鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※この話は記憶を一部欠落した状態で生活している設定の
ノマと、真実を隠している眼鏡と閉ざされた空間で生きると
いう内容のものです。
一部ダークな展開や描写を含むのでご了承下さいませ。
忘却の彼方に 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
…お前の大事な人間を守りたかったら、お前の会社の付近にある大きな
公園の中心の街灯の下まで一人で来い…
先程の電話の主が語った衝撃的な内容が、全力で指定された場所に
向かっている最中…克哉の頭の中でリフレインし続けていた。
克哉にとって大事な人間、という単語に当てはまる存在は本多と
実家に暮らしている家族ぐらいしか存在しない。
本多と交際するまで、自分は人と深く関わるのを避けて生きて来た。
だから当たり触りのない付き合いしかして来なかったし、 狭い人間関係の
中で生きてきた。
プロトファイバーの一件で今、所属している営業八課のメンバー全員は
克哉にとって仲間と言える存在で大事な人間のカテゴリーに入っているが、
電話を受けた時、本多以外の全員が同じオフィス内にいた事から
対象から外れていると言って良い。
だから克哉の頭の中には該当しているかもしれない本多を案じる
気持ちでいっぱいになってしまっていた。
(本多…! どうか無事でいてくれ!)
克哉は20分程度の距離をともかく全力で走り続けた。
周りをゆっくり見る余裕なんてなかった。
携帯にまた着信が入っていても、取る余裕などなかった。
もしもこの時、克哉が着信に気づいて取って話せていれば恐らく
この後の悲劇は回避されていたかもしれなかった。
だが、克哉は不幸にも電話をスル―してともかく現地に向かい続けた。
気づけば空は完全に曇天に覆われ、駆けている最中にポツポツと
雨が降り始めて少しずつ強くなっていった。
しかし克哉はそれに構わず、途中で傘を買おうともせずにともかく
走り続けていった。
そしてついに、指定された街灯の下まで辿りついていった。
その頃には完全にびしょ濡れ状態になり…スーツやワイシャツの生地が
全身に張り付いてしまっていた。
「こ、ここで…良い、筈だよな…」
荒い呼吸混じりに呟いて周囲を見回していく。
だが其処には誰の人影も存在していなかった。
もしかしたら物陰に隠れて、こちらの様子を伺っているのかも知れない。
そうとも考えたが、焦っている克哉は苛立ち混じりに大声で
叫んでいった。
「おい…! 約束通り来たぞ! 早く姿を見せたらどうなんだ…!」
雨脚はこの時点で更に強くなっていた。
今日が13日の金曜日である事をふと思い出し…克哉は周囲の
様子とその事実に、不吉なものを感じていった。
日常であるなら、そんなに意識されない事でも…異常事態に巻き込まれた時は
そんな大した事がなくても、不安を高める要素の一つになってしまう。
雨音に自分の声が掻き消されてしまわないように…そう判断して
大声で訴えかけていくと…一人の人影が目の前に現れていった。
「っ…!」
だが、克哉は一瞬…目を疑った。
現れた人影は頭からすっぽり覆い隠すデザインの黒いレインコートと
手に鋭い包丁を持って現れたからだ。
人影は一人…だが、今まで刃物を突き付けられた経験などない
克哉は恐れを抱かざるを得なかった。
「嘘、だろ…?」
目の前の現実に、眩暈すら覚えた。
薄暗いのと、フードを目元を覆い隠す形で隠されてしまっているので
誰だか判別はつかない。
だが…この状況は、確実に克哉に対しての強い悪意と害意が
色濃く存在していた。
「お前さえいなければ…!」
黒いレインコートを纏った人物は…憎々しげにそう呟いた。
正体を隠す為か、こちらと目を合わせようとしない。
(オレは一体、どうしたら良いんだ…? それに本多は…?)
克哉は一瞬、思考が停止しそうになった。
これが現実だと理解したくなかった。
だが…自分の身に危険が及んでいる事よりも、ともかく本多が
どうしているのかの方が心配になり周囲を軽く見回していった。
其れが相手にとっては絶好の隙になった。
「消えろ…! お前など、いなくなれば良いんだ…!」
「うわぁ!!」
そして危機が迫って来る。
一瞬、身体が竦んで動けなかった。
その途端、誰かに背後から突き飛ばされて克哉は地面に強い力で
叩きつけられていく。
「いつっ…!」
そしてすぐに立ち上がって体制を立て直そうとした瞬間…
克哉は、信じられない現実を見た。
「う、そだ…」
其処には、受け入れ難い現実が存在していた。
彼を助けに来た筈だった。
無事でいるかどうか知りたくて、其れで此処まで来た筈だった。
だが…どうして、こんな形で会わなければならないのか。
「本多…! どうして…!」
そう、襲われた克哉の代わりに…本多が其処にいて、
黒いフードの人物に腹部を深く刺されていた。
その現実に耐えられず、克哉は絶叫した。
―そしてその直後、黒いフードの人物もまたこの世のものとは
思えない叫びを口から迸らせたのだった―
ノマと、真実を隠している眼鏡と閉ざされた空間で生きると
いう内容のものです。
一部ダークな展開や描写を含むのでご了承下さいませ。
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…お前の大事な人間を守りたかったら、お前の会社の付近にある大きな
公園の中心の街灯の下まで一人で来い…
先程の電話の主が語った衝撃的な内容が、全力で指定された場所に
向かっている最中…克哉の頭の中でリフレインし続けていた。
克哉にとって大事な人間、という単語に当てはまる存在は本多と
実家に暮らしている家族ぐらいしか存在しない。
本多と交際するまで、自分は人と深く関わるのを避けて生きて来た。
だから当たり触りのない付き合いしかして来なかったし、 狭い人間関係の
中で生きてきた。
プロトファイバーの一件で今、所属している営業八課のメンバー全員は
克哉にとって仲間と言える存在で大事な人間のカテゴリーに入っているが、
電話を受けた時、本多以外の全員が同じオフィス内にいた事から
対象から外れていると言って良い。
だから克哉の頭の中には該当しているかもしれない本多を案じる
気持ちでいっぱいになってしまっていた。
(本多…! どうか無事でいてくれ!)
克哉は20分程度の距離をともかく全力で走り続けた。
周りをゆっくり見る余裕なんてなかった。
携帯にまた着信が入っていても、取る余裕などなかった。
もしもこの時、克哉が着信に気づいて取って話せていれば恐らく
この後の悲劇は回避されていたかもしれなかった。
だが、克哉は不幸にも電話をスル―してともかく現地に向かい続けた。
気づけば空は完全に曇天に覆われ、駆けている最中にポツポツと
雨が降り始めて少しずつ強くなっていった。
しかし克哉はそれに構わず、途中で傘を買おうともせずにともかく
走り続けていった。
そしてついに、指定された街灯の下まで辿りついていった。
その頃には完全にびしょ濡れ状態になり…スーツやワイシャツの生地が
全身に張り付いてしまっていた。
「こ、ここで…良い、筈だよな…」
荒い呼吸混じりに呟いて周囲を見回していく。
だが其処には誰の人影も存在していなかった。
もしかしたら物陰に隠れて、こちらの様子を伺っているのかも知れない。
そうとも考えたが、焦っている克哉は苛立ち混じりに大声で
叫んでいった。
「おい…! 約束通り来たぞ! 早く姿を見せたらどうなんだ…!」
雨脚はこの時点で更に強くなっていた。
今日が13日の金曜日である事をふと思い出し…克哉は周囲の
様子とその事実に、不吉なものを感じていった。
日常であるなら、そんなに意識されない事でも…異常事態に巻き込まれた時は
そんな大した事がなくても、不安を高める要素の一つになってしまう。
雨音に自分の声が掻き消されてしまわないように…そう判断して
大声で訴えかけていくと…一人の人影が目の前に現れていった。
「っ…!」
だが、克哉は一瞬…目を疑った。
現れた人影は頭からすっぽり覆い隠すデザインの黒いレインコートと
手に鋭い包丁を持って現れたからだ。
人影は一人…だが、今まで刃物を突き付けられた経験などない
克哉は恐れを抱かざるを得なかった。
「嘘、だろ…?」
目の前の現実に、眩暈すら覚えた。
薄暗いのと、フードを目元を覆い隠す形で隠されてしまっているので
誰だか判別はつかない。
だが…この状況は、確実に克哉に対しての強い悪意と害意が
色濃く存在していた。
「お前さえいなければ…!」
黒いレインコートを纏った人物は…憎々しげにそう呟いた。
正体を隠す為か、こちらと目を合わせようとしない。
(オレは一体、どうしたら良いんだ…? それに本多は…?)
克哉は一瞬、思考が停止しそうになった。
これが現実だと理解したくなかった。
だが…自分の身に危険が及んでいる事よりも、ともかく本多が
どうしているのかの方が心配になり周囲を軽く見回していった。
其れが相手にとっては絶好の隙になった。
「消えろ…! お前など、いなくなれば良いんだ…!」
「うわぁ!!」
そして危機が迫って来る。
一瞬、身体が竦んで動けなかった。
その途端、誰かに背後から突き飛ばされて克哉は地面に強い力で
叩きつけられていく。
「いつっ…!」
そしてすぐに立ち上がって体制を立て直そうとした瞬間…
克哉は、信じられない現実を見た。
「う、そだ…」
其処には、受け入れ難い現実が存在していた。
彼を助けに来た筈だった。
無事でいるかどうか知りたくて、其れで此処まで来た筈だった。
だが…どうして、こんな形で会わなければならないのか。
「本多…! どうして…!」
そう、襲われた克哉の代わりに…本多が其処にいて、
黒いフードの人物に腹部を深く刺されていた。
その現実に耐えられず、克哉は絶叫した。
―そしてその直後、黒いフードの人物もまたこの世のものとは
思えない叫びを口から迸らせたのだった―
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HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
鬼畜眼鏡にハマり込みました。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
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…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
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