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今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
他のカップリング要素を含む場面も展開上出てくる場合があります。
それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。
恋人の条件 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
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―克哉が目覚めたのは、澤村に拉致された場所の隣に位置する部屋だった
ここ数日、色々と葛藤して悩んでいた疲れもあったのだろう。
彼を救出する為に使った強烈な眠りを誘発する香のおかげで…相当に
深い眠りに陥っていた。
そのせいだろうか、目覚めた時の気分は極めてすっきりしていて…
この三日間で一番、晴れやかな目覚めでもあった。
軽く身体を起こして周囲を見回していくと、内装の方は殆ど違いはなかったのだが
微妙に違和感を覚えていった。
「あれ…? ここは…?」
「目が覚めたか…。こっちは待ちくたびれたぞ…」
「えっ…? もしかして、『俺』…? どうして、此処に…」
「…随分な言い草だな。お前を助けてこの部屋まで運んで来てやったのは
俺なのにな…。あのまま俺が介入しないままだったら、もしかしたら澤村以外にも
御堂や本多辺りにも良いようにされていたかも知れないんだがな…?」
その言葉を聞いて、克哉は瞠目していった。
眼鏡からそう言われた事をキッカケに、意識が落ちる直前の様子をぼんやりと
思い出していった。
澤村にバイブを挿入されて弄られている時に、御堂と本多が乱入して来て
その様を見られてしまった事。
そして喧々諤々の展開になっていた時に、猛烈な眠気を覚えてそのまま
寝入ってしまった事を思い出していった。
(そうだ、オレ…あの赤い眼鏡を掛けた人に…良いようにされてしまったんだっけ…。
幸い、抱かれるまでは至らなかったけれど、あの人に手を出されてしまったのは
事実だ…。オレ、本当にそういう事態に陥った時は無力だよな…)
そういえば、三日前にMr.Rから二週間程度、貞節を守る事が出来れば
もう一人の自分に会わせてくれるという条件を出された事を思い出していく。
なのに蓋を開けてみれば、二週間どころか…たった三日の間ですら自分は
貞操を貫く事すら出来なくて。
その事実に本当に鼻がツンと来て泣きたくなってしまった。
「あ…あの人、澤村って言うんだ…知らなかった。…オレの方には全く見覚えも
記憶もない人だったし、名前も判らなかったから正直惑っていたけれど…
そうか、たまにオレが夢に見ていた…泣きながら、こっちに向かって必死に何か
言っていたあの少年は…そういう名前、だったんだね…」
「…お前、その事を覚えているのか…?」
「あ、うん…。昔からたまに夢に見ていたから…。オレはずっと、その夢が
何なのか判らなくてモヤモヤしていたけれど…あの人に拉致されて色々と
話している内に…澤村って人が、たまにオレの夢の中に出ているあの泣いている
少年だっていうのだけは…何となく、判ったんだ。名前は今…お前に聞いて
初めて知ったけどね…」
「…そうか、お前の方にもあいつの記憶は存在していた訳か…。
其れは正直、意外だったが…元々は同じ身体を共有している訳だしな。
多少の記憶の流出や共有とかが起こっていても不思議ではないか…」
「うん、そうだね…。オレ達二人は…元々、同じ人間なんだからね…」
克哉がぼんやりと呟いた内容に、今度は眼鏡が驚く番だった。
其れは佐伯克哉という人間にとって、人生の中で最も痛手を負った記憶。
そして彼らの心が二つに割れる、キッカケの出来事でもあった。
けれど眼鏡のその後の言葉を聞いて、再び現実というのを思い知らされていく。
自分達はRの不思議な力が左右しているから…こうして今はそれぞれの
身体を持って、言葉を交わす事が出来ている。
けれど…其れがなかったら、自分達はこうして向かい合って話したり触れ合う
事など出来ないままだったのだ。
その現実を改めて思い知らされて…克哉は無意識の内に唇を噛みしめていった。
(やっぱり…オレがこいつを好きな事って…許されない事なのかな…?)
こうして向き合って話しているだけでも、胸の中にジワリと甘い感情が
広がっていくようだった。
こんな気持ちを、抱いたのは生まれて初めてで…だからこそ余計に、
それがもう一人の自分である事に切なささえ覚えていった。
真摯な眼差しで眼鏡を見つめていく。
大好きで仕方なくてただ相手を見ているだけで…二人きりでいるというだけで
身体の奥が疼いていくようだった。
―コイツに、触れて欲しい…。そして、オレからも…触れたい…
そんな気持ちが葛藤しながらも芽生えて、克哉は恐る恐る…眼鏡の
頬にそっと手を伸ばして触れていった。
相手の頬の感触が、酷く心地良く感じた。
それと同時にごく自然に言葉が零れていった。
「…大好きだよ…『俺』…。こうしているだけで、泣きそうになるくらい…」
今にも泣きそうなぐらいに瞳を潤ませながら、そう呟いていく。
一緒にいるだけで…幸せで、ドキドキして…どうかなってしまいそうだった。
眼鏡はそんな克哉を、静かに見つめていく。
「…そうか…」
そして眼鏡は、静かに目を伏せていきながらこちらの方に顔を
寄せて来た。
今は…余計な言葉など、何もいらなかった。
他の人間の事も、考えたくなかった。
もしかしたら貞節を守れなかった事。何度も他の人間に良いようにされた事を
眼鏡は内心怒っているかも知れない。
けれど…今だけは、こうして触れる事を…眼鏡を感じる事を許して欲しかった。
「ん…もっと、キスしたい…」
唇が一瞬だけ重なっていけば、離れた瞬間に思わずそう呟いていってしまった。
そしてその声が聞こえると同時に…眼鏡からの口づけは、熱のこもった
情熱的なものへと変わっていったのだった―
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当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
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