鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
明日、参加予定の春コミの準備でバタバタしてます(汗)
とりあえず一日動き回って、7割ぐらい準備完了って
感じです~。
本日分の更新は、そんな訳で遅くなります。
書けたら書くって感じになるかも…。
でも出来るだけ頑張ります!(ムン)
とりあえず春コミインフォメーションの完成版を
正式にアップしました。
良かったら読んでやって下され~。
取り急ぎ、これだけ失礼します。
何か倉庫から在庫引っ張り出したり、明日配布の
無料配布(通販おまけと内容一緒です。春コミで配布
すると以前言っていたので作っていました…)の印刷と
製本、荷物詰め、必要なものの発掘で一日気づいたら
終わりかけているねん。
…自分の部屋のカオスぶりが憎いと久しぶりに実感
しましたわ…。
ん~明日は新刊一種類と、冬コミ発行のオフ本二種類。
それとその通販オマケ本の四種類が置かれております。
詳細はインフォの方で。
後、本日の更新分はギリギリになるか、もしくは15日分と
いう形で書きます。
製本完了して明日の準備終わったら、一本書き下ろすので
ちょっとお待ちください…。
ある程度睡眠を確保する程度までは、ギリギリまで今日は
作業していると思います。
それではまた明日、春コミで良ければ会いましょう。!
香坂は基本、スペースにいないですが(というか出歩いている率が
高いからという理由で、私の分の椅子は今回用意されていないのです)
その近隣をフラフラ歩いている可能性高いですから、良ければ
捕獲してやって下さい。
というか、知り合いの方は問答無用で手土産もって顔出す可能性が
高いので覚悟しておいて下さい。
スペースに座っているお姉さんはへそまるさんの方なので宜しく。
んでは、また後で!
とりあえず一日動き回って、7割ぐらい準備完了って
感じです~。
本日分の更新は、そんな訳で遅くなります。
書けたら書くって感じになるかも…。
でも出来るだけ頑張ります!(ムン)
とりあえず春コミインフォメーションの完成版を
正式にアップしました。
良かったら読んでやって下され~。
取り急ぎ、これだけ失礼します。
何か倉庫から在庫引っ張り出したり、明日配布の
無料配布(通販おまけと内容一緒です。春コミで配布
すると以前言っていたので作っていました…)の印刷と
製本、荷物詰め、必要なものの発掘で一日気づいたら
終わりかけているねん。
…自分の部屋のカオスぶりが憎いと久しぶりに実感
しましたわ…。
ん~明日は新刊一種類と、冬コミ発行のオフ本二種類。
それとその通販オマケ本の四種類が置かれております。
詳細はインフォの方で。
後、本日の更新分はギリギリになるか、もしくは15日分と
いう形で書きます。
製本完了して明日の準備終わったら、一本書き下ろすので
ちょっとお待ちください…。
ある程度睡眠を確保する程度までは、ギリギリまで今日は
作業していると思います。
それではまた明日、春コミで良ければ会いましょう。!
香坂は基本、スペースにいないですが(というか出歩いている率が
高いからという理由で、私の分の椅子は今回用意されていないのです)
その近隣をフラフラ歩いている可能性高いですから、良ければ
捕獲してやって下さい。
というか、知り合いの方は問答無用で手土産もって顔出す可能性が
高いので覚悟しておいて下さい。
スペースに座っているお姉さんはへそまるさんの方なので宜しく。
んでは、また後で!
PR
…とりあえず本日、朝五時から起床して…午後二時ぐらいから
頑張って作業し続けて、どうにか無事に印刷所の方に原稿を
送りました。
…データー入稿、本気で便利ですね~。
おかげでどうにか間に合いました。
まあ、香坂自身が描いた口絵の方に関してはあまり期待しちゃいけませんが
(自分の絵のレベルは可もなく不可もなくという自覚は存分にあるので)
話そのものは、今の自分に出来る精一杯のものを紡ぎました。
今回は前回収録出来なかった四話の為に作りましたが、ただの再録に
したくなかったので・・・結婚前の眼鏡視点とか、色んなものを織り交ぜて
ちょっとドラマチックにしました。
ですから前回は甘い+ラブラブが基本だったのに関して、こっちは切なくて
シリアス要素がかなり強いです。
…ま~話によっては甘かったり、ラブかったりしますけどね。
…書き下ろし五本に比べて、各話を繋げる為のRと克哉のやりとりを
すでにサイトで公開している、爪切り編、朝食編、お風呂編、出張編
バレンタイン編の五話にも若干書き足しているので・・・サイトで単体で
読むのとはまた違った感じで読めると思います。
…ちょっとどれぐらい書き下ろしたか調べてみたら、書き下ろした分の
P数の方が多かったです。
比率にすれば55%前後、今回用の書き下ろししました。
1Pが40文字×36行の設定の原稿用紙で、68P分くらいの量です。
本文量が、その設定の原稿用紙で130Pです。
それをこう、ギュっと二段組みの原稿用紙で編集して、116Pに
収めたって感じですね。
…イノセント~も結構なボリュームだったけど、今回もそんな訳で
長いです。そして厚さが0.8ミリからほぼ1センチになりました。
前回の本を読んで下さった方がハラハラしたり、ドキドキして貰えるような
そんな本をがんばって作ったので良ければ見てやって下さい。
表紙、挿絵担当のへそまる嬢も、かなり気合入れて絵を描いてくれました。
彼女のパンツへの書き込みっぷりは必見です(笑)
…其処までパンツに熱いパッションを抱く彼女に今回はともかく
感服というか、すげ~と思いました。それだけ凄い気合いの入れよう
だったというか、何というか…(汗)
…という訳で本日、10時間近く作業してヘロっているので・・・今夜は
この報告のみで失礼します。
やっと苦戦していたオフ本での話作成作業が本日で終わったので・・・
連載もぼちぼち、進めていきます。
残雪とバーニングは今月中には終わらせたいっす…それ目標です。
今年に入ってから、正直…疲れからか、調子が出ないというか軽い
スランプになってしまっていましたけれど、その状態でもどうにか…
今回の本を完成まで持って行けたことで少し自信は回復しました。
ボチボチ、自分のやれる範囲でやっていきます。
そういう訳で、今夜はこれにて…(ペコリ)
頑張って作業し続けて、どうにか無事に印刷所の方に原稿を
送りました。
…データー入稿、本気で便利ですね~。
おかげでどうにか間に合いました。
まあ、香坂自身が描いた口絵の方に関してはあまり期待しちゃいけませんが
(自分の絵のレベルは可もなく不可もなくという自覚は存分にあるので)
話そのものは、今の自分に出来る精一杯のものを紡ぎました。
今回は前回収録出来なかった四話の為に作りましたが、ただの再録に
したくなかったので・・・結婚前の眼鏡視点とか、色んなものを織り交ぜて
ちょっとドラマチックにしました。
ですから前回は甘い+ラブラブが基本だったのに関して、こっちは切なくて
シリアス要素がかなり強いです。
…ま~話によっては甘かったり、ラブかったりしますけどね。
…書き下ろし五本に比べて、各話を繋げる為のRと克哉のやりとりを
すでにサイトで公開している、爪切り編、朝食編、お風呂編、出張編
バレンタイン編の五話にも若干書き足しているので・・・サイトで単体で
読むのとはまた違った感じで読めると思います。
…ちょっとどれぐらい書き下ろしたか調べてみたら、書き下ろした分の
P数の方が多かったです。
比率にすれば55%前後、今回用の書き下ろししました。
1Pが40文字×36行の設定の原稿用紙で、68P分くらいの量です。
本文量が、その設定の原稿用紙で130Pです。
それをこう、ギュっと二段組みの原稿用紙で編集して、116Pに
収めたって感じですね。
…イノセント~も結構なボリュームだったけど、今回もそんな訳で
長いです。そして厚さが0.8ミリからほぼ1センチになりました。
前回の本を読んで下さった方がハラハラしたり、ドキドキして貰えるような
そんな本をがんばって作ったので良ければ見てやって下さい。
表紙、挿絵担当のへそまる嬢も、かなり気合入れて絵を描いてくれました。
彼女のパンツへの書き込みっぷりは必見です(笑)
…其処までパンツに熱いパッションを抱く彼女に今回はともかく
感服というか、すげ~と思いました。それだけ凄い気合いの入れよう
だったというか、何というか…(汗)
…という訳で本日、10時間近く作業してヘロっているので・・・今夜は
この報告のみで失礼します。
やっと苦戦していたオフ本での話作成作業が本日で終わったので・・・
連載もぼちぼち、進めていきます。
残雪とバーニングは今月中には終わらせたいっす…それ目標です。
今年に入ってから、正直…疲れからか、調子が出ないというか軽い
スランプになってしまっていましたけれど、その状態でもどうにか…
今回の本を完成まで持って行けたことで少し自信は回復しました。
ボチボチ、自分のやれる範囲でやっていきます。
そういう訳で、今夜はこれにて…(ペコリ)
水面下でちょいといや~んな事あったので、ちょっとその
対応に追われていてあまりこの二日間では進んでいませんでした。
代わりに3月4日、5日は本腰入れてやります!!
少し余裕なくなったので、サイトの方に今掲載してある
『夜街遊戯」は過去に携帯でオフ本作ってみようかと
挑戦して、その周辺に克克新婚ネタを思いついてそっち
ばっか書くようになったので途中で放置されていた
書きかけのお話です。
まあ、連載4回分ぐらいの分量(14P前後)は
書いてあったし、パソコンの中で眠ってしまっているよりは
良いだろうと判断して掲載しました。
…また克克かよ!とか言われそうですが…すみません、
ストックはマジでこれくらいしかないので。
メガミド、もしくはミドカツを目当てで通っているお嬢様たちには
本気で申し訳ない状況ですみません(汗)
とりあえず締切が3月7日の午後三時までなのでそれまで
全力で行きます。
とりあえず専念すれば十分間に合う圏内です。
そして先日、E坂さん所にフラっと立ち寄ったら3月10日→御堂さんの日
という企画リンク貼ってあるの発見したのでは参加しようかなと。
主催者のたかねさん、以前からファンの好きな作家さんですし。
知り合いの方が主催とかされるなら、微力ながら協力したいですしね(^^)
…3月7日までに入稿して、10日にアップすれば良いなら三日あれば
SS一本ぐらいなら書けると思いますので。
という訳で3月10日は、御堂さんをお祝いするお話を書きますので
ご了承下さいませ(ペコリ)
ちなみに企画ページはこちら(以下)になります~。
それでは一旦失礼します~。
対応に追われていてあまりこの二日間では進んでいませんでした。
代わりに3月4日、5日は本腰入れてやります!!
少し余裕なくなったので、サイトの方に今掲載してある
『夜街遊戯」は過去に携帯でオフ本作ってみようかと
挑戦して、その周辺に克克新婚ネタを思いついてそっち
ばっか書くようになったので途中で放置されていた
書きかけのお話です。
まあ、連載4回分ぐらいの分量(14P前後)は
書いてあったし、パソコンの中で眠ってしまっているよりは
良いだろうと判断して掲載しました。
…また克克かよ!とか言われそうですが…すみません、
ストックはマジでこれくらいしかないので。
メガミド、もしくはミドカツを目当てで通っているお嬢様たちには
本気で申し訳ない状況ですみません(汗)
とりあえず締切が3月7日の午後三時までなのでそれまで
全力で行きます。
とりあえず専念すれば十分間に合う圏内です。
そして先日、E坂さん所にフラっと立ち寄ったら3月10日→御堂さんの日
という企画リンク貼ってあるの発見したのでは参加しようかなと。
主催者のたかねさん、以前からファンの好きな作家さんですし。
知り合いの方が主催とかされるなら、微力ながら協力したいですしね(^^)
…3月7日までに入稿して、10日にアップすれば良いなら三日あれば
SS一本ぐらいなら書けると思いますので。
という訳で3月10日は、御堂さんをお祝いするお話を書きますので
ご了承下さいませ(ペコリ)
ちなみに企画ページはこちら(以下)になります~。
それでは一旦失礼します~。
3月1日分は、書けたら書きます。
とりあえず現在修羅場真っ最中です。
1日の16時時点に仕上がっているのは以下の通り。
・前回収録出来なかった朝食編、爪切り編、出張編、お風呂編4本の編集
・バレンタイン編の編集
・書き下ろし1.2.3話の執筆&編集
・口絵候補二枚の下書き
・本の台割(本の設計図みたいなの)
28日分での報告で、書き下ろし3話&4話までと口絵と
記しましたけれど、本文の編集に手をつけてみたらそっちで
勢いがついて…今日中に、書き下ろし4までの執筆&編集までなら
どうにか仕上げられそうです。
ここまで完成したら、書き下ろし5(5~10P)弱と口絵、
後書きPぐらいになりそうです。
まだ細かい調整とか、見直しは必要そうですが一番苦戦していた
バーニングとのリンクも、どうにか出来ました(ホッ)
後日春コミの新刊ページに正式版を追記しますが、
現在の時点での収録予定の話と、副題等は以下の通り。
とりあえず現在修羅場真っ最中です。
1日の16時時点に仕上がっているのは以下の通り。
・前回収録出来なかった朝食編、爪切り編、出張編、お風呂編4本の編集
・バレンタイン編の編集
・書き下ろし1.2.3話の執筆&編集
・口絵候補二枚の下書き
・本の台割(本の設計図みたいなの)
28日分での報告で、書き下ろし3話&4話までと口絵と
記しましたけれど、本文の編集に手をつけてみたらそっちで
勢いがついて…今日中に、書き下ろし4までの執筆&編集までなら
どうにか仕上げられそうです。
ここまで完成したら、書き下ろし5(5~10P)弱と口絵、
後書きPぐらいになりそうです。
まだ細かい調整とか、見直しは必要そうですが一番苦戦していた
バーニングとのリンクも、どうにか出来ました(ホッ)
後日春コミの新刊ページに正式版を追記しますが、
現在の時点での収録予定の話と、副題等は以下の通り。
第一話 朝と夜の狭間に(書き下ろし1)挿絵1
第二話 舞台の裏側(書き下ろし2)
第三話 他愛無い日常(爪切り編)
第四話 秘められた決意(書き下ろし3)
第五話 初めてのバレンタイン(バレンタイン編)
第六話 指輪の在り処(お風呂編)挿絵2
第七話 朝食代わりに…(朝食編)
第八話 親友との和解(出張編) 挿絵3
第九話 不器用な甘え方(書き下ろし4)挿絵4
最終話 夢の終わりに(書き下ろし5) 口絵対応
…いつもと違う話の作り方をやってみようと、オフ本二冊とリンクさせて
ラストが決まっているのを前提の連載をやってみようと思い立って
始めたんですが…おかげでどっちも難産になって苦しむという
結果招きました。
もうここまで大規模なのは二度とやらないようにします。トホホ…。
ただ、買って損したという物だけは作る気ないのでそれだけは
宣言しておきます。
んじゃ、書けそうだったら連載書きますね。では…。
私信 へそまる嬢、本気でお疲れ様。今日はゆっくり休んでくれ…
ラストが決まっているのを前提の連載をやってみようと思い立って
始めたんですが…おかげでどっちも難産になって苦しむという
結果招きました。
もうここまで大規模なのは二度とやらないようにします。トホホ…。
ただ、買って損したという物だけは作る気ないのでそれだけは
宣言しておきます。
んじゃ、書けそうだったら連載書きますね。では…。
私信 へそまる嬢、本気でお疲れ様。今日はゆっくり休んでくれ…
…現在の時点での春コミ原稿の進行状況は結構、
いっぱいいっぱいで~す(汗)
それでも頑張れば完成する! と言い聞かせております。
3月1日は結構、作業する時間が取れる日なので今日が
正念場ですね。
3月7日の午後三時までにファイルを完成させて
金沢さんに送れるように頑張ります(ムン!)
本日の目標。
書き下ろしの3話~4話の編集まで完成させる。
口絵完成。
ちなみに口絵の下書きで、採用候補はこの二枚。
どちらもノマ単体。背景イメージは決まっているので
色塗りの際にどこまで香坂のレベルで表現出来るか
何ですけどね…(汗)
第一候補
第二候補
本日中にどちらかに決めて、完成させます。
作業頑張ります~。ではん。
(最近、翌朝になってから前日分の更新アップが多くて
本気でごめんなさい…)
いっぱいいっぱいで~す(汗)
それでも頑張れば完成する! と言い聞かせております。
3月1日は結構、作業する時間が取れる日なので今日が
正念場ですね。
3月7日の午後三時までにファイルを完成させて
金沢さんに送れるように頑張ります(ムン!)
本日の目標。
書き下ろしの3話~4話の編集まで完成させる。
口絵完成。
ちなみに口絵の下書きで、採用候補はこの二枚。
どちらもノマ単体。背景イメージは決まっているので
色塗りの際にどこまで香坂のレベルで表現出来るか
何ですけどね…(汗)
第一候補
第二候補
本日中にどちらかに決めて、完成させます。
作業頑張ります~。ではん。
(最近、翌朝になってから前日分の更新アップが多くて
本気でごめんなさい…)
※この作品は現在、不定期連載中です。(週1~2回程度のペースで掲載)
その為以前のを読み返しやすいようにトップにリンクを繋げておきます。
バーニングクリスマス!(不定期連載) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
ホテルに着いてから、御堂の心は浮き足立っていた。
ここに辿り着いてから、克哉が乗り気ではなく迷っている風な態度を
取り続けていた事は少し苛立ちを覚えていたが…それでも、早く決定打と
なるものが欲しかった。
彼のはっきりしない態度から、もしかしたら…自分以外の人間が心にいるかも
知れないと、その事実を薄々とは察していた。
しかしそれでも…今は構わなかった。
まだ、自分たちは口付けを交わした程度の間柄でしかない。
正式な「恋人」でも、既成事実がある訳でもないのだから…。
(だから…早く、君を手に入れてしまいたい…)
柄にもなく、確かに焦っている自分が確かにいた。
そうして…チェックインの手続きを済ませて、最上階の予約していた
スウィートルームの前まで辿り着いた。
しかし一瞬だけ何かとんでもないものがシュル、と音を立てて視界を
横切っていったので…御堂はつい、我が目を疑った。
―それを目の当たりにした瞬間、御堂は思考停止状態になった
現実を正しく認識するのを、意識が拒否していた。
それでも…部屋の前でいつまでも硬直して、身動きしないままでは
どうしようもない。
(今のは幻影か…見間違いの筈だ。そうに違いない…!)
無駄に心臓の鼓動がバクバクバクと乱れ始めていたが、小刻みに肩を
震わせながら深呼吸をして…荒れ狂う気持ちを宥めていく。
そうして…精神統一をしながらカードキーを差してキーロックを解いていき
部屋のドアノブに手を掛けて、とりあえず室内を確認してみようと思った。
「御堂さん! 駄目です!」
しかしドアが開く瞬間、克哉は必死の形相を浮かべながらドアを
開くのを阻もうとしていたが、遅かった。
部屋の扉が開かれた瞬間、勢い良く中から何かが飛び出して来た!!
―それは長い何かの植物の蔓だった
しかも奇妙なことに、表面はヌラヌラと粘液か何かを纏って光沢が
あるとても長い蔓だった。
何というかその奇妙な動きは、低俗なAVとかポルノとかに出てくる
触手ものというか…そんな卑猥なものを連想してしまう。
自分で意思があるように、蠢いている。
シュル、シュル、と何本か勢い良く飛び出した瞬間、思考が完全に
停止しそうだった。
これが現実だと…とても心が認めてくれなかったようだ。
御堂は生まれて初めて、異常事態に遭遇して茫然自失状態に陥り
掛けていたが…。
「御堂さん! 危ない!」
シュッッ!! と鋭い音を立てながらその生き物のような不気味な
蔓の一本がこちらに向かって振り下ろされていく。
克哉が必死になって、御堂を突き飛ばして…その魔の手から
守っていく。
代わりに克哉がその魔の手に掛かり、手首の辺りを捕らえられてしまう。
その瞬間、物陰に隠れていた本多が耐え切れずに躍り出た。
「克哉っ!」
「本多君!? 何故…君がここに!?」
「本多っ? どうしてここに…!」
「俺がここにどうしているかを聞くより、早く逃げろ! …こんな変なものに
捕まったら、どうなるか判らないだろうが!」
突然、ホテルの廊下の角から…克哉の同僚であり、御堂にとっては恋敵の
一人である本多憲二が姿を現したので、両者とも驚きの声を挙げていく。
絶対に、そんな反応をされるのは覚悟の上だった。
しかし…目の前で、例え惚れた相手が他の男とホテルの部屋に入ろうとしていた
直前であったとは言え…謎の蔓に襲われているとなっては、出て来ないで
いられる訳がなかった。
ハラワタは煮えくり返って、歯軋りをしたぐらいだ。
それでも、克哉をあんな得体の知れない生き物の餌食になるのを黙って
見過ごせる訳がなかった。
そんな男気を発揮して、非難を受ける覚悟で本多は飛び出していって…
全力で克哉の腕を捉えている蔓を引き千切り、ドアをバタンと勢い良く
閉めていく。
―ドン、ドン、ドン!!
中から、蔓がドアを全力で叩いているらしい轟音が響き渡っていく。
瞬間、静寂を称えていたホテル内にざわめきが生まれていった。
このフロアはVIPルームや、スウィートルームなど、通常よりも大きな
間取りの部屋が用意されている為、他の階に比べて部屋数は少ない。
しかし…これだけの騒ぎになれば、他の人間とて黙っている訳が
ないだろう。
奥の部屋の扉が僅かに開かれたのを見て、御堂は蒼白になっている。
こんな所で、男三人で騒いでいる所を誰かに見られてしまったら…
変な誤解や邪推を持たれる原因になってしまう。
そのせいですぐに動けずにいた御堂に代わって、本多は全力を込めて、
その扉を押さえていった。
「克哉、早く逃げろ! ここは俺が押さえておくから!」
「本多っ? そんな事したら…お前が…!」
「俺のことはどうでも良い! とりあえずこのフロアから逃げ出せ!
多分他の階に逃げればこの変な蔓だか触手も追っかけては来ない
だろうから…! それを見届けら俺も逃げるから気にするな!」
「本多君…判った、君の犠牲は無駄にしない…」
「こら、待て…! 勝手に人を犠牲者扱いするな! つか御堂…お前も
男なら一緒に押さえるぐらいしたらどうだ!!」
「断る。私にはそんな役割は似合わないからな」
きっぱりと言い切った御堂に、本多は憤りを感じたらしい。
怒りで額に欠陥を浮き立たせながら引きつった笑いを浮かべていく。
反射的に、本多は御堂に掴みかかりそうになった。
その瞬間、ドアを押さえる手が一瞬緩んで隙が生まれていく。
―獲物を見つけて浮き足立っている謎の植物はその隙を見逃さなかった
力が緩んだ瞬間に、中から勢い良く扉が開け放たれていく。
「うわっ!」
「わわわっ!」
「うぐっ!」
三者とも、それぞれ異なった悲鳴を上げていきながら咄嗟に扉の前で
転がって、触手から逃れようと身を翻していった。
それで皮肉にも、御堂と本多は扉の向こう…克哉は扉の外へと分断されて
いってしまう。
扉で遮られて、死角が生まれてしまい…二人の様子が見えない。
「本多っ! 御堂さん!」
慌てて、二人が餌食になっていないか不安になって克哉はそちらの
方を覗き見ようと歩み寄ろうとした瞬間…。
『お前は馬鹿か…? みすみす…自ら捕まりにでも行くつもりか?』
背後から、聞き覚えのある低く掠れた声が聞こえた。
我が耳を疑いかけた。
何故、彼がここにいるのか…戦慄に似た思いすら抱きながらも
慌ててその方向を振り返っていくと…其処には幻でも何でもなく、
確かにもう一人の自分が立っていた。
「嘘、だろ…?」
これが現実のことなのか、疑いかけてしまう。
しかし何度瞬きを繰り返しても、彼の姿が消えることはなかった。
次の瞬間…強烈なぐらいに、甘ったるく蟲惑的な香りがフロア中に満たされて
意識が遠のきかける。
「な、んだ…これ…?」
それはまるで…こちらの意識を深い眠りへと誘う、奇妙な香りだった。
『…あの男が作った、強烈な眠りの香だ…。中和剤を飲んでいなければ人間
だろうが植物だろうが…その香りの中では立っていられなくなる。
これで…あの男のペットである蔓も無効化出来る筈だから…あの二人の
事も心配しなくて良い。皆、今は眠りに引き込まれているからな…』
「えっ…それ、は…一体…?」
しかし克哉が問いかけると同時に、もう一人の自分の
何故、ここに…こいつがいるのか、克哉は驚きで頭が真っ白になって
しまいそうだった。
しかし…強烈な睡魔に襲われてしまって、言葉がまともに紡げない。
『後始末は…あの男の配下が全てやってくれる筈だ…。だから騒ぎに
なる事はない。お前は何も心配しなくて…良いんだ…』
「あっ…」
朦朧とした意識の中、霞んだ視界に…確かにもう一人の自分の整った
顔立ちが浮かんでいた。
それを見て、克哉は強烈な安堵を覚えていく。
「『俺』…」
静かに、彼を呼んでいく。
顔を見ているだけで胸が締め付けられて…泣いてしまいそうだった。
他の男と、ホテルの部屋に入ろうとしていた。
その事実が、克哉の心に罪悪となって広がっていく。
けれど…同時に、久しぶりに彼の顔を見れたという…嬉しさの方が
束の間勝って、克哉は無意識の内に微笑んでいた。
『馬鹿が…気が気じゃ、なかったぞ…』
そうして、軽く背中を支えられて身体を半分だけ起こされていくと…
噛み付くような口付けを落とされた。
乱暴なキスだった。けれど…久しぶりに触れる彼の唇に、色んな
想いが溢れて来た。
「ふっ…ぅ…」
複雑な想いがグチャグチャになって、知らぬ間に涙を零していた。
強く、もう一人の自分に抱きしめられているのが判った。
痛いぐらいの抱擁…それが、言葉にしてくれなくても…彼の気持ちを
示してくれているような、そんな気がした。
(そういえばどこかのドラマとか…映画とかであったな。人の気持ちというのは
言葉ではなく…仕草とか、行動とか動作とか…そういうのに、どれだけ隠して
いても現れるものだって…)
彼は本当に、言葉が足りない。
だからいつだって克哉は不安で仕方なかった。
けれど…ギリギリだったが、今…これから他の男に抱かれようとした
寸前とは言え、今…ここに彼が存在している。
それが…何よりの答えのように感じられた。
(お前は…オレが、御堂さんに抱かれるのを黙って見過ごしたりなんて…
しなかったんだな…)
そう感じた瞬間、あの蔓が御堂が予約した部屋に存在していたのも
単なる偶然ではない気がした。
だから意識が途切れそうになった瞬間、無意識の内に呟いていた。
「もしか、して…あの、蔓も…お前、が…?」
『当然だ。お前が…他の男に抱かれるのを黙って俺が
見過ごすとでも思っていたのか…? お前は俺のものだ。
自分のものを、指を咥えて他の男に抱かれるのを見逃して
やる程、俺は甘い奴じゃない…』
それはぶっきらぼうな物言いだった。
けれど…今の克哉にとって、それだけで充分だった。
―お前は俺のものだ
たった一言、好きだとか愛しているとかそんなに甘い響きを持った
言葉ではない。
けれど…それで良かった。
黙って他の男に抱かれるのを見過ごされて、何のリアクションも
示してくれないでいるよりも…ずっと。
「…そう、だね…。良かった…」
お前が、来てくれて。
迷った心のままで、御堂に抱かれなくて。
確かに自分の中にはすでに…御堂に惹かれている部分はあった。
恐らくもう一人の自分の存在が胸に巣食う以前であったなら…克哉はきっと
御堂を本気で好きになって一途に想っていただろう。
けれど、駄目なのだ。不毛な恋だと判っていても…克哉の心の中には
もう一人の自分が根付いてしまっている。
彼との関係がもう完全に修復不能な限り、終焉を迎えない限りは…
他の男に抱かれることに抵抗があった。
それが…今、やっと思い知った。
(きっと…こんな迷った状態で御堂さんに抱かれていたら…自分だけじゃなくて、
この人まで深く傷つけていた…。それくらいだったら、これで良かったんだ…)
克哉は泣きながら、縋り付くように眼鏡のスーツの袖口を強く握り締めていった。
確かに、存在している。
目の前に、もう一人の自分がいてくれる。
胸の中に…自分が中途半端に誘って期待を持たせてしまった人間たちの
顔が次々に浮かんで、苦しくなった。
安堵と、後悔。その二つの感情が綯い交ぜになって…克哉の頬を濡らしていく。
そんな克哉の目元に口付けながら、小さく彼が呟く。
『もう眠れ…。お前がした事の後処理に関しては俺も協力して片を
つけてやる…。だから今ぐらいは、安心して眠れ。傍にいてやるから…』
「んっ…」
その言葉は、今の克哉の心に深く染み入っていった。
そうして…ついに抗い切れずに、克哉は意識を手放していった。
―深い所に意識が堕ちていく
そんな彼を、眼鏡は複雑な想いで見下ろして…このフロアに確保してあった
もう一つのスウィートルームへと、眠る克哉を運んでいったのだった―
その為以前のを読み返しやすいようにトップにリンクを繋げておきます。
バーニングクリスマス!(不定期連載) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
ホテルに着いてから、御堂の心は浮き足立っていた。
ここに辿り着いてから、克哉が乗り気ではなく迷っている風な態度を
取り続けていた事は少し苛立ちを覚えていたが…それでも、早く決定打と
なるものが欲しかった。
彼のはっきりしない態度から、もしかしたら…自分以外の人間が心にいるかも
知れないと、その事実を薄々とは察していた。
しかしそれでも…今は構わなかった。
まだ、自分たちは口付けを交わした程度の間柄でしかない。
正式な「恋人」でも、既成事実がある訳でもないのだから…。
(だから…早く、君を手に入れてしまいたい…)
柄にもなく、確かに焦っている自分が確かにいた。
そうして…チェックインの手続きを済ませて、最上階の予約していた
スウィートルームの前まで辿り着いた。
しかし一瞬だけ何かとんでもないものがシュル、と音を立てて視界を
横切っていったので…御堂はつい、我が目を疑った。
―それを目の当たりにした瞬間、御堂は思考停止状態になった
現実を正しく認識するのを、意識が拒否していた。
それでも…部屋の前でいつまでも硬直して、身動きしないままでは
どうしようもない。
(今のは幻影か…見間違いの筈だ。そうに違いない…!)
無駄に心臓の鼓動がバクバクバクと乱れ始めていたが、小刻みに肩を
震わせながら深呼吸をして…荒れ狂う気持ちを宥めていく。
そうして…精神統一をしながらカードキーを差してキーロックを解いていき
部屋のドアノブに手を掛けて、とりあえず室内を確認してみようと思った。
「御堂さん! 駄目です!」
しかしドアが開く瞬間、克哉は必死の形相を浮かべながらドアを
開くのを阻もうとしていたが、遅かった。
部屋の扉が開かれた瞬間、勢い良く中から何かが飛び出して来た!!
―それは長い何かの植物の蔓だった
しかも奇妙なことに、表面はヌラヌラと粘液か何かを纏って光沢が
あるとても長い蔓だった。
何というかその奇妙な動きは、低俗なAVとかポルノとかに出てくる
触手ものというか…そんな卑猥なものを連想してしまう。
自分で意思があるように、蠢いている。
シュル、シュル、と何本か勢い良く飛び出した瞬間、思考が完全に
停止しそうだった。
これが現実だと…とても心が認めてくれなかったようだ。
御堂は生まれて初めて、異常事態に遭遇して茫然自失状態に陥り
掛けていたが…。
「御堂さん! 危ない!」
シュッッ!! と鋭い音を立てながらその生き物のような不気味な
蔓の一本がこちらに向かって振り下ろされていく。
克哉が必死になって、御堂を突き飛ばして…その魔の手から
守っていく。
代わりに克哉がその魔の手に掛かり、手首の辺りを捕らえられてしまう。
その瞬間、物陰に隠れていた本多が耐え切れずに躍り出た。
「克哉っ!」
「本多君!? 何故…君がここに!?」
「本多っ? どうしてここに…!」
「俺がここにどうしているかを聞くより、早く逃げろ! …こんな変なものに
捕まったら、どうなるか判らないだろうが!」
突然、ホテルの廊下の角から…克哉の同僚であり、御堂にとっては恋敵の
一人である本多憲二が姿を現したので、両者とも驚きの声を挙げていく。
絶対に、そんな反応をされるのは覚悟の上だった。
しかし…目の前で、例え惚れた相手が他の男とホテルの部屋に入ろうとしていた
直前であったとは言え…謎の蔓に襲われているとなっては、出て来ないで
いられる訳がなかった。
ハラワタは煮えくり返って、歯軋りをしたぐらいだ。
それでも、克哉をあんな得体の知れない生き物の餌食になるのを黙って
見過ごせる訳がなかった。
そんな男気を発揮して、非難を受ける覚悟で本多は飛び出していって…
全力で克哉の腕を捉えている蔓を引き千切り、ドアをバタンと勢い良く
閉めていく。
―ドン、ドン、ドン!!
中から、蔓がドアを全力で叩いているらしい轟音が響き渡っていく。
瞬間、静寂を称えていたホテル内にざわめきが生まれていった。
このフロアはVIPルームや、スウィートルームなど、通常よりも大きな
間取りの部屋が用意されている為、他の階に比べて部屋数は少ない。
しかし…これだけの騒ぎになれば、他の人間とて黙っている訳が
ないだろう。
奥の部屋の扉が僅かに開かれたのを見て、御堂は蒼白になっている。
こんな所で、男三人で騒いでいる所を誰かに見られてしまったら…
変な誤解や邪推を持たれる原因になってしまう。
そのせいですぐに動けずにいた御堂に代わって、本多は全力を込めて、
その扉を押さえていった。
「克哉、早く逃げろ! ここは俺が押さえておくから!」
「本多っ? そんな事したら…お前が…!」
「俺のことはどうでも良い! とりあえずこのフロアから逃げ出せ!
多分他の階に逃げればこの変な蔓だか触手も追っかけては来ない
だろうから…! それを見届けら俺も逃げるから気にするな!」
「本多君…判った、君の犠牲は無駄にしない…」
「こら、待て…! 勝手に人を犠牲者扱いするな! つか御堂…お前も
男なら一緒に押さえるぐらいしたらどうだ!!」
「断る。私にはそんな役割は似合わないからな」
きっぱりと言い切った御堂に、本多は憤りを感じたらしい。
怒りで額に欠陥を浮き立たせながら引きつった笑いを浮かべていく。
反射的に、本多は御堂に掴みかかりそうになった。
その瞬間、ドアを押さえる手が一瞬緩んで隙が生まれていく。
―獲物を見つけて浮き足立っている謎の植物はその隙を見逃さなかった
力が緩んだ瞬間に、中から勢い良く扉が開け放たれていく。
「うわっ!」
「わわわっ!」
「うぐっ!」
三者とも、それぞれ異なった悲鳴を上げていきながら咄嗟に扉の前で
転がって、触手から逃れようと身を翻していった。
それで皮肉にも、御堂と本多は扉の向こう…克哉は扉の外へと分断されて
いってしまう。
扉で遮られて、死角が生まれてしまい…二人の様子が見えない。
「本多っ! 御堂さん!」
慌てて、二人が餌食になっていないか不安になって克哉はそちらの
方を覗き見ようと歩み寄ろうとした瞬間…。
『お前は馬鹿か…? みすみす…自ら捕まりにでも行くつもりか?』
背後から、聞き覚えのある低く掠れた声が聞こえた。
我が耳を疑いかけた。
何故、彼がここにいるのか…戦慄に似た思いすら抱きながらも
慌ててその方向を振り返っていくと…其処には幻でも何でもなく、
確かにもう一人の自分が立っていた。
「嘘、だろ…?」
これが現実のことなのか、疑いかけてしまう。
しかし何度瞬きを繰り返しても、彼の姿が消えることはなかった。
次の瞬間…強烈なぐらいに、甘ったるく蟲惑的な香りがフロア中に満たされて
意識が遠のきかける。
「な、んだ…これ…?」
それはまるで…こちらの意識を深い眠りへと誘う、奇妙な香りだった。
『…あの男が作った、強烈な眠りの香だ…。中和剤を飲んでいなければ人間
だろうが植物だろうが…その香りの中では立っていられなくなる。
これで…あの男のペットである蔓も無効化出来る筈だから…あの二人の
事も心配しなくて良い。皆、今は眠りに引き込まれているからな…』
「えっ…それ、は…一体…?」
しかし克哉が問いかけると同時に、もう一人の自分の
何故、ここに…こいつがいるのか、克哉は驚きで頭が真っ白になって
しまいそうだった。
しかし…強烈な睡魔に襲われてしまって、言葉がまともに紡げない。
『後始末は…あの男の配下が全てやってくれる筈だ…。だから騒ぎに
なる事はない。お前は何も心配しなくて…良いんだ…』
「あっ…」
朦朧とした意識の中、霞んだ視界に…確かにもう一人の自分の整った
顔立ちが浮かんでいた。
それを見て、克哉は強烈な安堵を覚えていく。
「『俺』…」
静かに、彼を呼んでいく。
顔を見ているだけで胸が締め付けられて…泣いてしまいそうだった。
他の男と、ホテルの部屋に入ろうとしていた。
その事実が、克哉の心に罪悪となって広がっていく。
けれど…同時に、久しぶりに彼の顔を見れたという…嬉しさの方が
束の間勝って、克哉は無意識の内に微笑んでいた。
『馬鹿が…気が気じゃ、なかったぞ…』
そうして、軽く背中を支えられて身体を半分だけ起こされていくと…
噛み付くような口付けを落とされた。
乱暴なキスだった。けれど…久しぶりに触れる彼の唇に、色んな
想いが溢れて来た。
「ふっ…ぅ…」
複雑な想いがグチャグチャになって、知らぬ間に涙を零していた。
強く、もう一人の自分に抱きしめられているのが判った。
痛いぐらいの抱擁…それが、言葉にしてくれなくても…彼の気持ちを
示してくれているような、そんな気がした。
(そういえばどこかのドラマとか…映画とかであったな。人の気持ちというのは
言葉ではなく…仕草とか、行動とか動作とか…そういうのに、どれだけ隠して
いても現れるものだって…)
彼は本当に、言葉が足りない。
だからいつだって克哉は不安で仕方なかった。
けれど…ギリギリだったが、今…これから他の男に抱かれようとした
寸前とは言え、今…ここに彼が存在している。
それが…何よりの答えのように感じられた。
(お前は…オレが、御堂さんに抱かれるのを黙って見過ごしたりなんて…
しなかったんだな…)
そう感じた瞬間、あの蔓が御堂が予約した部屋に存在していたのも
単なる偶然ではない気がした。
だから意識が途切れそうになった瞬間、無意識の内に呟いていた。
「もしか、して…あの、蔓も…お前、が…?」
『当然だ。お前が…他の男に抱かれるのを黙って俺が
見過ごすとでも思っていたのか…? お前は俺のものだ。
自分のものを、指を咥えて他の男に抱かれるのを見逃して
やる程、俺は甘い奴じゃない…』
それはぶっきらぼうな物言いだった。
けれど…今の克哉にとって、それだけで充分だった。
―お前は俺のものだ
たった一言、好きだとか愛しているとかそんなに甘い響きを持った
言葉ではない。
けれど…それで良かった。
黙って他の男に抱かれるのを見過ごされて、何のリアクションも
示してくれないでいるよりも…ずっと。
「…そう、だね…。良かった…」
お前が、来てくれて。
迷った心のままで、御堂に抱かれなくて。
確かに自分の中にはすでに…御堂に惹かれている部分はあった。
恐らくもう一人の自分の存在が胸に巣食う以前であったなら…克哉はきっと
御堂を本気で好きになって一途に想っていただろう。
けれど、駄目なのだ。不毛な恋だと判っていても…克哉の心の中には
もう一人の自分が根付いてしまっている。
彼との関係がもう完全に修復不能な限り、終焉を迎えない限りは…
他の男に抱かれることに抵抗があった。
それが…今、やっと思い知った。
(きっと…こんな迷った状態で御堂さんに抱かれていたら…自分だけじゃなくて、
この人まで深く傷つけていた…。それくらいだったら、これで良かったんだ…)
克哉は泣きながら、縋り付くように眼鏡のスーツの袖口を強く握り締めていった。
確かに、存在している。
目の前に、もう一人の自分がいてくれる。
胸の中に…自分が中途半端に誘って期待を持たせてしまった人間たちの
顔が次々に浮かんで、苦しくなった。
安堵と、後悔。その二つの感情が綯い交ぜになって…克哉の頬を濡らしていく。
そんな克哉の目元に口付けながら、小さく彼が呟く。
『もう眠れ…。お前がした事の後処理に関しては俺も協力して片を
つけてやる…。だから今ぐらいは、安心して眠れ。傍にいてやるから…』
「んっ…」
その言葉は、今の克哉の心に深く染み入っていった。
そうして…ついに抗い切れずに、克哉は意識を手放していった。
―深い所に意識が堕ちていく
そんな彼を、眼鏡は複雑な想いで見下ろして…このフロアに確保してあった
もう一つのスウィートルームへと、眠る克哉を運んでいったのだった―
修羅場の最中にパソコン壊れて、色んなことに
支障出まくっている香坂です。
こんばんは! 何か24~25日は新しいパソコンをいかにして
最低限使えるように持って行くかで一日終わりました。
saiもフォトショップエレメンタルも、プリンターもペンタブレットも
必要なソフトも何もかもを入れなおさないとあかんかったので
ソフトを探したり、古いバージョンのソフトの物は本元のサポートページを
確認しながらvistaに対応するように合わせたりしていました。
…そのせいあって、どうにか最低限のツールだけは
どうにか起動出来ました。
印刷所に出す際にはまだ色々とせなあかんけど、まず…今回は
前扉に当たるページと口絵を香坂が自力でやる事にしたので
本日はこんなのを地道に作っておりました。
…現在、ペンタブのドライバーはインストール出来たんだけど
不慮の事故(つか、落下)でペンタブまでご臨終しまして…WACOM
さんから取り寄せる羽目になりました。
…それでもマウスでポチポチ押して前扉のお星様を作るぐらい
出来るだろう…と地道にやった物の結晶。
…こんなのでも作成に一時間以上掛かっています。
星を打つのって、意外に大変でした。
けど、まだ物足りないのでもう何百個かお星様を打ち込んで
螺旋の星光というか、FFⅦ風に言うのなら命の流れというか
星の光が瞬いているというか…そういうのを表現したいので
頑張るっす!
…まあ、本文に関しては…火事場のくそ力が出れば仕上がるでしょう。
本気でやればどうにかなる。
ちょっと不慮のトラブルにより…連載、二日ほど休ませて頂きました。
26日分は、頑張って書きます。
口絵の方は…依頼していた方がどうも今、忙しくて大変そうなので…それなら
相手様に負担掛けない為にも、自力でやってみるか…と香坂が挑戦
してみることにしました。
満足いく出来のが書けたら、新刊にカラーページが一枚つきます。
イマイチの物しか出来なかったらつかない、とまあ…そんな感じで。
こっちは自分で描くことが決まった日に、習作見たいのを一枚描いてみました。
saiを使ってペンタブで描いた奴です。
文字入れとサイズ調整のみ、フォトショップを使用していますが。
こんなの~。
これは現在やっている原稿の、2話目ぐらいに出てくる場面なので
口絵はもうちょい優しい感じというか、ハッピーな感じに仕上げる予定。
まあ自分の小説の場面を、自力で描いてみるというのを試しに
やってみたという感じです。これは収録されないのであしからず(ペコ)
…まあ、どんな修羅場でもトラブルはつきものだし。
データーが全部ロストして、最初からやり直しという羽目にならなかっただけ
ヨシとします。(携帯で書いたのは、転送先のホットメールの方に本文のバックアップが
残るから…完全に消えることはほぼないんですけどね)
つ~訳で頑張ります。えいえいお~。
支障出まくっている香坂です。
こんばんは! 何か24~25日は新しいパソコンをいかにして
最低限使えるように持って行くかで一日終わりました。
saiもフォトショップエレメンタルも、プリンターもペンタブレットも
必要なソフトも何もかもを入れなおさないとあかんかったので
ソフトを探したり、古いバージョンのソフトの物は本元のサポートページを
確認しながらvistaに対応するように合わせたりしていました。
…そのせいあって、どうにか最低限のツールだけは
どうにか起動出来ました。
印刷所に出す際にはまだ色々とせなあかんけど、まず…今回は
前扉に当たるページと口絵を香坂が自力でやる事にしたので
本日はこんなのを地道に作っておりました。
…現在、ペンタブのドライバーはインストール出来たんだけど
不慮の事故(つか、落下)でペンタブまでご臨終しまして…WACOM
さんから取り寄せる羽目になりました。
…それでもマウスでポチポチ押して前扉のお星様を作るぐらい
出来るだろう…と地道にやった物の結晶。
…こんなのでも作成に一時間以上掛かっています。
星を打つのって、意外に大変でした。
けど、まだ物足りないのでもう何百個かお星様を打ち込んで
螺旋の星光というか、FFⅦ風に言うのなら命の流れというか
星の光が瞬いているというか…そういうのを表現したいので
頑張るっす!
…まあ、本文に関しては…火事場のくそ力が出れば仕上がるでしょう。
本気でやればどうにかなる。
ちょっと不慮のトラブルにより…連載、二日ほど休ませて頂きました。
26日分は、頑張って書きます。
口絵の方は…依頼していた方がどうも今、忙しくて大変そうなので…それなら
相手様に負担掛けない為にも、自力でやってみるか…と香坂が挑戦
してみることにしました。
満足いく出来のが書けたら、新刊にカラーページが一枚つきます。
イマイチの物しか出来なかったらつかない、とまあ…そんな感じで。
こっちは自分で描くことが決まった日に、習作見たいのを一枚描いてみました。
saiを使ってペンタブで描いた奴です。
文字入れとサイズ調整のみ、フォトショップを使用していますが。
こんなの~。
これは現在やっている原稿の、2話目ぐらいに出てくる場面なので
口絵はもうちょい優しい感じというか、ハッピーな感じに仕上げる予定。
まあ自分の小説の場面を、自力で描いてみるというのを試しに
やってみたという感じです。これは収録されないのであしからず(ペコ)
…まあ、どんな修羅場でもトラブルはつきものだし。
データーが全部ロストして、最初からやり直しという羽目にならなかっただけ
ヨシとします。(携帯で書いたのは、転送先のホットメールの方に本文のバックアップが
残るから…完全に消えることはほぼないんですけどね)
つ~訳で頑張ります。えいえいお~。
香坂です。
えっと…24日早朝に、メインのパソコンがご臨終致しました。
とりあえず早朝に最低限のデーターを外付けのHDに
移すのだけはどうにか出来ましたけど、新しいPCの方を
ネット出来るようにしたり…データー移したりやっていたら
連載やる余裕はありませんでした(汗)
一応携帯の方で先月から地道に進めて、30~40P分はトータルで
書き上げたているので、このトラブルで本が落ちるって事はないすが…。
とりあえず、幸いにもドキュメント内のデーターだけは
全部バックアップ取るのに成功しました(ホッ)
ただ、色々とディスクを探して再インストールとかしないと
満足にパソコンが使えそうにないので、25日分の更新は
ギリギリになると思います。
とりあえず今日中には最低限の機能を使えるように
だけはしないと…春コミ原稿という名の修羅場は乗り越えられそうに
ありません。トホホ…。
つ~訳でちょいと色々と改めて入れて来ます。
ペンタブレットのディスクと、プリンターのディスクや~い、
どこ行った~!という状態。
この二つの発掘作業(お部屋探索)してきます。
…本気で重要なものを、どこにやっているんだよ自分と突っ込み
入れたいです。がお…(T○T)
えっと…24日早朝に、メインのパソコンがご臨終致しました。
とりあえず早朝に最低限のデーターを外付けのHDに
移すのだけはどうにか出来ましたけど、新しいPCの方を
ネット出来るようにしたり…データー移したりやっていたら
連載やる余裕はありませんでした(汗)
一応携帯の方で先月から地道に進めて、30~40P分はトータルで
書き上げたているので、このトラブルで本が落ちるって事はないすが…。
とりあえず、幸いにもドキュメント内のデーターだけは
全部バックアップ取るのに成功しました(ホッ)
ただ、色々とディスクを探して再インストールとかしないと
満足にパソコンが使えそうにないので、25日分の更新は
ギリギリになると思います。
とりあえず今日中には最低限の機能を使えるように
だけはしないと…春コミ原稿という名の修羅場は乗り越えられそうに
ありません。トホホ…。
つ~訳でちょいと色々と改めて入れて来ます。
ペンタブレットのディスクと、プリンターのディスクや~い、
どこ行った~!という状態。
この二つの発掘作業(お部屋探索)してきます。
…本気で重要なものを、どこにやっているんだよ自分と突っ込み
入れたいです。がお…(T○T)
現在、春コミ原稿を水面下でチョコチョコ執筆して進めているので
ちょいと18日分はお休みします。
(現時点で書き下ろしの1話&2話目はほぼ完了しました。
これから三話目の執筆に入ります)
代わりに19日分はキチンと書いて行きますので
ご了承下さい。
明日は何故か家族でデズニーシーに行くことになりました。
…つか、出かける前にバレンタイン編の続き書いて
出て行くようにします。
…PCと携帯持って、原稿やります。
車の中ではPCで書いて…乗り物待ちしている間に
少しでも書き進めようかと…。
週末には法事で東京に出るし…本気で携帯で原稿を
いかにして進めるかが鍵になりそうです…(ルルルル~)
とりあえず、近日中に何ページの本にするか、構想はどうするか
完全に固めるつもりなので、その上でサイト上でアナウンスします。
現時点で報告出来ることをざっと書いておきます。
春コミの新刊は全部で100~108P、口絵は一枚あるかないか…(まだ未定)
挿絵は4~5枚(一枚は香坂が自分で挑戦する予定)です。
前回収録出来なかった4話の他に、現在連載中のバレンタイン編、
書き下ろしが4~5話ぐらい入る予定です。
全部で…8~10話ぐらいのボリュームになるかな。
へそまる嬢が気合入れて、表紙と挿絵を描いてくれています。
だから…買って損をさせない物を私も仕上げる気満々です。
今の時点で決まっているのはこんな感じ。
来週辺りには90%以上、どうなるかが決まるのでそれから
正式にページをアップさせて頂きます。
本日は近況報告だけで失礼しますね。
では原稿の方も頑張ります。おやすみなさい~。
ちょいと18日分はお休みします。
(現時点で書き下ろしの1話&2話目はほぼ完了しました。
これから三話目の執筆に入ります)
代わりに19日分はキチンと書いて行きますので
ご了承下さい。
明日は何故か家族でデズニーシーに行くことになりました。
…つか、出かける前にバレンタイン編の続き書いて
出て行くようにします。
…PCと携帯持って、原稿やります。
車の中ではPCで書いて…乗り物待ちしている間に
少しでも書き進めようかと…。
週末には法事で東京に出るし…本気で携帯で原稿を
いかにして進めるかが鍵になりそうです…(ルルルル~)
とりあえず、近日中に何ページの本にするか、構想はどうするか
完全に固めるつもりなので、その上でサイト上でアナウンスします。
現時点で報告出来ることをざっと書いておきます。
春コミの新刊は全部で100~108P、口絵は一枚あるかないか…(まだ未定)
挿絵は4~5枚(一枚は香坂が自分で挑戦する予定)です。
前回収録出来なかった4話の他に、現在連載中のバレンタイン編、
書き下ろしが4~5話ぐらい入る予定です。
全部で…8~10話ぐらいのボリュームになるかな。
へそまる嬢が気合入れて、表紙と挿絵を描いてくれています。
だから…買って損をさせない物を私も仕上げる気満々です。
今の時点で決まっているのはこんな感じ。
来週辺りには90%以上、どうなるかが決まるのでそれから
正式にページをアップさせて頂きます。
本日は近況報告だけで失礼しますね。
では原稿の方も頑張ります。おやすみなさい~。
少し緊張気味に夕食を無事に終えると…相手がシャワーを
浴びている間に片付けと…チョコレートの用意をしていった。
バスルームの方から、水音が聞こえている間…自分の鼓動が
ドキドキしているのが判った。
(…本当に喜んでくれるかなぁ…)
先程、店で買ってきた生チョコレートの入った四角い箱を眺めて
いきながら溜息を突いていく。
…この日に自分から本命チョコを挙げるなど、初めての経験だ。
(去年…本多があまりにうるさくせがむから、仕方なく…コンビニで
100円で売っているガーナチョコレートを買って義理チョコとして
挙げたけど…あの時と全然違うよなぁ…)
そういえば去年は、太一と本多がこのくらいの時期にやたらと
うるさかったので…買って贈っていた事を思い出す。
確か本多が100円程度で、太一のが…その年に新商品として出た
250円程度のプレミアムチョコレートだったことを思い出す。
だが、克哉にとってはやはり…それらは相手から望まれたから贈ったもので
あって…本命に贈るという緊張感はまったくなかった。
実際、今朝…眼鏡にあんな風に言われるまでは、克哉はこの日にチョコレートを
贈ろうなどとまったく考えたこともなかった。
だからこそ余計に、色々と考えてしまう。
―やっぱり、手作りした方が良かったのかな…
いざ、贈る段階になると…買って来たもので済ませてしまうのは凄く
罪悪感が湧いてしまった。
あんなに期待しているようだったら、不安でも何でも…自分は手作りチョコを
作るべきでなかったのか。
昼間にテレビで何回も、手作りチョコの作り方とか…講座が開かれている
のを見て、薄々とそう感じてはいたが…手渡す瞬間が近づけば近づくだけ
その想いは強まっていく。
―買って来たものでも、あいつは喜んでくれるかなぁ…
本当に、もう一人の自分が好きだからこそ…余計なことを考えて
ドキドキしてしまっていた。
暫く、赤いベルベッドを思わせる包装紙に包まれたチョコレートを眺めて
いきながら…逡巡していく。
眼鏡のシャワー時間はあまり長くない。大体、10~15分もあれば上がって
来るのが通例だった。
…今から手作りしたって、間に合う訳がない。
最低でも30分から一時間は見ておかなければ…手作りを相手に贈ることは
無理だった。
ガラリ、と硝子の引き戸が開かれる音が奥の方から聞こえていく。
「あっ…もう、あいつが来る頃だよな…」
一瞬、このまま食堂にいるか…それとも、ベッドルームに向かうか
考えていった。
…風呂から相手が上がったら、後はいつどこで押し倒されてしまっても
おかしくない状況になる。
…後始末の事や、身体の負担を考えたら寝室に移動した方が良い。
そう思って移動しようとした瞬間、風呂から上がったもう一人の自分と
ばったり廊下で遭遇した。
「うわっ…!」
克哉は思いっきり顔を赤らめて、声を漏らしていった。
もう一人の自分は…腰にバスタオルを巻いただけで、上半身は
裸のままだったからだ。
すでに見慣れている姿の筈なのに、やっぱり明るい照明の下で相手の
裸を見てしまうと…妙に意識をしてしまう。
「…相変わらず初心な反応をするな。…俺の裸など、散々見慣れて
いる筈なのにな…」
「そ、そんな事言われたって…」
そう言いながら、相手の脇をすり抜けて…チョコを胸元で大事そうに
抱えていきながら…寝室に向かおうとした。
しかしもう一人の自分は、それを見逃してはくれなかった。
相手の脇を抜けようとした瞬間、がっちりと手首を掴まれてしまって強引に
引き寄せられていく。
「わわっ…!」
そして問答無用で、ペロリと口元を舐められていった。
気分は瞬間沸騰だ。
克哉は本気で、憤死するんじゃないかと疑いたくなるぐらいに…顔を
紅潮させてジタバタと暴れていく。
「い、いきなり何をするんだよ! 心臓に悪いだろ…!」
それでもびっくりしても、これから相手に贈る予定であるチョコは
しっかりと胸元に抱きかかえていた。
けれどバクバクバクと荒い脈動を繰り返しているのが自分でも
充分に判ってしまった。
「…クク、お前がそんなに隙があるのが悪いんだろう…? そんな
無防備な様子で傍をすり抜けようとしているのを見たら…チョッカイを
掛けるなという方が無理だ…」
「…何だよ、その理論は…! 何でそんなに意地悪なんだよ…お前は…!」
克哉がプイ、と顔を背けて拗ねていくと…ふいに相手の顔が
間近に寄せられていった。
そんな彼の耳元に、熱い吐息を吹きかけながら囁きを落としていく。
「…そんな顔をするな。ここで速攻で食いたくなる…」
「な、ななななっ…!」
しかもその瞬間、カプっと耳朶まで甘く食まれてしまったのだから
克哉の動揺は半端ではなくなってしまった。
そのまま…ねっとりとした甘く尾骶骨にまで響くような官能的な
声音で、眼鏡は際どい発言を紡いでいった。
―お前をこのままグチャグチャになるまで犯して、貪り尽くしたい…
そんな腰砕けになるような発言を落として、グチャリと…耳孔に熱い舌を
差し込まれたものだから、克哉は混乱状態に陥った。
腰がマジで立たなくなりそうで…ついでにいうと恥ずかしさの余りに
パニックに陥ってしまった。
ワタワタワタ…と慌てふためきながら、つい克哉は大声で叫んでしまっていた。
「バカッ! 意地悪! 鬼畜~! そんな行動や言動ばっかりして来て…
オレをからかってばかりじゃないか! もう…お前なんて…知らないっ!」
せっかくチョコを贈る気満々で…今日一日、頑張って買いに出たり、
悩んだり迷ったりしたのに…相手にからかわれてばかりで、ついに
克哉は憤ってしまった。
本気で腹立てている訳ではない。
けれど、やっぱり…意地悪な振る舞いと言動ばかりをされてしまって
いるのに悔しくなったのだ。
そう叫んで、素早く相手から身を離していくと…すぐ脇にあった寝室の
扉に慌てて身を滑らせていく。
バッタン!!
そうして、内側から鍵を掛けて篭っていく。
すぐ後にもう一人の自分も慌ててドアノブに手を掛けて中に入ろうと
試みたのだろう。
ガチャガチャ、とノブを回す音が聞こえていったが…扉が開く気配は
まったくなかった。
まさに天の岩戸状態だった。
「…おい、マジでお前は篭るつもりか…?」
『お前なんて…知らないっ! こっちがどんなつもりで…今日一日を
過ごしていたかとか、全然考えてもくれてないみたいだし! 意地悪な
発言とか、行動ばっかりだし…!』
「お前が意地悪したくなるぐらいに、可愛い過ぎるから悪い」
扉越しに眼鏡がきっぱりと言い切っていくと…克哉の方は絶句してしまい…
その後、暫く間があった。
『…うわ~!聞いてて恥ずかしくなった! 『俺』のバカ~!!』
そして、気恥ずかしさの余りに克哉は思いっきり叫んでしまっていた。
しかし…扉を開ける気配はまったくなかった。
その間も何度も眼鏡の方からノブを回していくが…やはり開けられる気配はない。
このまま…チョコも貰えずに、扉の向こうで引き込まれてしまったら…こちらと
しては抱く気満々だっただけに、溜まったものではない。
(まったく…拗ねてしまったあいつの機嫌をどう回復させるかな…)
どうやら、ちょっと力を入れて帰宅してからずっとからかい続けてしまった
ツケがここで来てしまったようだ。
思い返せば、夕食の最中も彼は何度も、克哉を茶化し続けてしまっていた。
嗜虐性がある性格なので、相手が可愛いと思えば思うほど…ついいじめたくなって
しまうのだが、ちょっと今夜は相手側の限度を越えてしまったらしい。
「…まったく、熱を入れすぎてしまったようだな…」
溜息を突きながら、その事実を受け入れていくと…暫く眼鏡は
考えあぐねいでいった。
…どうやって、この扉を開くか。眼鏡は必死に考えていき…ふと、リビングと
すぐ近くの天井の方を見遣っていった。
―良いものがあったな…これを活用するか…
視線を向けた方向に、相手をいぶり出すのに最適なものがあった。
そのまま…強気な笑みを浮かべて、一旦リビングに戻っていく。
…机の上に、必要な道具は置かれたままの筈だ。それを取って戻れば
事は足りていくだろう…。
「まったく、手間の掛かるな…俺の天照大神は…」
そんな軽口を叩いていきながら、眼鏡は…この重く閉ざされた扉を
開く為の手段を、実行に移す準備を始めていったのだった―
浴びている間に片付けと…チョコレートの用意をしていった。
バスルームの方から、水音が聞こえている間…自分の鼓動が
ドキドキしているのが判った。
(…本当に喜んでくれるかなぁ…)
先程、店で買ってきた生チョコレートの入った四角い箱を眺めて
いきながら溜息を突いていく。
…この日に自分から本命チョコを挙げるなど、初めての経験だ。
(去年…本多があまりにうるさくせがむから、仕方なく…コンビニで
100円で売っているガーナチョコレートを買って義理チョコとして
挙げたけど…あの時と全然違うよなぁ…)
そういえば去年は、太一と本多がこのくらいの時期にやたらと
うるさかったので…買って贈っていた事を思い出す。
確か本多が100円程度で、太一のが…その年に新商品として出た
250円程度のプレミアムチョコレートだったことを思い出す。
だが、克哉にとってはやはり…それらは相手から望まれたから贈ったもので
あって…本命に贈るという緊張感はまったくなかった。
実際、今朝…眼鏡にあんな風に言われるまでは、克哉はこの日にチョコレートを
贈ろうなどとまったく考えたこともなかった。
だからこそ余計に、色々と考えてしまう。
―やっぱり、手作りした方が良かったのかな…
いざ、贈る段階になると…買って来たもので済ませてしまうのは凄く
罪悪感が湧いてしまった。
あんなに期待しているようだったら、不安でも何でも…自分は手作りチョコを
作るべきでなかったのか。
昼間にテレビで何回も、手作りチョコの作り方とか…講座が開かれている
のを見て、薄々とそう感じてはいたが…手渡す瞬間が近づけば近づくだけ
その想いは強まっていく。
―買って来たものでも、あいつは喜んでくれるかなぁ…
本当に、もう一人の自分が好きだからこそ…余計なことを考えて
ドキドキしてしまっていた。
暫く、赤いベルベッドを思わせる包装紙に包まれたチョコレートを眺めて
いきながら…逡巡していく。
眼鏡のシャワー時間はあまり長くない。大体、10~15分もあれば上がって
来るのが通例だった。
…今から手作りしたって、間に合う訳がない。
最低でも30分から一時間は見ておかなければ…手作りを相手に贈ることは
無理だった。
ガラリ、と硝子の引き戸が開かれる音が奥の方から聞こえていく。
「あっ…もう、あいつが来る頃だよな…」
一瞬、このまま食堂にいるか…それとも、ベッドルームに向かうか
考えていった。
…風呂から相手が上がったら、後はいつどこで押し倒されてしまっても
おかしくない状況になる。
…後始末の事や、身体の負担を考えたら寝室に移動した方が良い。
そう思って移動しようとした瞬間、風呂から上がったもう一人の自分と
ばったり廊下で遭遇した。
「うわっ…!」
克哉は思いっきり顔を赤らめて、声を漏らしていった。
もう一人の自分は…腰にバスタオルを巻いただけで、上半身は
裸のままだったからだ。
すでに見慣れている姿の筈なのに、やっぱり明るい照明の下で相手の
裸を見てしまうと…妙に意識をしてしまう。
「…相変わらず初心な反応をするな。…俺の裸など、散々見慣れて
いる筈なのにな…」
「そ、そんな事言われたって…」
そう言いながら、相手の脇をすり抜けて…チョコを胸元で大事そうに
抱えていきながら…寝室に向かおうとした。
しかしもう一人の自分は、それを見逃してはくれなかった。
相手の脇を抜けようとした瞬間、がっちりと手首を掴まれてしまって強引に
引き寄せられていく。
「わわっ…!」
そして問答無用で、ペロリと口元を舐められていった。
気分は瞬間沸騰だ。
克哉は本気で、憤死するんじゃないかと疑いたくなるぐらいに…顔を
紅潮させてジタバタと暴れていく。
「い、いきなり何をするんだよ! 心臓に悪いだろ…!」
それでもびっくりしても、これから相手に贈る予定であるチョコは
しっかりと胸元に抱きかかえていた。
けれどバクバクバクと荒い脈動を繰り返しているのが自分でも
充分に判ってしまった。
「…クク、お前がそんなに隙があるのが悪いんだろう…? そんな
無防備な様子で傍をすり抜けようとしているのを見たら…チョッカイを
掛けるなという方が無理だ…」
「…何だよ、その理論は…! 何でそんなに意地悪なんだよ…お前は…!」
克哉がプイ、と顔を背けて拗ねていくと…ふいに相手の顔が
間近に寄せられていった。
そんな彼の耳元に、熱い吐息を吹きかけながら囁きを落としていく。
「…そんな顔をするな。ここで速攻で食いたくなる…」
「な、ななななっ…!」
しかもその瞬間、カプっと耳朶まで甘く食まれてしまったのだから
克哉の動揺は半端ではなくなってしまった。
そのまま…ねっとりとした甘く尾骶骨にまで響くような官能的な
声音で、眼鏡は際どい発言を紡いでいった。
―お前をこのままグチャグチャになるまで犯して、貪り尽くしたい…
そんな腰砕けになるような発言を落として、グチャリと…耳孔に熱い舌を
差し込まれたものだから、克哉は混乱状態に陥った。
腰がマジで立たなくなりそうで…ついでにいうと恥ずかしさの余りに
パニックに陥ってしまった。
ワタワタワタ…と慌てふためきながら、つい克哉は大声で叫んでしまっていた。
「バカッ! 意地悪! 鬼畜~! そんな行動や言動ばっかりして来て…
オレをからかってばかりじゃないか! もう…お前なんて…知らないっ!」
せっかくチョコを贈る気満々で…今日一日、頑張って買いに出たり、
悩んだり迷ったりしたのに…相手にからかわれてばかりで、ついに
克哉は憤ってしまった。
本気で腹立てている訳ではない。
けれど、やっぱり…意地悪な振る舞いと言動ばかりをされてしまって
いるのに悔しくなったのだ。
そう叫んで、素早く相手から身を離していくと…すぐ脇にあった寝室の
扉に慌てて身を滑らせていく。
バッタン!!
そうして、内側から鍵を掛けて篭っていく。
すぐ後にもう一人の自分も慌ててドアノブに手を掛けて中に入ろうと
試みたのだろう。
ガチャガチャ、とノブを回す音が聞こえていったが…扉が開く気配は
まったくなかった。
まさに天の岩戸状態だった。
「…おい、マジでお前は篭るつもりか…?」
『お前なんて…知らないっ! こっちがどんなつもりで…今日一日を
過ごしていたかとか、全然考えてもくれてないみたいだし! 意地悪な
発言とか、行動ばっかりだし…!』
「お前が意地悪したくなるぐらいに、可愛い過ぎるから悪い」
扉越しに眼鏡がきっぱりと言い切っていくと…克哉の方は絶句してしまい…
その後、暫く間があった。
『…うわ~!聞いてて恥ずかしくなった! 『俺』のバカ~!!』
そして、気恥ずかしさの余りに克哉は思いっきり叫んでしまっていた。
しかし…扉を開ける気配はまったくなかった。
その間も何度も眼鏡の方からノブを回していくが…やはり開けられる気配はない。
このまま…チョコも貰えずに、扉の向こうで引き込まれてしまったら…こちらと
しては抱く気満々だっただけに、溜まったものではない。
(まったく…拗ねてしまったあいつの機嫌をどう回復させるかな…)
どうやら、ちょっと力を入れて帰宅してからずっとからかい続けてしまった
ツケがここで来てしまったようだ。
思い返せば、夕食の最中も彼は何度も、克哉を茶化し続けてしまっていた。
嗜虐性がある性格なので、相手が可愛いと思えば思うほど…ついいじめたくなって
しまうのだが、ちょっと今夜は相手側の限度を越えてしまったらしい。
「…まったく、熱を入れすぎてしまったようだな…」
溜息を突きながら、その事実を受け入れていくと…暫く眼鏡は
考えあぐねいでいった。
…どうやって、この扉を開くか。眼鏡は必死に考えていき…ふと、リビングと
すぐ近くの天井の方を見遣っていった。
―良いものがあったな…これを活用するか…
視線を向けた方向に、相手をいぶり出すのに最適なものがあった。
そのまま…強気な笑みを浮かべて、一旦リビングに戻っていく。
…机の上に、必要な道具は置かれたままの筈だ。それを取って戻れば
事は足りていくだろう…。
「まったく、手間の掛かるな…俺の天照大神は…」
そんな軽口を叩いていきながら、眼鏡は…この重く閉ざされた扉を
開く為の手段を、実行に移す準備を始めていったのだった―
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
(12/31)
(03/16)
(01/12)
(12/28)
(12/18)
(12/02)
(10/22)
(10/21)
(10/17)
(10/15)
(10/07)
(09/30)
(09/29)
(09/21)
(09/20)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
鬼畜眼鏡にハマり込みました。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
ブログ内検索
最古記事
(10/28)
(10/29)
(10/30)
(10/30)
(10/31)
(11/01)
(11/01)
(11/02)
(11/03)
(11/03)
(11/04)
(11/05)
(11/06)
(11/06)
(11/07)
カウンター
アクセス解析