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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 ※随分と完結まで間が空いてしまってごめんなさい。
 けど先にこちらの連載を終わらせておきます。
 一つでも書き掛けになっていたシリーズにケリを
つけておきたかったので…。
 後は暫く桜の回想シリーズに専念します。
 今回のCPは御堂×克哉となります。
 テーマは酒、(「BAR」&カクテル)です。
 鬼畜眼鏡Rで、太一×克哉ルートで克哉が軌道が乗るまでアメリカで
BARで働いていたという設定を見て、御堂×克哉でもカクテルやバーを
絡めた話が見たいな~という動機で生まれた話です。
  その点をご了承で、お付き合いして頂ければ幸いです。

 秘められた想い                        10   11

 御堂との熱いセックスを終えて失神した後…気怠い余韻を覚えていきながら
数時間後に目覚めていった。
 ベッドの上にいつの間にか横たえられていた。
 どうやら窓際で睦み合った後…御堂がここまで運んでくれたらしい。
 自分と御堂はほぼ同体格ぐらいだからかつぎ上げるのも容易な
ことではないだろう。
 それでも自分を放り出さずに、ちゃんと暖かい布団の上まで運んでくれた
心遣いに、ささやかな幸福を感じていた。
 チラリと窓の方を見ると、そこの後始末もきちんと済まされていた。
 窓ガラスにべったりと身体をくっつけられて抱かれたせいでこちらの汗や
皮脂とか、精液などがべったりとさっきまでついていた事だろう。
 それが綺麗に拭い取られているのを見て…克哉は顔を真っ赤に染めていった。

(…うわっ! さっきの事…思い返してみると死ぬほど恥ずかしいかも…!)

 先程の御堂との熱い時間をジワジワと思い出して、ボッと火が
点いたように頬が赤く染まっていく。
 あんな風に誰か他の人間に見られるかも…と不安を覚えながら抱かれると、
恥ずかしくて仕方ないのに…身体はひどい快感を覚えていた。
 そんな浅ましい自分を改めて思い知りながら…克哉は窓の向こうに広がる
夜景と、夜空に浮かぶ月を眺めていった。
 青白い月を見ると、ふと…店にいた時に御堂に二杯目に薦めた
カクテルの事を思い出していく。

「ブルームーンに秘められた意味か…我ながら、意地の悪い問題だったよな…
こうして考えてみる、とさ…」

 ふと、BARでの御堂とのやりとりを思い出して克哉は目を細めて
微笑んでいく。
 我ながら随分と意地の悪い問題を出したものだ。
 御堂はワインにはこちらが足下に及ばないくらい造詣も深いがその他の
酒については殆ど知らない。
 逆にこちらは一時、カクテルにハマっていて色々試した時期さえあるのだから、
完全にこちらのフィールドに立って出題したようなものだった。
 100%判る訳がないのを最初から承知の上で、克哉は問いかけたのだ。
 そんな自分に少し苦笑をしたくなった。
 
(孝典さんが判る訳ないよな…リキュール類とかはあの人の専門外
だろうから…。それにカクテル本体じゃなくて、ベースに使われている
酒に込められた意味だからな…俺があの人に捧げたかったのは…)

 けれどだからこそ、御堂の気を一時でも引けたのだろう。
 そしてこちらが望んだ通り、燃えるように熱い時間を与えてくれたのだろう。
 抱かれている瞬間は、いつになく気持ちよくて意識が飛びそうだった。
 どう言い繕っても、こちらが感じ切っていたことなど御堂にはお見通しだろう。
 だから約束は果たさないといけない。
 今、自分の隣で安らかな寝息を立てて眠っているこの人が起きたら…
ブルームーンの中に秘めた自分の想いを、キチンと伝えないといけないだろう。
 その事を考えるだけで、カアっと頬が火照ってしまう。
 我ながら随分と大胆な振る舞いをしたと思う。

(うう…やっぱり思い返すと相当に恥ずかしいよな…。ブルームーンの
ベースに使われているスミレ・リキュール…パルフェ・タムールには
『完全な愛』という名がつけられている事…。そして、オレが孝典さんに
望んでいる事もそれだって言ったら…完璧に、愛の告白だよな…)

 一時、克哉はカクテルにハマった時期…ついでにベースとなる酒の事も
興味深いものはそれなりに調べて知識を得ていた。 
 中でもそのリキュールの名前はひどくキザったらしく思えて…それで克哉の
中には印象深く記憶されていたのだ。
 その完璧な愛を材料に使った定番のカクテルであるブルームーンには
「出来ない相談」という意味がある癖に、原料となっているパルフェタムールには
正反対の意味が含まれているのが面白いと思って…それで覚えていたのだ。

 (昔、その事を知った時はこんな風に利用する日が来るなんて…しかもそんな
相手が自分に出来るなんて想像してもいなかったよなぁ…)

 かつての誰とも交わろうとも、深く関わろうともしなかった頃の自分の姿が
ふと脳裏によぎって、克哉はフっと瞳を細めていく。
 昨日の自分の言動に、居たたまれないぐらいの恥ずかしさを覚えていく反面…
照れくさくて、くすぐったい気持ちが胸の奥から湧き上がってくる。

「完全な、愛か…。これから先もずっと、オレだけが唯一無二の存在でいたい。
貴方にとってオレがそういう存在でありたい…。それが、オレがあの一杯に
込めた想いです…孝典さん…」

 今、完全に御堂が深い眠りに落ちていることを承知の上で…予行練習の
つもりで、克哉は小さく呟いていく。
 眠っているこの人を前にして小声で告げているだけでも耳まで赤く染まってしまう。
 きっと真っ直ぐ紫紺の双眸に見つめられている状態で口にするとしたら、
もしかしたら心臓が破裂しそうになるぐらいにドキドキする事だろう。
 照れを隠す為に、御堂の髪を…生え際を撫ぜていく。
 日中、仕事中は一分の隙もなくに整えられている髪が、激しい行為のせいで
少し乱れているのを見て…克哉の心に愛しさがジワっと込み上げてくる。
 こうして抱き合うようになって、克哉の方が先に目覚めても…安心しきって
無防備な姿を晒してくれるようになったのはいつの頃からだろうか。
 接待を強いられていた頃の御堂は最初は決してこちらに同じベッドで
寝ることも克哉に寝顔を見せることもなかった。 

 大抵はこちらが先に意識を失い、目覚めた時には御堂はすでに
身支度を終えている…毎回、そんな感じだった。
 その時期に比べれば、何て自分たちの関係は変わったのだろうかと嬉しくなる。
 パルフェ・タムール。完全な、揺るぎない愛。
 その名には恐らく、そう名付けた作り手の思いが込められているのだろう。
 かつてこのスミレの薫りがするリキュールは、媚薬として19世紀には
重用されていたという。
 他にも、パルフェタムールには「恋人との甘い時間」や「ケンカした二人を
仲直りさせる」効能があるとされていた。
 この魅惑的な風味のする酒は、人の心を心地よく酔わせる効能があったのだろう。
 恋する人間の気持ちを惹く為の媚薬として、多くの人間がその思いが
成就することを、長く続いてくれるように願いを込めたからこそ…このような
名前がつけられたのだろうか。

(完璧な、愛か…。一体どんなものを差すのだろう…。ささいな事では揺
らがない強固な絆を伴ったものか、生涯愛し合い友に連れ添うことなのか、お
互いに理解しあう姿勢を崩さずにただ一人だけを想うのか…解釈は
人によって沢山あるような気がするな…)

 完全な愛、と一言いってもその望む内容は人によって大きく違ってくるだろう。
 なら自分にとっては、何が完全な愛と差すのだろう。
 それを愛しい人の寝顔を見ながら考えていく。

「オレにとっての完全な、愛…。この人との関係に望んでいることは…」

 そうして柔らかく微笑みながら、御堂の唇に口づけていく。
 心の中に湧き上がるのは浅ましいまでの想い。
 けれど偽りない克哉の赤裸々な望みでもあった。

―貴方の傍に寄り添うのは、生涯オレだけであること…他の誰かに
この人を取られるなんて、この唇と熱がこれ以後、オレ以外の人間に
向けられることなんてイヤだ…

 ただでさえ同性同士の恋というだけで、自分たちの関係は普通の
男女に比べてハードルが高くなっている。
 この先、ずっと寄り添って歩いていける保証などどこにもない。
 だが、命ある限り…どんな事があっても自分は御堂の傍にいたい。
 ずっと一緒に歩いていたい。
 そう、その純粋で強い想いこそが…なかなか克哉が口にすることが
出来ない想いなのだから…。

(…なかなか普段は恥ずかしくて面を向かって言えないけれど孝典さんが
目覚めたら、あのカクテルに隠された意味を教えるのと同時に…オレの
本心をこの人に伝えよう…)

 大切な人に面を向かって、想いを伝えるのは気恥ずかしくてあまり
言う機会はないけれど、この人は自分にとってこれ以上愛する人なんて
この先出来ない、と確信出来るくらいに想っている存在だから。
 愛している人だから。
 だから一杯、特別な意味を込めた酒を捧げるのにかこつけて伝えよう。
 カクテルには制作者や飲む人達の様々な想いや、逸話が同時に存在している。
 普段はあまり意識しない裏に隠された意味や物語。
 それに、そっと自分の気持ちを乗せてこの人に伝えたい。
 克哉はそう想いながら、御堂の寝顔を見守っていく。
 この人が目覚めたらこの想いを早く伝えようと…ワクワクした気持ちを
抱きながら、克哉は穏やかに夜明けの頃を迎えようとしていた。

(貴方は一体、どんな顔をして聞いてくれますか…? 少しは驚いたり、
照れたりしてくれるでしょうか…?)

 その様子を想像して、克哉は幸福そうにクスクスと笑っていく。
 大切な人の体温を感じて寄り添いながら…そっとまどろみに浸りながら、
静かに克哉は御堂が自然と起きてくるその時を待っていった。

―貴方が目覚めたらこの想いを伝えよう。一緒にいる間に育まれて今まで
口に出来ずにいた、この秘められた想いを…

 そう心に決めて、微笑んでいる克哉を…柔らかい朝日が静かに
照らし出して、祝福を与えてくれていたのだった―






 こそっと後書き

 興味ある方だけ、「続きはこちら」をクリックしてお読み下さい
 
 


 

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※予定より大幅に掲載遅れてすみません!!
お待たせしました!(つかほぼ二ヶ月空きました…!御免なさい!
やっと再開です。そして絶対近日中に完結させます!)
 今回のCPは御堂×克哉となります。
 テーマは酒、(「BAR」&カクテル)です。
 鬼畜眼鏡Rで、太一×克哉ルートで克哉が軌道が乗るまでアメリカで
BARで働いていたという設定を見て、御堂×克哉でもカクテルやバーを
絡めた話が見たいな~という動機で生まれた話です。
  その点をご了承で、お付き合いして頂ければ幸いです。

 秘められた想い                        10

 ―窓ガラスの向こうには眩いばかりの夜景が広がっていた

 其れはまさに地上の星と呼ぶに相応しい光景。
 克哉は快楽で、意識が朦朧としている中…呆然とそれを眺めていきながら
激しく身体を揺さぶられ続けていた。

「はっ…ぁ…! ああっ…んんっ…!」

 御堂がこちらを突き上げる度に、ガラス戸がガタガタと音を立てて軋んでいく。
 だが、御堂は一切容赦する様子を見せず…克哉の弱い処だけを
的確に突き上げていった。
 もう克哉の感じる場所は、御堂に全て把握されてしまっている。
 何処をどう攻めれば良いのか、どの程度の強弱をつけて刺激を与えれば
良いのか知り尽くされている。
 
「イイ、声だ…やはり、君の声を聞くと…興奮する…」

「んんっ…はっ…!」

 顎を捉えられて、強引に口付けられると…僅かに先程、御堂に薦めた
カクテルの残り香と味のようなものを微かに感じられていった。

(ワイン以外の…アルコールの味と、風味がする…)

 恋人関係になってすでにそれなりに願い年月が過ぎている。
 だから何度も御堂の部屋や、外食先でワインを飲んだ後などに抱かれた
経験はあった。
 アルコールを摂取した直後は、少しだが御堂の体温がいつもより高くなっていて
熱く感じられる。
 だが、それでも…キスした時の味わいがいつもと違ったものになっている
だけで…酷くドキドキした。
 背後から、胸の突起を両方同時に責められていく。
 貫かれる快感と、突起を弄られる刺激が克哉から余裕を奪い去っていく。
 それに冷たいガラスの感触を身体の各所に感じられて、自分の背後に覆い被さって
いる御堂の身体の熱さと酷く対比になっていた。

(ガラスの冷たさと、孝典さんの熱さを交互に感じて…気が、狂いそうだ…!)

 其れにこんな窓際で犯されてしまったらもしかしたら自分の痴態を
誰かに見られてしまうんじゃないかという恐れがジワジワと克哉の心中に
湧き上がっていく。
 背筋がゾっとするぐらい怖い筈なのに、同時にゾクゾクして形容しようがない
快感も生み出していく。

「こんな、場所で…あっ…んんっ! 貴方に、抱かれたら…オレ…
気が、狂って…しまい、んぁ…そ、うです…」

「嗚呼…気が狂ってしまえ…。私に抱かれている間に正気でいられる
方が…許しがたい…」

「そ、んな…はぁぁ…!」

 御堂の攻めは、今夜は少し雄々しく、荒々しかった。
 先程言っていたバーで途中で…悪戯をしてお互いに燻り続けていた
せいかも知れない。
 ただ普通に抱き合うよりも、モヤモヤした感情が行為の前から存在して…
こうして激しいセックスをする事でお互いに相手に叩きつけているようだった。
 それにベッドで抱かれることは数あれど、窓際で立ったまま犯された事など
今までに殆どなかったのだ。
 立位だといつもと違った角度で御堂が中に入ってくるし…刺激されるポイントも
若干違ってくる。
 其れに…ガラスには外に広がる夜景の他に、漆黒の硝子のように
薄っすらとこちらの痴態を映し出していく。
 激しく突き上げられている最中、克哉は薄目で見つめながら…
その乱されている自分の姿に釘付けになってしまっていた。

(硝子に…オレと御堂さんが…映って、いる…。こんな風に乱れて…
いやらしい顔をしているオレと…鋭くて、意地悪な笑みを浮かべている
御堂さんの表情が…しっかりと、見えて、しまう…)

 硝子を通して、御堂と目が合っていく。
 きっと御堂は…この漆黒の硝子が、鏡のように自分たちを映し出すのを
最初から承知の上で…此処で今夜は抱くことを選んだのだろう。

「やっと気づいたか…。そうだ、この硝子を通して…私はずっと
君の感じている顔を見ていた…こうして、バックから抱いていてもな…」

「そ、そんな…止めて、孝典…さん、見ないで…」

「…どうしてだ? こんなにも淫らで可愛らしい顔を浮かべている君を
せっかく見ることが出来るんだ…堪能しなかったら、もったいない…」

「や、お願い…だから…言わない、で…! あぁ!」

 克哉は羞恥で、全ての神経が焼き尽くされそうな想いを抱いていく。
 だが御堂は一切容赦する様子を見せない。
 そうしている内に克哉のペニスが触れられてもいないのに達する
寸前まで張り詰めていく。
 挿入されてからは指一本触れられていないのに…バックからの刺激だけで
先走りを滲ませて、雫をカーペットに滴り落としている。
 その様が硝子に鮮明に浮かび上がっているのに気づいて…克哉は
本気で恥ずかしくなった。

(…オレのモノが…こんなに硬くなっているの…見られて、る…)

 御堂はきっと気づいている。
 食い入るように、視線でこちらを犯していくように…獰猛な瞳を
浮かべていきながら…男は克哉の全てを見つめていた。
 これは、殆ど視姦されているにも等しい状況だった。
 こちらの快楽で悶えている姿を、御堂に翻弄されて半ばおかしく
なりかけているそんな自分の姿を、暴かれてしまう。
 血液が沸騰して、死にそうなくらいなのに…克哉のそんな意思に反して
身体は顕著な反応を示してしまう。
 御堂のペニスを貪欲に締め付けて、絞り出そうと相手の熱を受け入れて
いる箇所が激しく収縮を繰り返していく。
 もう何も考えられない、ただ本能のままに克哉は腰を自ら揺すって
相手の刻むリズムに必死についていく。

「…克哉、自分のモノを…弄って見せろ…乱れて、快楽に従順に
なっている姿を…私に、見せるんだ…」

「はっ…あっ…」

 そして、追い詰められてギリギリになっている最中に…甘やかな
命令が耳元に囁かれる。
 すでに追い詰められてしまった克哉に、その言葉に抗うことは
出来なくなっていた。
 言われるままに素直に…左腕全体で硝子に手を突いて身体を
どうにか支えて…右手をそっと陰茎に絡めていく。
 
「そう、良い子だ…。そして、そのまま…先端部分を弄って…みろ…」

「は、い…貴方の、望む…まま…に…」

 御堂が、更にこちらが乱れる事を望んでいる。
 其れを察して、克哉は従順に聞き遂げ…淫蕩な表情を浮かべながら
バックから貫かれた状態で…自慰を始めていった。
 射精感が猛烈に高まっていく。
 呼吸は一層荒くなり、頭が徐々に真っ白になっていった。
 達したいという欲求が克哉の心の中で大きく膨れ上がって最早
制御しきれない。
 
「はっ…あああっ…も、うダメです…耐え切れ、ない…んぁ…!」

「あぁ、私も…もう! 受け止めて…くれ、克哉…!」

「はい、オレに…貴方を、いっぱい…下さ、い…んあっ!」

 己の身体の奥で御堂が膨張して、苦しいぐらいに圧迫してくる。
 その感覚に耐えた次の瞬間、相手が弾ける気配を感じて…
勢い良く熱い精が注がれていった。
 克哉はその時、意識がフワっと遠くなっていくのを感じた。
 あまりに気持ちが良すぎて…最早自分では身体を支えていることが
不可能になっていく。

(ダメだ…意識が、遠く…)

 そうして、まるでブレーカーが落ちるかのように克哉は失神していった。
 完全に意識が落ちる寸前、克哉は恋人の腕の中に強く抱きしめられて
支えられるのだけは、辛うじて実感することが出来たのだった―
 
 香坂です。
 何かこのサイトを開設してから、原稿もない状態で
一週間SSを書かないでいるのは初めてなので落ち着かない。
 耳の方の状況は安定してきたんですが、どうもずっと
動かし続けてきたエンジンを一旦、長期間止めてしまったので
なかなか着火してくれません。

 しかしいつまでもこの状況に甘んじているのも情けないので
ちょっとリハビリにSS書いてみた。
 連載、止まっててすみません。
 けど、水面下で起こっていた問題(外耳炎になったのはその
ストレスが要因だった…)もどうにか片付いて来たのでボチボチ
手をつけます。
 興味ある方は読んでやって下さい。

 ※鬼畜眼鏡R 御堂×克哉ルートネタバレ有です
 入院期間中の御克の一幕でございます~。
※ 突発に思いついたネタです。
  本日、濃いエロを書くよりも甘い話を書きたい心境だったので
短い話ですが投下させて頂きます。
 連載の続きはエロテンションが上がった時にやらせて頂きますので
宜しくです。(何でこんなに今夜は穏やかな心境なの…!)

『スリーピング・ビューティー』  御堂×克哉


―最愛の恋人と一緒に暮らすようになってから、御堂にとっては
ささやかな幸せが日常の中に幾つも増える事となった

 紆余曲折があって、克哉も正式にかつて住んでいた部屋を引き払い…
名実共に一緒に暮らす仲となった。
 そして…ビオレードの販売の成功と共に、御堂は海外の支社とも頻繁に
連絡を取る必要性に迫られて最近は帰宅する時間が連日遅くなっていた。

(軌道に乗るまでは…仕方ないな…)

 この多忙ぶりは、自分が手がけた商品の成功の結果なのだから…むしろ
有難いと思うべきだ。
 そうは思っても…連日、こうも夜遅くに帰宅する日々が続いてしまうと…
せっかく正式に同居をしたばかりだというのに少し残念に感じてしまう。
 もうじき、お互いに外国に出向して活動したりなど…顔も見れない日々が
暫く続くというのに…実にじれったいものを感じる。
 だが、今の御堂には…帰宅直後にささやかに胸が温まるものが待っている。
 それは密やかなに…今の彼の活力となっていた。

「ただいま、克哉…おや…?」

 リビングにたどり着くと、そこには最愛の恋人である克哉が…テーブルに
突っ伏した状態で眠っていた。
 どうやら御堂を待って出迎えようとして…先に眠ってしまったらしい。
 本来なら日中、彼も忙しい日々を送っている。
 だから待たなくても良いと何度も言っているのに、克哉は御堂に
「おかえりなさい」と伝えることにこだわった。
 今は忙しくて、なかなか恋人として…伴侶としての時間を過ごせない。
 だから一日の終わり…眠りに就く直後だけでも、「恋人」として御堂に
接したいと。そう頑として言い切られてしまって、この習慣は続いていた。

「…先に眠ってしまったみたいだな。まあ…無理もない。克哉がこなしている
仕事だけでも今は膨大なものがあるからな…」

 そう言いつつも、机に顔を伏せて眠っている恋人を愛しげに
見下ろしていく。
 安らかに眠っている克哉を眺めていると…強い庇護欲と、嗜虐性を同時に
刺激されてしまう。
 守りたいのに、同時に悪戯したいという…相反する感情が湧き上がっていく。

「…まさに君は、私だけの眠り姫だな。…王子のように、君に口づけるか…
もしくは意地悪なオオカミとなって…その唇を貪るか。迷う処だな…?」

 今の克哉は御堂に対して、完全に構えを解いている。
 だから…傍らに立ったとしても目覚める気配はなかった。

「…克哉」

 そして短く呟きながら男はそっと…身体を曲げて、テーブルに突っ伏して
寝ている克哉の方へ顔を寄せていく。
 最初はどこまでも甘く優しく、そしてすぐに情熱を帯びていきながら…
恋人の唇を堪能していく。

「ふっ…っ…ぅ!」

 流石にこの攻撃には、克哉も目覚めざるを得なかったようだ。
 最初は茫然と御堂に舌先で、口腔内を犯されていたが…意識が覚醒してから
ジタバタと必死にもがいていく。
 酸欠寸前になりながら、どうにか御堂の執拗なキスから逃れていくと…
克哉は瞳を潤ませていきながら、荒い呼吸を吐いていった。

「た、孝典さん…!  いつ帰って来た、というか…今、な、何をしたんですか!」

「…ん? 私の可愛い眠り姫に向かって、目覚めのキスを交わしただけだが?」

「だ、誰が眠り姫ですか! そ、そんな恥ずかしい事を言わないで…!」

「いいや、眠り姫は英語で言えば…スリーピング・ビューティー…眠れる美女だ。
私にとっては無防備に眠っている君の姿ほど、その単語に相応しい存在はいない。
だから…君が私の、愛しい眠り姫だという事実は譲るつもりはないな…」

 平然と、きっぱりと御堂は言いきったので…克哉は恥ずかしさのあまり
口をパクパクさせながら、反論する気力すら失っているようだった。

(嗚呼…交際するようになってからも、数えきれないぐらいに抱いているというのに…
君は未だに処女のようにウブな処が抜けきらないな…)

 ベッドの上で抱いている時はまさに淫乱な娼婦のように乱れる癖に…
こういう戯れのような言葉で動揺して、顔を赤らめている様は本当に
ギャップがあって…可愛らしいものだと思う。
 だからこそ数多の美女を相手にしてもただの一度も相手に狂うことなど
なかった御堂が…この年下の青年だけは、本気になった訳だが。

「もう! 帰ってくる早々…何ですか! そんな恥ずかしいことばかり言って…!
そんなに、オレをからかって愉しいですか!」

「あぁ、実に愉しい。あぁ…そんな拗ねた顔はしないでくれ。…こうして毎晩、
遅くまでたった一言をいう為に遅くまで待っていてくれている君をどうして
愛しいと思わずにいられるのだろうか…。そう思って、割り切ってくれないか…?」

「っ…! 今夜の御堂さん、おかしいです…! さっきからどうして聞いているだけで
恥ずかしくなるようなことばかり言うんですかー!」

 どうやら、からかうのはこの辺までにした方が良さそうだった。
 克哉の反応が可愛くて仕方なくて、普段よりも大仰な言い回しで想いを
伝えていたが…これ以上やると本当にへそを曲げられてしまいそうだ。
 そう考えて華美な装飾を施した大仰な言い回しをを止めて…いつもの御堂の
口調に戻っていく。

「あぁ…悪かった。あまりに君が動揺して、顔を真っ赤にするものだからな…。
つい、悪ふざけが過ぎてしまった…」

「……。本当に、孝、典さんは…意地悪です…」

 そうして、椅子に腰かけたままの体制の克哉の背中にそっと覆い被さり…
彼を静かに抱きしめていく。
 温かくて、この温もりを腕の中に感じるとほっとした。

「…すまなかった。さあ…今夜も、そろそろ…言ってくれるだろうか?
その一言を君に毎晩聞かせてもらうだけで…明日も頑張ろうと、
私も奮起が出来るからな…」

「…もう、仕方ないですね・・・。判りました…」

 背後から抱きしめて、米神にキスを落としたことで少し克哉も機嫌を
直してくれたようだった。
 スウ、と深呼吸をしてから…克哉は静かに告げていく。

「…今日も、おかえりなさい。孝典さん…一日、お疲れ様でした…」

「うむ…君、もな…」

 そうして、愛しい存在がこちらの方に振り返って…労いのキスを
与えてくれる。
 この一時の甘さに、酔いしれて…それだけで幸福感が満ちていく。
 社会に出れば、日常の中では叱責や注意、文句ばかりで。
 そんな言葉に晒され続ければ心がすさむのは当然だった。
 だが、大切な人間に認められて…こうして温かく声を掛けられれば
それだけで活力は満ちて、明日も頑張ろうと心を奮い立たせられる。
 だから克哉は、御堂を待って…この一言を、想いを告げることに
拘っているのだろう。
 一日も長く、自分たちの恋愛が長く続くように…そう願っているから―

『………………』

 暫く無言のままで、静かに唇を重ね合っていた。
 だが少し経ってから御堂のいたずらな舌先が…克哉の口腔内をくすぐり
始めたので・・・僅かにその背が戦慄き続ける。

「…克哉…」

「あっ…ぅ…ダ、メ…です。明日も…仕事が…」

「…あぁ、判っている…」

 けれどせめて、深い口づけだけでも欲しいと…掻き立てるような
欲望と戦い続ける。

「…もう、オレの王子様は…随分とエッチなキスをされるんですね…」

「嫌か?」

「いいえ。それが…孝典さんですから…」

 そうして、全てを達観しきったように…克哉は笑う。
 御堂の素晴らしいところも、意地悪な処も…彼を構成する要素の
全部が愛しいと受容してくれている…そんな微笑みを浮かべていく。

「…貴方のそんな処も、オレは…好きですから…」

「…そうか。それは…光栄だな…」

 そうして、大切な人間を背後からしっかりと抱きしめながら…
暫く幸福なキスにお互いに酔いしれていく。
 そして御堂は心の中で、その甘い口づけに酔いしれながら…
心から強く願っていった。

 ―私の愛しいスリーピング・ビューティーよ
  いつまでも、この腕の中で愛らしいままで…こうして私の帰りを
待っていておくれ

 自宅に帰れば、君が微笑んで待ってくれている
 それだけで…私はどれほどの激務をこなしていても耐えられる
 君の笑顔だけで―
 

※予定より大幅に掲載遅れてすみません!!
お待たせしました!
 6月25日から新連載です。
 今回のCPは御堂×克哉となります。
 テーマは酒、(「BAR」&カクテル)です。
 鬼畜眼鏡Rで、太一×克哉ルートで克哉が軌道が乗るまでアメリカで
BARで働いていたという設定を見て、御堂×克哉でもカクテルやバーを
絡めた話が見たいな~という動機で生まれた話です。
  その点をご了承で、お付き合いして頂ければ幸いです。

 秘められた想い                      

 ―相手の腕の中に囚われた時、克哉はふと…クモの巣に掛かった
蝶の気持ちとは、こんな感じなのだろうかと思った。

 いつもの理知的な仮面はかなぐり捨てられ、獰猛な雄としての
御堂が目の前に存在している。
 シャワーを浴びていないせいか、お互いの汗と体臭の匂いが
鼻を突いて…酷く興奮していく。
 窓ガラスに張り付けられた状態で、衣服を手荒に脱がされて…
御堂にその場に縫い付けられている自分は、まるで標本にされる
昆虫か何かのようだ。
 窓際で抱かれるなんて、他の誰かに見られるかも知れない。
 そう思うと、恐怖に似た感情が湧き出てくる。
 だが、恋人関係になる前の御堂とのセックスは何度も危ない橋を
渡った事を思い出していく。

(…そうだ、御堂さんには執務室で無理やりされた事もあった…。
あの時も、誰かが途中で来たりしないか…ヒヤヒヤしていた事が…)

 その時の官能的な記憶を思い出して、克哉は悪寒めいたものを
感じていく。
 アッという間に自分だけが全裸になる。御堂は上着を脱ぎ、ネクタイを解いて…
シャツを僅かに着崩している程度だ。

「オレ、ばかりが…何て、恥ずかしい…です…御堂、さん…」

「…クク、それすらも…君にとっては快楽の要因…だろう…?」

「っ…!」

 自分ばかりが全裸となり、相手に全てを曝している状態は…焼けつくような
羞恥を覚えていく。
 だが相手はそんなのはとっくの昔にお見通しらしい。
 だからわざと脱がずに、克哉だけを剥いていったのだ。
 それすらも快楽の導火線とする為に…そんな意志を、喉の奥で噛み殺した
笑い声で悟っていく。

「…克哉、どうせなら…夜景をたっぷりと楽しむと良い。この部屋から見える
夜景はきっと…絶品だぞ?」

「そ、そんな…っ!」

 ふいに身体を反転させられて、身体の前面部の方がガラス戸に押し付けられる。
 克哉の眼前には、宝石箱をひっくり返したような見事な夜景が広がっている。
 色とりどりのネオンは、まるで生きているかのような輝きだった。
 その明かりは、この眼下に多くの人々が息づいて生活をしている証だ。
 自覚した途端、克哉の顔は一層赤く染まっていく。

「孝、典さん…ヤメ、て…」

「ほう? 嫌だと言っている割には…ここはもうこんなに硬くなって…私の指を
弾かんばかりになっているがな…?」

「ひっ! うっ…!」

 背後から手を回されて、両方の胸の突起を弄られていく。
 執拗に、強弱をつけられていきながら其処を責められて…克哉は半ば
気が狂いそうになった。
 ガラス戸にとっさに爪を立ててしまいそうになるが、ツルツルと滑って
叶わなかった。
 胸を責められている間、首の付け根や肩口、耳の後ろを…唇で強く
吸い上げられて所有の痕を刻まれる。
 セックスの度に、御堂は克哉は自分のものだと主張するように…
全身に赤い痕を刻みつける。
 身体の関係を持って暫くしてから、いつの間にかされるようになっていた。
 抱かれるたびに、飽く事なくつけられる痕跡。
 御堂の、所有と独占欲の証。
 いつだって色濃く刻まれるから、痛みが伴う。
 だが…情事の時には、それすらも快楽に繋がっていくようだ。

「あっ…はっ…ぁ…」

 悩ましい声を漏らすと同時に、蕾に熱く猛ったものが宛がわれた。
 紛れもなく御堂の欲望そのものだった。
 それが慣らしてもいない狭い入口を割り開くように…先端を宛がわれて
幾度も擦りつけられていく。

「やっ…いきなり、は…!」

 すでに御堂に何度も抱かれて、その形が記憶に刻まれている程だ。
 それでもいきなり慣らしもせずに突っ込まれるのは抵抗があった。

「…心配するな。私とて、君を傷つけたい訳ではないからな…」

「あっ…」

 そうして、御堂は…ポケットから小さなジェルの入った容器を取り出していく。
 最初は冷たいそれをたっぷり目に取られて…奥まった箇所に塗りつけられていく。
 その滑りの手伝いもあってか…あっという間に御堂の指先を二本、飲み込んでいき。

「あっ…あぁぁ…っ…!」

 期待していたものではなく、代わりにスルっと指を含まされてもどかしいと
ばかりに克哉が高い声で啼いていく。
 御堂の整った指先がまるで別の生き物のように蠢いて…克哉の
脆弱な場所ばかりを攻め立てていく。
 だが、すでに御堂の性器の質感と熱さを覚えこまされてしまっている貪欲な
肉体はそんな刺激だけでは最早満足しきれなくなっている。
 ジェルを溢れんばかりに、淫らな場所に塗り込まれて…ジュプジュプ、と
淫靡な音が立っていくのが判る。

「…相変わらず君の中は貪欲だな。指だけでも…こんなにキツく
締め付けて、私のを食いちぎらん限りだ…」

「やっ…ぅ…お願い、です…言わない、で…! ひうっ…!」

「…聞く気はないな…。それに、あのBARにいた時からずっと…今夜は
君をトコトン、啼かせたくて仕方なかった…」

「はっ…ほん、とうに…いじ、わる…です。孝、典さんは…んんっ!」

 指の腹が前立腺の部位を執拗に擦っていくと、克哉の眼元から生理的な
涙が溢れだしていく。
 耐えきれないとばかりに懸命に頭を振っていくが…御堂は一切、容赦する
つもりはなかった。
 指だけでも気が苦しそうな快楽をすでに与えられて、身体は何度も窓ガラスに
全身を押し付けるようにしてその衝撃に耐え続けている。
 だが、奥深い処では貪婪に…さらに深い快楽を求め始めている。

(貴方が…早く、欲しい…!)

 あの熱くて硬い凶器で、自分をメチャクチャにしてほしい。
 いつしかその欲望だけが克哉の思考を支配していった。
 なりふり構わず、相手にねだるように腰をくねらせて…御堂が与えてくる
刺激に耐えていく。

「は、やく…くださ、い…! もう…オレ、耐えきれ、ないです…!」

 そして…応えきれず、懇願する声が克哉の喉から漏れていく。

「…淫らな奴だ。そんなに…欲しいのか…?」

「は、はい…!」

 気づけば指は素早く引き抜かれて、相手のペニスが宛がわれていく。
 ドクドクドク…と硬く張り詰めているソレを感じ取って、期待するように克哉の
喉が鳴っていった。
 そうだ、それが欲しくて堪らない。
 その熱くて硬いモノで…どうか自分の奥深い処を割り開いて根元まで
貫いていってほしいと…そう訴え掛けるように克哉の腰がくねって、自ら
それを飲み込もうとしていく。

「…がっつくな。今から、君を存分に…犯してやる…」

「うれ、しい…です…やっと…貴方、と…」

「あぁ、そうだな。やっと君を味わえる…。本当に、週末が恋しくて仕方ないな…」

「はぁ…ん!」

 そうして、御堂に顎を掴まれて苦しい体制を取らされていってから…
熱いペニスが入り込んでくる。
 眼前に広がる夜景も、今は意識から飛んでいった。
 今、克哉の心に存在しているのは自分をこうして抱いている御堂だけだから。
 ただ…相手から与えられる刺激に集中しようと…克哉は、奥まで御堂の
性器をズブズブと飲みこんでいったのだった―

 
※お待たせしました。(予定より掲載遅れてすみません!!)
 6月25日から新連載です。
 今回のCPは御堂×克哉となります。
 テーマは酒、(「BAR」&カクテル)です。
 鬼畜眼鏡Rで、太一×克哉ルートで克哉が軌道が乗るまでアメリカで
BARで働いていたという設定を見て、御堂×克哉でもカクテルやバーを
絡めた話が見たいな~という動機で生まれた話です。
  その点をご了承で、お付き合いして頂ければ幸いです。

 秘められた想い                    

 ―タクシーに乗って、御堂の手配したホテルの部屋まで共に移動していき…
室内に入った瞬間にきつく抱きすくめられていく。

 彼が手配したのは、以前…自分たちがまだ恋人関係になる前に
使用していたホテルだった。
 強い力で引き寄せられていくのと同時に…フワリ、と御堂の使用している
フレグランスと、すでに馴染んだ男としての体臭が鼻を突いていった。

(孝典、さんの…匂い、だ…)

 それだけで、クラクラしてくる。
 心拍数と体温が一気に上昇して、制御が利かなくなりそうだ。
 …恋を自覚した時から、克哉にとって…この人ほど、自分の心を大きく揺さぶる
存在はいなかった。
 御堂の全てに、いつしか惹かれてしまっている自分がいる。
 扉を潜った瞬間に荒々しくキスをされて口内を貪られていく。
 こちらの呼吸すら、奪い尽していくような…強引で深い口づけに…半ば意識が
飛びそうになり、如実にこちらの下半身も熱くなっていく。

「はっ…ぁ…んんっ…! うっ…ぁ…」

 酸素を求めて、克哉が苦しげに唇を離そうともがく度に…唇から
信じられないぐらいの甘ったるい声ばかりが零れていく。
 これが本当に自分の声なのか、と疑いたくなる程だった。

「か、つ…やっ…!」

「んっ…孝典、さん…せめて、ベッドで…」

 このままだと玄関先で立ったまま犯されそうになりそうで…それだけは
避けようと、懸命に声を絞り出していく。
 激しくこの人に抱かれたい気持ちはあれど、せめてベッドで抱かれるように
しなければ…確実に身体が持たなくなりそうだからだ。
 だが、日頃抑えられている嗜虐心が全開になっている御堂にそう訴えても
逆効果にしかならない事まで、克哉は思考が回っていないようだった。

「…ほう? そんな事を言われると…逆に君をベッド以外の場所でグチャグチャに
したくなるな…。今夜は何処で君を犯してやろうか…」

「そ、そんな…!」

 そんな際どい言葉を呟かれながら、唇を舐めあげられて…ゾクリと肌が
粟立っていく。期待するように…背筋に悪寒めいた感覚が走って…
満足に立っている事すら困難になりそうだった。

「…今夜は、激しく貴方に抱かれたい…から、ベッドでお願いします…!」

 半ば懇願するように、克哉は告げていく。
 だが…こちらが縋るような態度を見せれば見せるだけ、御堂の心は逆に
煽られて…意地の悪いことばかり考え始めていく。
 
「…克哉。君も男なら…判るだろう。…特に疲れている時は時に意地悪く、
愛しい人間を抱きたくなる心理を…」

「それ、は…理解、出来ますけど…その…」

 克哉が困惑した表情を浮かべて、頬を真っ赤に染めていく。
 その朱に染まった顔が余計に…御堂の心を煽っていった。

「少し…黙っていろ。焦らすだけの言葉ならば、今は聞きたくはない…」

「孝、典…さん、待って…!」

 せめて玄関先で抱かれるのだけは阻止しようと、懸命にもがいて愛しい
男の腕から逃れていく。
 しかし鬼ごっこをして逃げ切るには狭すぎる室内。
 あっという間に窓際に追い詰められてしまう。
 冷たいガラスの感触を背中に感じ取って、ヒヤリとなった。
 
「…ほう、今夜は…夜景を背景にして…抱かれる事を望んでいるのか…?」

「そ、んな…事、ありません…」

「そんなにベッドが良かったのなら、何故そちらに逃げなかった?」

「…貴方が、全力で阻んだからです。だから…オレはこっちに
逃げるしか、なくなったんです…」

 そう、御堂は自分の意に添わせる為に己の身体を持って…克哉の
ベッドへの逃走経路を阻んでいった。
 だから…そう、こちら側かもしくはバスルームの方に逃げるしか、克哉に
逃走経路は残されていなかった。
 密やかなに、追い詰められていく。

「…そして君はこちらを選んだ。回答はそれで…構わない訳だな…?」

「………」

 克哉は、答えられない。
 激しく抱かれるのを望んでバーで御堂を挑発したのは自分だ。
 素直にベッドに連れていかれたのならば、きっとこんな風に逃げたりせずに
この人の熱い腕の中に自ら縋りついて…快楽に覚えていただろう。
 そう、克哉は察している。
 これは、先程の挑発行為に関しての…御堂なりのお仕置きなのだと。
 賢しい真似をしたこちらに対しての、意地悪な恋人からの意趣返しで
ある事を克哉は察していく。
 ジワリ、ジワリと…御堂が迫ってくる。
 その度に息が詰まるほどの緊張と…甘美な快感の予感が背筋を走り抜けて
ゾクゾクしていった。
 そしてガラス戸と…御堂の身体の間に、閉じ込められていく。
 焼けつくように熱い肉体と、冷たく濡れたガラス戸の相反する感覚を
覚えていきながら…ついに、捕えられていく。

「んっ…ふっ…ぅ…うぅ…!」

 そしてまず、口腔から征服者に犯し尽される。
 愛情だけではない、濃い情欲を滲ませる情熱的な口づけ。
 それにこちらのなけなしのプライドも、意地も全てがねじ伏せられて…
ただ、膝を折って屈する以外になくなっていく…。

「あっ…はっ…」

「相変わらず、君はイイ声で啼くな…克哉…」
 
 己の下で、銀糸を断ち切っていきながら…どこまでも淫蕩に、強気に
御堂が笑う。
 そして、ゆっくりと全身に指先が這わされて…完全に克哉は、
愛しい男の腕の中に閉じ込められていったのだった―
 
 
 

 ※お待たせしました。(予定より掲載遅れてすみません!!)
 6月25日から新連載です。
 今回のCPは御堂×克哉となります。
 テーマは酒、(「BAR」&カクテル)です。
 鬼畜眼鏡Rで、太一×克哉ルートで克哉が軌道が乗るまでアメリカで
BARで働いていたという設定を見て、御堂×克哉でもカクテルやバーを
絡めた話が見たいな~という動機で生まれた話です。
  その点をご了承で、お付き合いして頂ければ幸いです。

 秘められた想い                 

 御堂がテーブルに戻り、克哉と暫く対話している間に…先程までは
コンサートのおかげで熱気が感じられた店内は…いつの間にか
閑散としたものになっていた。
 ジャズの演奏が終わったことと、今夜は24時以後にカクテルの注文が
出来ないという二つの要因から…多くの客は席を立って、帰路について
しまったようだった。
 控え目な音量でジャズの名盤が流されているが…先程に比べて
ガラリと店内の空気は変わってしまっていた。
 そんな中で…御堂と克哉は、静かに見つめ合い…対峙していた。

「…それでは、味あわせてもらおうか。君からのメッセージを…」

「えぇ、どうぞ。楽しんでください…」

 ―ブルームーンを一口、喉に流し込んでいくと…フワっとスミレの
花の芳香が感じられた。
 悩ましくセクシーな味わい、と表現すれば良いのだろうか。
 酷く官能的で、複雑な味わいをしているカクテルだった

(これが今の克哉の心を表している、一杯か…)

 今までワインばかりを愛飲して、カクテルの類はまったく飲んで
来なかった。
 だから少し馬鹿にしていた部分があったが、さっきのカーディナルと良い、
複雑に絡み合った味わいは…なかなかのものだった。

「隠された、意味か…」

「…えぇ、オレが貴方に伝えたいのは…原料に使われているものの方です。
19世紀とかでは媚薬にも使われていたそうですよ」

「…媚薬か。随分と艶めかしいな。だが…この味わいならば納得だ。
人の官能をくすぐるような風味だからな…」

「フフ、御堂さん…随分と詩人ですね。けど、知っています? ブルームーンには
カクテル自体には『出来ない相談』という意味が含まれていることを…」

 この瞬間、克哉は少し意地悪に微笑んだ。
 滅多に見せない、小悪魔的な表情だった。
 その悩ましい顔に視線が釘付けになりながら…そっと問い返していく。

「…ほほう、それはどういう意味かな?」

「…一般的に、一緒にいる時に…その相手にブルームーンを注文されたら
それは『拒否』を意味するメッセージになります。
 ブルームーンという語源は…一か月に二回満月を迎える、『滅多にない
出来事』という意味もあるんですが…「出来ない相談」の方は…
貴方とその話は出来ない、貴方を受け入れられない…という意味合いを
含んでいます」

「っ…! ほう、カクテルというのは…随分と色んな意味が含まれているんだな…」

 克哉から説明された時、一瞬だけ御堂の背中に戦慄が走った。
 『拒否』という意味を説明された時、ヒヤっとしたからだ。
 御堂は克哉を愛している。そして今まで付き合ってきたどんな恋人よりも
熱中して、執着している存在だ。
 そんな彼に拒否を意味するカクテルを注文された…と思ったら、ゾっとする。
 だが、御堂のそんな動揺を嘲笑うかのように…どこまでも綺麗に、克哉は
笑っていった。
 こちらの…僅かな時間感じた不安など、まるでお見通しとのばかりに…。

「…えぇ、まさか…初めて聴いたジャズのコンサート中にあんな事をされるなんて…
『滅多にない出来事』でしょう? だからこのカクテルを頼んだんですよ…。
今のオレの心境に、ぴったりでしょう…?」

「そう、か…」

 その一言をようやく聞けた時、御堂は肩の力が抜ける想いがした。
 拒否、という意味合いではなかったことに心から安堵を覚えていく。

「…『滅多にない出来事』は、貴重な一時を経験したとか…喜ばしい意味に
なるんですが、例えば告白した時に…これを差し出されたら、相手は困惑
するそうですよ。…「出来ない相談」とされて、拒否のメッセージになるか。
…もしかして後者の意味がついたのは、失恋で傷ついた心を…これで
癒せって事なのかも知れないですけどね…」

「…今晩の君は随分と意地が悪いな…。こうして二人きりでいる時に…
そのような話をされると、私の心とて…乱されてしまうだろう…?」

 二人の視線が、複雑に交差していく。
 きっとこれは、克哉なりの意趣返しなのだろう…というのは理解していた。
 克哉は、そういう性分だ。
 一見どこまでも従順でこちらに何もかも従っているように見えて…時折、
このように小気味良く御堂の予想を裏切る行動に出る時がある。
 だからこそ、彼の一挙一足や言動に注目して…心を囚われてしまって
いるのだが…。

「…フフ、今更…オレが貴方という存在を拒否する事は有り得ませんから。
…少しぐらいのことで離れたり、別れたりするような人と一緒に暮らしたり…
その下で働く訳がないでしょう?」

「…確かにそうだがな。それでも…君からカクテルの意味を説明されて
少しだけヒヤっとしたぞ…」

 そう呟きながら、程良く冷えているブルームーンを再び喉に
流し込んでいく。
 そういえばこのカクテルには19世紀には媚薬として使われていたものが
使用されていると言っていた。
 克哉のメッセージとは、その酒に由来しているのだろうか。
 それなら…一体、どのような意味が含まれているのだろうか。

(正直、見当がつかないな…)

 カクテルに使用されている多種多様の酒は、御堂にとっては
未知のものばかりだ。
 ワインは幾分…詳しいと自負しているが、普段自分が接していない領分に
関してはまったく判らなかった。

「…それで、克哉。この酒に秘められた君のメッセージは…何だ?」

「…聴きたいですか?」

「あぁ、是非…」

 そうして、御堂がはっきりと答えていくと…不意に克哉の唇がこちらの
耳元に寄せられていった。

「…なら、ベッドの上で…貴方に存分に愛された後に、答えます。その時に
告げた方が…きっと、相応しいから…」

「…っ!」

 今のは完全に、御堂にとっては奇襲に近い行動だった。
 甘く掠れた克哉の囁きに、再び全身の血が沸騰するようだった。
 この場で組み敷きたい、唇を貪りたい衝動に駆られていく。
 それを人としての理性で抑え込んでいくと…御堂は携帯電話をまず
手に取り、素早く行動に出た。

「少し、待っていろ。今…手配する」

「はい…」

 そうして克哉が頷いて、御堂を見守っていくと…五分も経たない内に
この近隣のタクシー会社と、ホテルの部屋の二つを手配したようだ。
 今夜はバーに来て一杯飲むと判っていた為、二人とも電車で出勤して
御堂の愛車の方は自宅に置かれたままだ。
 だが、御堂はアルコールを嗜んだ後…すぐに帰れるように都内の
タクシー会社を何社か控えて、携帯に登録していった。
 素早く、そしてスマートに行動している御堂の姿を見ていると頼もしく
感じられて、小さく胸が跳ねていくようだった。

「……手配をし終えた。会計を終えて店の外に立っていれば…すぐに迎えが
来るだろう。…そろそろ行くぞ」

「…あっ。はい…判りました」

 御堂の毅然とした態度を見て、軽く頬を染めていきながら克哉は
頷いていく。
 どうやら自分は…狙い通り、恋人の心を煽るのに成功したらしい。
 あんな風に悪戯を仕掛けられた時点から、克哉の心も体も深く
疼き続けていた。
 だが、普通に抱かれるだけでは…とても足りそうになかった。
 克哉が…この一杯を頼んだのも、挑発の為だった。
 …強く激しく、貴方に愛されたいと、貫かれたいと。
 だから、彼の心を揺さぶる為に…様々な意味合いが隠されている
ブルームーンを注文したのだ。
 …それに、この酒に隠されている秘められた意味こそ…克哉がずっと
この人に伝えたいと思っている気持ちに添うものは存在しなかったから。

(今夜は、激しく愛して下さい…貴方しか見えないぐらいに…
オレを貴方で、満たして…)

 浅ましい欲望を覚えていきながら、御堂の腕に引かれてバーを
後にしていく。
 背筋に感じるのは、これから愛しい男に組み敷かれて貪られる
官能の時間の予感。
 そして、タクシーに乗り込んで寄り添いながら後ろの座席に座った時…
二人は運転手に気づかれないようにしながら、深く指を絡ませ合って…
相手が欲しくて堪らないという想いを、如実に伝えあっていったのだった―

 
 ※お待たせしました。
 6月25日から新連載です。
 今回のCPは御堂×克哉となります。
 テーマは酒、(「BAR」&カクテル)です。
 鬼畜眼鏡Rで、太一×克哉ルートで克哉が軌道が乗るまでアメリカで
BARで働いていたという設定を見て、御堂×克哉でもカクテルやバーを
絡めた話が見たいな~という動機で生まれた話です。
  その点をご了承で、お付き合いして頂ければ幸いです。

 秘められた想い               

後、今回の連載の作中に使用されているミュージックのリンク。
どんな曲なのか知りたい方はどうぞ~。

 『A列車で行こう』
 『いつか王子様が』
 JAZZソング集 1. Fly Me To The Moon/フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
          2. The Girl From Ipanema/イパネマの娘
          3. Over The Rainbow/虹の彼方に
          4. Night And Day/夜も昼も
          5. When You Wish Upon A Star/星に願いを


―克哉と過ごしていると、時々…今、自分の周りに取り巻く全てが
煩わしく思える時があった

 手を洗いに席を立っている間に…海外支社の人間から連絡が来て
その連絡の為に、予想以上に時間を取られてしまった時…御堂は
つくづくそう思った。

(…随分と彼に毒されてしまったものだな。以前の私だったら…誰と
過ごしていようと、仕事上の連絡だったら決して煩わしく思ったりなど
しなかったのに…)

 そう、御堂は克哉と出会うまで…何人かの異性と付き合ったことが
あったが…どの相手に対しても、ここまで熱中した事はなかった。
 だが、克哉だけは違う。
 今夜だって視察の為に訪れたのに…ピアノに聞き入ってうっとりと
なっているその姿に軽く嫉妬心を覚えて…気づいたら仕掛けてしまっていた。

(まったく…君と共に過ごしていると、時々…仕事をしなくてはならないという
気持ちよりも…男としての欲求が強くなる時があるな…)

 さっきだって、手を握る処までで止める予定だった。
 思い返せば…我ながら、随分と大胆な振る舞いをしたものだと思う。
 だが…指先を絡めているだけで、次第に潤んでくる克哉の様子を見ていたら…
気づいたら、音楽を聴くよりも…彼に触れたくなってしまった。
 声を出さないように必死に手で口元を覆っていた克哉の様子を思い出して…
身体が熱く滾っていくような気がした。

(…参ったな。このままでは…彼を同伴させたら満足に仕事にならなく
なる日がきっと出てしまいそうだな…)

 そんな事を考えて苦笑しつつ、ようやくテーブルに戻っていくと…
自分が退席している間に、克哉はカクテルをオーダーしていた
ようだった。
 青紫色のカクテルが…光に透かされて、青い影をテーブルに落としている。

「…おかえりなさい、御堂さん…」

 そして、実に艶っぽい表情を浮かべながら…克哉が声を掛けていく。
 御堂は、その顔を見て…背筋がゾクリ、となった。
 …先程までの、自分の仕事を忠実に補佐している時の彼の顔ではない。
 これは…自分とベッドを共にしている時の表情と声音だった。

「あぁ、随分と待たせてしまってすまなかった。海外支社の方から…突然
連絡が来たものでな…」

「えぇ、何となくは予想していました。御堂さんは忙しい人ですし…時差的に
向こうの人からしたら、この時間帯が一番連絡しやすいでしょうからね…」

 そういって、クスっと笑う仕草一つだけでも婀娜っぽく…こちらを
見つめて来る。
 その視線一つでもゾクゾクしてくる。
 だが、今はこの眼差しと笑みの虜になる訳にはいかないと判断して…気を
逸らすために周囲をざっと見遣っていく。
 その時になって…ようやく御堂はすでに今夜のお目当てであったピアニストが
すでに店内に存在しない事実に気づいていった。

「…そういえば、例のピアニストは見えないのだが…君は私が不在の間、
引きとめておいてくれなかったのか…?」

「えぇ、このテーブルの隣に座っていた男性がどうやら友人だったらしく…
コンサートが終わった直後に連れ立って、二人で消えて行きました…」

「ほう? 私が彼を目当てに今夜…この店に来ていたのは知っていた筈だ。
それなのに…彼が店の外に消えるのを黙って見逃したというのか…?」

 まるで揶揄するように、御堂がこちらを軽く詰ってみせる。
 だがその口元には、愉快そうな笑みを浮かべているのが見て取れた。
 克哉もまた…その様子に負けじとばかりに悠然と微笑み、言葉を
返していった。

「…貴方が、俺に対してあんな悪戯を仕掛けなければ…貴方が席を立って
いる間に貴方の忠実な部下としての本分を果たして…彼が出ていこうとするのを
ちゃんと止めておいたでしょう」

「ほう?」

「…貴方に触れられたせいで、俺は…忠実な部下の立場を貫いて
いられなくなりました。…仕事上の事なら、部下としてなら…貴方があんな風に
真っ直ぐに他の人間に視線を向けられるのも耐えられる。
 けれど…その仮面を剥がされてしまったら、我慢出来ませんから…」

 そう呟きながら瞳を伏せた克哉の表情は、思わず息を呑むぐらいに
艶めかしいものだった。

「…随分な独占欲だな。君の中に…そのような情熱が潜んでいるとは…
知らなかったな」

「…オレは貴方が想っているよりもずっと嫉妬深いし…独占欲も強いんです。
…だからピアニストの男性を引きとめませんでした。こんなオレを…軽蔑
しますか?」

「…良いや、君の思わぬ一面を知れて満足だ。だが…仕事上で君が
損失を出したのも事実だ。…それに対して、埋め合わせをして貰わなければな…」

「えぇ、ですから…貴方にこれを用意させて頂きました…」

 そうして克哉は、青紫色の液体に満たされたカクテルグラスをそっと
差し出していく。
 あまりカクテル類に詳しくない御堂には、これがどんな名称の品であるかも
まったく見当がつかなかった。

「…このカクテルは?」

「…俺の貴方に対してのメッセージです。二つの意味が潜んでいますから…
その内の隠された方を読み取って下さい。それが…オレからの出題です」

「…ほほう、君は私を試しているのか?」

「…えぇ、そうです。これぐらいの事をした方が…きっと貴方は楽しんで
下さると思いましたから…」

 そうして微笑む克哉の表情は極めて艶めかしい。
 恐らく他の人間の目が存在しない状態で見たのならば…その場で
押し倒してしまいたくなる程だった。

「なら、参考までに聞かせて貰おうか。君が選んだこのカクテルの
名前は何と言うんだ?」

「…ブルームーンです。憂いの月…ヒントは、スミレを使ったリキュールを
用いて作るカクテルです」

「…ほう、そのヒントの中に…君の想いが隠されている訳なのだな?」

「えぇ、そうです。…これほど、オレの心情を良く表してくれている一杯は
存在しませんから…」

 そうして、克哉は自分の分のカクテルを悠然と微笑んでいきながら…
ゆっくりと喉に流し込んでいく。
 「憂いの月」を意味する一杯に隠されたメッセージ。
 その謎を投げかけながらも、克哉の瞳は酷く甘くて…艶めいていた。
 
―面白い

 御堂は、愉しげに微笑んでいきながら…恋人から唐突に投げかけられた
謎の答えを探ろうと、自らもまた…そのカクテルをゆっくりと味わい
始めていったのだった―

 
※お待たせしました。
 6月25日から新連載です。
 今回のCPは御堂×克哉となります。
 テーマは酒、(「BAR」&カクテル)です。
 鬼畜眼鏡Rで、太一×克哉ルートで克哉が軌道が乗るまでアメリカで
BARで働いていたという設定を見て、御堂×克哉でもカクテルやバーを
絡めた話が見たいな~という動機で生まれた話です。
  その点をご了承で、お付き合いして頂ければ幸いです。

 秘められた想い             

後、今回の連載の作中に使用されているミュージックのリンク。
どんな曲なのか知りたい方はどうぞ~。

 『A列車で行こう』
 『いつか王子様が』
 JAZZソング集 1. Fly Me To The Moon/フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
          2. The Girl From Ipanema/イパネマの娘
          3. Over The Rainbow/虹の彼方に
          4. Night And Day/夜も昼も
          5. When You Wish Upon A Star/星に願いを

 ―最後に聞こえた「星に願いを」は、この場でそのメロディに耳を
傾けている人間全てを眠りに誘っていきそうなぐらいに優しく
穏やかなメロディにアレンジされていた

 しっとりとしていて…まるで母親が子供を寝かしつける時に
歌う子守唄のような優しさを感じて…克哉は机に突っ伏したまま…
ようやく音楽を聴く方に集中していく。
 たった今、克哉が放った精は殆どが御堂の掌に収められたおかげで
下着やズボンの類は汚さずに済んでいた。
 濡れていない方の手で、御堂はさりげなくこちらの衣服を整えてくれた。
 だからもう懸念することは何もないのだが…それでも、まだ死ぬほど
恥ずかしいという気持ちが抜けない。

(こ、こんな場所で…あんな風にされるなんて、想像しても
いなかった…孝典さんって、本当に…酷い…)

 この人が意地悪というか、嗜虐心が強い性質である事はすでに
恋人関係になって身を持って知っている訳だが…まさか、こんな場所でまで
こちらに仕掛けて来るなんて予想もしていなかった。
 隣の席に座っていた客にも何か悟られてしまったかもだし…頭の中は
グチャグチャでまともに考えられない。
 乱れた呼吸の方はどうにか机に顔を伏せている間に整ったが、まだ
鼓動の方は収まっていない。
 今だに荒々しく脈動を繰り返して、ドクドクと言っていた。
 静かに流れる「星に願い」のメロディ。
 それがこちらの昂ぶった精神を多少は宥めてくれている。
 だが、平素の状態でならそのまま眠りに誘われてしまいそうな旋律も
あんな事をされた直後では無理だ。
 気持ちは未だに乱れ続けて、御堂の方をまともに見れない。

(…どうしよう、まだ孝典さんの顔を見るのが恥ずかしい…)

 そう思って、顔を逸らして周囲を眺めていくと…ぎょっとなった。

「へっ…?」

 先程、もしかして感づかれてしまったのでは…と懸念した
隣の席の若い男性が思いっきり船を漕いでいたのだ。
 ぎょっとなって周囲を眺めていくと…あまりに優しく、ゆったりとした
旋律の為か…他の客の目もトロン、となり始めている。
 そして一番驚いたのが…。

(孝典さんまで、船を漕いでいる…!?)

 これには克哉も相当に驚いていく。
 …この人がこんな人目につく場所で、うっかり居眠りをするなんて
初めて遭遇したので、思わず我が目を疑ってしまった。
 …まあ、日頃睡眠を削って激務をこなしている身だ。
 こんな優しいメロディをずっと聞いていたら…思わず気が緩んでしまうのも
仕方ないかも知れない。
 信じられないものを見た、とばかりに克哉が数十秒程…凝視していくと
その視線に気づいたのか慌てて御堂が瞼を開いていく。

「はっ…?」

「…お疲れなんですね、孝典さん…」

 短い間だけ自分の前に晒された…愛しい人の無防備な寝顔は
克哉に少しだけ気持ちの余裕を取り戻させてくれた。

「…む、気づかぬ間に眠ってしまったか…」

 そういって御堂は罰の悪そうに苦笑していく。
 そして照れ隠しに、小さくコホン…と咳ばらいをしていくと…御堂は
その場から立ち上がっていった。

「…顔と手を洗って、目を覚ましてくる。君は少し待っていてくれ…」

「はい…ごゆっくり。けど、もうじきコンサートは終わってしまいそうですよ…?」

「…それまでには戻ってくる」

 そうぶっきらぼうに言い捨てて、御堂は静かに立ち上がり…店の入り口の
方にあるトイレの方まで歩いて向かっていく。
 克哉はその様子をクスクスと笑いながら見送っていくと…ふいに…
ピアニストは鍵盤の高い処から低い方へ指を華麗に滑らせて…
フィニッシュを決めていく。
 演奏が止むと同時に、溢れんばかりの拍手が湧き上がる。
 その頃には若いピアニストの全身は汗だくになっていて…まるで
長時間全力疾走を終えた後のような状態になっていた。
 隣に座っていた若い男性が、演奏が終わると同時に舞台の方へと
向かっていって親しげに語り掛けていく。
 多くの聴衆が、演奏をしていた三人…特に一番華がある若いピアニストの
方へと群がっているのを見て、克哉は少し心配になっていく。

(御堂さん、今夜はあの人に話を持ちかけたりするのかな…?)

 彼はあくまで、これから御堂が手がけることになるビオレードの
CMソングを作るアーティストの候補の一人だ。
 今夜は彼の実力を測る為に下見の目的でやってきた訳だが…
一体御堂は今夜、この後どう動くつもりなのか…克哉には読めなかった。
 あまり詳細は克哉に語ってくれてはいないが御堂が候補に入れている
アーティストの数は十人近くは現時点でいた筈だ。

(…それとも今夜みたいな視察を、これから何度もするつもりなのかな…。
お忍びみたいな形で…)

 そう思うと、カッっと頬が熱くなる想いがした。
 …まさか、コンサートの最中にあんな真似を…まさか達せられる
処まで追い上げられるなんて予想もしていなかっただけに未だに
恥ずかしくて仕方なかった。
 自分の方からピアニストに声を掛けて引き留めた方がいいのか、
もしくは…このまま今夜は聴衆に徹して大人しくしていた方が最良なのか
判断が付きかねていった。
 御堂が戻って来るまで、葛藤しながら…舞台の周辺を観察していくと
ピアニストは何か楽しそうに笑っていきながら、隣の席の男性と肩を
組んで…手をバイバイ、とするように振っている。

「…もしかして、どっか移動しようとしているのか…?」

「お、お客様…どうなされましたか?」

 そう思ってガタっと音を立てて席を立ち上がろうとした瞬間…
いつの間にか近くに立っていたボーイが心配そうに声を掛けていく。

「あっ…はい。な、何でもありません…」

「お客様、今夜のコンサートも無事終わりましたし…そろそろ当店は
カクテルの方はラスト・オーダーの時間です。何かご注文等は
ありますか?」

「えっ? カクテルはラスト・オーダーって…どういう意味ですか?」

「…普段なら当店は午後二時ぐらいまで営業しているんですが、
カクテルを作れる係の者に急用が出来たらしくて…本日は二十四時まで
しかおりません。ですから…本日は今がカクテルに関しては
ラスト・オーダーとなってしまいます。ご了承下さいませ…」

「そ、そうなんですか…どうしよう…」

 だが、御堂はあれから五分程度が経過したが…まだ戻ってくる
気配はない。
 もしかしたらトイレに行く間…海外の支社の人間と電話かメールで
打ち合わせでもしているかも知れなかった。
 ビオレードの企画が動き始めてから、時差のある向こうの支社と連絡をする為に
夜半に連絡を取る姿は決して珍しいものではなかった。

(俺はウィスキーで良いとして…孝典さんは何を注文しようか…?)

 御堂はワインを愛飲している。
 オーソドックスに言えば、赤ワインのそれなりに良い銘柄の品を頼むのが
セオリーなのは判っていた。
 けれど…今夜、このバーに来て…御堂は初めてカクテルに深い関心を
寄せてくれた。
 実際に作るのが趣味である克哉は、意外に深くカクテルの知識を
持っている。
 …赤ワインや白ワインを、馴染みのワインバーで飲むのに不満を覚えている
訳ではない。
 だが、愛しているあの人に…少しだけでも、自分が興味持っているものを知って
貰いたいと…そんな欲求が静かに湧き上がってくる。
 克哉があれこれと考えていると、30代初めぐらいの年頃のボーイは柔らかく
微笑みながら、こう告げてくれた。

「…まだお考えのようですから、一回りして参ります。その頃までに…
ラスト・オーダーの品を考えておいて下さいませ」

「あ、はい…わざわざありがとうございます」

 相手からのさりげない気遣いを感じて、克哉は礼を告げていきながら…
必死に思考を張り巡らせていく。

(カクテルって…使ってある酒とか、名前とかに色んな意味とか語源があって…
意外に奥深いんだよな。それに…オレばかり、孝典さんに翻弄されて良いように
されるのも何か悔しいし…。せめて、御堂さんがアッというようなそんなインパクトが
ありそうなものが…何かあったかな…?)

 そう、例えば…カクテルを使って…今の自分の気持ちを伝えるというのも
悪くないかも知れない。
 もしくは、秘められた意味がある品を注文して…さりげなく普段伝えられないでいる
自分の想いを示すのはどうだろうか?
 御堂が目の前にいない分、克哉の思考は大胆になり始めている。
 そう、自分ばかりが御堂に一方的に翻弄されてしまうなんて…フェアではない。
 …其処まで考え始めていくと、目の端で…ピアニストと若い男が店の外に向かって
行く姿もいつの間にか気にならなくなっていた。
 御堂の意識を逸らす者は、他はいらない。
 …あの人の心をくすぐれるような、刺激出来るような品は何か…ただそれだけを
必死に考え始めていった。

(そうだ、これが良い…!)

 そして記憶を探っている内に、一つのカクテルを思い浮かんでいく。
 その奥に隠された意味、それは恐らく…自分が伝えられないでいる想いを
彼に示すのに相応しいと…確信していった。
 その直後にさっきのボーイが声を掛けてくる。

「そろそろ…お決まりになりましたか?」

「えぇ…決まりました」

 そうして、克哉は愉快そうに微笑みながら…一つのカクテルの名前を
口にしていった。

―そして御堂が、海外支社とのやりとりを終えてテーブルに戻って来た頃には…
彼らのテーブルの上には、澄んだ青紫色の液体の入ったカクテルグラスが
二つ…静かに置かれて、その傍で…克哉が優艶に微笑んで待っていたのだった―

 
※お待たせしました。
 6月25日から新連載です。
 今回のCPは御堂×克哉となります。
 テーマは酒、(「BAR」&カクテル)です。
 鬼畜眼鏡Rで、太一×克哉ルートで克哉が軌道が乗るまでアメリカで
BARで働いていたという設定を見て、御堂×克哉でもカクテルやバーを
絡めた話が見たいな~という動機で生まれた話です。
  その点をご了承で、お付き合いして頂ければ幸いです。

 秘められた想い         

後、今回の連載の作中に使用されているミュージックのリンク。
どんな曲なのか知りたい方はどうぞ~。

 『A列車で行こう』
 『いつか王子様が』
 JAZZソング集 1. Fly Me To The Moon/フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
          2. The Girl From Ipanema/イパネマの娘
          3. Over The Rainbow/虹の彼方に
          4. Night And Day/夜も昼も
          5. When You Wish Upon A Star/星に願いを


―コンサートの終盤に差し掛かった頃、店内にはNight and dayの
しっとりとしていながら、軽快な旋律が響き渡っていった

 その場にいた聴衆の誰もが、舞台の上のピアニストが巧みな技巧で奏でる
メロディに聞き入っている。
 克哉とて、御堂にこんなチョッカイを掛けられてさえいなければ…
その美しいピアノの旋律に耳を傾けてうっとりしていた事だろう。
 だが、こんな異常な状況では…音楽に耳を住ませている場合ではない。

 ―クチャリ…

 布製のナプキンの下で、自分の勃ち上がった性器を直接触れられ…
糸を引かせている音に気づかされる。
 すでに克哉は耳まで赤くして、口元を覆ってその感覚に耐えている。
 自分自身の鼓動や、呼吸の音ですら過敏になっているせいか酷く
大きく聞こえて感じられる。

「や、め…て…孝典、さん…」

 今夜は視察の為に、このバーに来たという意識があったから…
決して下の名前を呼ばないようにしていた。
 だが…その線引きも脆くも崩れて、つい相手をそう呼んでしまう。

「…あまり大きな声を出すなよ。君の…乱れている顔を他の奴に
見せたくはないから、な…?」

「そ、んなの…」

 無理だ、と思った。
 こんな場所でこの人に淫らに触れられて…ビクビクと背筋が震えて
おかしくなりそうなのに。
 これが二人きりの場所だったら、この人に全力で縋りついて乱れ狂いたい。
 それだけの欲情が身体の奥から生まれている。
 御堂の指先が、こちらの幹の部分に絡まって、指の腹で敏感な
鈴口を丹念に擦りあげているのを感じ取って…息が詰まりそうな
快感を覚えていった。

「あっ…ぁ…!」

 高い声が漏れそうになるのを、咄嗟に指を噛んで堪えていく。
 止めて欲しくて、必死になって頭を振り続ける。
 それでも…御堂の手は更に淫靡さを増して…こちらを攻め立てる。
 脊髄から、熱い塊が生まれていくような疼きを覚えて…それが
怖くなって克哉は瞳を軽く潤ませていく。
 其れは生理的なものであったけれど…相手はこちらの涙に
気づいていくと…嗜虐的な笑みを刻んでいった。
 きっと相手は気づいている、手を握っていた時から…こちらが
感じ切って、期待をしてしまっている事を。
 御堂の瞳が、鋭く輝く。
 情欲に濡れて…普段よりも甘く、そして澄んで輝いているその双眸に
全ての意識が奪われそうになってしまう。


「見ない、でぇ…」

 消え入りそうな声で懇願するが、叶えられることはない。
 むしろ…こちらの快楽を一層煽るように…強気に微笑みながら
巧みに手を蠢かしていく。

「ダメだ…もっと、私に、見せろ…」

「はっ…ぁ…」

 お互いにしか聞こえない微かな声音で…言葉を交わし合う。
 殆どの客はピアノの音に聞き入って、自分たちのこの秘め事のような
やり取りには気づかないだろう。
 それが余計に興奮を生み、克哉の心を波立たせていく。

「た、か、のり…さん、もう…」

 御堂の手の中で、克哉のペニスはすでにはち切れんばかりに
なっている。
 先端からは先走りの汁が滲み、正気など木っ端みじんに砕けて
しまいそうだ。

「あぁ、イクと良い…私の手で、受け止めて…やる…」

「あっ…は…っ…!」

 耳元でそんな際どい事を囁かれたら、何も文句を言えなくなる。
 それにもう…この押し寄せる強烈な感覚に抗うことすらも
出来なくなった。
 それでも、コンサートの邪魔をする訳にはいかない。

(大きな声を漏らして、邪魔するようなことだけは…しちゃ、
いけない…!)

 それだけは最後の理性として働かせて、自分の指先をさっきよりも
一層強く噛み締めていった。
 おかしくなる一歩手前まで、愛しい人に追い詰められてしまっている。
 
「っ!!」

 そして息を詰めて、頭が真っ白になる感覚に耐えていった。
 半ば酸欠になり掛けて…眩暈を感じていった。
 そのまま、軽くテーブルに手を突いて突っ伏しそうになる。

(ダメ、だ…もう…こんな、所で…何て、頭の中…グチャグチャ、だ…)

 恥ずかしさといたたまれなさで、克哉は御堂の方をまともに見て
いられなくなって…慌てて周囲に目を逸らしてしまった。
 その瞬間、隣の席に座っていた男性が…怪訝そうな、かつ…先程の
御堂と似たような色合いの眼差しを浮かべていて…サーと青ざめて
いく思いがした。
 コンサート開催のギリギリに飛び込んできた若い男だった。

(も、しかして…気づかれて、いる…? 御堂さんに、今…オレが
何をされた、を…?)

 そう思うと、本気で神経が焼き切れてしまいそうだった。
 時間にすれば、十分前後だったが…酷く濃密な時間を過ごした分、
余計に他の誰かに気づかれてしまった事実に羞恥を覚えていく。
 だが相手はこちらと一瞬だけ目が合うと、さりげなく視線を逸らして
知らぬふりをしてくれたのが救いだった。

(よ、良かった…騒がれなくて…本当に…)

 それで少しだけ安堵したが、呼吸は未だ荒くて…身体に満足に
力が入らない。
 克哉がくったりとテーブルの上に突っ伏していると…そうして
コンサートのラストを締めくくる、まるで子守唄のように穏やかな雰囲気に
アレンジされた「星に願いを」が静かに流れ始めていったのだった―

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香坂
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職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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