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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※7月25日からの新連載です。
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
 他のカップリング要素を含む場面も展開上出てくる場合があります。
 それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。

 恋人の条件                       10 
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―克哉は夢を見ていた

 もう一人の自分に、都合の良い夢だと思いながら抱かれた後…
克哉はただ眠り続けていた。
 まるで現実から逃れる為に深い眠りを必要とするように…。
 何度も何度も、求められて抱かれた余韻と痕跡が体中に残されている
のに気づいて…明かりもつけぬまま、克哉は自問自答していく。
 体調不良で会社を休んで、気づいたら目の前にもう一人の自分がいて…
そして抱かれた。
 其処までは覚えている。
 けれど目覚めた時には辺りは真っ暗で、電気をつける気力も湧かないまま
裸で…グルグルと考えが堂々巡りしていた。

(アレは、夢だったのかな…現実だったのかな…?)

 さっきまで抱かれていた事。
 あれは夢だと思っていた。
 自分は御堂に抱かれてしまったから。
 Mr.Rが出した条件をたった一日も守れないような奴だったから…
もう二度と会えないと覚悟した。
 そう思って泣きそうにすらなった。
 けれど…身体の奥に、相手の残した残滓が残っている。
 御堂に注がれた分は朝の時点で描き出していた筈だから…残って
いる筈のものが身体の奥に、証拠として残されていた。
 それが…夢だと思っていた時間が、現実のものであると知らしめる
何よりの証、でもあった。

「あいつが、来てくれたんだ…。なのに、オレ…ずっと夢だと思っていた。
これはオレの都合の良い夢だって…けれど、あれは現実の出来ごと
だったんだな…」

 そう思ったら、胸の中に疼きのようなものが芽生えていった。
 相手に抱かれていた時、自分がどれだけ浅ましく求めていたのか…
乱れていたのかを思い出して、顔がカーと赤くなる気がしていった。

「…ヤバイ、ムチャクチャ…恥ずかしい、かも…」

 克哉自身にも、想いを自覚したのはつい最近で…先程の行為が、
自分の気持ちに気づいてから初めての行為でもあった。
 そう思ったら愛された事が涙が思わず滲んでしまう程、嬉しくて。
 なのに自分が目が覚めた時に、いつものように幻のようにもう一人の
自分の姿が見えないのもまた…切ないものがあった。

「…ねえ、『俺』…。お前はどこにいってしまったの…? どうして…
目が覚めた後もお前は俺の傍にいてくれないんだよ…」

 そうして切なくなって、泣きそうになった。
 そして…あんなに激しく求められた時間が全ては夢だと思いこんでいた
自分が情けなくなった。
 
「会いたい、よ…」

 そして懇願するような思いが、唇から零れていく。
 
「好き、だよ…」

 その言葉は今…呟いたとしても意中の相手には届かない。
 それでも胸の奥から溢れて、止まらなかった。

「…お前に、会いたいよぉ…」

 愛されたからこそ、余計にまたその想いが強くなる。
 心細いと思うから。
 御堂に抱かれてしまって後ろめたい…相手を裏切ってしまったような
想いがあるからこそ…余計に、会いたいという気持ちが加速していくようだった。
 恋しくて恋しくて、心の中に大きな空洞が空いてしまったようで。
 その穴を…もう一人の自分の存在で埋めて貰いたい。
 そして何も考えられなくなるぐらいに激しく抱き続けて貰いたいという
願いで心がいっぱいになっていくようだった。

「…オレの中ってこんなにも、浅ましい事でいっぱいだったんだ。あれだけ…
あいつに抱かれたのに、まだ抱いていて欲しいと思っている自分がいる。
これじゃまるで…あいつに中毒しているみたいだ。いないと、もう生きて
いけないぐらい…俺は、あいつに…溺れて、しまっている…」

 自らの身体を抱きしめていきながら、言葉は止まってくれなかった。
 好きという想いが…まだ、完全に相手との関係が終わっていない事で
甘い希望を捨て切れず…夢想してしまう。
 もう一人の自分とのハッピーエンド。
 冷静になれば、そんなのは絶対にありえない結末なのに…それでも
願ってしまう自分がいる。
 
「好き…だよ。だから…会いたい。ねえ、お前はどこにいるのかな…?」

 そうして力なく呟きながら、もう一人の自分の想いだけで満たされる。
 眼鏡を掛けた克哉の手によって電源を落とされた携帯には…本多と
御堂の異常ともとれる数のメール数と着信が残っていたけれど。
 今の克哉は、その事に気づかず…ただ闇の中で、もう一人の
自分の事だけを想い続ける。
 
―そしてまた、夢うつつの中に堕ちていく…

 心地良い疲れを覚えていきながら…愛する男の温もりを胸に抱いて…
克哉は、一時の安らぎに身を委ねていた…
 この夜に、彼の預かり知らぬ処で大きな動きが生まれて…うねり始めて
いた事など…まだ、知らずに…

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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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