鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
※4月1日からの新連載です。
それぞれ異なる結末を迎えた御堂と克哉が様々な
謎を孕んだまま出会う話です。
彼らがどんな結末を辿った末に巡り合ったのかを
推測しながら読んでください。
途中経過、結構ダークな展開も出て来ます。
それらを了承の上でお読み下さいませ。
GHOST 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27
克哉の余裕のある笑みを見て、眼鏡が本気の憤りを感じながら
舌打ちをしていった。
それぞれ異なる結末を迎えた御堂と克哉が様々な
謎を孕んだまま出会う話です。
彼らがどんな結末を辿った末に巡り合ったのかを
推測しながら読んでください。
途中経過、結構ダークな展開も出て来ます。
それらを了承の上でお読み下さいませ。
GHOST 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27
─目の前で出口が白く輝いているのが視界に飛び込んでくる
それはこの奇妙な空間から抜け出す為の…本来なら彼らの希望に繋がる処。
しかし今は何よりも御堂と克哉を打ちのめす要因になっていた。
─この扉を潜れるのはどちらか一人だけ
その現実が二人の前に重くのしかかっている。
御堂は言葉を失い、立ち尽くすしかなかった。
こんな場所から一刻も早く立ち去りたい。
だが自分が逃れる為には克哉を置き去りにしなければならず、克哉を
逃がす為には自分が残らなければならない。
逃がす為には自分が残らなければならない。
(…どっちも出来る訳がない…!)
御堂はふと自分たちの前に立ち塞がる眼鏡を掛けた方の佐伯克哉をみやっていく。
先程まではこちらからの拒絶の言葉を聞いて怒りで身体を震わせていた男は、
今では余裕を取り戻し…愉快そうな笑みを浮かべていた。
今では余裕を取り戻し…愉快そうな笑みを浮かべていた。
それが御堂の神経を大いに逆撫でしていく。
(…この男の思い通りになるのだけは絶対に御免だ…!)
だから御堂は自分のすぐ傍らにいる克哉の手を強く握りしめていく。
この手を離したくなどなかった。
他の人間にこれ以上、指一本だって触れさせたくなかった。
相手と手を繋ぎながら…自分はすでに克哉に強烈な独占欲を抱いている
ことを心底実感していく。
ことを心底実感していく。
克哉はさっきから深く項垂れて一言も言葉を発していない。
彼が何を考えているかは御堂には判らなかった。
だが今の御堂にはとても相手の考えまで推測して読み取る余裕など
ありはしなかった。
(こうして私達がここにいる以上…どこかに必ず他の出口は存在している筈だ…。
彼と二人で必ず一緒に帰って見せる…!)
彼と二人で必ず一緒に帰って見せる…!)
心の中で葛藤していきながらも御堂は自分の中で回答を導きだしていく。
「佐伯君、他の出口を探そう! こうして私達がここにいる以上…入って来た
入り口もまた同時に存在している筈だ!」
入り口もまた同時に存在している筈だ!」
「………………」
だが克哉は先程までと同じく、俯いているだけで一言も言葉を発さない。
「無駄だ…お前達二人は間違いなくその扉を通ってここに来ている。他の出口を
探しても徒労に終わるだけだぞ…?」
探しても徒労に終わるだけだぞ…?」
「うるさい…そんなのはやってみなければ判らない!」
惑わされるものか、と思った。
相手の言葉に、この状況に悲観したら負けだと思うからこそ大声で叫んで
打ち消そうと試みていく。
打ち消そうと試みていく。
だが、たった今…眼鏡が語ったのは紛れもない事実だった。
知らない間に御堂と克哉は、Mr.Rが幾重にも張り巡らせた罠に
掛けられていた。
掛けられていた。
巧妙かつ、的確に二人の中途半端な抵抗などでは簡単に翻す事が出来ない
状況に追い込まれている事に御堂はまだ気づいていなかった。
状況に追い込まれている事に御堂はまだ気づいていなかった。
だが、それらを全て打ち壊す為の道筋が…沈黙を続けている克哉の中で密かに
組み上げられている事をその場にいる誰も気づく事はなかった。
組み上げられている事をその場にいる誰も気づく事はなかった。
(絶対に…彼と二人で帰ってみせる…!)
御堂はこの状況になって、紛れもなく自分は克哉を愛し始めている
事実を思い知らされていった。
事実を思い知らされていった。
さっき、他の男達に手首を拘束された状態で愛撫を施されていた克哉の姿を
見て胸が焼き切れそうなぐらいな強烈な嫉妬を覚えていった。
見て胸が焼き切れそうなぐらいな強烈な嫉妬を覚えていった。
他の男になど二度と触れさせたくなかった。
自分だけが戻る選択をすれば、彼を必然的にここに置いていく事になる。
そして彼を誰の手にも触れないようにすれば…その場合は自分が
此処に残る事になる。
此処に残る事になる。
其処まで考えた時、ゾワっと悪寒を感じていった。
どちらの場合でも、冗談ではないと思った。
だから御堂は二人が脱出する為の道を模索する、探し出していく…それ以外の
道を選ぶ事は考えられなかった。
道を選ぶ事は考えられなかった。
だが、その瞬間…御堂のそんな甘い考えを見透かし、嘲笑うかのようなメッセージが
静かにアナウンスされていく。
静かにアナウンスされていく。
―嗚呼、一つ申し上げておきますが…当店の出入り口は其処以外はありません。
何分、地下に在りますからね。地下奥深くにあれば早々出入り口を作るのは
大変ですから。ですから…この場所以外に二人で脱出出来る場所があるなど
甘い考えは早急に捨てて下さいませ…。後、このような苦痛に満ちたルールを
出した以上…この扉を潜って脱出された方の身の安全は保証させて頂きます…。
ですが、残された方がどのような事になるかは…まあご想像にお任せ致しますけどね…
何分、地下に在りますからね。地下奥深くにあれば早々出入り口を作るのは
大変ですから。ですから…この場所以外に二人で脱出出来る場所があるなど
甘い考えは早急に捨てて下さいませ…。後、このような苦痛に満ちたルールを
出した以上…この扉を潜って脱出された方の身の安全は保証させて頂きます…。
ですが、残された方がどのような事になるかは…まあご想像にお任せ致しますけどね…
其れは、残された方を犠牲にするのだと…暗に言っているようなものだった。
相手を愛しいと思えば思うほど、これはあまりに残酷すぎる選択だった。
愛しい存在を残さない限り、この場から脱出出来ない。
そんな選択を突きつけられたら…迷わない人間などいない。
事実、御堂の胸は甘い希望を打ち砕かれて…今にも張り裂けそうな
ぐらいに痛み始めていた。
ぐらいに痛み始めていた。
(私が、残るしかない…。もう、彼を二度と…誰にも、触れさせたくない…!)
一週間前、自分が不在の時に…何者かに克哉が犯されていた夜の記憶が
鮮明に蘇っていく。
鮮明に蘇っていく。
今なら判る、あの日…克哉を好き放題にした相手が…目の前に立っている
眼鏡を掛けた方の佐伯克哉である事を。
眼鏡を掛けた方の佐伯克哉である事を。
克哉を残せば、彼はまたこの男に犯されるというのならば…自分は…!
其処まで覚悟を決めた瞬間、御堂は唐突に…強烈な力で腕を引かれていった。
「佐伯君…!」
「……っ! 来て、下さい!」
さっきからずっと押し黙ったままだった克哉はそう叫んで行くと同時に…白く
輝く扉まで御堂の腕を引きながら真っすぐに向かっていく。
輝く扉まで御堂の腕を引きながら真っすぐに向かっていく。
其れはまったく迷いの感じられない動作だった。
「っ…!」
突然の克哉の行動に、眼鏡もまた言葉を失わざるをえなかった。
だが、すぐに克哉に向って男は叫んでいった。
「…何を考えている! 其処から出れるのはお前達の内の一人なんだぞ!」
「嗚呼、判っているよ…だから、こうするんだ!」
「うわぁ!」
そして克哉は全力で御堂の身体を突き飛ばした。
その行動に誰もが言葉を失い、茫然となっていく。其れは…その場にいない
Mr.Rすらも例外ではなかった。
Mr.Rすらも例外ではなかった。
白い光の中に御堂の身体が吸い込まれていく。
だが…御堂とて、素直に飲み込まれる訳には行かなかった。
確かに現実には猛烈に帰りたくても…克哉をこんな場所になど残したくなかった。
残された彼がこの場所でどんな扱いを受けるか、想像するだけで全身の
血液が沸騰するぐらいの憤りを覚えていった。
血液が沸騰するぐらいの憤りを覚えていった。
物凄い力でもって御堂の身体は扉の奥に吸い込まれそうになっていた。
だが…其れに抗うべく、御堂は扉の縁に指を掛けて掴まり…どうにか留まっていく。
だが…其れに抗うべく、御堂は扉の縁に指を掛けて掴まり…どうにか留まっていく。
(気を抜いたら…扉の奥に吸い込まれてしまいそうだ…! だが、此処で
私がこの扉を潜って脱出してしまったら…彼が…!)
私がこの扉を潜って脱出してしまったら…彼が…!)
御堂は己の持てる力の全てを掛けて、食い下がっていく。
だが其れを見つめる克哉の目はとても穏やかだった。
「…先に、帰って下さい…! 必ずオレはこのゲームに勝って、貴方の
元に帰りますから…!」
元に帰りますから…!」
そして力強く克哉は言い放っていく。
その目には一切の迷いがなかった。其れが余計に…御堂と、彼らの背後に
いた眼鏡を困惑させていく。
いた眼鏡を困惑させていく。
「バカな事を言うな…! 君をこんな場所に…一人でおいていける訳がない…!
君を残して、どうして一人で帰れると言うんだ…!」
君を残して、どうして一人で帰れると言うんだ…!」
「いいえ、帰って下さい…! 逆に貴方が此処に残ったらオレはこのゲームに
負けるしかなくなる…! 勝つには…この方法以外なく、同時に貴方が帰った
時点でオレは王手をかける事が出来るんですよ…」
負けるしかなくなる…! 勝つには…この方法以外なく、同時に貴方が帰った
時点でオレは王手をかける事が出来るんですよ…」
「っ…!」
その瞬間、御堂は確かに見た。
一瞬だけ克哉の口元に暗い…どこか歪んだようなものを感じさせる
笑みが浮かんだのを。
笑みが浮かんだのを。
其れは今まで彼が見てきた克哉の表情の中で最も異質と呼べる類のものだった。
(一体いつ…彼は王手など、掛けたんだ…?)
御堂には、其れが見えなかった。
彼が一体…この勝負に勝つ為にどんな手を…いつの間に打っていたのか。
其れは現時点では誰よりも勝つ事に貪欲になっていた克哉だけが
見出していた道筋であり、棋譜でもあった。
見出していた道筋であり、棋譜でもあった。
その場にいた誰も、克哉が考え出して打った手がどんなものなのか見えない。
同時に其れはRが提示したルールを確実に踏んでおり、確かに勝利条件を
満たす為の手であり…本来なら追い込まれる筈だった状況を引っくり返す
だけの威力があった。
満たす為の手であり…本来なら追い込まれる筈だった状況を引っくり返す
だけの威力があった。
否、最後に土壇場で追加された条件を、克哉は瞬時に反撃に生かす
道筋を見出したのだ。
道筋を見出したのだ。
だから克哉の表情ははったりではなく…確かに自信に満ち溢れ、その瞳には
力強い色が浮かんでいる。
力強い色が浮かんでいる。
「デタラメを言うな…! お前がいつ、王手を掛けたというんだ…!」
「はったりなんてオレは一切言っていない…! そして反則も何もしていない…!
オレは間違いなくお前達が提示したルールに乗っ取った上ですでに勝利条件を
満たしている…。だからオレが此処に残っても、オレがお前に屈さずにいれば…
オレの勝利は確定する…!」
オレは間違いなくお前達が提示したルールに乗っ取った上ですでに勝利条件を
満たしている…。だからオレが此処に残っても、オレがお前に屈さずにいれば…
オレの勝利は確定する…!」
「戯言を…! はったりを言うのは大概にしろ! 見苦しいぞ…!」
「残念だね『俺』…オレは事実しか、言っていないよ…」
「…くっ…!」
「残念だね『俺』…オレは事実しか、言っていないよ…」
「…くっ…!」
克哉の余裕のある笑みを見て、眼鏡が本気の憤りを感じながら
舌打ちをしていった。
後ろで眼鏡が吠えていく。
だが克哉の力強い笑みは、揺るがない。
「だから…信じて待っていて下さい。オレは必ず…貴方の元に帰ります…。
時間はかかってしまうかもしれないけれど…必ず!」
時間はかかってしまうかもしれないけれど…必ず!」
「っ…!」
そして克哉から、力強く口づけを交わされていく。
瞬きをする程の僅かな間、二人の唇が重なり…柔らかい感触を感じていくと
同時に再び、克哉は目いっぱいの力を込めて御堂の身体を突き飛ばしていく。
同時に再び、克哉は目いっぱいの力を込めて御堂の身体を突き飛ばしていく。
途端に御堂の身体は白い光の中に吸い込まれて、この場から
消えさそうとしていた。
消えさそうとしていた。
彼の…この悪夢のような空間に取り残される事になる克哉の姿が
グングン遠くなっていく。
グングン遠くなっていく。
「克哉、克哉…!」
初めて、下の名前で彼を呼んで…必死の形相で指を伸ばしていく。
自分ひとりでなんか、帰りたくなかった。
(君と一緒でなければ…意味がないのに…! もう、私の心には君がこんなにも
存在しているのに…どうしてこんな、残酷な事をするんだ…!)
存在しているのに…どうしてこんな、残酷な事をするんだ…!)
心の中でそう訴えかけながら…御堂は懸命に手を伸ばす。
だが彼のそんな努力も虚しく、克哉の姿は遠くなっていくだけだった。
奇妙な浮遊感を覚えていく。
其れはまるで深海から緩やかに地上に上っていくような感覚だった。
「克哉―!」
そして御堂は愛しい存在の名前を絶叫しながら呼んでいった。
瞳には大粒の涙が浮かんでいる。
こんな風に我を忘れて取り乱した事など…ここ数年、まったくなかったのに。
理性も何もかもが吹っ飛び、ただ彼を呼び続けていく。
そして彼の姿が完全に消えて見えなくなり…白い光に包みこまれた瞬間、
御堂は確かに彼の声を聞いていった。
御堂は確かに彼の声を聞いていった。
―オレはもう…貴方のものです。だからオレが帰るのを信じて…待っていて下さい…
其れは祈るように真摯な、克哉の最後の言葉。
御堂は涙線が壊れてしまったのではないかというぐらいに…ポロポロと涙が
零れていくのを感じていった。
零れていくのを感じていった。
(克哉、克哉…克哉ぁ!)
そして御堂の心の中にはただ一人…克哉の事だけで満ちていく。
それ以外の事など、何も考えられない。
得体の知れないMr.Rや…もう一人の克哉の存在も。
あの部屋に倒れこんでいた本多、片桐、太一、秋紀の存在すらも…何もかもが
どうでもよくなり、克哉の事以外考えられなくなっていく。
どうでもよくなり、克哉の事以外考えられなくなっていく。
(一日も早く…戻って来てくれ! お願いだから…どうか、どうか…!)
そうして御堂は祈りながら、眩い光に包まれ…意識を閉ざしていく。
―そして翌朝、彼は自室で裸で目覚めていく
その傍らには…昨晩、確かに自分の隣にいた筈の克哉の痕跡は…何一つ、
残されておらず…そしてその朝を境に、佐伯克哉の姿は再び煙のように、
初めから存在していなかったのように儚く消えてしまったのだった―
残されておらず…そしてその朝を境に、佐伯克哉の姿は再び煙のように、
初めから存在していなかったのように儚く消えてしまったのだった―
PR
この記事にコメントする
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
(12/31)
(03/16)
(01/12)
(12/28)
(12/18)
(12/02)
(10/22)
(10/21)
(10/17)
(10/15)
(10/07)
(09/30)
(09/29)
(09/21)
(09/20)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
鬼畜眼鏡にハマり込みました。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
ブログ内検索
最古記事
(10/28)
(10/29)
(10/30)
(10/30)
(10/31)
(11/01)
(11/01)
(11/02)
(11/03)
(11/03)
(11/04)
(11/05)
(11/06)
(11/06)
(11/07)
カウンター
アクセス解析