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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※7月25日からの新連載です。
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
 他のカップリング要素を含む場面も展開上出てくる場合があります。
 それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。

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―御堂は大いに、葛藤していた

 昨晩、克哉と顔を合わせた時から芽生えた唐突な想いと…
先程、謎の人物から脅迫された事実に彼の思考は大きく
占められてしまっていた。
  電話の向こうでほくそ笑んでいた人物は、昨晩の克哉との
公園の情事を切り出していき…其れを撮影したと言って来た。

―貴方のような社会的地位がある人物が、こんな事をしたと判明して
例えばインターネットとかにその画像が流失とかしたら、MGNは
大打撃を食らいますよね…

 電話の相手は、ヘリウムガスでも使用していたのか非常に
高い声をしていた。
 そのせいかとても人間の声の響きとは思えない不自然な声音で
そう言われる様は…どこか現実離れしていた部分があった。

―詳細は、明日送られてくる書類の中に記してあります。この画像を
流失とかさせたくなかったらどうすればいいのか…詳しく言わなくても
判りますよねぇ?

 凄くイヤらしい口調でそう念を押していくと、電話は唐突に切れていった。
 克哉の事だけでいっぱいだった頭の中は、今度はその謎の脅迫者に
対しての疑問で埋められていった。

(どうして昨晩の情事を撮影なんて出来たんだ…?)

 まず、御堂は混乱しながらもその点に対して最大の疑問を
感じていった。
 そう…普通に考えれば有り得ない事だった。
 御堂が克哉への想いを自覚したのは、嵐のような激しい感情を抱いたのは
『街中で偶然に彼の顔を見た直後』だからだ。
 其れまで佐伯克哉という人間が、御堂の心の中を大きく占めていたかと
いうと答えは否、だった。
 むしろ昨晩は…御堂自身が、突然芽生えたその激しい想いに戸惑いを
覚えているぐらいだったのだ。

(そう…私が彼を欲しくなったのは。想うようになったのは…『昨日』からだ。
それなのにどうして…第三者が、撮影なんて出来る…?)

 そう、以前から彼を想っていたというのなら後をつけていたと言う事で
撮影出来るかも知れない。
 だが…『昨日』芽生えて、そして衝動のままに克哉を何度も公園で
激しく抱いてしまった。
 何故、其れを誰かが撮影など出来るというのだろうか?
 御堂は、Mr.Rの存在を知らない。
 あの謎多き男なら…人の思惑を、そして行動をさりげなく読んで幾重にも
策謀の糸を張り巡らせる事ぐらい決して難しい事ではない。
 けれど…御堂は彼の存在を知る由はなかった。
 だからこそ何者かの悪意を感じたが、その正体が誰であるかまでは
思い至る事が叶わなかった。

「まさか…彼の存在、そのものが私を陥れる為の罠…だったというのか…?」

 其れは、確証はない。
 けれど…可能性の一つとして確かに存在しているのも事実だった。
 昨日の佐伯克哉の身体から立ち昇っていた蟲惑的な香りが、御堂の心を
大きく乱して…捕えていった。
 だが…今まで、彼の身体からあのような匂いを感じた事が過去に一度
だってあっただろうか?
 あの香りを鼻腔に感じてから、自分がおかしくなったという事実はあった。
 急速に佐伯克哉という存在に、心を惹かれていった。
 だが其れで彼を衝動のままに犯した翌日の夜に…何者かに脅迫されて
しまったというのは、明確な悪意を感じた。

―まるで、御堂が其処で彼を犯してしまう事を知っている…其れを
教えた第三者がいるかのように…

 その事を考えた時、御堂の心の中に克哉に対して疑う気持ちが
芽生えていった。
 まさか、と否定したい気持ちの方が勝ったが…その疑問は彼の中に
大きな黒い染みを作りだしていった。

(克哉…君は、私を陥れる為に…昨晩、あの匂いを纏って姿を
現したのか…? あの男と、君はどんな繋がりを持っているんだ…?
教えてくれ、君は一体…何なんだ…? 訳が判らない…!)

 そして耐えられず、感情的にドン! と大きく机を叩いて…その憤りを
散らしていった。
 一人で考えれば考えるだけ、悪い方に思考が流れていくのが
耐えられなかった。
 
「私は…君を、好きになっただけ…なのに…! どうして、こんな風に
君を疑わないといけないんだ…! こんな真似、したくないのに…!
どうして他の男に抱かれていた! 何故こんなに電話をしているのに…
メールを送っているのに…君は何の反応もしてくれないんだ!
こんなにも私の心を大きく惑わす! ほんの僅かでも良い…何か
答えて、くれ…!」

 想う人間から、何の反応もないのは何よりも辛い事だ。
 自分だけが、一人相撲を取っているような気分になるから。
 御堂とて衝動的に相手を抱いた事で、不安だった。
 だからこそ貪るように相手を激しく抱いてしまった。
 少しでも克哉の中に己を刻みつけたかったから。
 なのに、今は…相手の反応がないままのせいで、悪い思考回路が
消えてくれない。
 
(君が私を陥れる為に…不思議な匂いを纏って誘惑しただなんて…
そんなの信じたくない…。考えたくない。なのに…君から何の反応も
ないせいで…そんな風に疑い始めている。克哉、君は何故…私に
何一つ返してくれないんだ…?)

 たった一通のメールでも、どれだけ短いものでも…克哉から
返信があれば御堂はここまで極度の不安に陥る事はなかっただろう。
 けれどあれだけ激しく求めたのに、抱いたのに克哉から何の反応がない
事実は急速に御堂の心に大きな闇を作り上げていく。
 其れは疑心暗鬼という名の、暗くて切ない感情だった。

「克哉、どうして…君を、信じたいのに…! 何で私に何の反応を
返してくれないんだ…! 何も…!」

 そして、滅多に泣かない筈の男は…悔し涙を一筋だけ流していく。
 知らない間に、彼は盤上に立たされて…黒衣の男の手によって操られ…
大きく翻弄させられていく。

―彼はまだ、その悪意の主の正体に気づく事もないまま…静かに操られ、
そして…苦悩をさせられ、一人で苦しみ続けていたのだった―
 
 

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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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