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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※7月25日からの新連載です。
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
 他のカップリング要素を含む場面も展開上出てくる場合があります。
 それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。

 恋人の条件                        10 
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―謎の男から渡されたカードキーを使って、閉ざされた扉を開いていくと其処には…御堂にとっては酷とも言える光景が広がっていた
 
 その光景を目の当たりにして、御堂は頭が真っ白になりかけていった。
 これが現実の出来事なのだと認めたくない心理がとっさに働いていく。
 
「いやぁ、だっ…! も、もう…止めて、下さいっ…! はっ…あああっ!」
 
 淫蕩な表情を浮かべて、必死になって抵抗するようにジタバタと身を
震わせている克哉の姿が真っ先に視界に飛び込んでいった。
 両手を後ろで縛られて、スーツやワイシャツのボタンを幾つか引きちぎられて
…赤くとがった乳首をチラリと覗かせていきながら…大股を大きく開かせて、
深々とバイブレーターを飲み込まされていた。
 そして赤いオシャレ眼鏡を掛けた若い男は…夢中になって克哉を淫具で
責め立てながら、傍らにハンドタイプのビデオを設置して撮影していた。
 克哉を追い立てるのに男は夢中になっていて、食い入るようにその痴態を眺めていた。
 其れが御堂の中に、殺意めいた衝動すら生み出していく。
 愛しい人間を拉致した上に、AVまがいの事をして追い立てている見知らぬ
男をどうしても許せなかった。
 普段の御堂は、むしろ理性的な人間だ。
 MGN社内ではどんな事態を前にしても冷静さを失う事はないと称されている程だった。
 だが…恋愛感情は人を大きく狂わせてしまうものだ。

―殺してやる

 瞬間的に、そんな衝動が芽生えても…佐伯克哉という人間に対して
強い恋愛感情を抱いている以上、仕方ない事だった。
 だがそれを拳に強く爪を立てて…唇を噛み切ってうっすらと血が滲むぐらい
力を込めて噛みしめる事で耐えていく。
 全力で吠えて、相手を殴りつけてやりたかった。
 顔の形が変わるぐらい、歯を何本もへし折ってやるぐらいに殴りつけて
この憤りをぶつけたかった。

(…この男を許せない! だがどんな相手でも…感情のままに殴りつけて
『殺してしまう』のだけは許されない事だ…)

 ギリギリの処で、一呼吸をどうにか置いていく。
 多分、相手に対して殺意を抱いている状況で…実際に殴るという行動を
実行に移してしまったら、歯止めが効かなくなるのを恐れてだった。
 恐らくどんなに卑怯な相手でも、克哉を拉致してこうして淫具で攻め立てるような
ゲスな男でも…今の日本の法律では、情状酌量の余地など認められない。
 ここで感情のままに行動をすれば相手を殺した、殺されたという事実だけが
残っている。
 男は御堂が部屋の中に入って来たのに気づいていない。
 明らかな敵意と、こちらに対して害を成そうとしている…それらの行動を
相手が示さない限りは、もし衝動的な行動を取れば…御堂の今まで築き上げて
来た社会的な基盤や地位を一斉に失う事になるだろう。

「…克、哉…」

 全身を怒りで震わせていきながら、愛しい存在の名をそっと呟いていく。
 その瞬間…目の前で信じられない事が起こった。
 一瞬にして、こちらに横顔を向けている澤村達と…そして、自分との間に
人の背丈程もある大きな金属製の燭台が現れて、煌々と蝋燭の火を
揺らめかしていた。
 外国の映画などに出てくる、古めかしい洋館の中にあるのならば…ごく自然に
馴染む代物だろう。
 だが、近代的な内装のホテルに…突如として現れるのは流石に不自然過ぎた。

(…何故、こんな物がここに一瞬にして現れたんだ…? 私が部屋に入って
来た直後には間違いなくなかった…!)

 その事に猛烈な違和感を覚えて、後ずさっていった。
 まだ名前を知らない…赤いオシャレ眼鏡の男は克哉を道具で攻め立てて、
辱める事に夢中になってて…この燭台の事にも、御堂の存在にも気づいた
様子はなかった。
 恐らく、今の御堂にとっては…澤村に向かって振りまわして殴りつけるのに
これ以上に適した物はなかっただろう。
 目の前に、丁度良い位置に突如として現れた凶器の存在に…御堂の心は
大きく揺れていった。
 きっと、これを手に持って振り翳していけば克哉を助けられる、と。
 人殺しをする訳ではない、この男を殴りつけて…彼を救出する為の時間を
稼ぐ事が出来ると、そう摩り替えを行っていく。

(克哉を、助ける為だ…。それぐらいなら、許される筈だ…!)

 そうして歩み寄って、御堂はその燭台を手に取ろうとしていった。
 だが…寸前で、頭の中に警鐘が鳴り響いて…ギリギリの処で踏み止まっていく。
 胸の中に、ジワリと黒いものが広がっていくのを感じていった。
 此れは澤村に対しての強い怒りと、殺意である事を感じ取って…幾ら、捨て去ろうと
しても…切り替えようとしても、今…克哉を好きなようにしているこの男に対しての
怒りや憎しみを抑える事は出来なかった。
 同時に、御堂にとってこれは今まで築き上げて来た全ての物を水泡に帰してしまう
ぐらいに悪質な罠でもあったのだ。

―お前など、殺してやりたい…! 私の克哉に、これ以上触れるな…! お前ごときに
…触れる事など、許さない!

 そう強い感情を抱いていきながら、御堂は…同時に、人を殺しかねない心理状態を
恐れていった。
 結局、数分の葛藤の末…出した結論は、燭台を手に取らずに…代わりに常に
護身用に持ち歩いているスタンガンを用いて相手の自由を奪う事だった。
 怒りで燃えたぎるようだった眼差しが…いつもの冷静さを取り戻していった。
 御堂は、感情のままに行動するよりもどうにか其れを己の中で噛み殺して…
少なくとも相手の生命に支障が出るような行動に移すのだけは食い止めていった。
 スーツの上着のポケットの内側からそれを取り出していき、電源を入れていく。
 バチっと、火花が散るのを感じて…鼓動が荒くなっていくのを自覚していった。

(克哉…今、君を助ける…!)

 そうして御堂は静かな足取りで相手に気づかれないように息を殺していきながら…
ふと、一つの事実に気づいていった。
 部屋の照明が、灯っている事に。
 室内に入った直後には特に何も感じなかったが…其れに猛烈な違和感を
覚えていった。
 最近のカードキーを導入しているホテルでは、入口付近にそのカードを
機械に差し込まない限り…照明の類は使えない仕様になっている構造を
している事が多い。
 御堂は冷静さを取り戻して、行動に移す瞬間…その中に自分が用いた
カードキーとは別の物がその中に入っているのを確認していった。
 通常、カードキーは宿泊客に対して一枚しか手渡されない。
 そして何かトラブルが起これば、『マスターキー』によって対応していく。

―そう、通常は一つの客室に対して二枚のカードキーなど存在しえない筈なのだ…

 その事に気付いた瞬間、何か得体の知れない恐怖を覚えていった。
 そうして御堂が立ち往生して動けないままでいると…背後から、空気を切る
音が聞こえていって…誰かが、雄叫びを挙げて飛び込んでいくのを目の当たりに
していった。

「き、君は…! どうして、此処に…!」

 まるで獣のような咆哮を漏らして、予想もしていなかった人物が御堂が
手に取るのを恐れた燭台を手にして大きく振り上げようとしていった。

「待て! そんな真似をしたら克哉が傷つく可能性がある…!」

 そうして大急ぎで御堂は叫んでいき、その突然の闖入者の背後に回って、
その人物が燭台を手にして殴りつけていこうとするのを必死になって
止めていこうと試みたのだった―

 

 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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