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※7月25日からの新連載です。
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
他のカップリング要素を含む場面も展開上出てくる場合があります。
それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。
恋人の条件 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
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―五十嵐太一は気が狂いそうな想いを抱いていきながら、
夜遅くに克哉のマンションに向かっていた
昨日、克哉に珈琲を淹れた時に…脳内がとろけそうになるぐらいに
濃厚で甘い香りを嗅いでから、どうしても気持ちは鎮まってくれなかった。
以前から克哉の事を、可愛い人だとは認識していた。
自分よりも5歳も年上とは思えないぐらいに一つ一つの仕草とかも
可愛くて、愛嬌があって優しくて。
そんな克哉だからこそ好意を持っているのだという自覚はあった。
だがその不思議な甘ったるい匂いを感じたその時から…急速に太一の
中でその感情は変質していってしまった。
(もう、ダメだ…。こんなのおかしいって判っているのに…俺、どうしても
克哉さんに会いたいって気持ちを抑える事が出来なくなっちまってる…)
その唐突な感情の変化に、太一自身も大きな戸惑いを覚えていた。
だが一日悩んだ末に出た結論は…一度、克哉と面を向かって話して
みようというものだった。
自分が克哉に恋してしまった事に対してはもう間違いないと確信をしているからこそ…
この感情をどうするのか、直接克哉にぶつけることで決めるしかないと考えたからだ。
「あ~あ…こんな時間に訪ねてもきっと迷惑だって判っているんだけどね…。
それでも、もう抑える事は出来そうにないや…」
そんな事を自嘲的に呟いていきながら太一はようやく克哉のマンションの
前に辿り着いていった。
こうして克哉のマンションに来るのは、一度視察の為に足を向けた時以来だ。
ライブの帰りに克哉が太一のアパートに来たことがあってもその逆はなかった。
なのにどうして太一が克哉のマンションにこうして来ることが出来たのか…
それは万が一の事態に備えてのことだった。
(全く…あのくそじじぃの事で万が一、俺と親しくしている克哉さんが
巻き込まれる事態が起こってしまった時用に念の為にこうして自宅の住所を
調べておいた訳なんだけど…。まさかこんな形で使う事になるとはね…)
そうして、太一はポケットから一つの鍵を取り出していく。それは…
克哉の部屋の鍵のコピーだった。
これも非合法な事をするのが得意な人間たちに依頼して念の為に
作らせておいた物だった。
通常の人間関係なら、友人の自宅を勝手に調べたり鍵を無断で
コピーを取るなんて真似は常軌を逸した行動と取られる事は自覚があった。
だが…太一は、何度も自分が親しくしている人間が、五十嵐組や母の事業に
対して敵対している奴らの思惑に振り回されて被害を受けるのを目の当たりにしていた。
行き過ぎ、と取られる事に関しては自覚があった。
だが、誰かが誘拐されたり失踪した場合…一番の手がかりは自宅に
残されている可能性が高い。
時間が経過すればするだけ、犯人の手で証拠が抹消されてしまったり
誰かが通報して警察が入り込んでしまえば…有力な証拠が、一般人である
太一にまで届かない。
そういう可能性があるからこそ…今まで、鍵のコピーを持っていても
使わないように自制していたのだ。
あくまでこれは緊急事態に備えて作った物であり、悪用をする為ではないのだ…
という良心が、太一の中で生まれてせめぎあっていく。
「この鍵を使って…無断で克哉さんの家に入ったら、それこそ俺は犯罪者だよな…。
うん、そうだ…まずは普通にインターフォンを押そう。それで反応がないまま
だったら…これを使う事にしよっと。昨日、何回も電話やメールをしたのに
未だに返信がないままだっていうのが気がかりなのは本当だからね…」
太一は、会社の同僚達と違って本日は彼は体調不良で休んだ事になって
いる事を知らない。
そして克哉の携帯は、先程情事の最中に眼鏡に切られてしまってからずっと
電源が落とされたままになっていた。
どれだけメールをしても相手から返信がない事が不安で仕方なくて。
いつもの克哉だったら律儀に、出来るだけ早く返信をしてくれるというのを
良く知っているからこそ…返事が戻って来ない今の状況が苦しくて仕方なくて。
頭の隅では、こんな行動が間違っていると判っていても得体の知れない
感情に突き動かされて…太一はついに克哉の自宅まで押し掛けてしまった訳なのだ。
「克哉、さん…」
太一は、土壇場で大きく迷っていく。
このまま克哉の家に行くべきか、そうでないのか葛藤して…暫くマンションの
入り口の前で立ち止まっていった。
(やばい…もうダメだ。これ以上…この感情を抑える事なんて…俺には、
出来ないや…。ごめんね、克哉さん…)
自分の行動が間違っていることを自覚しつつ…それでも急激に芽生えた
強い想いに突き動かされて太一はついにマンションの敷地内に足を踏み入れていった。
(まずは貴方の顔が見たい…)
そう強く願っていきながら太一は克哉の部屋があるフロアまでエレベーターで
向かっていき。そして部屋の前でインターフォンを押して、克哉が出て来てくれるか
どうか暫く待っていったのだった―
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当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
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…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。