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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※若干間が空きましたが連載を再開します。
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
 他のカップリング要素を含む場面も展開上出てくる場合があります。
 それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。

 恋人の条件                       10 
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―澤村紀次は、愉快そうに笑いながら御堂孝典を脅迫する為の
ビデオのコピーをポストに投函していった

 彼は先程、ボイスチェンジャーを用いて御堂に対して電話を掛けた後、
実際にその証拠の品となるビデオのコピーを、いつもは足を向けない地区に
訪れて発送する事にしたのだ。
 こういう足がつくのを恐れる品は…通常の自分の行動圏内から
外れた場所から送るのが通例だ。
 その為に、殆ど見覚えもない地区を選んで其処に訪れた訳だが…
彼はこの時、Mr.Rによって見えざる糸に操られたように此処に招かれて
いた事には全く気付かなかった。

(ふふ…これで、あの取引は僕らの会社の利益に大きく貢献する会社の
方が有利に運ぶ事が出来る…。笑いが止まらないとは、まさにこの事だね…!)

 そうしてポストから離れて、邪悪な笑みが浮かんだ途端…澤村はガシっと
強い力で何者かに肩を掴まれていった。

「いつっ…! 誰だよ! そんな乱暴に…えっ…!」

 自分の肩を乱暴に掴んだ人物の顔を確認しようとして振りかえった瞬間、
青年は目を見開く羽目になった。
 其処に立っていたのは予想もしていなかった人物だからだ。
 確かに先日、顔をチラっと見た時と印象は大きく異なっていた。
 柔和そうでオドオドした雰囲気に成長していた自分の幼馴染み。
 それが今…目の前にいる彼は、眼鏡を掛けて酷く冷たい眼差しを浮かべて
こちらを睨みつけていた。
 一瞬、別人かと思った。
 だが…自分が彼を見間違う訳がない。
 澤村はその眼差しに密かに戦慄さえ覚えていきながら…自分を呼びとめた
人物の名前を呟いていった。

「克哉、君…どう、して…君が…?」

「…たまたまこの辺りでお前を見掛けたから呼びとめただけだ。一体この辺りで
何の用があったというんだ…?」

「…そんなの君には関係ないだろう? 幾ら幼馴染みと言ってもさぁ…プライベートの
事にまでズカズカと踏み込まれたくないし、僕が答える義理なんて全くないだろ?」

 突然の対面だっただけに、一瞬戸惑ったが…冷静に考えればこちらの方が
圧倒的に優位に立てる立場であった事を思い出し…澤村は相手に対して馬鹿に
したような横柄な態度を取っていった。
 たった今、MGNの御堂宛てに送ったビデオの原本は自分が持っている。
 そしてもう一人の出演者は紛れもなくこの佐伯克哉なのだ。
 アレが手元にある限り…自分もまた、この幼馴染みに対して…絶対的な
優位に立つ事が出来る。
 そう考えての対応だったが…その意図に反して、突然浴びせられたのは
眼鏡からの鉄拳だった。
 幼馴染みの拳が鋭く空を切って、澤村の腹部にめり込んでいく。
 予想もしていなかった展開に、男の頭は一瞬真っ白になりかけていった。

「ぐっ…うぅ…はっ…!」

 急所にダイレクトにめり込んだせいか、まともに言葉が紡げない。
 くぐもった呻き声を漏らしていきながら…その場に崩れ落ちる羽目になった。
 雑踏の中での突然の暴行劇に、通りゆく人の何人かが好奇心に満ちた眼差しを
向けていくが…眼鏡は敢えて相手にせずに冷たい一瞥で流していった。

「なに、を…何を、するんだよぉ…! いきなり、こんな真似を、して…!
いつから、君はこんなに…乱暴な人間に、なったんだい…?」

「ビデオの元は何処にある…?」

「えっ…?」

 突然、眼鏡の口からそんな単語が零れて…澤村は驚愕に目を
見開いていく。
 其れは…現時点では、彼が決して知り得る事が出来ない情報の
筈だったからだ。
 確かに澤村はMGNの部長職に就いている御堂に対しては…電話をして
脅迫めいた行為をしたし…たった今、ビデオのコピーを送りつけた。

―だが、佐伯克哉に対してはまだ何の行動にも移していない筈で…
現段階では決して、彼がビデオの存在に気づく筈がないのだ

 だが、目の前の相手の剣呑な態度から…そのビデオの内容まで相手は
すでに知っているようにしか感じられなかった。

(何でだ、何で何だよ…! どうして彼がビデオの存在を知っているんだよ…!
絶対にそれは、おかしいよ。有り得ないだろ…!)

 澤村は知らない。
 こうして対面して話している間に…佐伯克哉の脳裏に、密かにその脅迫の
内容を伝えた人外の存在がいた事を。
 そんな事は想定してもいなかったから…ともかく動揺を隠しきれなかった。
 眼鏡のアイスブルーの眼差しが酷薄な色を浮かべていく。
 其れにゾっとしたものを感じて、澤村は冷静さを失っていった。

(…殺される…! いや、幾らなんでも克哉君がそんな事は…! けど、
何だよこの冷たい目は…どうして、こんなに怖いんだよ…!)

 眼鏡の本気の怒りを込めた冷徹な眼差しに…澤村はただ、畏れた。
 其れは本能的な恐怖と呼べる類のものだった。
 先日の御堂に抱かれている克哉を映したビデオ。
 そんなものが存在している事など…眼鏡は許せなかったからこそ…そんな
ものを撮影して、悪用しようとしている澤村に対して憤りを覚えていった。

「ぼ、僕は用事があるからこれで…。何も言わずにただにらみ合っているだけなら
行かせて貰うよ! 僕はそんなに暇じゃないからね…!」

「待て!」

 捨て台詞を残して、慌てて眼鏡の元から立ち去ろうとした瞬間…強引に
襟首を掴まれて、今度は顔を思いっきり殴られていった。
 
「ぐはっ!」

 そうして勢い余って、澤村は地べたに尻もちをつく形で倒れ込んでいった。
 その眼差しには眼鏡に対しての本気の敵意が宿っていて…実に禍々しい
ものすら感じられていった。

「克哉、君…君さぁ…僕に対してこんな真似をしてタダで済むと思っている訳…?」

「…もう一撃、食らうか?」

 射殺され兼ねないぐらいに鋭すぎる眼差しで睨まれて、今度こそ澤村は
耐えられなくなった。
 このままここにいたら、絶対にもうタダでは済まない。
 其れを察したからこそ、澤村はついに意地を捨ててその場を立ち去っていった。

「ひえぇ! 君みたいな乱暴者にこれ以上は付き合ってられないよ! 僕は
失敬するよ! じゃあね!」

 そうして澤村は全力疾走をして人にぶつかる事も構わずに雑踏の中に
紛れて逃げていった。
 心の中で一層、佐伯克哉という人間に対しての恨みをまた募らせていきながら…。
 その背中を見送っていきながら、眼鏡は小さく呟いていった。

「くだらない者を殴ってしまったな…」

 そうして相手を殴りつけた手を軽く振りながら呟いていく。
 だが…この時、彼は気づいていなかった。
 この時の澤村に対しての牽制的な行為が、大きな火の粉を撒き散らす結果に
なる事を…まだ気づかず、眼鏡はつまらなそうな顔を浮かべて…その場を立ち去り、
今夜の宿を探し始めていったのだった―
 
 
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初めまして。
恋人の条件の更新、お疲れ様です。
凄く楽しみにしておりました☆

眼鏡がいつもより短慮な感じが、それだけノマに関しては冷静でいられないって雰囲気が伝わってきて…更に続きが楽しみになってきました。
あ、でもご無理なさらなさいで下さいね。
それでは乱文失礼致しました。
2010/10/02(Sat)22:53:18 編集
お言葉ありがとうございます
 こんにちは、初めまして。
 こちらこそコメントを残して下さってどうもありがとうございます。
 若干スランプ気味で以前よりも更新速度が落ちているし…連載を一回止めた段階では放っておいたらこの話、全部で50~60話ぐらいの長さになる~! という恐怖心があったので少し纏める時間が欲しくて他の話を気分転換で書いた訳ですが。
 こうして待っていてくれている人がいることを知るとほっと出来ます。
 どうもありがとうございます。
 眼鏡が短慮な行動に出ている事に対しては、ご指摘の通りノマに関係する事柄に関しては冷静に対処出来なくなっている状態だからです。
 この話は多分40~50話程度の長さになると思いますが出来るだけ今月中にある程度の処まで書けるように頑張ります。
 どうぞ気長に見守ってやって下さいませ(ペコリ)
香坂@管理人 2010/10/04(Mon)00:14:43 編集
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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