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※4月1日からの新連載です。
それぞれ異なる結末を迎えた御堂と克哉が様々な
謎を孕んだまま出会う話です。
彼らがどんな結末を辿った末に巡り合ったのかを
推測しながら読んでください。
途中経過、結構ダークな展開も出て来ます。
それらを了承の上でお読み下さいませ。
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―オレは、向こうにいた頃…自分なんて消えても良いと思っていた
紆余曲折を経て結ばれた眼鏡を掛けた方の自分と御堂は時々衝突
しあいながらもゆっくりとお互いを信用するようになっていた。
かつての親友だった澤村と再会し、苦い経験をした事がどこか不安定だった
彼ら二人の関係を安定させることに繋がっていた。
関係が強固になってからの二人を、内側で克哉は眺め続けていた。
その姿はひどく眩しくて、同時に強烈に憧れた。
そうなってから初めて克哉はそれまでの…自分が主導権を握っていた頃に
していた生き方を心から悔いたのだ。
―誰も傷つけず、自分を殺す生き方は…代わりに何も得られない生き方だったのだと
己の過ちを自覚した時にはすでに遅かった。
御堂の目には…眼鏡を掛けて、確固たる意志を取り戻したもう一人の
自分しか映っていない。
今更、自分が表に出ても気味悪がられるだけだ。
あまりに彼と自分は違いすぎるから。
彼ら二人の関係が、安定したからこそ…克哉は思ったのだ。
自分はもう、いらない人間なのだと。
少なくとも御堂にとって、この世で一番大切なのは眼鏡を掛けた方の
自分であることを痛烈に感じていたからこそ、日々…こんな想いを
強めていった。
こうなってからは、自分のことを認めてもらおうと考えることすら
おこがましいことに、気づいてしまった。
―だから誰からも必要とされない、亡霊のような存在に過ぎないことを
嫌でも自覚せざる得なかった…
それが、新たな世界でMr.Rに提示されたゲーム磐に参加する直前に、
克哉が強烈に感じていた事だった―
*
「いやだぁぁぁ…!」
遠くから、克哉の絶叫が聞こえてくる。
その声を聞いて御堂孝典は意識を取り戻していく。
目覚めた場所は…まるで貴族の使用している部屋のような雰囲気を
まとっていた。
いつの間にか天蓋つきのベッドの上に横たえられていたようだ。
シーツの手触り一つ取っても上質のものであり…天井にはシャンデリアが
キラキラと輝いていた。
まるで迎賓館のような装いに、御堂は言葉を失っていく。
「私は一体…どうしてしまったんだ…?」
先程まで確かに自分の部屋で克哉と抱き合い、そして結ばれる直前まで
いったのに…どうして自分はこんな場所に、裸でいるのだろうか。
その事に疑問を覚えつつ…周囲を見渡して状況を確認していくと…部屋の隅に
一人の男が存在していた。
「佐伯、君…?」
そしてその姿を見て、御堂は強烈な違和感を覚えていく。
豪奢な椅子の上に座っていた人物は確かに…佐伯克哉だった。
だが彼の纏っている空気はさっきまでとはまるで別人のものだった。
傲慢だとか、傲岸不遜といった表現がぴったりくるような笑みを口元に浮かべ…
まるでこちらを値踏みするような不快な眼差しを向けてくる。
それはさっきまで…心から愛しいと思って抱いていた存在とは大きく
かけ離れていて、一体何が起こったのかと心の底から御堂は訝しげに思っていった。
「やっと目覚めたか…御堂。良い格好だぞ…」
「佐伯、君…? 一体ここは、どこなんだ…! どうして私はこんな場所に…!」
「ここは俺の支配する場所、俺だけの為に存在する空間だ。やっと…お前を
この地に招くことが出来たな…。俺と顔を合わせることもなく、もう一人のオレと
お前が結ばれようとするから…それではフェアではないと判断して、
一度ここに来て貰った…。もう一人のプレイヤーである俺のことを
をまったくお前が知ることなく…あっさりとゲームセットを迎えてしまったら…
俺にとって不利なことこの上ないからな…」
「フェアではない…それに、ゲームセットってどういう意味だ…?
君は一体、何を言っている…?」
相手の口から飛び出す単語に、御堂は強烈な違和感を覚えていく。
まったく予想もしていなかった出来事と展開が続いているせいで、混乱が
更に深まっている。
御堂の困惑の表情に、眼鏡は一瞬…目を瞠っていったが…すぐに
大声で笑い始めていく。
嘲笑とも感じ取れる笑い方に、御堂は目の前の相手に対して不快感を
高めていった。
「はは…はははははっ!」
「何がおかしい! それに君は何様だ…! 人を裸にしておきながら自分は
王座に座って王者でも気取っているのか! しかも訳が判らないことばかり
言って…さっきまでの態度と大違いではないか!」
「くくっ…あんたはまったく気づいていないのか。俺の態度が違う訳を…!
その言葉でよ~く判った。あいつはあんたに対して…何も打ち明けて
いない状態で…セックスをして勝利を得ようとしていたんだって事がな…」
「なっ…!」
何故、セックスをすることが勝利に繋がるのか。
それに…今の言い方ではまるで、目の前の佐伯克哉と…さっきまで
自分が抱こうとしていた彼は別の人間のようではないか。
その事に疑問を覚えていきながら…傲慢な態度の相手を見つめていくと
ニヤリ、と男は笑っていった。
「訳がわからないといった顔をしているな…。それなら、教えてやるよ…。
あんたに、俺ともう一人のオレがやっていたゲームの内容をな…」
そして、十一日間…克哉が結局言い出せずにいたゲームの内容を、
もう一人の佐伯克哉は御堂に伝え始めていったのだった―
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当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
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…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。