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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※7月25日からの新連載です。
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
 他のカップリング要素を含む場面も展開上出てくる場合があります。
 それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。

 恋人の条件                       10 
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 御堂が嫉妬に苦しみ、克哉がもう一人の自分との甘い時間に
浸っているのと同じ日の夜。
 澤村紀次は、自室にて…昨晩撮影した映像を確認する為に
眺めていた。
 大画面のワイドTVを見ながらソファの上で寛ぎながら…其れを
確認している男の口元には、邪悪な笑みが刻み込まれていた。

(全く…良く分からない電話に呼び出されて半信半疑だったが、
まさかこんな画が撮れるとは予想外だったよ…)

 昨晩、彼の元に謎のメールが送信されていた。
 最初は迷惑メールか、悪戯のどちらかと思いさっさと
削除しようとした。
 だが、そのメールのタイトルが「MGNのある重役について」と
いうものであった為に、好奇心に負けて…中身だけ確認して
しまったのだ。
 現在、澤村はMGNの子会社の一つをターゲットに定めて
ここ数カ月、情報収集をしていた。
 だが、その会社の実権を握る為の有力な手札になりそうなものが
殆ど得られていない事から…多少の焦りを覚えている時期でもあった。
 クリスタルトラストは、相手先の会社の弱みを握る事で操作したり、
脅したりして…自社に取って都合の良い条件を作り出していく。
 そういう違法スレスレの行為をする事で成り立っている会社だった。
 どんな処でも大抵は探せば、ホコリが出てくるものだが…ターゲットに
している会社は少なくとも澤村の調査では、圧倒的優位に立てるだけの
弱みが存在していなかった。
 だからこそ…途方に暮れていた訳だが、まさかこんな形で鴨がネギを
背負ってやってくるとは予想もしていなかった。

(悪戯かも知れないと思いながらも…実際に行ってみたら、まさか…
克哉君と、MGNの部長とのあんなシーンを撮影出来るとはね…。
正直、暗視カメラで撮った訳じゃないから画像もボヤけているし…
そのままじゃ人物の特定も出来ないけれど、声だけはばっちりだし。
当人に脅す材料としてはこれでも充分過ぎるぐらいだね…)

 そう、夜でもキチンと撮影出来る用の器具までは用意していなかったので
あの公園内に設置されている街灯の明かりだけを頼りにそれは
撮影されていた。
 そのせいで顔とか細かい特徴は正直言って殆ど判らなかったが…
息遣いや、物音によって男同士が『セックス』をしているという事だけは
はっきりと伝わってくるレベルだった。

(これで動揺してくれれば…こっちの有利なように交渉を持って
いけると思うけど。…MGNの部長、御堂氏がどれほどの肝っ玉を
持った人物によるかに掛かっているね…。けど、一緒に映っている
男はやっぱり、克哉君だよね…。まさか、こんな形でかつての同級生の
濡れ場に立ち会う事になるとは考えてもみなかったけれど…)

 恐らく、メール内に御堂孝典氏と佐伯克哉氏の…という一文が
なかったら澤村自身もこのビデオで撮影した二人が、彼らだと
正直判らなかっただろう。
 同時に、そうはっきりと名指しをしていた事で…悪戯覚悟でも
足を向けてみる価値はあると判断したのだ。
 佐伯克哉は、すでに接点を失ってから13~4年程度の月日が
流れている。
 だがそれだけの時間が過ぎていても…澤村にとっては深い意味を
持つ人物だった。

(さあ…これを君に見せたら、どんな反応を見せてくれるのかな…?)

 そう想像出来るだけで、愉快だった。
 だが…その気持ちとは全くベクトルが違う感情も同時に覚えていたが、
今の彼は敢えて…それに気付かない振りをしていった。
 その感情を自覚すれば、これから彼が行おうとしている事は出来なく
なってしまうから。
 このクリスタルトラストに身を置くようになってから呼吸をするように
当然の行為となりつつある、脅迫行為。
 其れを…好意だの、情だと言った感情を抱いてしまっては…とても
出来なくなってしまうから。
 だから彼はこの画像を見て、克哉の甘い声を延々と聞いていて
湧き上がる…奇妙な疼きや衝動を自覚しないようにしていた。

「はっ…暑いな、今夜は…」

 だが、聴覚を刺激されているせいで身体は自然と熱くなってきている。
 何とも形容しがたい感情が、ゆっくりと競り上がってくるのが判る。
 しかしそれでも…澤村は自覚しないようにしていった。

―Mr.Rが克哉に飲ませた媚薬は、効果はたった一日程度しか持続しない。
だが、潜在的に佐伯克哉に対して強い感情を抱いている人間には近くにいる
だけでも強烈に作用してしまう力を持っていた

 「はっ…はっ…」

 確認の為に見ているだけだ。
 そう理性では判っている。
 だが…克哉の喘ぎ声を聞いている内に、身体はこちらの意思とは
関係なく反応してしまっている。
 そしてついに勃起をしてしまう…その瀬戸際に、ビデオの再生を止めて
大急ぎで立ちあがっていく。

「…ちっ、今夜はきっと疲れているんだね。冷たいシャワーでも浴びれば
きっと冷静になるだろう。…取引材料に使う予定のもので、こんな風に
反応してしまうとは…全く、男のサガって奴は厄介だね。男同士の
声だけしか聞き取れないものでこんな風に反応しちゃうんだから…」

 そう呟いて、大急ぎで浴室に向かって手早くシャワーを浴びていく。
 だが…この日、彼の心の奥底で宿った想いが、後に大きな騒動を巻き起こす
新たな火種になる事を…彼自身もまた、自覚することはなかったのだった―

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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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