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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 お待たせしました。ようやくアップです。
 …この内容、読む人を選ぶ内容だと思うので…咎人~の27話は、
本文部分を隠して掲載させて頂きます。
 アップし終えたら、記事の後ろに「つづきはこちら」と
出ますのでそれをクリックしてくださいませ。

 香坂自身は書きたい、と思って書くけれど…客観的に見て
人によっては理解出来ない。受け入れなれないかも…という内容なので
多少変えるか、自分の中で浮かんだままで掲載するかすっごい
ここ暫く…凄く悩んだんですよ。
 考えた末にこういう形で、掲載させて頂くことにしました。

 …香坂は大切な人が死んだ時点で終わりだとは思わないです。
 幽霊だろうが何だろうが、大切だった人の気配が感じられるなら…
其処にいてくれるなら、周りの人間が何と言おうが…それは
幸せだと、私は思う。
 けどあくまでこれは私の考えなので、この考えが後ろ向きと思ったり
幽霊となった相手と恋をして真剣になる。向き合う。
 そういうのに共感出来ない、拒絶反応示しそうだと感じられる方は…
この話を読み飛ばして下さるようにお願い致します。
 興味ある方だけ、どうぞです(ペコリ)

4月24日からの新連載です。
 無印の眼鏡×御堂ルートのED.NO「因果応報」を前提にした話です。
 シリアスで、ちょっとサスペンス風味の強い話です。
 眼鏡×御堂ルート前提ですが、眼鏡なしの克哉も色々と出張ります。
 それでも良い、という方だけ付き合ってやって下さいませ。
 最近掲載ペースが遅めですが、それでも付き合って下さっている方
どうもありがとうございます(ペコリ)
 やっとどの場面を出していくか決まったのでエピローグ行かせて頂きます~。

 咎人の夢(眼鏡×御堂×克哉)                             10
                                                        11  12  13  14  15 16  17 18 19 20
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  ―愛の形には、多様性に富んでいる

 知識としてそれを知っていても…実際に、こういう形で御堂を受け入れるまで
克哉にはその言葉の深みを思い知ることはなかった。
 墓参りの後、自分のマンションに戻ると夕食と入浴を済ませて…克哉は
緊張した面持ちでパジャマに袖を通して、寝室まで赴いていった。
 
 ドックンドックン…ドックン…

 まだ、この行為に慣れていないせいか…心臓が別の生き物になってしまった
かのように荒い鼓動を繰り返していく。
 明かりが灯っていない漆黒の闇の中。目を閉じて深呼吸をしていくと…
濃密に、自分とは違う他者の気配を感じ取っていく。
 彼が己の身体の中にいない時、克哉は時に…本当に御堂の魂が
其処にあるのか不安になったり、疑いたくなる瞬間がある。
 だが…今、彼はこちらを求めている。
 その強い気持ちが…普段は儚く、ぼんやりとしか感じられない御堂の
魂を、はっきりと感じさせていく。
 命の灯、という存在を…魂というものが本当にあるのだと、そう実感出来る
瞬間。克哉はベッドに横たわり、こちらの方に歩み寄ってくる
御堂を…
ギュっと目を伏せながら受け入れていく。

―この人の全てを受容するように。この身体の全てを明け渡すかのように…
一切の抵抗を止めて、己の身体を相手に捧げていく

 瞬間、克哉の脳は…現実とは違う、別の存在をはっきりと浮かび上がらせる。
 それは幻想、空想に浸るのに近い感覚かも知れない。
 確かに、自分ではない存在が自分の身体の中に押し入り…何かを満たしていく。
 いつもならば、御堂を受け入れてもこのような抵抗を覚えることはない。
 けれど今は違う…脳内が焼けるぐらいに強烈な感覚が走り抜ける。

「あっ…はっ…」

 そして、誰に触れられている訳でもないのに…克哉は乱れ始めて、
荒い吐息を零し始めていく。
 御堂が、はっきりとした意思を持って…克哉の身体に刻みつけられた
ありとあらゆる快感に繋がる感覚を引きずり出していく。
 それは全身を、脳を…相手に支配されることに他ならない。
 自分ではない別の意思を持った存在に、肉体をコントロールされる。
 肉眼で据えられない存在に、直接触れ合えない相手を確かに今…
身体を通して、感じ取り…克哉は快楽を感じ取っていった。

―怯えなくて良い…私はただ、君を感じさせたいだけだ…

「は、い…判って、います…大丈夫…ですから…」

 触れられてもおらず、自らの感じる部位を自分で触れて慰めている訳でも
ないのに…克哉の身体は徐々に熱を帯びて制御を失っていく。
 一度でも体験して、脳が記憶している感覚を呼び覚ます形で
快楽を与えられていく。
 ペニスを執拗に弄られて、快楽を引きずり出されていく。

―君は本当に淫らな身体をしているな…こんなに、感じて…

「あぁ…あ…言わないで、下さい…」

 鼓膜ではなく、頭にはっきりと愛しい人の言葉が響いていく。
 ペニスが挿入され、繋がっているのとは異なる感覚で…相手を
受け止めていく。
 身体の芯に、熱いものが宿っていくようだ。
 肉体を伴わないで…交わるなど、触れられてもいないのに…相手が
こちらを乱そうと操作して、快楽を与えられるなど…そんなものを以前は
想像した事もなかった。
 けれど御堂ははっきりとした意思を持って…克哉を啼かせていく。
 その瞬間、ドクンと…大きく心臓が高鳴っていった。

―私はここにいる…

 そう訴えるように、自分の身体の内に…別の存在を感じ取る。
 胸の中が熱くなり、それだけで息苦しいぐらいとなる。
 恐らく第三者が目撃したら、正気を疑われそうな光景。
 そうしてベッドの上で身悶えて、呼吸を乱し続けている内に変化が
訪れていく。
 意識が徐々に遠くなり、頭が真っ白になっていく。
 一種のトランスに近い感覚。この瞬間に未だ克哉は慣れず、恐怖すら
覚えていく。
 自分が自分でなくなってしまいそうな、現実と夢の狭間を彷徨う不安定な感覚。
 
「んっ…ぁ…! 御堂、さん…!」

 その瞬間、闇の中に一瞬だけ強く…彼の姿が、浮かび上がる。
 どこまでもどこまでも…抱き合いながら意識の深い処に堕ちていって…
そのまま、気づけば現実から夢の中へと心はスライドしていった。
 半分目覚めながら、意識のもう半分は…白昼夢を見ているように…
現実とは違う光景を、感覚を捕えていった。

―御堂、さん…!

 強く求める心が、克哉の深層意識の世界を舞台に…束の間、
愛しい人を具現化させていく。
 現実と夢の狭間、一種のトランス状態になった時だけ…触れ合える恋人。
 それは克哉の身体に、心に強く負担を掛けていく。
 だがそれでも…感じ取りたい一心で、克哉は必死になって腕を伸ばしていき…
御堂の身体を抱きしめていく。

―克哉…

 御堂の身体は、生身ではない。けれど…触れ合える。
 確かに実感を持って、抱き締められる。
 全ては夢なのかも知れない。だがどんな形でも、この人と抱き合い…
存在を感じ取れるなら、それで構わなかった。
 人に話したら、こんな体験…きっと信じて貰えない。
 今の御堂は誰にも知覚されることも、見えることもない。その存在を受け入れて
こんな風に勝手に身体を乱されて…夢と現実の境でだけ逢瀬を重ねて触れ合って
いるなど…正気を疑われるだろう。

―御堂さん…大好き、です…だから、もっと…貴方を…

―あぁ、判っている…。君と…同じ、気持ちだ…

 けれど、今の克哉には…例え当に亡くなっている存在でも…
この世の誰よりも、この人が愛しいのだ。
 現実と異なる空間で、御堂に組み敷かれて…抱かれていく。
 何かが、身体中に満たされていった。
 それは時間に戻したら、本当に短い時間かも知れない。
 けれど確かに繋がっているのだと…その充足を二人は、この瞬間に
確かに感じとっていった。

―御堂さん…

 そして、心は溶け合っていく。
 セックスの快感とはそれは違う感覚だ。
 短い時間でも、紛れもなくこの瞬間…一つになれているのだと実感出来た。
 嬉しくて、切なくて…そして強く彼の存在を感じて…肉体的な快感とは違う
脳を焼くような鮮烈な熱さを感じて…達していく。

―克哉…

 はっきりと、御堂が自分の名を呼ぶ。
 そして…絶頂に導かれて身体が強い疲労感を覚えると同時に…
トランスが溶けて、意識が現実に戻されていく。
 それでも…己の身体の中に、御堂の魂が収まっているのを感じて…
深く溜息を突いていった。

「はっ…んっ…」

 克哉は熱っぽい瞳を浮かべていきながらベッドの上で仰向けの恰好で
ぐったりとなっていった。
 まるで何かに憑りつかれて…勝手に一人で盛り上がっているような光景。
 けれど…この世でただ一人、克哉だけは御堂が常に自分の傍にいてくれて…
そしてこの身を介して存在していることを感じている。
 通常のセックスとは明らかに違う、けれどそれに近い行為であるのは確かだ。
 けれど例え短い時間でも…心が溶け合っていると、そう感じられるからこそ…
確かにこの行為に充足感はあった。

(凄く変則的だけど…こういう形で、愛を交わすのも…有、なんだな…)

 荒い呼吸を整えていきながら、克哉はそっと瞼を閉じていく。
 その瞬間、唇に何かが掠めていった。
 昼間に感じたものよりも、少しだけ強くはっきりとしている気がした。
 そっと瞼を閉じていくと…やはり、一瞬だけ強く御堂の魂が浮かび上がり…
心から克哉は嬉しそうに微笑んでいく。
 きっと、傍から見れば今の自分は狂人に見えるだろう。
 亡くなった存在に恋して…その魂とこうして共に存在して、身体すら委ねて
乱されているのだから。
 けれどそれで良い。この人を受け入れること…共に生きていくことは
自分が望んだことでもあったのだから…。

―もう少し君と繋がっていたいが…これ以上は、次の機会にな…
一度にこれを長く続けると…恐らく、君の心を食らい尽くしてしまう
かも知れない…

 そう告げられて、キュッと瞳を閉じていく。
 何よりも満たされる瞬間は、克哉の心を食らい尽して飲み込みかねない
行為でもある。
 魂と魂の境界線を曖昧にする行為。それが自分たちにとってセックスに
等しく、唯一…一つに溶け合えていると実感出来る瞬間でもある。
  自分たちのこの行為は、生殖行為とはかけ離れている。

 それでも…行うのは、御堂の中に強烈な意志があるからだ。
 克哉もそれを感じ取っている。
 肉体を失った状態でも、他者を求める気持ち。
 否…ないからこそ、御堂はこの世でただ一人…今の自分を受け入れて
知覚する克哉にいつしか執着するようになったのかも知れない。
 男の本能には、自分の遺伝子を残したいという欲求がある。
 今の彼には、肉体が伴わないから本来の目的では果たせない。
 だが、代わりに己の存在を克哉の心に刻みつけたいと…その想いが
伝わってくるからだ。。
 まだこの行為に戸惑いを感じつつも…彼が、受容しているのは…その心を
強く御堂から感じているからだった。 

「それでも…構いません。貴方に…奪われるならば…オレにとっては
本望、です…」

 そう、いつ…このバランスが崩れて、自分という魂が御堂に飲み込まれて
しまうか判らない。
 そうなっても…克哉は構わないと思っていた。
 元よりその覚悟でこの人を自分は受け入れたのだから。
 ギリギリのバランスで自分たちは成り立っている。
 誰にも祝福されず、認められない関係。けれど克哉は…自分の心が
こうして在る限りは、出来るだけ長く御堂と共に生きたかった。

―私は嫌だな。私は君を気に入っている…だから、このままこうして
共に生きていきたい…。だからそんなことはもう、口にしないでくれ…

「…けど、それがオレの本心です…」

 そう強い意志を込めてそう告げていくと…御堂が困ったように肩をすくめて
いったような気がした。
 その瞬間、御堂にかつて抱きしめられた感覚が鮮明に蘇り…再生されていく。
 それに包みこまれて、克哉は安堵の息を漏らしていった。

―貴方を愛しているのなら、全てを捧げられるなら…むしろ、幸せですから…

 献身的過ぎる自己犠牲とも呼べるぐらいの愛情。
 それが…確かに、彼らの在り方をこの半年の間に変えていった。
 正気と、狂気の狭間に…今、自分はいるのかも知れない。
 けれど…今の克哉には、もう…御堂なしの人生は有り得ない。
 共に生きるようになって、彼の成したいと望むことを代わりにこの身を使って
体現出来るように努力し続けている。

 そして…同時に、彼からも知識を、経験を沢山与えられて…この半年で
克哉は飛躍的に伸びていった。
 一番近い場所で、この人に認めて貰える喜びを。
 自分の能力が確実に伸びていって、今までと違った視点で世界を
見られるようになった変化を克哉は確かに感じている。
 貴方を、心から尊敬しているから…いつか、自分の身体が完全に
彼に乗っ取られる日が来てしまっても克哉は決して後悔しないだろう。
 それぐらい…今の克哉には、御堂孝典という存在は大切なものに
なってしまったのだから…。

―まったく…君には困ったものだ…

 そう告げながら、御堂は温かく笑ってくれている気がした。
 その瞬間、確かに満たされて…嬉しくなる。
 自分たちがしてしまった罪を思えば、この幸せは法外過ぎるぐらいだ。
 幸福を噛み締める度に、克哉は瞳が潤んでいくようで…そして、別の世界に
存在するもう一人の自分に、伝えたくなる。

 『自分は紛れもなく幸せだよ』

 その一言を、届けられたらと…克哉は切に思った。
 そうして…深い眠りに落ちる寸前、克哉はふと考えていく。
 あれから…もう一人の自分はどうなったのだろうと。
 向こうの御堂と、上手くやっているのかと…案じる気持ちは、幸せを
実感する度に徐々に大きくなっていった。

(お前に…伝えられたな。たった一言でも…『オレは幸せだよ』と…
そう、言えることが出来たら良いのに…)
 
 そう思いながら、克哉は意識の深淵へと緩やかに堕ちていく。
 幸せの形もまた、多種多様だ。
 誰に認められなくても…本人が、それに喜びや充足感を覚えているならば
それは幸福なのだ。
 どれだけの物を与えられても、手にしたとしても…本人が幸せと感じられなければ
何の意味もなさない。それが幸せの正体なのだから。
 それは一瞬で消える儚い泡のようなもの。
 けれど感謝をして、噛みしめることで心を満たせるもの。
 克哉は、御堂の魂が優しさを取り戻し…常に自分の傍にいてくれて、導いて
くれているこの日々に喜びを覚えている。
 だからこそ、克哉は彼に直接告げたいと心から願っていた。

―克哉…

 そして、完全に意識が途絶える寸前…子守唄のように優しい声音で
御堂がこちらの名を呼んでくれた。
 胸に染みいるような嬉しさが込み上げていく。
 だから心から穏やかな笑みを浮かべて、克哉もそっと返していく。

―おやすみなさい、御堂さん…

 感謝の気持ちを込めて、愛しげに克哉はそう心の中で思って…
意識を手放していく。
 そうして…月明かりに照らされながら、安らかな寝息を立てる克哉の
その表情はとても穏やかで…幸福に満ち足りていたのだった―

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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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 …一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
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