鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※御克ルート前提の、鬼畜眼鏡R内で判明した澤村や
ノーマル克哉の大学時代の過去が絡む話です。
RのED後から一年後の春…という設定の話なので
ご了承くださいませ。
当分、鬼畜眼鏡側はこの連載に専念しますので宜しくです。
桜の回想 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26
ノーマル克哉の大学時代の過去が絡む話です。
RのED後から一年後の春…という設定の話なので
ご了承くださいませ。
当分、鬼畜眼鏡側はこの連載に専念しますので宜しくです。
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―御堂が黒衣の男に仮初の世界に招かれたのとほぼ同時刻、
澤村紀次もまた突然室内で大量の白い煙に包み込まれていた。
澤村紀次もまた突然室内で大量の白い煙に包み込まれていた。
「な、何なんだ…! これは…!」
自分は先程まで執務室で部下たちからの連絡の電話を待っていた筈だ。
それなのにどうしてこんな煙が突如発生したのか彼には理解出来なかった。
こんなのは誰かが部屋の中で大量のドライアイスを水の中に投入して、
スモークを発生させない限りは起こり得ない事だった。
スモークを発生させない限りは起こり得ない事だった。
完全に面食らって殆ど視界が利かない中で、原因を究明しようと
手を伸ばして周囲を探り始めていった。
手を伸ばして周囲を探り始めていった。
「くそっ…! 一体誰なんだ…! こんな時に悪ふざけをしてくるなんて…!」
―いいえ、悪ふざけではありませんよ…? 私はただ…これから
開かれる演目のもう一人の主役である貴方を…お迎えに上がっただけですよ…?
開かれる演目のもう一人の主役である貴方を…お迎えに上がっただけですよ…?
「っ…! 其処にいるのは…誰だ!」
唐突に霧の中から、誰かの声が聞こえて澤村は狼狽していく。
まったく聞き覚えのない人物の声が、自分の執務室内に響いている
事実に怒りと畏れの感情を同時に覚えていった。
事実に怒りと畏れの感情を同時に覚えていった。
―こんにちは、貴方の前にこうして顔を出すのは初めてですね…私は
Mr.Rと申します。どうか以後、お見知り置きを…」
Mr.Rと申します。どうか以後、お見知り置きを…」
「…お見知り置きを、ではないだろ! ここはクリスタル・トラスト内に
僕に与えられた執務室だ。部外者が無断で入って来れる訳がないだろうう!」
僕に与えられた執務室だ。部外者が無断で入って来れる訳がないだろうう!」
―ふふ、万全と呼ばれるセキュリティも私にとっては穴だらけの代物でしか
ありません。それよりも澤村様…貴方の親友であった佐伯克哉さんが
お待ちですよ。一足先にあの方には現地に行って貰っています…」
ありません。それよりも澤村様…貴方の親友であった佐伯克哉さんが
お待ちですよ。一足先にあの方には現地に行って貰っています…」
「へぇ、君は克哉君の知り合いなんだ。道理でうさんくさい雰囲気の人だと思った。
それで、僕に何の用? それにこの白い煙もそちらのせいかな…?
視界が利かなくなって非常に迷惑だからさっさとどうにかして欲しいんだけど…」
それで、僕に何の用? それにこの白い煙もそちらのせいかな…?
視界が利かなくなって非常に迷惑だからさっさとどうにかして欲しいんだけど…」
―嗚呼、この煙をどうにかするのは私には無理ですね。これはこれから
私が作った世界に貴方を招く為にはどうしても発生してしまうものですからね…。
現実と、仮初めの世界を繋ぐための触媒のようなものですし…
私が作った世界に貴方を招く為にはどうしても発生してしまうものですからね…。
現実と、仮初めの世界を繋ぐための触媒のようなものですし…
「はぁ…? あの、そちらが何を言っているのか僕には理解出来ないんだけど…?」
黒衣の男が口にした言葉は、澤村の理解の範疇を越えていて
呆然となるしかなかった。
呆然となるしかなかった。
しかしRの方はすでに相手のその反応は予測済みだったらしくまったく
動じる気配すら見せなかった。
動じる気配すら見せなかった。
―えぇ、理解などしなくて結構ですよ。ただ一つ…私がこれからの余興の
主役の一人として、私が作り出した舞台の上に貴方を招く。その事だけ
理解して下されば結構ですから…
主役の一人として、私が作り出した舞台の上に貴方を招く。その事だけ
理解して下されば結構ですから…
男が艶然と微笑みながらそう告げた瞬間、澤村は背筋に冷たい汗が
伝うのを感じ取っていった。
伝うのを感じ取っていった。
もの凄く嫌な予感がして、本能的にこの男はヤバイ存在である事を…
危険を感じ取っていく。
危険を感じ取っていく。
「じょ、冗談じゃないよ! どうして僕がお前なんかに付き合わないと
いけないんだか…! 僕には招かれる義理も必要性もまったく感じて
いないんだ! 断らせて貰うよ!」
いけないんだか…! 僕には招かれる義理も必要性もまったく感じて
いないんだ! 断らせて貰うよ!」
―へぇ、それが佐伯克哉さんに纏わる事でも、ですか…?
「な、んだって…?」
佐伯克哉の名前を浮かべた瞬間、澤村の顔色が一気に変わっていく。
頬が僅かに紅潮して、瞳に強い怒りの色が浮かんでいった。
その反応を見て黒衣の男は愉快そうに喉の奥で笑っていく。
その反応を見て黒衣の男は愉快そうに喉の奥で笑っていく。
「ねえ、そちらは克哉君とどういった知り合いなのかな
?」
「…そうですねぇ。貴方と同じく、小学校の時のあの人を知っている友人…
とでも申しておきましょうか…?」
とでも申しておきましょうか…?」
「っ…! 嘘を言うなよ…! 小学校の時までの克哉君の交友関係はほぼ
僕が把握している。彼の幼なじみで…長い付き合いだった僕が言うんだから
間違いはない。デタラメを言うのはそれくらいまでにしてくれるかな?」
僕が把握している。彼の幼なじみで…長い付き合いだった僕が言うんだから
間違いはない。デタラメを言うのはそれくらいまでにしてくれるかな?」
剣呑、と言い換える事が出来るぐらいに不穏な空気をまとっていきながら
澤村は目の前の男を見つめていった。
澤村は目の前の男を見つめていった。
室内には相変わらずドライアイスを水に浸けた時に発生するような
白い煙に満たされている。
白い煙に満たされている。
霞掛かったような視界の中で、相手と自分の姿だけが鮮明に浮かび上がる。
「いいえ、嘘ではありませんよ…。小学校の卒業式の日に初めてお会い
したのならば…十分に『小学校の時の知り合い』や、『友人』に数えられるでしょう…?」
したのならば…十分に『小学校の時の知り合い』や、『友人』に数えられるでしょう…?」
「…小学校の、卒業の日…だって…?」
澤村にとってその日は、十数年が経過した今も決して忘れることが出来ない
一日で…心に強く引っかかり続けている事でもあった。
一日で…心に強く引っかかり続けている事でもあった。
―えぇ、貴方が親友を…いえ、佐伯克哉さんに重大な裏切りを告げた直後。
それが私と克哉さんが初めて出会った日ですよ…
それが私と克哉さんが初めて出会った日ですよ…
「っ…! どうして、お前がそれを知っているんだよ…!」
澤村は言葉を激昂して、叫んでいく。
何故こんな胡散臭い男が、自分と克哉との間に起こった事をここまで
はっきりと把握しているのか不気味で仕方なかった。
はっきりと把握しているのか不気味で仕方なかった。
本気の怒りを込めて男を睨み付けていくが、一向に動じる様子すら見せない。
それが余計に青年の気に障っていった。
―さあ、どうしてでしょうかね…? それだけ私は昔から…佐伯克哉さんに
関心を持って注意深く見守っていたからかも知れませんね…。ですから
私は貴方の事も良く存しておりますよ…。ニコニコと笑いながら、少年だった
克哉さんを裏切り続けた…元親友の方としてね…
関心を持って注意深く見守っていたからかも知れませんね…。ですから
私は貴方の事も良く存しておりますよ…。ニコニコと笑いながら、少年だった
克哉さんを裏切り続けた…元親友の方としてね…
「うるさい、黙れ…! その件をお前にどうこう言われる筋合いは僕にはない…!」
―おやおや、それならどうなさるおつもりなんでしょうか…? 口封じに私に
対して何をされますか? 直接面向かって本心を言う事すら出来なかった
臆病な性格の貴方がね…
対して何をされますか? 直接面向かって本心を言う事すら出来なかった
臆病な性格の貴方がね…
「黙れと言っているだろう!」
―えぇ、そうですね。なら黙らせて頂きましょうか…
男は嘲るような口調と態度で、こちらを挑発していく。
それに澤村の心は激しく乱され、動揺させられていった。
その様は恐らく…蜘蛛の巣に捉えられて、ジワジワと追い詰められて
いるような様だった。
いるような様だった。
知らぬ間に澤村は…男の土俵に立たされ、翻弄させられていた。
男はそれ以後、何も言わず…ただ愉快そうに瞳を細めて、こちらを
見つめてくるのみだった。
見つめてくるのみだった。
それが余計に澤村の心を苛立たせていった。
白い煙に包み込まれていきながら…二人は黙って対峙しあう。
その緊迫感に耐えられず…先に口を開いたのは澤村の方だった。
「…一つ聞かせてもらおうかな。一体どこで…僕と克哉君のことを知ったんだい?」
―正直にお答えしたばかりですよ。私と克哉さんが初めて出会ったのは…
小学校の卒業の日。貴方があの人に裏切りの事実を告げた直後だと…
小学校の卒業の日。貴方があの人に裏切りの事実を告げた直後だと…
「嘘だ! 見てきたような事を平然と言うな…!」
その次の瞬間、澤村はゾっとなった。
『えぇ、私はあの日…全てを見ていましたよ…。貴方たち二人の間に起こった
出来事を…一部始終、ね…』
出来事を…一部始終、ね…』
「っ…!」
その瞬間、澤村は全身が総毛立つのを感じ取っていった。
本能的な危険を感じ取ったのかも知れない。
ともかく…その一言を口にした瞬間、Mr.Rに澤村は恐怖を覚えていった。
「…見て、いる…訳が、ない…。あの日、克哉君に僕がその事実を告げた
時には…絶対に、周囲に誰も…いなかった、筈だ…」
時には…絶対に、周囲に誰も…いなかった、筈だ…」
力なく澤村が呟いていく。
そう、その点に関しては絶対に自分は配慮してあった筈だ。
遠くの私立中学に進学予定だった克哉と違い…自分は大半の小学校の
知り合いと同じ地元の中学に進学するのだ。
知り合いと同じ地元の中学に進学するのだ。
誰かに聞かれたり目撃されて…評判が悪くなったり、妙な噂や憶測を
されては堪ったものではないと思って…克哉に告げた瞬間、周囲に人が
いないかは特に気を配っていた記憶がある。
されては堪ったものではないと思って…克哉に告げた瞬間、周囲に人が
いないかは特に気を配っていた記憶がある。
その点に関しては間違いがない筈だった。
あの場にこんな怪しい男が…自分たちのやりとりをはっきりと聞き取れる
ぐらいに近くにいた筈ならば気づかない筈がない。
ぐらいに近くにいた筈ならば気づかない筈がない。
だから途切れ途切れの言葉になっても、確信を込めて澤村はそう告げていく。
―えぇ、貴方たち二人以外…誰もいませんでしたよ。『人』はね…
「っ…!」
その言い回しで今度こそ澤村は恐怖を覚えていった。
今の言葉で、この男は自分は人間ではないと認めたに等しかった。
澤村の心の中で畏れの感情が更に広がって冷静さが急速に失われていく。
一刻も早くこんな得体の知れない相手の前から立ち去りたいと…根っからの
小心者である彼は願い続けていく。
小心者である彼は願い続けていく。
だが、硬直した時間は唐突に終わりを迎えていく。
黒衣の男が手を大きく掲げて行った瞬間、周囲に立ち昇った白い煙が
一層濃くなっていき…自分たち二人を激しくうねりながら包み込み始めていく。
一層濃くなっていき…自分たち二人を激しくうねりながら包み込み始めていく。
「うわっ…! 煙が…!」
―そろそろ、舞台の幕が開く時刻が迫って来ましたので…私が紡ぎ出した
仮初の世界へとお連れさせて頂きますね…。それは貴方たち二人が決着を
つけるのに相応しい場所…。あの出来事が起こった小学校を再現させて頂きましたから…
仮初の世界へとお連れさせて頂きますね…。それは貴方たち二人が決着を
つけるのに相応しい場所…。あの出来事が起こった小学校を再現させて頂きましたから…
「な、んだって…そんな、事…出来る訳が…!」
澤村が驚愕に叫ぶと同時に、視界が真っ白いものに完全に覆われていく。
同時に意識が遠のき始めていった。
青年はそれに抗うことが出来ず…煙の中で跪いていった。
―それでは貴方をお連れしましょう…。主役の一人として…丁寧に
もてなして差し上げましょう…
もてなして差し上げましょう…
そうして、男が恭しく呟いていくのをぼんやりと聞いていきながら…澤村の
意識は完全に途切れていき、その場から静かに連れさらわれていったのであった―
意識は完全に途切れていき、その場から静かに連れさらわれていったのであった―
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香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
鬼畜眼鏡にハマり込みました。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
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