、一度再生された記憶は容易に消えてはくれない。
あの夜の濃厚な快楽を思い出してゾクン、と背筋から甘いうずきが走り抜けていった。
「…あっ」
―あの強烈な刺激が欲しい。もう一人の自分にメチャクチャにされて、
思う存分貫かれて。もうダメ、とこちらが泣き叫ぶまで犯して…
「うわっ…」
唐突に己の中から溢れ出してきた欲望と本音に顔を赤くしたまま、
とっさに口元を押さえ込んでいく。
その様子はまさに挙動不審。端から見て怪しい人にしか
見えないだろうっていう態度であった。
(…けど、もう自分の気持ちに嘘はつけないな…)
自分はすでにこの平穏で退屈な日々に飽々してしまっている。
恐らく何もしないでいればこの日々は変わらずに続いていくだろう。
今の克哉にとってそれは何故か耐えがたいもののように感じられた。
せめて何か一つぐらいは変えてみたかった。
―帰りに久しぶりにあの公園に寄ってみようか…
ごく自然にそんな考えが浮かんだ。
何故かそれは凄い名案のようにさえ感じられた。
―それから克哉は修業時間までどこかソワソワしながら過ごしたのだった―
とりあえず現在修羅場真っ最中です。
1日の16時時点に仕上がっているのは以下の通り。
・前回収録出来なかった朝食編、爪切り編、出張編、お風呂編4本の編集
・バレンタイン編の編集
・書き下ろし1.2.3話の執筆&編集
・口絵候補二枚の下書き
・本の台割(本の設計図みたいなの)
28日分での報告で、書き下ろし3話&4話までと口絵と
記しましたけれど、本文の編集に手をつけてみたらそっちで
勢いがついて…今日中に、書き下ろし4までの執筆&編集までなら
どうにか仕上げられそうです。
ここまで完成したら、書き下ろし5(5~10P)弱と口絵、
後書きPぐらいになりそうです。
まだ細かい調整とか、見直しは必要そうですが一番苦戦していた
バーニングとのリンクも、どうにか出来ました(ホッ)
後日春コミの新刊ページに正式版を追記しますが、
現在の時点での収録予定の話と、副題等は以下の通り。
ラストが決まっているのを前提の連載をやってみようと思い立って
始めたんですが…おかげでどっちも難産になって苦しむという
結果招きました。
もうここまで大規模なのは二度とやらないようにします。トホホ…。
ただ、買って損したという物だけは作る気ないのでそれだけは
宣言しておきます。
んじゃ、書けそうだったら連載書きますね。では…。
私信 へそまる嬢、本気でお疲れ様。今日はゆっくり休んでくれ…
いっぱいいっぱいで~す(汗)
それでも頑張れば完成する! と言い聞かせております。
3月1日は結構、作業する時間が取れる日なので今日が
正念場ですね。
3月7日の午後三時までにファイルを完成させて
金沢さんに送れるように頑張ります(ムン!)
本日の目標。
書き下ろしの3話~4話の編集まで完成させる。
口絵完成。
ちなみに口絵の下書きで、採用候補はこの二枚。
どちらもノマ単体。背景イメージは決まっているので
色塗りの際にどこまで香坂のレベルで表現出来るか
何ですけどね…(汗)
第一候補
第二候補
本日中にどちらかに決めて、完成させます。
作業頑張ります~。ではん。
(最近、翌朝になってから前日分の更新アップが多くて
本気でごめんなさい…)
その為以前のを読み返しやすいようにトップにリンクを繋げておきます。
バーニングクリスマス!(不定期連載) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
ホテルに着いてから、御堂の心は浮き足立っていた。
ここに辿り着いてから、克哉が乗り気ではなく迷っている風な態度を
取り続けていた事は少し苛立ちを覚えていたが…それでも、早く決定打と
なるものが欲しかった。
彼のはっきりしない態度から、もしかしたら…自分以外の人間が心にいるかも
知れないと、その事実を薄々とは察していた。
しかしそれでも…今は構わなかった。
まだ、自分たちは口付けを交わした程度の間柄でしかない。
正式な「恋人」でも、既成事実がある訳でもないのだから…。
(だから…早く、君を手に入れてしまいたい…)
柄にもなく、確かに焦っている自分が確かにいた。
そうして…チェックインの手続きを済ませて、最上階の予約していた
スウィートルームの前まで辿り着いた。
しかし一瞬だけ何かとんでもないものがシュル、と音を立てて視界を
横切っていったので…御堂はつい、我が目を疑った。
―それを目の当たりにした瞬間、御堂は思考停止状態になった
現実を正しく認識するのを、意識が拒否していた。
それでも…部屋の前でいつまでも硬直して、身動きしないままでは
どうしようもない。
(今のは幻影か…見間違いの筈だ。そうに違いない…!)
無駄に心臓の鼓動がバクバクバクと乱れ始めていたが、小刻みに肩を
震わせながら深呼吸をして…荒れ狂う気持ちを宥めていく。
そうして…精神統一をしながらカードキーを差してキーロックを解いていき
部屋のドアノブに手を掛けて、とりあえず室内を確認してみようと思った。
「御堂さん! 駄目です!」
しかしドアが開く瞬間、克哉は必死の形相を浮かべながらドアを
開くのを阻もうとしていたが、遅かった。
部屋の扉が開かれた瞬間、勢い良く中から何かが飛び出して来た!!
―それは長い何かの植物の蔓だった
しかも奇妙なことに、表面はヌラヌラと粘液か何かを纏って光沢が
あるとても長い蔓だった。
何というかその奇妙な動きは、低俗なAVとかポルノとかに出てくる
触手ものというか…そんな卑猥なものを連想してしまう。
自分で意思があるように、蠢いている。
シュル、シュル、と何本か勢い良く飛び出した瞬間、思考が完全に
停止しそうだった。
これが現実だと…とても心が認めてくれなかったようだ。
御堂は生まれて初めて、異常事態に遭遇して茫然自失状態に陥り
掛けていたが…。
「御堂さん! 危ない!」
シュッッ!! と鋭い音を立てながらその生き物のような不気味な
蔓の一本がこちらに向かって振り下ろされていく。
克哉が必死になって、御堂を突き飛ばして…その魔の手から
守っていく。
代わりに克哉がその魔の手に掛かり、手首の辺りを捕らえられてしまう。
その瞬間、物陰に隠れていた本多が耐え切れずに躍り出た。
「克哉っ!」
「本多君!? 何故…君がここに!?」
「本多っ? どうしてここに…!」
「俺がここにどうしているかを聞くより、早く逃げろ! …こんな変なものに
捕まったら、どうなるか判らないだろうが!」
突然、ホテルの廊下の角から…克哉の同僚であり、御堂にとっては恋敵の
一人である本多憲二が姿を現したので、両者とも驚きの声を挙げていく。
絶対に、そんな反応をされるのは覚悟の上だった。
しかし…目の前で、例え惚れた相手が他の男とホテルの部屋に入ろうとしていた
直前であったとは言え…謎の蔓に襲われているとなっては、出て来ないで
いられる訳がなかった。
ハラワタは煮えくり返って、歯軋りをしたぐらいだ。
それでも、克哉をあんな得体の知れない生き物の餌食になるのを黙って
見過ごせる訳がなかった。
そんな男気を発揮して、非難を受ける覚悟で本多は飛び出していって…
全力で克哉の腕を捉えている蔓を引き千切り、ドアをバタンと勢い良く
閉めていく。
―ドン、ドン、ドン!!
中から、蔓がドアを全力で叩いているらしい轟音が響き渡っていく。
瞬間、静寂を称えていたホテル内にざわめきが生まれていった。
このフロアはVIPルームや、スウィートルームなど、通常よりも大きな
間取りの部屋が用意されている為、他の階に比べて部屋数は少ない。
しかし…これだけの騒ぎになれば、他の人間とて黙っている訳が
ないだろう。
奥の部屋の扉が僅かに開かれたのを見て、御堂は蒼白になっている。
こんな所で、男三人で騒いでいる所を誰かに見られてしまったら…
変な誤解や邪推を持たれる原因になってしまう。
そのせいですぐに動けずにいた御堂に代わって、本多は全力を込めて、
その扉を押さえていった。
「克哉、早く逃げろ! ここは俺が押さえておくから!」
「本多っ? そんな事したら…お前が…!」
「俺のことはどうでも良い! とりあえずこのフロアから逃げ出せ!
多分他の階に逃げればこの変な蔓だか触手も追っかけては来ない
だろうから…! それを見届けら俺も逃げるから気にするな!」
「本多君…判った、君の犠牲は無駄にしない…」
「こら、待て…! 勝手に人を犠牲者扱いするな! つか御堂…お前も
男なら一緒に押さえるぐらいしたらどうだ!!」
「断る。私にはそんな役割は似合わないからな」
きっぱりと言い切った御堂に、本多は憤りを感じたらしい。
怒りで額に欠陥を浮き立たせながら引きつった笑いを浮かべていく。
反射的に、本多は御堂に掴みかかりそうになった。
その瞬間、ドアを押さえる手が一瞬緩んで隙が生まれていく。
―獲物を見つけて浮き足立っている謎の植物はその隙を見逃さなかった
力が緩んだ瞬間に、中から勢い良く扉が開け放たれていく。
「うわっ!」
「わわわっ!」
「うぐっ!」
三者とも、それぞれ異なった悲鳴を上げていきながら咄嗟に扉の前で
転がって、触手から逃れようと身を翻していった。
それで皮肉にも、御堂と本多は扉の向こう…克哉は扉の外へと分断されて
いってしまう。
扉で遮られて、死角が生まれてしまい…二人の様子が見えない。
「本多っ! 御堂さん!」
慌てて、二人が餌食になっていないか不安になって克哉はそちらの
方を覗き見ようと歩み寄ろうとした瞬間…。
『お前は馬鹿か…? みすみす…自ら捕まりにでも行くつもりか?』
背後から、聞き覚えのある低く掠れた声が聞こえた。
我が耳を疑いかけた。
何故、彼がここにいるのか…戦慄に似た思いすら抱きながらも
慌ててその方向を振り返っていくと…其処には幻でも何でもなく、
確かにもう一人の自分が立っていた。
「嘘、だろ…?」
これが現実のことなのか、疑いかけてしまう。
しかし何度瞬きを繰り返しても、彼の姿が消えることはなかった。
次の瞬間…強烈なぐらいに、甘ったるく蟲惑的な香りがフロア中に満たされて
意識が遠のきかける。
「な、んだ…これ…?」
それはまるで…こちらの意識を深い眠りへと誘う、奇妙な香りだった。
『…あの男が作った、強烈な眠りの香だ…。中和剤を飲んでいなければ人間
だろうが植物だろうが…その香りの中では立っていられなくなる。
これで…あの男のペットである蔓も無効化出来る筈だから…あの二人の
事も心配しなくて良い。皆、今は眠りに引き込まれているからな…』
「えっ…それ、は…一体…?」
しかし克哉が問いかけると同時に、もう一人の自分の
何故、ここに…こいつがいるのか、克哉は驚きで頭が真っ白になって
しまいそうだった。
しかし…強烈な睡魔に襲われてしまって、言葉がまともに紡げない。
『後始末は…あの男の配下が全てやってくれる筈だ…。だから騒ぎに
なる事はない。お前は何も心配しなくて…良いんだ…』
「あっ…」
朦朧とした意識の中、霞んだ視界に…確かにもう一人の自分の整った
顔立ちが浮かんでいた。
それを見て、克哉は強烈な安堵を覚えていく。
「『俺』…」
静かに、彼を呼んでいく。
顔を見ているだけで胸が締め付けられて…泣いてしまいそうだった。
他の男と、ホテルの部屋に入ろうとしていた。
その事実が、克哉の心に罪悪となって広がっていく。
けれど…同時に、久しぶりに彼の顔を見れたという…嬉しさの方が
束の間勝って、克哉は無意識の内に微笑んでいた。
『馬鹿が…気が気じゃ、なかったぞ…』
そうして、軽く背中を支えられて身体を半分だけ起こされていくと…
噛み付くような口付けを落とされた。
乱暴なキスだった。けれど…久しぶりに触れる彼の唇に、色んな
想いが溢れて来た。
「ふっ…ぅ…」
複雑な想いがグチャグチャになって、知らぬ間に涙を零していた。
強く、もう一人の自分に抱きしめられているのが判った。
痛いぐらいの抱擁…それが、言葉にしてくれなくても…彼の気持ちを
示してくれているような、そんな気がした。
(そういえばどこかのドラマとか…映画とかであったな。人の気持ちというのは
言葉ではなく…仕草とか、行動とか動作とか…そういうのに、どれだけ隠して
いても現れるものだって…)
彼は本当に、言葉が足りない。
だからいつだって克哉は不安で仕方なかった。
けれど…ギリギリだったが、今…これから他の男に抱かれようとした
寸前とは言え、今…ここに彼が存在している。
それが…何よりの答えのように感じられた。
(お前は…オレが、御堂さんに抱かれるのを黙って見過ごしたりなんて…
しなかったんだな…)
そう感じた瞬間、あの蔓が御堂が予約した部屋に存在していたのも
単なる偶然ではない気がした。
だから意識が途切れそうになった瞬間、無意識の内に呟いていた。
「もしか、して…あの、蔓も…お前、が…?」
『当然だ。お前が…他の男に抱かれるのを黙って俺が
見過ごすとでも思っていたのか…? お前は俺のものだ。
自分のものを、指を咥えて他の男に抱かれるのを見逃して
やる程、俺は甘い奴じゃない…』
それはぶっきらぼうな物言いだった。
けれど…今の克哉にとって、それだけで充分だった。
―お前は俺のものだ
たった一言、好きだとか愛しているとかそんなに甘い響きを持った
言葉ではない。
けれど…それで良かった。
黙って他の男に抱かれるのを見過ごされて、何のリアクションも
示してくれないでいるよりも…ずっと。
「…そう、だね…。良かった…」
お前が、来てくれて。
迷った心のままで、御堂に抱かれなくて。
確かに自分の中にはすでに…御堂に惹かれている部分はあった。
恐らくもう一人の自分の存在が胸に巣食う以前であったなら…克哉はきっと
御堂を本気で好きになって一途に想っていただろう。
けれど、駄目なのだ。不毛な恋だと判っていても…克哉の心の中には
もう一人の自分が根付いてしまっている。
彼との関係がもう完全に修復不能な限り、終焉を迎えない限りは…
他の男に抱かれることに抵抗があった。
それが…今、やっと思い知った。
(きっと…こんな迷った状態で御堂さんに抱かれていたら…自分だけじゃなくて、
この人まで深く傷つけていた…。それくらいだったら、これで良かったんだ…)
克哉は泣きながら、縋り付くように眼鏡のスーツの袖口を強く握り締めていった。
確かに、存在している。
目の前に、もう一人の自分がいてくれる。
胸の中に…自分が中途半端に誘って期待を持たせてしまった人間たちの
顔が次々に浮かんで、苦しくなった。
安堵と、後悔。その二つの感情が綯い交ぜになって…克哉の頬を濡らしていく。
そんな克哉の目元に口付けながら、小さく彼が呟く。
『もう眠れ…。お前がした事の後処理に関しては俺も協力して片を
つけてやる…。だから今ぐらいは、安心して眠れ。傍にいてやるから…』
「んっ…」
その言葉は、今の克哉の心に深く染み入っていった。
そうして…ついに抗い切れずに、克哉は意識を手放していった。
―深い所に意識が堕ちていく
そんな彼を、眼鏡は複雑な想いで見下ろして…このフロアに確保してあった
もう一つのスウィートルームへと、眠る克哉を運んでいったのだった―
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当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
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