鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※この話は記憶を一部欠落した状態で生活している設定の
ノマと、真実を隠している眼鏡と閉ざされた空間で生きると
いう内容のものです。
一部ダークな展開や描写を含むのでご了承下さいませ。
忘却の彼方に 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20
痛みを伴う情交は、いつしか時間感覚すら狂わせていた。
快楽と苦痛と、胸の痛みがせめぎあいながら永遠に続くと思われていた行為も
いつの間にか終わりを迎えていて。
そして克哉は…夜明け頃、目覚めた。
身体中の筋肉は軋み、全身が鉛のように重く…腰も痛くて、相手の熱を受け入れ
続けた個所からは鈍痛が残っていた。
(身体、動かないや…)
何もかもが、面倒になって億劫になる気持ちが生まれていく。
思考回路も何処か麻痺してしまっていて、まともに考えられない。
ただ、深呼吸を繰り返して…どうにか、胸の中に溜まっている何か重いものを
吐き出していった。
今は何も考えたくないのに、モヤモヤと自分の中で渦巻いているのが判る。
二人の男への思いと、真実とか入り混じって…克哉はただ、戸惑うしかない。
(色んな事が一斉に押し寄せて来て…何か、訳が判らなくなっちゃったな…)
傍らには、先程まで抱きあっていた相手の姿はいつの間にか消えていた。
けれどあれだけ汗まみれになるまでセックスしていた割に身体はさっぱりした
感じがあるし…ベッドサイドに水差しと、グラスがさりげなく置かれているのに
気づくと…やっとの思いで手を伸ばし、ベッドにうつ伏せになったままの体制で
ぎこちなくだが、水分補給をしていった。
「美味しい…」
程良く冷たい水は、冷蔵庫から出されて間もないという事実を
示している。
それが酷く乾いた身体に沁みて…胸がジワリ、と暖かくなるような気がした。
さりげない相手の優しさが、其処から感じられた。
そう感じ取った瞬間…ポロリ、ポロリと涙が溢れて来た。
「あ…」
たった一杯の水がこんなに美味しく感じられた事はなかった。
それくらい今の自分は身も心もカラカラなのだと実感させられていく。
「…水をこんなに美味しく感じたのって、初めてかも知れない…」
そうして、もう一杯の水を喉に流し込んでいった。
また、ポロポロと涙が溢れてくる。
泣いたって現状は何も変わらないのだというのは判っていた。
けれど優しさが嬉しくて…同時に、切なくて。
眼鏡への思いが溢れて、それをどうすれば良いのか判らなくて
克哉は泣くしかなかった。
本当はすぐにでも決断をするべきなのだと思う。
けれど…眼鏡は其れを恐れている風でもあったから。
だから余計にどう動けば良いのか、克哉は迷わざるを得なかった。
「好き、だよ…お前が、どうしようもなく…」
泣きながら、克哉は零す。
その度に本多の顔が浮かんで、消えていく。
もう言い訳が出来ない処まで自分は相手に踏み込んでしまった事を
嫌でも自覚せざるえなかった。
「大好き…」
だけど、きっと…もう少しだけ自分達には時間が必要なのだろう。
その事を薄々と察しているからこそ、克哉は思いを…虚空に向かって
呟く事で…少しだけ落ち着かせていく。
眼鏡が何に迷い、苦しんでいるのか知らない。
其れが判らない限り、見極めない限り…感情のままに動いたら、何となく
取り返しがつかない事が起こりそうな予感がしたから。
水を飲んだら、少し気持ちが落ち着いていった。
けれど今は…身体は重くて、指一本動かすのもしんどい気がした。
(もう少し…眠りたい…)
今は何も考えず、少し休みたかった。
それで体制を整えた上で…これからどうするのか、一番良い道を模索して
いきたいと克哉は思った。
コンディションが最悪のまま、決断をしても良い結果は得られないという事は
今までの人生の中で何となく学んで来ていたから。
だから、克哉は一旦…意識を再び手放していく。
(目覚めたら、一緒に考えていこうよ…これから、どうするのか。
オレ達はどうしたいのか、そしてお前が何を思い考えているのかを…
ちゃんと、聞きたいよ…)
そう、まずは相手から聞きださないといけない事が沢山あった。
抱きあって快楽に逃げていても、其れは一時しのぎにはなっても根本的な
解決にならない事を克哉は悟ってしまったから。
だからそう心に誓いながら克哉は眠りに落ちていく。
―それから十分後、眠りに落ちた克哉の元に…一人の人影がそっと
近づいてその寝顔を覗きこんでいたのだった―
ノマと、真実を隠している眼鏡と閉ざされた空間で生きると
いう内容のものです。
一部ダークな展開や描写を含むのでご了承下さいませ。
忘却の彼方に 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20
痛みを伴う情交は、いつしか時間感覚すら狂わせていた。
快楽と苦痛と、胸の痛みがせめぎあいながら永遠に続くと思われていた行為も
いつの間にか終わりを迎えていて。
そして克哉は…夜明け頃、目覚めた。
身体中の筋肉は軋み、全身が鉛のように重く…腰も痛くて、相手の熱を受け入れ
続けた個所からは鈍痛が残っていた。
(身体、動かないや…)
何もかもが、面倒になって億劫になる気持ちが生まれていく。
思考回路も何処か麻痺してしまっていて、まともに考えられない。
ただ、深呼吸を繰り返して…どうにか、胸の中に溜まっている何か重いものを
吐き出していった。
今は何も考えたくないのに、モヤモヤと自分の中で渦巻いているのが判る。
二人の男への思いと、真実とか入り混じって…克哉はただ、戸惑うしかない。
(色んな事が一斉に押し寄せて来て…何か、訳が判らなくなっちゃったな…)
傍らには、先程まで抱きあっていた相手の姿はいつの間にか消えていた。
けれどあれだけ汗まみれになるまでセックスしていた割に身体はさっぱりした
感じがあるし…ベッドサイドに水差しと、グラスがさりげなく置かれているのに
気づくと…やっとの思いで手を伸ばし、ベッドにうつ伏せになったままの体制で
ぎこちなくだが、水分補給をしていった。
「美味しい…」
程良く冷たい水は、冷蔵庫から出されて間もないという事実を
示している。
それが酷く乾いた身体に沁みて…胸がジワリ、と暖かくなるような気がした。
さりげない相手の優しさが、其処から感じられた。
そう感じ取った瞬間…ポロリ、ポロリと涙が溢れて来た。
「あ…」
たった一杯の水がこんなに美味しく感じられた事はなかった。
それくらい今の自分は身も心もカラカラなのだと実感させられていく。
「…水をこんなに美味しく感じたのって、初めてかも知れない…」
そうして、もう一杯の水を喉に流し込んでいった。
また、ポロポロと涙が溢れてくる。
泣いたって現状は何も変わらないのだというのは判っていた。
けれど優しさが嬉しくて…同時に、切なくて。
眼鏡への思いが溢れて、それをどうすれば良いのか判らなくて
克哉は泣くしかなかった。
本当はすぐにでも決断をするべきなのだと思う。
けれど…眼鏡は其れを恐れている風でもあったから。
だから余計にどう動けば良いのか、克哉は迷わざるを得なかった。
「好き、だよ…お前が、どうしようもなく…」
泣きながら、克哉は零す。
その度に本多の顔が浮かんで、消えていく。
もう言い訳が出来ない処まで自分は相手に踏み込んでしまった事を
嫌でも自覚せざるえなかった。
「大好き…」
だけど、きっと…もう少しだけ自分達には時間が必要なのだろう。
その事を薄々と察しているからこそ、克哉は思いを…虚空に向かって
呟く事で…少しだけ落ち着かせていく。
眼鏡が何に迷い、苦しんでいるのか知らない。
其れが判らない限り、見極めない限り…感情のままに動いたら、何となく
取り返しがつかない事が起こりそうな予感がしたから。
水を飲んだら、少し気持ちが落ち着いていった。
けれど今は…身体は重くて、指一本動かすのもしんどい気がした。
(もう少し…眠りたい…)
今は何も考えず、少し休みたかった。
それで体制を整えた上で…これからどうするのか、一番良い道を模索して
いきたいと克哉は思った。
コンディションが最悪のまま、決断をしても良い結果は得られないという事は
今までの人生の中で何となく学んで来ていたから。
だから、克哉は一旦…意識を再び手放していく。
(目覚めたら、一緒に考えていこうよ…これから、どうするのか。
オレ達はどうしたいのか、そしてお前が何を思い考えているのかを…
ちゃんと、聞きたいよ…)
そう、まずは相手から聞きださないといけない事が沢山あった。
抱きあって快楽に逃げていても、其れは一時しのぎにはなっても根本的な
解決にならない事を克哉は悟ってしまったから。
だからそう心に誓いながら克哉は眠りに落ちていく。
―それから十分後、眠りに落ちた克哉の元に…一人の人影がそっと
近づいてその寝顔を覗きこんでいたのだった―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
鬼畜眼鏡にハマり込みました。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
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