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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※7月25日からの新連載です。
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
 他のカップリング要素を含む場面も展開上出てくる場合があります。
 それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。

 恋人の条件                       10 
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 御堂のある一日は、電話の向こうで克哉の喘ぎ声を聞いたせいで
本当にグチャグチャになってしまっていた。
 同じ日に、あれだけ激しく求めたにも関わらず…克哉が他の
相手に抱かれていたという事実は、御堂を打ちのめして…結果
その日の仕事内容は散々なものになってしまっていた。
 当然、他の人間が見ても表面上は其処までガタガタとは思わないだろうし、
仕事に大きな穴が空いてしまう程、大きなミスの類は犯していない。
 当然、御堂とて機械的にこなしたと言っても…大きな不備の類を出しては
いなかったが、普段ならこなしている間に大体の事を頭の中に入れて
今後、どのように対処していくか。
 次の手を意識しながら業務を常にこなすようにしているのに…本日に
限っていえば、その次の手を考えるだけの心の余裕を失っていた。

「くそっ…私とした事が…!」

 御堂はその夜も、夜遅くまで会社に残って大量の仕事を片づけていた。
 正直、克哉の元にすぐにでも駆けつけて事の真偽を確かめたかったが…
あの後、キクチ本社に問い合わせてみたところ…本日は佐伯克哉は体調不良で
欠勤していると言われて…二の足を踏む結果になってしまっていた。
 営業八課の方に問い合わせたのは克哉の自宅の住所を聞く為だったが、
彼がいるかどうかを尋ねた時、即座に欠勤している事実を片桐から
告げられてしまった事と…さしたる理由もなく、一時同じ仕事をしていたぐらいの
間柄の人間が自宅を聞くという行為をするのに、他の人間と会話して
理性が戻って出来なくなってしまったのだ。

―結果、御堂は悶々としながら夜を迎えていた

 午後十時を回れば、社内に残っている人間など一握りしかいない。
 御堂が現在手掛けているプロジェクトに関わっている人間以外はとっくに
帰宅をしている頃だろう。
 事実、自分の部下である藤田もすでに帰ってしまっている。
 克哉の事を頭の中から追い払いたくて、必死になって業務をこなしていたが…
そろそろ良い時間であるし、区切りもついたので帰った方が良さそうだった。

(だが今日は帰った処で…恐らく、寝酒でも煽らなければ眠れないだろうがな…)

 その事実に苦笑していきながら、御堂は苦り切った息を吐いていく。
 この感情を自覚したのは、昨晩克哉とバッタリ顔を合わせた時からだ。
 なのにたった一日でその恋の芽は大きく育って…御堂の心の中を猛烈な
勢いで浸食し始めていた。
 狂おしい想いが、ただ息をしているだけでも溢れてくるのが判る。
 何故、こんなにも激しい感情がたった一日にして芽生えてしまったのか
彼にも判らない。
 昨日、克哉を前にした時…脳髄が蕩けてしまうぐらいに甘い匂いを
感じていき。
 それから自分は、かなりおかしくなってしまっているようだった。

(克哉…君の事を考えるだけで、気が狂いそうになる…!)

 あの電話の向こうから聞こえた、克哉の甘い声が気を抜くと頭の
中で再生されて、強い焦燥感を覚えていった。
 仕事をしている間は必死になって追い払っていた事実が…
ジワジワと彼の心を蝕んでいった。

―一体君は誰と、ベッドを共にしていたんだ…?

 あの通話からは、克哉の声しか聞こえなかった。
 こちらが聞いているとは克哉は露ほども気づいている様子はなかった。
 その点で、あの時…短い時間だけ通話ボタンを押した人物には明らかな
意図が感じられた。
 まるでこちらの事など見透かしているように…『こいつは俺のものだ』と
自己主張をしているように御堂には受け取られた。
 声も聞こえないその相手に対しての強烈な嫉妬が、御堂の中に
湧き上がっていく。
 せめてどこの誰なのか、それだけでも判ったら。もしくは特定するヒント
さえあれば良いのにそれすらもない事実が…更に御堂を追いこんでいく。
 胸の中に湧き上がる嫉妬の感情の矛先をどこに向ければいいのか、
正直持て余している。
 克哉にぶつける事も、その相手に叩きつけることもできない事が…
大きな苛立ちと憤怒を生み出すキッカケになった。

「今夜は我ながら…荒れているな…」

 小さく呟きながら、胸の中のモヤモヤを少しでも追い出す為に
深い溜息を吐いていった。
 このままでは帰った処で眠れはしない。
 そのせいで一瞬、帰宅することを躊躇った御堂の元に一本の
電話が掛けられていった。

ジリリリリリン、ジリリリリリン…

 それが静寂をたたえた御堂の執務室に不気味なぐらい木霊していった。
 
(こんな時間に、電話が…?)

 御堂は一瞬、今関係しているプロジェクトに海外の企業があったか
どうかを考えていった。
 海外とは基本的に時差がある。
 だから相当におかしな時間帯に電話があっても海外と密接に連絡を
取り合っている時期は当たり前のことなのだが、今はそういうのも落ち着いている
時期の筈だ。
 怪訝に思いながら手に取っていくと…御堂は通話ボタンを押して応対
していった。
 いつも通り、自分の肩書きを相手に伝えていった途端…御堂の顔色は
急速に変わっていった。

「なっ…君は、一体…!」

 開口一番に言われた発言に、御堂は虚を突かれて…動揺を
示してしまっていた。 
 それが、御堂にとっては地獄の釜を開いてしまったに等しい
致命的なミスだった。

―そして相手は、電話の向こうでほくそ笑んでいく

 緩やかに今…佐伯克哉を中心に、彼を取り巻く男たちの間で
大きな嵐が吹き荒れようとしていたのだった―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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